永遠の少年/踊る人生~『リアリティのダンス』
リアリティのダンス





 LA DANZA DE LA REALIDAD
 
 THE DANCE OF REALITY


 1920年代、南米チリの町トコビージャ。ロシア系ユダヤ人少年、アレハンド
ロ・ホドロフスキー(イェレミアス・ハースコヴィッツ)
は、抑圧的な父ハイメ(ブ
ロンティス・ホドロフスキー)
と、息子を父の生まれ変わりだと言う信心深い母、
サラ(パメラ・フローレス)
と暮らしていた。

 カルトの巨匠、アレハンドロ・ホドロフスキーの自伝から、少年時代のエピソ
ードを映像化した作品。なんと、23年ぶりの劇場公開作品とのこと。私にとって
初・ホドロフスキー。少し身構えていたけれど、赤いスクリーンに金貨が踊り、
「お金」 について語り始める監督を観て、「この人とは気が合う」 と確信(笑)。

リアリティのダンス2

 「アレハンドロ・ホドロフスキー」 の名前を知ったのは、実は今年の初め。
コラス・ウィンディング・レフン監督
が、あの怪作 オンリー・ゴッド を彼に捧
げていたのだ。賛否両論と言うよりは、圧倒的に 「否」 が多かったあの作品、
私はガツーーーンと脳髄に来た。その作品が捧げられた人物、気にならない
わけがない。

 もっともっと、タブーやフリークスやアブノーマルテンコ盛り、なのかと思いき
や、意外と身構えるほどでもなく。良識や規制からは限りなく自由ではあるけ
れど、心の痛みを知っているやさしい人
、というのが監督の印象。父ハイメが、
鳥の羽根で息子をくすぐり、「絶対に笑うな!」 というギャグ(?)のような虐待
のような場面で、何故か松本人志の顔が浮かんだ。「松っちゃんは、ホドロフス
キーを目指すべき!」
 と言いたい(笑)。

リアリティのダンス3

 鮮やかな色彩で、人間の内に在る神と業とのせめぎ合いを描いた作品。自ら
の原点たる家族と、幼少期を客観視できたとき、人は少しだけ大人になれるの
かもしれない。ホドロフスキーには、これからも 「全てのはみだし者たち」 にと
っての太陽で在り続けてほしいと願う。その命が尽きようとも。

 ( 『リアリティのダンス』 監督・原作・脚本:アレハンドロ・ホドロフスキー
      主演:ブロンティス・ホドロフスキー、パメラ・フローレス/2013・チリ、フランス)
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テーマ:この映画がすごい!! - ジャンル:映画

[2014/08/05 07:34] | 映画 | トラックバック(10) | コメント(6) |
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コメント
松ちゃんがホドさん化・・・
うーん、それは難しいんじゃないかと(苦笑)
[2014/08/10 16:27] URL | rose_chocolat #ZBcm6ONk [ 編集 ]
rose_chocolatさん(笑)。
コメント&TBありがとうございます。
あの場面だけはダウンタウンのコントみたいでした。
私、もう松っちゃんの映画は観ないって決めてるんですが、つい(笑)。
[2014/08/10 20:45] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
こんにちは。ご無沙汰してます。
「くすぐって、絶対に笑うな」
そうか、そういうところが松ちゃんぽかったんですね。
これ素晴らしかったなあ。難しいようでいながら、むしろ面白くて、案外心に響くんですよね。ホドロフスキーって不思議。
[2014/09/03 13:22] URL | とらねこ #.zrSBkLk [ 編集 ]
とらねこさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
お帰りなさい。九州、いいな~と思ってました。
私も旅行したい。

初ホドロフスキーだったのですが、これは初心者向けという感じで、わかりやすかったです。
過去作も観たいんですが、なかなかね。。
てか新作も観たい。また撮ってほしいな~。
[2014/09/04 12:08] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
真紅さんー、こちらにも。
これ、ご覧になられていたのね!
結構カルトな監督さんだったのね?
よく知らないで、表紙に惹かれてレンタルしちゃった。
結構面白くて、楽しめました。

そうそう、オンリーゴッド、未見なのよ。
真紅さんの記事読んで、見なくちゃ、って思ったわー。
[2015/07/01 17:20] URL | latifa #SFo5/nok [ 編集 ]
latifaさん、こんにちは~。コメント&TBありがとうございます。
そう、これ観に行ったよー、わざわざ(笑)。
でも、観てよかったと思うわ。。私も初見だったんだけど。
面白かったよね?

『オンリー・ゴッド』、もう、絶対、観てみて~~~。
なんか超ヘンよ。イカレてるよ。
私は昨年、裏ベストに入れたよ。
ゴズりんの初監督作も観たかったんだけど、レイトのみであっと言う間に終わってしまった(泣)。
[2015/07/02 11:42] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
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