あの頃/壁の花~『ウォールフラワー』
ウォールフラワー






 THE PERKS OF BEING A WALLFLOWER


 アメリカのある街。ウェブの世界がリアルを凌駕する、少し前の時代。心に
を抱えた内気な少年チャーリー(ローガン・ラーマン)は、高校に入学する。
孤独な日々の中、エキセントリックで独特な雰囲気を醸すパトリック(エズラ
・ミラー)
と、美しく奔放サム(エマ・ワトソン)という血のつながらない兄妹
との出逢いが、チャーリーの生活の全てを変えてゆく。

 「ようこそ。はみ出し者の島へ」

 アメリカで大ベストセラーになったという、スティーヴン・チョボスキーによる
自伝的青春小説の映画化。原作者自らが脚色し、メガホンを取るという、偶
然にも今年の必見作 あの頃、君を追いかけた と同じ生い立ちの作品
どちらも、私的にはど真ん中ストライクだった。観ている間中、胸が痛くて・・・。
青春の甘さと切なさ、若く無知であることの残酷さ、成長に伴う痛みを、余す
ところなく描いた秀作。もちろん、今年のマイベスト作の一本

ウォールフラワー2

 映画作品として観れば、(技巧的に)稚拙な部分ももちろんあるだろう。個人
的には、もう少しラストに余白があってもよかったとは思う。しかし、違う国で、
違う人種に生まれ、違う時代に育っても、スクリーンの中にかつての自分を見
つけることができる
のだ。作り手の誠意と情熱を痛々しいほど感じる、この瑞々
しく初々しい映画
を、好きにならずにいられない

 キャストは皆適材適所だが、とりわけエズラ・ミラーと、エマ・ワトソンが素晴
らしい・・・! 彼らこそが、この物語にを吹き込み、色彩を与えている。
複雑な家庭に育ち、それぞれの胸に爆弾を抱えている兄妹。苦し過ぎる現実
の中で、道化を演じることで辛うじてをしているパトリック。あれほどの重荷
を背負った10代の少年
リアルに演じることができる、10代の役者がいると
は・・・。エズラ・ミラー、恐るべし! そして、我らがハーマイオニーが劣化す
ることなく、美しいままで開花してくれたことも、とてもとてもうれしい。オリンポ
スの神々
に感謝したいほど(笑)。

ウォールフラワー3

 恋人や自分のために、レコード(!)FMから、音楽カセットテープ(!!)
ダビング(死語?)すること。音楽が人生の80%を占めていた 「あの頃」
私も長電話して、よく親に叱られたなぁ。誰もが傷つき、傷つけ、もがきながら、
明日を探していた
よき師(ポール・ラッド)に導かれ、誠実な医師(ジョーン・
キューザック)
による適切な治療を受け、生涯の友を得たチャーリー。

 ”Right now we are alive and in this moment I swear we are infinite.”

 ( 『ウォールフラワー』 監督・脚本・原作:スティーヴン・チョボスキー
       主演:ローガン・ラーマン、エマ・ワトソン、エズラ・ミラー/2012・USA)
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テーマ:心に残る映画 - ジャンル:映画

【2013/12/09 20:28】 | 映画 | トラックバック(21) | コメント(2)
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コメント
真紅さんーこんにちは!
やっと見れたよー。今日がレンタル開始日だったんだ。
面白かったよー。
テープにダビング、自分の好きな曲を集め、懐かしかったねー。

それにしても、パーティーとか、キツイわー。
壁の花になっちゃうのが解るから、最初から行かないって選択をする子もいるだろうね?
私も、こういう場は苦手なので、見ながら胸が痛くなったよー

 『あの頃、君を追いかけた』は、ツタヤ限定なのよね・・・だから、まだ見れてない・・・ぐすん、、、
【2014/06/03 18:04】 URL | latifa #SFo5/nok[ 編集]
latifaさん、こんばんは~。コメント&TBありがとう。
そうか、これもDVDになったんだね。この映画大好きだったよ、昨年のベストに入れたわ。
日本って、パーティ文化ってないもんね、、あるのか??
学校でそういうのがないから、社会に出て互礼会とか懇親会とか、苦手って人多いと思うよ。
私も全然得意じゃない。疲れる。。。。

『あの頃、君を追いかけた』も、もうDVDになってるんだ?
うちも、近くのツタヤがなくなってね、もうだいぶ前だけど。
ツタヤ限定って、何なんだろうね? もう、意味がわからん。
ネットレンタルに入ればいいんだろうけど、今ひとつ億劫で。
『キック・アス』もツタヤ限定だったから、DVD買ったよ^^;
【2014/06/04 21:45】 URL | 真紅 #V5.g6cOI[ 編集]
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