ある死刑囚の告発~『凶悪』
凶悪

 スクープ誌 『明潮24』 編集部宛てに、死刑判決を受けて最高裁に上告中
須藤純次(ピエール瀧)という元ヤクザから手紙が届く。自分には殺人の余罪
あり、主犯である 「先生」 と呼ばれていた人物・木村(リリー・フランキー)の罪
告発したい、という内容だった。記者の藤井(山田孝之)は須藤と面会し、真実
かどうかも定かでない事件
にのめり込んでゆく・・・。

 実在の事件を題材にしたフィクション。ピエール瀧、リリー・フランキーという、
者が本業でない二人の演技
が楽しみだったが、いや~、予想以上にキレキレ
した! ピエール瀧@梅さん(大将)に続き、リリーさんも 「朝ドラ」 ご出演はそ
う遠い話ではないかも(笑)。監督は、故・若松孝二監督の助監督を務めていた
という白石和彌。よろしくお願いします!

凶悪2

 しかし、山田孝之は本作では損な役回りである。どうしてもエキセントリック
な芝居になる 「犯人」 役の二人に比べ、ほとんど動きのない、地味で難し
い役どころ
だから。しかし、そこはさすがに山田孝之、巧く演じています。殺人
という狂気の残り香に魅せられ、職場も家庭も顧みぬまま、取り憑かれたよう
事件の周辺を探る藤井。彼が帰らぬ家には、妻(池脇千鶴)認知症の母
とが暮らしている。

 「悪い奴ら」 は必ず、社会の暗部に目を向け、美味しい蜜を吸おうとする。
本作の場合、彼らは高齢者たちの孤独な境遇につけ込み、保険金や土地を
巻き上げる。彼らの中には、「罪の意識」 というものなど存在しないかのよう
に。そしてラストシーン、木村の指が示すもの。殺人者の 「死刑」 を願うこと
は、快楽のように殺人を重ねることと、少なくとも等価ではない。しかし、失わ
れるのは同じ一つの 「命」 なのだ。「お前も所詮、同類だ」。藤井に向けら
れた、木村の冷たい眼差し身じろぎもできない

凶悪3

 電器屋の若旦那、誰かに似てる。どっかで観た、、、藤山寛美? 岡田監督?
あ、わかった。天然コケッコー のシゲちゃんでした。

 ( 『凶悪』 監督・共同脚本:白石和彌/主演:山田孝之、ピエール瀧、リリー・フランキー/2013・日本)
関連記事
スポンサーサイト

テーマ:邦画 - ジャンル:映画

【2013/10/10 07:49】 | 映画 | トラックバック(16) | コメント(2)
<<ハンパ者~『悪いやつら』 | ホーム | 約束の地~『エリジウム』>>
コメント
こんばんは

原作・・・なぜか去年買ってましたが
途中で気持ち悪くなって読破できずにいました。
でもそのおかげか予備知識あったので
映画はそんなに拒絶反応なく見れました。
これよりエグイ暴力的な韓国映画も山ほど見てきたのに
こちらの方がエグかった・・・・
日本の,実話ってとこがリアリティありすぎて怖かった。
それにしてもピエールさんもリリーさんも(フランス人みたい)凄い演技でしたね。
本職が裸足で逃げるわ,こりゃ。
後味は悪いけど観てよかったです
【2013/11/07 20:44】 URL | なな #-[ 編集]
ななさん、こんにちは。コメント&TBありがとうございます。
レスが大変遅くなってしまって申し訳ないです・・。

さて、この映画の原作を手に取られていたとは、、すごい先見の明ではないですか!
しかし文章で読むと、かなりキツそうですね。。。
ピエール&リリーのフレンチコンビ(?)の演技、ホント凄かったですね。
実は私はピエールさんの本職が何か知らないのですが(ミュージシャン?)、私の中では「板さん」「大将」です(笑)。
しかしあの二人の行為がかなり非現実的だったので、私は山田くんのエピソードのほうがじわじわきましたわ。。
確かに後味は悪いですが、こういうタイプの作品としてはかなりヒットしたそうで。
良作だから、納得だしうれしいですね!
【2013/11/12 07:25】 URL | 真紅 #V5.g6cOI[ 編集]
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
http://thinkingdays.blog42.fc2.com/tb.php/1416-bc4b4031
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
『凶悪』
□作品オフィシャルサイト 「凶悪」 □監督 白石和彌□脚本 高橋泉、白石和彌□キャスト 山田孝之、ピエール瀧、リリー・フランキー、池脇千鶴、       白川和子、吉村実子■鑑賞日 9月21日(土)■劇場 チネチッタ■cyazの満足度 ★★★☆(5★満点、☆は0.5... 京の昼寝〜♪【2013/10/10 08:11】
凶悪/山田孝之、ピエール瀧
新潮45編集部の取材記録を綴ったベストセラー・ノンフィクション「凶悪 ある死刑囚の告発」を基に『ロストパラダイス・イン・トーキョー』の白石和彌監督が山田孝之さんを主演に映 ... カノンな日々【2013/10/10 10:05】
凶悪〜今そこにある認知症
公式サイト。新潮45編集部原作、白石和彌監督、山田孝之、ピエール瀧、リリー・フランキー、池脇千鶴、白川和子、吉村実子、小林且弥、斉藤悠、米村亮太朗、松岡依都美、ジジ・ぶ ... 佐藤秀の徒然幻視録【2013/10/10 10:31】
凶悪 ★★★.5
死刑囚の告発をもとに、雑誌ジャーナリストが未解決の殺人事件を暴いていく過程をつづったベストセラーノンフィクション「凶悪 ある死刑囚の告発」(新潮45編集部編)を映画化。取材のため東京拘置所でヤクザの死刑囚・須藤と面会した雑誌ジャーナリストの藤井は、須藤が... パピとママ映画のblog【2013/10/10 11:19】
凶悪
2013年9月23日(月) 15:05~ チネ4 料金:1000円(チネチッタデー) パンフレット:未確認 繊細な人、やさしい人、気の弱い人は、見ないほうがいい。 『凶悪』公式サイト 実話ベース。 死刑囚のピエール瀧の告発を追う週刊誌記者山田。瀧の悪行の後ろでは、リリー・フランキーがほくそ笑んでいた。 前半の山田の取材、中盤のフランキー中心の園子温状態、後半の法廷と主に3場面に分か... ダイターンクラッシュ!!【2013/10/10 17:18】
凶悪
 『凶悪』を新宿ピカデリーで見ました。 (1)本作は、実話(注1)に基づいたフィクション。  主人公の藤井(山田孝之)は、大手出版社が刊行している雑誌の記者です。  あるとき、会社に死刑囚から手紙が届き、雑誌の編集長から調査するように言われます。  そこ... 映画的・絵画的・音楽的【2013/10/10 20:22】
映画 凶悪
JUGEMテーマ:映画館で観た映画&amp;nbsp; &amp;nbsp; 冒頭からのエロシーンには、ちょっと吃驚しました。 &amp;nbsp; 至る所に暴力シーンやエロシーン、グロテスクな描写があるので &amp;nbsp; それらが嫌いな人は、見ないほうが良いでしょう。 &amp;nbsp; 15禁でなく18禁だったほう... こみち【2013/10/10 23:17】
凶悪
人間誰もが凶悪になり得る怖い映画。 だらだら無気力ブログ!【2013/10/10 23:20】
「凶悪」事件と妻の介護疲れの先にみた介護疲れした家族を狙った先生の心の隙を突いた凶悪という名の救済
「凶悪」(R15+指定)はある死刑囚から届いた1通の手紙により取材する事になったジャーナリストが取材を通じてある凶悪犯の実像を追いかけていくストーリーである。事件の真相その ... オールマイティにコメンテート【2013/10/11 00:12】
[映画『凶悪』を観た(短評)]
           ☆かなり凶悪で面白かった。  ピエール瀧演じる死刑囚が、殺害について、自分等に指示を出していて、だが、のうのうと娑婆で暮らしている男を許せないと、獄中からジャーナリストへ告発することから物語が始まる。  陰で殺人の糸を引く男をリリ... 『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭【2013/10/11 01:51】
『凶悪』 本当に怖いのは……
 実にいきいきとして楽しそうなのだ、リリー・フランキーさんが。本作では人殺しに興じるリリー・フランキーさんの嬉々とした笑顔が見られる。  男気いっぱいでせっせと人を殺すピエール瀧さんも頼もしい。  『凶悪』は、この二人が演じる極悪人の非道ぶりをこれでもかと描いた作品だ。  もとよりピエール瀧さんは外見が怖そうだ。  電気グルーヴの他のメンバーが小さいわけではなかろうが、ピエール瀧... 映画のブログ【2013/10/20 10:15】
凶悪
知るべき闇は、 真実の先にある。 製作年度 2013年 上映時間 128分  映倫 R15+ 原作 新潮45編集部編 監督 白石和彌 出演 山田孝之/ピエール瀧/リリー・フランキー/池脇千鶴/小林且弥/斉藤悠/白川和子/吉村実子 モデルとなったのは実在の殺人事件。その真相を暴くととも... to Heart【2013/10/23 13:40】
凶悪
この作品の原作は,去年,九州の旅先で,新幹線の待ち時間に,キオスクの書店で買って読もうとした・・・・が,胸が悪くなるような殺人の描写と,おまけにこれが実話だという衝撃からか,最後まで読まずに放り出してしまっていた。 この原作がまさかの映画化?おまけにこれがかなりの傑作だという。あの「先生」役に,「そ 虎猫の気まぐれシネマ日記【2013/11/07 20:46】
凶悪
人間はどこまで悪になれるのかとか考えていくときりがないですが、禍々しい悪というものはあるものです。 先生と呼ばれて、殺人の快楽と貧困ビジネスの利潤を両立させている木村、先生のために殺人・死体処理をしていた須藤とその舎弟たち。唯一、事件を追うあまり、自らの家庭の問題(認知症の母の介護)から目をそらす藤井の存在が、人間味があるというか。 実際にあった事のフィクションという事で、少々白々しく見... いやいやえん【2014/04/14 09:32】
凶悪
監督 白石和彌 主演 山田孝之 2013年 日本映画 128分 サスペンス 採点★★★ “犯罪に巻き込まれない為には犯罪者のテリトリーに身を置かない”ってのをモットーにしているので、これといった犯罪に巻き込まれたこともなければ、それっぽい知り合いもいない私。な… Subterranean サブタレイニアン【2015/11/02 15:59】
映画評「凶悪」
☆☆☆(6点/10点満点中) 2013年日本映画 監督・白石和彌 ネタバレあり プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]【2016/03/27 10:39】
真紅のthinkingdays


いつまでも青臭い映画好きでいたい。愛おしい映画と、忘れがたき本たち。ときどきカフェとか。 記事は基本的にネタバレあり。 どうぞご贔屓に♪

Recent Entries

Categories

What's New?

真紅

Author:真紅
  ★今年もよろしくお願いします★

Recent Comments

Recent TrackBacks

Archives

My Favorite

Search this site

RSS

Thank You!