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映画が大好きです。いつまでも青臭い映画好きでいたい。 記事は基本的にネタバレありです by 真紅   ★劇場鑑賞した映画はインスタにアップしています@ruby_red66

今そこにある暴力~『ヒストリー・オブ・バイオレンス』

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 アメリカ中西部の小さな田舎町で、弁護士の妻と二人の子どもと暮らす平凡な
ダイナー経営者トムヴィゴ・モーテンセン)。ある日、店に現れた強盗を射殺した
ことから、彼の日常は過去に封印したはずの暴力に侵食されてゆく。同名のグラ
フィック・ノベルをデヴィッド・クローネンバーグが映像化した問題作。

★以下ネタバレします★

 オープニング、二人の男がモーテルを出る、その何気ない描写からして既に、
只事でない雰囲気を醸し出している。これから何が始まるのか、観る者に緊張を
強いる
カメラ。そしてその緊張は96分間途切れることがない。これほど全編が
圧倒的な暴力と血に彩られた映画でありながら、不思議と不快感を憶えることが
なかったのはどうしてだろう?  

 主人公トム/ジョーイを演じたヴィゴ・モーテンセン。やさしい家庭人であり
ながら過去を捨て、名前を変えて生きてきた男の悲哀と本能を、瞬時に切り替わ
表情と身のこなしで説得力十分に見せてくれる。彼の「過去」が一切描写されない
ため、彼の行う「暴力」は全て正当な行為だと思えてしまう。いや、「思わされてし
まう
」と言ったほうがいいのかもしれない。暴力描写に不快感を憶えなかったのは
多分、その辺りに理由があるだろう。妻エディマリア・ベロ、トムを執拗に追
マフィア・フォガティを演じたエド・ハリスら、脇役陣の演技も真に迫る。映画
全体に漂う不気味さが、俳優たちの演技をも侵食しているかのようだ。

 暴力は次なる暴力を生み、「死」を持ってしか止むことがない。一番恐ろしいのは
暴力がただ単に、特別な人間だけの間に起こる事件ではなく、今そこに、日常の
そこかしこに存在している
、ということ。それはおとなしいいじめられっ子だっ
たトムの息子ジャックアシュトン・ホームズ)が、無意識的に父の暴力に触発され
て拳を振り上げ、銃を手にするまでに至ることで自覚させられる。同じように、
暴力衝動と性衝動が紙一重に存在するのだという事実も

 全ての過去にケリをつけて、トムは再び家族の元へ帰る。彼の凄まじいまでの
生きる」ことへの執着は、「人生に結婚(家庭)は必要ない」と語った兄リッチー
ウィリアム・ハート)と対極にある「家族への渇望」だったのだろう。傷つき、疲
れ果てて帰宅するトム、エディの指に光る結婚指輪。そっと父の皿をテーブルに
置く娘、食事を廻す息子、そこに言葉はない。妻と夫の視線が交錯したとき、今
にも言葉が発せられようとしたその刹那、映画はそれら全てを断ち切るように幕
を下ろす


 肯定的にも、悲観的にもとれるこのラストが暗示するもの。暴力は決して、諸手
を挙げて歓迎されるものではない。しかしそれはまた人間誰しもが持ち得る本能
でもある。我々はそのことを自覚し、受け入れて生きていくしかないのかもしれ
ない。


(『ヒストリー・オブ・バイオレンス』監督:デヴィッド・クローネンバーグ
  主演:ヴィゴ・モーテンセン、マリア・ベロ、エド・ハリス/2005・USA)
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テーマ : 映画感想
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2006-12-20 : BD/DVD/WOWOW/AmazonPrime/Netflix : コメント : 10 : トラックバック : 7
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ヒストリー・オブ・バイオレンス
『A HISTORY OF VIOLENCE』2005年アメリカ・カナダ初見。これまた映画館で見逃した作品だったのですけど、とっても名作でした。片田舎でダイナーを経営しているトム・ストール(ヴィゴ・モーテンセン)。弁護士の妻(マリア・ベロ)、二人の子供と共に物静かな街で平穏に暮
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『ヒストリー・オブ・バイオレンス』を観たぞ~!
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2008-10-26 23:33 : おきらく楽天 映画生活
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2006-12-20 21:39 : : 編集
真紅さま、こんばんは~♪
コメントいただき、ありがとうございました。
TB成功しました(涙)
さてさて、この映画、暴力は他人事ではないというのを自然に生理的に感じられる描写がうまかったですね。で、このセンス、すごく好きでした。
ああ、もうこんな時間に・・
怪しい真夜中の訪問、失礼致しました。
2006-12-21 01:53 : 武田 URL : 編集
真紅さん、こんにちは♪
クローネンバーグ監督の映画で、観ておいて良かったと思うとは、自分でも予想してませんでした。
同じく緊張しました(笑)が、かなかな含蓄ある内容だったかなって思えます。
真紅さんと同じ時期にUPできたなんて、とても光栄です!
TBさせて頂こうとしましたが、今夜は例の如く調子が悪いらしくダメでした。
また何度かトライさせてくださいませ。
先日は『アメリカ 家族のいる風景』ではTBさせて頂ました。
お礼が後になり、申し訳ありませんでした!!
2006-12-21 02:23 : lime-fizz URL : 編集
武田さま、lime-fizzさま、こんにちは。コメントありがとうございます。レスをまとめさせて下さい。

☆武田さま
TBもありがとうございました。こちらからも成功したようです、ホッ。
この映画、BBMを観に行って予告を何回か観ました。
96分という時間がいいですよね、ピリッと張り詰めた緊張感が持続して。
ヴィゴの動きがものすご~く美しくて自然で、人間の本能を感じました。
ラストも未練がましくなくてよかった。映画全体を貫くものがラストまで感じられました。
遅くの訪問、ありがとうございました。またお邪魔しますね。

☆lime-fizzさま
記事をアップされたのですね。TB、こちらからもトライしてみます。お手数かけます。
予告を観て映画館で観たかったのですが、なんとか年内に観られてよかったです。
人間として、内なる暴力性と向き合い、折り合いをつけて生きていかねばならないと思わせられる映画でしたね。
それは個人、家族、街、国と、単位は違えど同じことだと思います。
誰でも持つ衝動を如何にコントロールするか、そこに真価が問われるというか・・。簡単ではないですが。
またお話しましょうね。ありがとうございました。
2006-12-21 10:54 : 真紅 URL : 編集
TB、感謝です。
真紅さん、TB、感謝です♪♪

クロネンちゃんの作品にしてはとても見易い仕上がりで、
たまにこんな判り良いのもいいなぁぁ、と思ったです。
名編「デッドゾーン」に次ぐ出来に満足、満足♪
ところで、真紅さんとはこれで相当数TBの遣り取りをさせて頂いてるので、
この度、こちらのブログでリンクさせて頂く事にしたです。
事後になりましたが、これからもヨロシクです。
2006-12-22 11:40 : カゴメ URL : 編集
カゴメさま、こんにちは。コメントとTBをありがとうございます。
これ、かなり名作でしたね。暴力と血しぶきのオンパレードだけど、観易かったです、確かに。
『デッドゾーン』は未見なので、機会を作って観たいと思います。
レンタルDVDにあるのかな~?
それからリンクのご報告もありがとうございます♪
ウチも年明けにリンクを貼りたいと思っていますので、その節はどうぞよろしくお願いします。
ではでは、またお邪魔させて下さいね。ありがとうございました。
2006-12-22 16:37 : 真紅 URL : 編集
真紅さん、こんばんは。
私もやっとこの作品を観たのですけど、かなり好きでした!
クローネンバーグ作品という事でもっとえげつない感じ?を覚悟してましたが、私にはこれぐらいがベストでした(笑)
ヴィゴがジョーイになった時の自然な体の動きは美しかったですね~。
暴力は人間のもつ本能・・・。なにかうまい言葉が見つかりませんが、ずっしりと迫るものがありました。

PCの不調は辛いですよね。早くブログの更新が出来るようになるといいですね。また楽しみにしております!
それでは、どうぞよいお年をお迎えください。
来年もお邪魔差せて下さいね。
2006-12-29 00:10 : ルカ URL : 編集
ルカさま、こんにちは。コメントありがとうございます。
DVDでご覧になったのですね。暴力を描いていますが過剰な描写はほとんどなく、受け入れやすかったと私も思います。
私は絶対、暴力反対!と言いたい人間なのですが、トム/ジョーイを見ていると自分たちの中に存在する暴力衝動を認めざるを得ないですよね。
確かに存在するものだからこそ、反対だと言い続けなければならないのかもしれません。
本当に、尺は短いのですがズシリと重い作品でした。
ルカさまにコメントいただき、お話することができて本当にうれしかったです。
『未亡人の一年』が初めましてだったと記憶しています。読んだことでご縁ができ、本当によかったです。
来年も徒然にいろいろ書いていきたいと思っています。
よろしければいつでも遊びにいらして下さいませ。お待ちしておりますね。
よいお年をお迎え下さい。ありがとうございました。
2006-12-29 01:10 : 真紅 URL : 編集
お邪魔します~
やっと鑑賞できました。
エド様ファンとしては途中でいなくなってしまって寂しかったです。威圧感ありましたから・もったいないなって・・。
ヴィゴとハートの組合せは以外でしたわ。
暴力は本能・・・そうですね。
どうやって使うかは本人次第ですもの・・
意味を考えていきたいですよね。
短いので見やすかったですが、緊張しっぱなしの作品でした。
2007-07-09 11:59 : みみこ URL : 編集
みみこさま、こんにちは♪ コメント&TBありがとうございます。
おお、エド様ファンでいらっしゃるのですか? 渋いですね~。
そうそう、物凄く威圧感ありましたね、怖かった~。
短くて観やすいのですが、かなり重い題材でしたね。暴力の連鎖や家族のあり方、赦しについていろいろと考えさせられました。
断ち切るような終わり方は、観たものに考えさえるためなのかな・・と思ったり。
後ほどお伺いしますね、ではでは~。
2007-07-09 14:35 : 真紅 URL : 編集
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