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映画が大好きです。いつまでも青臭い映画好きでいたい。 記事は基本的にネタバレありです by 真紅 (言葉を探す人)   ★劇場鑑賞した映画は Instagram にアップしています @ruby_red66 ★Stay Blue

ぼくのツマ~『きいろいゾウ』

きいろいゾウ

 三重県の田舎町に暮らすツマ(宮崎あおい)ムコ(向井理)は、結婚したば
かりの夫婦。出会ってすぐに結婚したふたりは、お互いの 「秘密」 を知らず
に寝食を共にしていた。そんなある日、差出人のない手紙がムコ宛てに届く。

 ソテツや犬の声が聞こえる不思議ちゃんのツマと、売れない小説家のムコ
若い夫婦が 「過去」 と向き合い、「これから」 を共に生きようと決意する
まで


 原作者の西加奈子ちゃんが大好きなので、原作は未読にしたまま、公開を
楽しみに待っていた作品。期待通り、いや期待以上に、とても、とてもよかった
です・・・(涙)。しかしこれは、女優・宮崎あおいの独壇場ですね。改めて、彼
女の演技力に脱帽。ちょっと巧過ぎて、向井理が気の毒に見えたほど(ゴメン)。

きいろいゾウ2

 「ムコさんには、忘れられない恋人がいる」。ツマの不幸は、彼女にはそうい
う人がいなかったことかもしれない。初恋の人と結ばれるような、純粋培養さ
れた結婚
をする人もいるだろう。しかし、ほとんどの人は、大なり小なり、色ん
「過去」 を抱えて結婚する。ツマにもそんな過去があったなら、身体に刻み
つけざるを得ないほどの恋愛をしたムコさんの苦しさ
を、責めずにいてあげら
れたのに。病弱に育った彼女は、多分、両親から大切に大切に育てられた 
「箱入り」 だったのだろう。

 メルヘンちっくな外観とは裏腹に、この映画は死の影に濃く彩られている。
ファーストシンからして、蟹の 「死」 だ。ない姉ちゃんの死、緑(!)の娘
の死、足利さんの死。「早く大人になりたい」大地くん(濱田龍臣)洋子
(浅見姫香)
はそう嘆く。大人になるって、恥をかきながら人を好きになる
こと
誰かの過去をゆるすこと。そして、死に近づくこと
人はみな死ぬ
瞬間まで、大人になり続けているのかもしれない


きいろいゾウ3

 ムコさんの不在に苦しみ、満月に願いをかけるツマ。スクリーンいっぱいに
映し出される素顔の宮崎あおいを見つめながら、「幸せになって欲しい」 と
強く願う私がいた。その言葉を、そっくりそのまま大地くんが言ってくれて・・・。
私も、ツマを好きになったのかもしれない。

 彼女の 「きいろいゾウ」 は、ムコさんだったんだね。「大丈夫ですよ」 素敵
な言葉
だなぁ。。。

◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆

 廣木隆一監督は、すっぴん顔がお好きですね。

 木村充揮の 『グッドナイト・ベイビー』 、いいもの見れました!

 ( 『きいろいゾウ』 監督:廣木隆一/2013・日本/
          主演:宮崎あおい、向井理、柄本明、濱田龍臣、松原智恵子
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テーマ : 日本映画
ジャンル : 映画

2013-02-15 : 映画 : コメント : 4 : トラックバック : 20
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こんばんは☆コメありがとうです

原作あるものの弟が変えた部分もあるんですが、
原作好きな真紅さんも気に入られたようでよかった。
大きくは変えてないんですけどネ。

>メルヘンちっくな外観とは裏腹に、この映画は死の影に濃く彩られている

ほんとそうなんですよね。
囚われてた過去とけじめをつけ、
今大事な人を受け入れることが出来た、、、、
素敵な話でした〜


ほんとそうなんですよね。


2013-02-16 20:08 : mig URL : 編集
migさん、こんばんは。こちらこそコメント&TBありがとうございます。

脚色って、案外難しいと思うんですよね。
原作と全く同じじゃ映画にならないし、変え過ぎてもおかしいし。
この作品はコアなファンの方もいらっしゃるようですし、原作者だけじゃなくてそういう読者の厳しい目もあるわけで・・・。
そんな中で、弟さんとっても素晴らしいお仕事なさったと思います。
監督された作品はまだ拝見する機会がないのですが、いつか是非☆
2013-02-16 23:12 : 真紅 URL : 編集
真紅さんこんばんわ♪TB有難うございました。

宮崎あおいの演技は確かに良かったですね。彼女は清楚な妻役みたいなのが過去に何度かあったせいか、今回のツマのように少し情緒不安定ぽくて子供っぽい一面も見えた妻役が自分には珍しく見えちゃいました^^;向井くんも圧倒されたのではないでしょうか?
・・そいえばその向井くんが演じてたムコですが、あの背中のタトウーを見た時、自分は危ない過去を持ってる人なんじゃないかと思いましたw
原作未読故にフリーダムなイメージをしてました^^;
2013-02-17 21:52 : メビウス URL : 編集
メビウスさん、こんばんは! こちらこそコメント&TBありがとうございます。

宮崎あおいの妻役といえば、『ツレうつ』が記憶に新しいですね。
あの作品は堺雅人さんとの共演で『篤姫』ふたたび、感が強かったのですが、本作はあおいちゃんの凄さを感じました。
しかし、彼女いろんな媒体でインタビューに答えているのですが、結婚、離婚はなかったことになっているのでしょうか?
彼女の中ではどう整理されているのか(またはいないのか)いつか聞いてみたいと思います。
向井くんも原作ファンということで頑張っていたとは思うのですが、あおいちゃんの前では完敗でしたね。
原作、私も未読なのでいつか読んでみたいです。
2013-02-17 22:25 : 真紅 URL : 編集
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