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映画が大好きです。いつまでも青臭い映画好きでいたい。 記事は基本的にネタバレありです by 真紅   ★劇場鑑賞した映画はインスタにアップしています@ruby_red66

ほとばしる命~『駆ける少年』

駆ける少年





 DAVANDEH

 THE RUNNER


 イランの小さな港町に住むアミル(マジッド・ニルマンド)は、天涯孤独な少年
廃船にひとりで住み、水売りやビン拾いで生計を立てている。

 イラン出身の映画監督、アミール・ナデリによる1985年の作品。27年の時を
経て劇場公開
されたのは、『cut』 を撮った監督の、日本への愛情のたまもの
だろう。劇場の壁には、監督へのたくさんのメッセージが貼り出されていて、
思わずパチリ。

駆ける少年1

 海辺の町に暮らす、天涯孤独な少年。そう聞いて思い出すのは、トニー・ガト
リフの名作
 モンド。瑞々しい宝石のようなあの作品に対し、本作は荒削り
で、生命力に満ちた力強さを感じる。何より、アミル少年のはみだしそうなあの
笑顔! 貧困・無学という劣悪な環境に育っているというのに、彼の笑顔は 
「心底」 のもの。働くこと、働いて対価を得ること。そのことに何の疑問も抱か
ず、ただ 「生きる」ポジティブなエネルギーが充満している彼は、とにかく
る、走る、走る
! そして叫ぶ。飛行機に、船に、列車に。「ここではない何処
か」
 へ連れ出してくれる 「何か」 に向かって。

 この、無尽蔵とも思えるエネルギーの源は、一体何なのだろう? 細く未完
成な身体からほとばしる 「命」 という不思議
走るシルエット完璧で、溜息
が出るほど美しい。現代の日本では、到底お目にかかれそうもない野性味あ
ふれる少年
。彼に出会えただけでも、この映画が劇場公開された意味はあっ
たと思える。

駆ける少年3

 しかし、彼はある日気付くのだ。この世界には 「文字」 という、今より更に
深く広く、面白い場所へ連れて行ってくれる手段があることに。読み書きは、ア
ミルを今とは違う場所へ誘うだろう。それは幸福だけでなく、荒波のような困難
をも伴う旅
かもしれない。

 「自分の力を試したかった」。勝負のついた競走の後、アミルはつぶやく。彼
ならきっと、もっともっと大きな世界で、必ず幸せを掴むだろう。そう願わずには
いられない


駆ける少年2

 ( 『駆ける少年』 監督・脚本:アミール・ナデリ/1985・イラン/主演:マジッド・ニルマンド
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2013-02-08 : 映画 : コメント : 2 : トラックバック : 0
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真紅さま こんにちは。
このレビューを全文翻訳してナデリ監督に読ませてあげたい!
素晴らしい。映画館で、うるっと来て、このブログで泣きました。
読むこと、書くこと。その積み重ねが人を“今より更に深く広く面白い場所へ”導いてくれるということを、Thinkingdaysが証明してくれています。『別離』のときも同じことコメントしましたが、この映画を見た人のすべての思いがここにあります。そう思いました。
駆ける少年の姿と真紅さんに乾杯だっe-454e-420

あぁ、私も子供の頃のようにまた、思いっきり走りたい。
たぶん50メートルいかないうちにでバテるだろうけれど(^^ゞ。
2013-02-08 21:32 : メグ URL : 編集
メグさん、おはようございます。コメントありがとうございます。
この映画ご覧になられたのですね! うれしいです。
上映館が本当に少ない作品ですし、これ観てる人少ないだろうな~と思いながら劇場に足を運びました。
私は『cut』は観逃していますし、監督の作品は初めてだったんです。
ちょっとこれ好きそうな感じかも、、、でもあまり期待しないようにしよう、、と思っていたのですが、素晴らしかったですね。
アミル少年はほぼ監督自身の姿だとか。。
逞しいですね。

ゆっくり、走りましょう。
歩いてもいいんですよ。動くことが大事なんだな~、と思います。
2013-02-09 07:34 : 真紅 URL : 編集
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