慟哭~『麦の穂をゆらす風』
20061207221542.jpg

 1920年、アイルランド。700年に及ぶイギリスの弾圧に耐えかね、独立運動
身を投じる若者達。「異国の鎖につながれる屈辱」からの解放と自由を求めた彼らの
運命を、二人の兄弟を中心に描く、2006年度カンヌ映画祭パルムドール受賞作

★以下、ネタバレします★

 どこにでもいそうな若者達が、ハーリングを楽しんでいる。そんな牧歌的な風景
から、この映画は始まる。しかし物語は一転、「集団で球技をした」それだけで彼らは
英国人警察による厳しい尋問を受ける。英語名を名乗らなかったという理由だけで
家族の目の前で殺される17歳の少年。どうしようもなく見守るしかない彼ら。映画
が始まって10分たっていただろうか、もう涙が溢れてしょうがない。

 主人公はデミアンキリアン・マーフィー)。彼はロンドンで医師となる夢を捨て、
テディポードリック・ディレーニー)と共に独立運動に身を投じる。

 デミアンの、一つ一つの言葉が心に突き刺さる。「(幼馴染を殺してまでの価値の
ある戦いなのかな
」「僕は夢想家Dreamerじゃない、現実主義者Realistだ!」
誰と戦うかはすぐにわかる、何のために戦うのかを考えろ」「心が何も感じないんだ
・・。一つ一つの現実に悲しんだり、嘆いたりしていればとても生きてはいけない
状況に、心は感覚を麻痺させ、感じることを止める。しかしそれは精神的な死だ。
裏切り者はたとえ幼馴染でも赦さず、を与える。それが戦いというものなのだ。
英国軍を襲撃し、隊列を組む彼らは、いつの間にか敵対する英国軍とそっくりにな
っているという皮肉

 生きるか死ぬか、殺すか殺されるかの修羅場をくぐり抜け、やっと手にしたかに
見えた「自由」も、それはさらなる悲劇を生む。英国に対して抵抗運動を続けていた
仲間は「アイルランド自由国」条約の批准に対して賛成派と反対派に分裂し、兄弟や、
昨日までの仲間が敵味方に別れての内戦が始まる。ただ同じ「自由」それだけを求め
ているのに、すれ違ってゆく同志たち

 スクリーンに釘付けになりながら、この悲劇の「落としどころ」が何処になるのかが
気になり始めた。北アイルランド問題IRAによるテロは、現代でさえくすぶり続け
ている。一抹の不安と暗い予感に寒気を憶える。

 共に戦い、精神的支柱であったダンリーアム・カニンガム)が撃たれたときのデミ
アンの狼狽
。かつては自分の身代わりになろうとした最愛の弟を殺さなければなら
ないテディの苦しさ心が引き裂かれ、砕かれ、粉々になったかのような衝撃。デミ
アンの恋人シネードオーラ・フィッツジェラルド)の慟哭で、物語は幕を閉じる。
涙が止まらない

 この作品に深みと悲しみを与えているのは、主演のキリアン・マーフィー熱演
よるところが大きいだろう。その碧い瞳をそらさず、傷ついたシネードのケープを
ほどいてゆくシーンが心に残る。アイルランドの湿度を帯びた自然、その「」が
しければ美しいほど、現実の悲惨さが濃く重く影を作る


 シネードがテディに投げつける「二度と顔を見せないで」という言葉は、ダミアンが
銃殺した幼馴染の母から告げられた言葉と同じ。戦争がある限り悲劇は繰り返される
ケン・ローチ監督は英国を一方的な悪として描くことなく、憎しみから生まれる狂気
と、愛するものを失う普遍的な悲しみ、真理を厳かに提示する

過去について真実を語れたならば、私たちは現実についても真実を語ることができる
現実について真実を語りたいならば、まず過去について真実を語らねばならない

今この時代にこそ、目をそらすことなく語られるべき傑作です。まごうことなき傑作

(『麦の穂をゆらす風』監督:ケン・ローチ/主演:キリアン・マーフィー
  ポードリック・ディレーニー、リーアム・カニンガム/2006
  アイルランド、イギリス、ドイツ、イタリア、スペイン)
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[2006/12/07 22:32] | 映画 | トラックバック(18) | コメント(26) |
<<~真紅的『バトンです(・∀・)』バトン~ | ホーム | 贖罪の旅~『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』>>
コメント
真紅さん、こんばんは。
ご覧になれたんですね!こういう作品ほど、なるだけたくさんの方に観てもらいたいのに、
全国で上映館が少なかったり、遅くなったりで、そんな現実も悲しくなるのですが。。。

冒頭から衝撃を受けるわけですが、
言われてみれば、わたしも落としどころを探していた気がします。
常に付きまとう不安を払う材料がないまま、いちばん避けたかったラストに突入した時には
声を上げて泣いてしまいそうでした。

言葉で丁寧に説明しなくても、あるいは、皮肉なまでに美しい風景を見せつつ、
これだけのメッセージを乗せて、観客の胸にダイレクトに届けられる作品は、
そんなにたくさんあるわけではないですね。
その作品をスクリーンで観れたことに感謝するばかりです。

仰る通り、まごうことなき傑作だと思います。
[2006/12/08 00:12] URL | 悠雅 #- [ 編集 ]
悠雅さま、こんにちは。コメントとTBをありがとうございます。
11時からの上映になったので、ギリギリ間に合いました。よかったです。
駅までの帰路(長いし結構人通り多いんですよね、あの地下道)も、涙を抑えられませんでした。
今でもデミアンの最期がよみがえってきて涙が出ます。
本当に素晴らしい作品でしたね・・。
特にキリアン・マーフィー。デミアンが生きていました。

先日『グッドナイト&グッドラック』を観たとき、『プルートで朝食を』のDVD情報を観ました。
映画館で観たかったとつくづく思いましたが、もうすぐDVDリリースですよね!
楽しみに待とうと思います。
この作品も、DVDでもいいから一人でも多くの方に観ていただきたいです。
大人だけでなく、子どもたちにも観て欲しいなぁと思いました。こういう映画こそ文部科学省推薦にして欲しいです。
ではまたお話して下さいね。ありがとうございました。
[2006/12/08 01:12] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
真紅さん、こんにちは♪
例の如くレンタルになりそうですが必ず観たい一本です!
かなりズシンと来そうですね。
なのにまだ真紅さんのレビューを読まないで我慢です~(悲)
アイルランドを描いたものに興味があります。
地味ですが『マイケル・コリンズ』は今のアイルランドを知る上で勉強になりました。
若きジョナサン・リース・マイヤーズもちらりと出ていて、可愛かったです(喜)

『インファナル・アフェア』のレビューはUPされてないのですね?
真紅さんのレビューはきっと素敵でしょうね♪
とっても読みたいです。
って、おねだりになっちゃってごめんなさい!!
[2006/12/08 02:06] URL | lime-fizz #0HzTjQFo [ 編集 ]
lime-fizzさま、こんにちは。コメントをありがとうございます。
この作品、上映館が少なく(上映されない県もあるくらい)、なかなか観る機会を持つのが難しいですよね・・、残念です。
でも、今はDVDレンタルという強い味方(?)があるので希望が持てますね。是非ご覧になってみて下さい。
『マイケル・コリンズ』は、リーアム・ニーソンが演説する姿を観た記憶はあるのですが、ジョナサン・リース・マイヤース?!?!え~、全然記憶にないです!!
再見する価値ありありですね←動機が不純
『インファナル・アフェア』は劇場鑑賞でした。私、トニーの「ワイ?」が好きで、携帯が鳴る度に悶絶しておりました(笑)
『終極無間』は近々観なければなりませんので、またアップしますね。
ではでは、また覗いてみて下さいね。ありがとうございました。
[2006/12/08 12:43] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
真紅さん、こんばんは。
TBとコメント、どうもありがとうございました。
もしも拙文がお気に障ったようでしたら、
なんか申し訳ないです・・・。

どーもザ・たっち、じゃなくておすぎが、
「涙が止まらない!」
とか言ってると腹が立つんですよね(笑)。
ですけど真紅さんの涙には頷けます。
ただ、劇場で鼻をすすっていた人たちの中に、
どれほど真紅さんと同質の涙を、
流してる人がいたのかなぁという、
懐疑みたいなものはありますが・・・。

ですが話題性に捕われず、
1人でも多くの人に観てほしい映画ですよね。
[2006/12/08 23:38] URL | 栗本 東樹 #SSTOpIeg [ 編集 ]
栗本さま、こんにちは。コメントありがとうございます。
記事が気に障ったなんてとんでもないですよ!自分は涙が止まらなかった(あり得ないくらい泣きました)ので、泣いた言い訳をしたかったのかもしれません。
私も栗本さまと同じように、この映画を所謂『泣ける映画』と同列に論じることにものすごい違和感があります。
本質的に、全く違う志で作られた映画だと思います。
ケン・ローチはこの映画で泣いてくれ、泣かそうなんて考えてないですよね。
過去があって今がある、その現実をしっかり見て下さいよ、という話なのに、ただ「泣ける!」で済まされちゃたまりませんよね・・。
と、またヒートアップしてきましたのでこの辺で止めます。
栗本さまの記事いつも楽しみにしておりますので、またお邪魔させて下さいね。ありがとうございました。
[2006/12/09 00:20] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
こんにちわ!
この映画シネードの弟が無意味に殺されてしまうショッキングな場面が冒頭で、中盤では
家焼かれてしまうし、ラストはあれですし・・。
ああいう普通の家庭が何度もひどい目に
遭っていくのが辛くて仕方ありませんでした。
過去の話を見ることで今起こっている事に
考えざるをえないような作品ですよね。、
映画の本質をよくご覧になっていて、
素晴らしいレビュ-だと思いました。
後ほどTBさせていただきます!
[2006/12/09 20:22] URL | kazupon #- [ 編集 ]
kazuponさま、こんにちは。コメントありがとうございます。TB、私も再度トライしてみますね。
本当に、観ていて辛くなりました。私はアイルランドの歴史など全く詳しくはないので、デミアンの「この国の4人に一人は失業者だ、ロンドンやニューヨークに行くしかないのか?!」っていうセリフで、アメリカにアイルランド系の移民が多いのだな、とわかりました。
主題歌と「緑」がとても印象的でしたね。映像が綺麗なだけにますます辛くなるというか・・。
でも、観られて本当によかったと思っています。ケン・ローチ監督、凄い映画撮りましたね。
また貴宅にもお伺いします。ではでは、ありがとうございました。
[2006/12/09 23:50] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
真紅さま、こんばんは。
私も今日観て来ました。そして、やはり最後の慟哭で嗚咽してしまい、参りました。
当たり前の事ですが、戦いによって収まる平和はありえない事を改めて感じました。人それぞれのそしてそれは子孫に至るまで心の傷として残る事だろうなと感じて切なくなりました。
硫黄島2部作のイーストウッド監督といい、このケン・ローチ監督といい、心にズシンと響く傑作が最近続き、随分自分の知らなさ加減を知ってしまった気がします。でも、知る事が出来て本当に良かったと思います。
そして、真紅さんのレビューとても分りやすく、的を獲ていて素晴らしかったです!!
[2006/12/10 21:10] URL | aki #- [ 編集 ]
akiさま、こんにちは。コメントありがとうございます。
この映画について、多くの方とお話したいと思っていますので、来ていただいて本当にうれしいです。
私も、歴史については本当に無知で(高校で世界史履修していないのです)、お恥ずかしいくらいなのですが。
でも知らないでは済まされないことだと思っています。
今更勉強は難しいかもしれないけれど、せめて映画を観て、考えることが大事だと最近つくづく思います。
イーストウッドの二部作もまだ未見なのですが、なんとか観たいと思っています。
またお話しましょうね!ありがとうございました。
[2006/12/11 06:42] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
真紅さん、こんにちは。
いただいたTBをたどってきました。

ぼくがこの作品から受けた感想は、真紅さんが書いていらっしゃる文章と驚くほど同じものです。ぼくもこの作品は素晴らしいと思いました。

こちらからもTBを返そうとしたのですが、2度やっても失敗してしまいました。またあとで試してみたいと思います。

[2006/12/29 12:18] URL | Ken-U #- [ 編集 ]
Ken-Uさま、こんにちは。コメントありがとうございました。
TBは飛ばなかったと思っていたのですが、承認制なのですね。
私も貴記事を拝読して「同じだ~」と思ったんです。
この作品、物凄い傑作でした。心が砕けそうになる感覚を憶えました。
本当に観ることができてよかったと思える作品です。
上映館が少なかったのですが、多くの人に観てもらいたいです、早くDVD化して欲しい。
またお伺いしますね、ありがとうございました。
[2006/12/29 21:14] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
真紅さん★あけましておめでとうございます!
今年もすてきな映画とたくさん出会って、私たちに紹介してくださいね。Thinkingdaysの再開を心からお待ちしております。
毎年1月3日が私の「映画初めの日」なのですが、今年の最初の1本がこの作品になりました。年内で上映が終わってしまったものとあきらめていたのですが、ラッキーでした。年末の新聞各紙でこの作品を「今年のベスト映画」に推していた評論家が多かったこともあるでしょう。観客が多くてびっくりしました(嬉しいです)。
真紅さんがおっしゃるようにすばらしい映画でした。「逃げようとしていた戦争に身を投じ・・・」から始まる恋人シネードへの遺書に涙が止まりませんでした。英国の保守的メディアからは相当批判されたようですが、ここに描かれたことは80年前の話ではなく今の世界中でおこりうること。アイルランドの凄まじい歴史を知りながら、今かろうじて保たれている私たちの平和な社会についてあらためて考えさせられました。
真紅さんのブログを読まなければたぶん未見で終わったと思います。ありがとうございました。
今年もおじゃましますので どうぞよろしく~★
[2007/01/03 16:06] URL | メグ #- [ 編集 ]
メグさま、こんにちは。明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします!コメントありがとうございます。
『麦の穂をわたる風』ご覧になれたのですね。
昨年は私も本当に素晴らしい映画とたくさん出逢えたと思うのですが、この作品は間違いなく昨年のベスト作の一本だと思います。
しかもブリティッシュであるケン・ローチが撮ったというのがまた凄いと思います。
キリアン・マーフィも主演賞ものの熱演でしたよね・・。
この映画を思い出すと、今でも胸が熱くなります。
今年もまた、この作品のようないい映画にたくさん出逢いたいと思います。
必ず再開したいと思っていますので、どうぞよろしくお付き合いのほどを。
ではでは、またお話しましょう!ありがとうございました。
[2007/01/03 18:53] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
真紅さん、こんにちは♪
私もやっと観たのですが、ショックで感想を書き出すまでに数日かかってしまいました。
ケン・ローチ監督の描き方が真実の重みを伝えてくれましたね。
つい先日のニュースで北アイルランド自治政府について報道してましたね。
平和の難しさと尊さを考えさせられる素晴らしい作品でした。
TB失敗しましたがまたトライさせてください♪
[2007/05/10 23:25] URL | fizz♪ #0HzTjQFo [ 編集 ]
fizz♪さま、こんにちは。お久しぶりですね。コメントありがとうございます。
ご覧になったのですね。衝撃を受けたとのこと、よくわかりますよ。
私もこの映画は上映終了後も涙が止まらず、駅まで泣きながら歩いたことをよく憶えています。
間違いなく昨年公開された中で、ベスト作の一つでしょう。
北アイルランドで初めて独立派の政党が第一党になり、カソリック、プロテスタント双方から党首が選出された、というニュースですね。
新聞で、ブレア氏と両党首の写真を見ました。
過去の歴史があって、今があるのですよね。平和を望みます。
ではでは、後ほどお伺いします。
[2007/05/11 01:59] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
真紅さま~週末いかがお過ごしでしょうか?^^
これ・・・。とっても記憶に残る、すごい映画でした・・・。しかしながら、とても辛くてね・・・。
真紅さまも、涙ボロボロ流しながら・・・って書かれていらっしゃいましたね・・・。
あ~あ、今、思い出しても、辛い、辛すぎる・・。
美しい緑の風景の中で、あんな悲惨な・・・あ~あ・・・ あまりに辛い映画は、2回見たいとは思えなかったりします。
[2007/05/13 12:09] URL | latifa #SFo5/nok [ 編集 ]
latifaさま、こんにちは~。コメントとTBをありがとうございます。
早くも、暑さにやられてます。日差しに立ち向かえない~。。
さて。この映画、物凄く辛い物語ですが、傑作だと思っています。
昨年鑑賞した中で、間違いなくベスト作の一つです(もう一つはもちろんブロークバック・マウンテン)。
確かに、もう一度観たいとは思わないかも・・、でも、多くの方に一度は観ていただきたい作品です。
『明日へのチケット』も早く観たいです!観たらまたお邪魔しに参りますね。
ではでは~。
[2007/05/13 19:48] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
真紅さん TB&コメントありがとうございます。
公開時にご覧になったのですね。半年遅れで観て、レビューを書くまでまた1月近くかかってしまいました。
ケン・ローチの作品はどれもすぐれたものばかりですが、これは彼の代表作の一つになるでしょうね。
キアン・マーフィーの表情の変化がすごい。優しく柔和な顔から精悍な戦士の顔へ、そして「一線を越えた」時から無表情な顔に変っていきます。<いつの間にか敵対する英国軍とそっくりになっているという皮肉>としう指摘は本当にその通りですね。
そのせいでしょうか。僕はこの映画を観て涙を流しませんでした。もちろん感動しなかったわけではありません。あまりの悲惨な現実に暗然となり引いてしまったわけでもありません。おそらく共感をこめつつも冷徹にこの悲劇を描ききった映画の姿勢がそうさせたのだと思います。
デミアンとテディの考え方の違いは、最終的な決裂に至る前にも示されていました。裁判で有罪とされた高利貸しの扱いをめぐって、テディは彼の資金がなければ武器が買えないと言って高利貸しを連れ去ろうとします。デミアンは裁判で決めたことには従うべきだと止めようとします。実を取ろうと考えるテディとあくまで原則を曲げないデミアン。この違いが2人の運命を分かってしまう。
あくまで冷静に二人を描きながら、ドスンと胸につかえるほどの深い感動を与える演出。そういう意味で類まれな作品だったと思うのです。真紅さんのレビューを読ませていただいて、またあれこれ考えさせられました。
[2007/05/27 13:25] URL | ゴブリン #2YYP0Fkg [ 編集 ]
ゴブリンさま、こんにちは。こちらこそTBと、コメントをありがとうございます。
ケン・ローチ作品は実はこれ以外は観た記憶がないのですよ。
とりあえず『明日へのチケット』早く観たいです。レンタルに一本しかないんですよね。。
キリアンは、以前かえるさまが「役に丸ごと染まる」と表現されていたのですが、本当にその通りだと思います。
顔はそんなに好みではないのですが(失礼!)、大好きな俳優さんになりました。
この映画はこちらでは駅からかなり遠い劇場で上映されたのですが、観終わって駅に着くまでの間、人目もはばからずずっと泣いていたのを覚えています。
今でもレビューを読むだけでも涙が出ます。ゴブリンさまのレビューでも泣きました。
物凄く、心にダイレクトに入ってくる映画だったんですよ。忘れられない傑作です。
簡単に感想を書ける映画ではないと思います。ですから鑑賞後、一ヶ月くらい熟成させて書かれたゴブリンさまの姿勢は素晴らしいと思いますよ。
私も、いつか再見したいと思います。もう少し、いや何年後かになるかもしれませんが。
ではでは、またお伺いします!
[2007/05/27 19:23] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
真紅さま 私,これはDVDになってすぐに観たのですが,あまりの痛さに涙も出ず,ただただ圧倒された作品です。
しばらく再見する勇気がなかったのですが,やっともう一度見なおして,記事を書きました。
アイルランドの歴史を扱った「マイケル・コリンズ」は英雄の物語ですから,カタルシスがあるのですが,これはひたすら事実を淡々と語っていて,「ああ現実はこれほど悲惨きわまりないものだったんだなあ」と,それを世に知らしめてくれたローチ監督に,感謝したくなりました。
キリアンの演技は,まことにパーフェクトだったと思います。
一生の中で,絶対に忘れられない,強烈な感動を与えてくれた一作です。
[2007/10/08 23:33] URL | なな #- [ 編集 ]
ななさま、こんにちは。コメント&TBをありがとうございます。
私は映画館で観たのですが、上映開始10分くらいから涙が出て、ずっと泣きっぱなしでした。
物凄い衝撃でした。胸が張り裂けそうなくらい、痛かったです。。
キリアン、素晴らしかったですね。
本当に、忘れられない印象を残す映画だと思います。
悲しいけれど、素晴らしい作品ですよね。
ケン・ローチ作品、もっと観たいのですが、あまりDVD化されてなくて残念です。
ではでは、後ほどお伺いしますね。
[2007/10/08 23:51] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
こんにちは!
やっと鑑賞できました。
涙もでないくらい呆然としてしまう映画でした。
ドキュメンタリーとも思えるくらいに真摯に描いた映画でしたね~
役者さんたちの熱演も光っていました。
キリアンは本当に凄い役者さんですね。
映画によってイメージが全然違うんですもの!
ずっと注目していきたいです。
[2007/10/10 14:10] URL | 由香 #- [ 編集 ]
由香さま、こんにちは。コメント&TBをありがとうございます!
この映画、私にとっては絶対に忘れられない作品です。
本当に、見るのも語るのも辛い史実を描いていますよね・・。
役者さんたちも、心からいい作品にしたい!と念じているかのような熱演でした。
キリアンは「役に丸ごと染まる(@かえるさん)」役者さんですね。私も大好きです。
ちょっと時間がないので、お伺いするのが遅れると思います。
でも必ずエコーさせて頂きますね!
ではでは、またです~。
[2007/10/10 21:28] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
真紅さま
《落としどころ》は何処…確かにそうでしたが、見事落としてくれましたね。
《戦争》の矛盾、暴力、悲しみ…の真実を描いた秀作だと思いました。
TB させていただきました。
PS.《傷ついたシネードのケープをほどくシーン》美しかったですね。
[2008/05/29 22:58] URL | Maria #3m4C9JA6 [ 編集 ]
Mariaさま、こんにちは。コメントとTBをありがとうございます。
この映画、物凄く心に残っている作品なんです。
だからこの映画にコメントやTBをいただくの、とってもうれしいんですよ。
悲惨なお話ですが、描かれなければならなかった内容なのだと思います。
後世に残って欲しい、残るべき映画だと思います。
後ほどお伺いしますね。ではでは。。
[2008/05/30 11:38] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
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