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映画が大好きです。いつまでも青臭い映画好きでいたい。 記事は基本的にネタバレありです by 真紅 (言葉を探す人)   ★劇場鑑賞した映画は Instagram にアップしています @ruby_red66 ★Stay Blue

悲喜交々なドタバタラブコメディ~『高慢と偏見』

20061204165048.jpg

 ジェーン・オースティン原作の小説『高慢と偏見』最初の映画化作品。今から60年
以上前の作品です。『プライドと偏見』、『高慢と偏見・BBC製作版』と観てきていよ
いよ三作目。この作品でローレンス・オリヴィエ演じるMr.ダーシーが余りに印象深
くイメージが強すぎ、BBC版でコリン・ファースが演じるまで誰も追い抜くことがで
きなかったと言われているそうです
。ふ~ん、そうなんだ・・。

 原作が同じですから基本的なストーリーや登場人物はもちろん同じですが、映画全体
雰囲気は随分異なります。どちらかと言うとシリアスなラブロマンス、という印象が
あった『プライド~』、BBC版に比べて、随分コメディ色が強い。一番驚いたのは(キャ
サリン)デ・バーグ令夫人
のキャラクター設定です。なんと、ラストで彼女がMr.ダー
シーとエリザベスの恋の仲立ちをするという驚くべき展開!思わずソファから転がり落
ちそうになりました。これじゃまるで違うお話になってしまいます。この作品が、いく
ローレンス・オリヴィエ卿の魅力が大であったとしても、何十年もスタンダードであ
ったとは・・。ジェーン・オースティン草葉の陰で泣いていたのではないでしょうか
(笑)。もちろん、95年以降は安眠できていると思いますが、それにしても50年以上、
長いです。

 古い映画はあまり観ていないので、ローレンス・オリヴィエといえば『リトル・ロマンス
のおじいさん役、というイメージしかありません。この作品でのオリヴィエ卿、立ち姿
の上品さはさすが
、なのでしょうが、Mr.ダーシーの高慢で尊大なキャラクターではな
いです。よくしゃべるし、リジーにもすごく積極的にアタックしてるように見える。
は断然コリン=Mr.ダーシー=ファースに軍配を上げたいです


 一方のグリア・ガーソン演じるリジーですが、彼女こそ「高慢」キャラです。リジーは、
女性に自立の道がなかったあの時代においても、勝気で行動的で、先進の気質を持った
女性
に描かれている「はず」なのですが、このリジーではツンと取り澄ました高慢なお嬢
さんにしか見えません
。確かに美しいですし気の強さは十分伝わってきますが、残念な
がら分別ある魅力的な女性だとは思えませんでした

 三作品において、ベネット夫妻の描き方だけは大差ありません。特にベネット夫人
自己中で品のない振る舞いはどの作品においても誇張され、笑いどころとなっています。
5人姉妹の結婚をめぐる騒動、『渡る世間は鬼ばかり』の元ネタって、実は『高慢と偏見
だったのね・・、などと思ってしまいました、違う?(笑)。
 同じ原作の三作品を観ることができて、すっごく楽しかったです。さぁ、ここまで来
たら残るは原作を読むだけ、ですね。

(『高慢と偏見』監督:ロバート・Z・レオナード/
     主演:グリア・ガーソン、ローレンス・オリヴィエ/1940・USA)
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2006-12-04 : BD/DVD/WOWOW/Streaming : コメント : 2 : トラックバック : 1
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真紅さん、こんばんは。
いつもTBとコメントありがとうございます。
ご覧になりましたね~!『コメディ・高慢と偏見』。
びっくりして、普段はあんまり出てこない暴言がつい飛び出してしまいました。
それにしても、こんな脚色にしてまでこの原作に拘る必要があったのかしら。
アメリカ的に作るのなら、いっそ別作品にすればよかったのに・・・

『渡る世間~』、脚本家とタイトルで退いた上に、意地悪の応酬だと聞いたことがあって、
1度も観たことがないのですが…元ネタはこれ?と思わせる内容なのですか。
2006-12-04 23:19 : 悠雅 URL : 編集
悠雅さま、こんにちは。コメントとTBをありがとうございます♪
実は私も『渡鬼』って観たことないんです。でもザッピングしてて目に入ったり、特番なんかでチラリと観たことはあるのですが。
次女(リジーのポジション)は、泉ピン子さんだと思いますよ。元ネタ、とか言ったらジェーン・オースティンがまた眠れなくなる(笑)。
何世紀にも渡って読み継がれ、映像化される原作は真の名作なのでしょうね。
是非読んでみたいです。いつになることやら、ですが・・。
では、またお話しましょうね。ありがとうございました。
2006-12-05 10:35 : 真紅 URL : 編集
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