導きの書~『アジア映画の森 新世紀の映画地図』
アジア映画の森

 この本を読んでいた時間は、まさに「至福の時」そのものだった。

 ずっと以前に観た懐かしい作品、直近に観て衝撃を受けた作品。そんな様々
なアジアの国々の映画を追体験し、しばし甘い追憶に浸る。そして、観たい、観
たいと思いつつ、叶わないままになってしまっている映画
を思い出させてくれる。

  『オアシス』

     『欲望の翼』

          『ミウの歌』

              『クーリンチェ少年殺人事件』 ・・・

 そしてその膨大な情報量にもまして、感動的なのは書き手の方々の熱く、深
いアジア映画への思い
。特に、香港映画を語る野崎歓氏が隠そうともしない
私的な愛情の発露
には、読んでいるこちらの頬も思わず緩んでしまう。ソフトカ
バーなので持ち重りすることはないが、本そのものがずっしりと湿潤で、微熱
帯びているかのようだ。

 四方田犬彦氏による特別寄稿(この「つかみ」がガツンと来ます)、野崎氏、
岡環
氏ら、本書の監修者5人によるアジア映画の現在形を語る座談会に続いて、
いよいよ「アジア映画の森」 へと分け入る。中国、台湾、香港から中央アジア、
東南アジアを経てインド、イラン、イスラエルからトルコ
まで。各国映画の総論
に始まり、監督論の合間にコラムが入る、読み易い構成もうれしい。

 私はアジア映画にさほど詳しいわけでも、映画祭に出かけて行くほどのコアな
映画ファンでもない。けれど、映画って素晴らしい、映画ってやっぱり大好きだ
と、改めて思わせてくれた貴重な一冊だった。これからも(アジア映画も含めて)、
映画をたくさん観ていきたい。すべての映画好きの皆様に、一読推奨

 ( 『アジア映画の森 新世紀の映画地図』 石坂健治ほか・監修/作品社・2012)
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テーマ:アジア映画 - ジャンル:映画

[2012/07/18 07:51] | 読書 | トラックバック(0) | コメント(2) |
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コメント
真紅さん、こちらにもお邪魔します。
この本、ものすごく興味津々ですー。
是非読んでみたいわ。
真紅さんのレビューの中に出てきた「クーリンチェ殺人事件」の文字に
思わずビデオ(!)鑑賞が長い間途中で止まっていることを思い出しました。
続きを観なければ!(笑)
アジア映画贔屓の私ですが、「好き好き」と少なすぎるボキャブラリーで
つたない感想を書いているだけでなく
プロの方の説得力ある感想も時には拝見して更にアジア映画への愛を深めたいと思います。
[2012/07/21 23:53] URL | sabunori #JalddpaA [ 編集 ]
sabunoriさん、こちらにもコメントありがとうございます。
そうなんです、この本ものすごくオススメですよ~。
私は図書館で借りたので、今はもう手元にないのですが・・・。
特にアジア映画好きな方には是非読んでいただきたいです。
『ミウの歌』は確か何年か前にsabunoriさん年間ベストに挙げられていた記憶が(違ったらごめんなさい)。
この本でも絶賛されていましたよ~。
クーリンチェは、版権の関係でDVD化されていないのですよね。
かなり長い映画のようですが、いつかDVDでもBDでも出ることを祈ります。
私も、もっとアジア映画観たいのですが・・・。
『さらば復讐の狼たちよ』は観逃してしまいそうです(号泣)。
[2012/07/22 14:52] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
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