生命とは何か?~『動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか』

福岡ハカセは、とにかく文章が巧い。新聞書評でハカセが取り上げた本は、
必ず「読みたい!」と思ってしまう。実際、読んでみると「書評のほうが面白か
った・・・」と思うことすらある(笑)。
底抜けに明るいわけでも、超ポジティヴというわけでもないが、その文体に
は好奇心旺盛な、正のエネルギーが満ち満ちている。
ハカセの代表作といえる 『生物と無生物のあいだ』 は、面白過ぎてなか
なか進まず、買ってから何年も経つのに未だ読了できていない(アホである)。
ページをめくるのももどかしく、完徹も厭わないほど夢中になれる、という類
の本とはまた、少し違う。行間に溢れ出す「センス・オブ・ワンダー」とでも表
現すべきこの世の神秘に、いつの間にかページを閉じて妄想(?)してしまう
のだ。
というわけで、福岡ハカセといえばこのキーワード、『動的平衡』 である。
分子生物学者から見た、ダイエット、アンチエイジング、コラーゲン入り食品
など、素人目にも非常に興味深いテーマの数々。3歳時の一年より、30歳の
一年のほうが短く感じるのは何故なのか。超低周波で意志疎通する、シロナ
ガスクジラとアフリカゾウ。この世界は、まだまだ「あなたの(私の)知らない」
驚異に溢れている。そしてその驚きの先に、「生命とは何か?」という問いの
答えがあるのだ。
( 『動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか』 福岡伸一・著/木楽舎・2009)
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