映画が大好きです。いつまでも青臭い映画好きでいたい。 記事は基本的にネタバレありです by 真紅

春樹をめぐる冒険~『A Wild Haruki Chase 世界は村上春樹をどう読むか』

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 2006年3月国際交流基金の主催により、東京・神戸・札幌で行われた国際シンポ
ジウム&ワークショップ「春樹をめぐる冒険~世界は村上春樹をどう読むか」の全記録。
先日、フランツ・カフカ賞を受賞した村上春樹が、世界でどう読まれ、どう翻訳され
ているのか。そしてなぜ、世界は村上春樹を読むのか。世界17カ国から翻訳者、作家、
研究者が一同に会し、村上春樹作品について語り合っている。第二部のパネル・ディ
スカッションの模様は、NHKにより録画放映もされた。なお、タイトルの「A Wild
Haruki Chase
」は、アルフレッド・バーンバウム氏により初めて英訳された長編
羊をめぐる冒険』の英訳タイトル「A Wild Sheep Chase」をもじって銘打たれ
ている。

 現在、朝日新聞紙上で「ふたつのMを追って~マンガと村上春樹」というシリーズが
連載されている。マンガと村上春樹という、日本発のふたつの文化が海外でどのように
受け入れられ、人気を博しているかを追ったこのレポートにも、村上春樹はフランス
ブランド化しているとあった。アジアの中国語圏でも「非常村上すっごくムラカミ)」
絶対村上ばっちりムラカミ)」といった言葉が流行語として、新聞や雑誌に飛び
交い、韓国でも村上文学に影響を受けた「ハルキセデ(春樹世代)」なる若手作家たち
が出現しているという。

 一般公募により参加者を募ったこのシンポジウム、私は参加は叶わなかったが、こ
うして一冊の本になった記録を読むだけで、会場の熱い空気が伝わってくるようだっ
た。本来黒子であるはずの翻訳者が一人の作家の吸引力によって一同に会し、自分た
ちが魅せられたその文学世界を語っているわけだから、村上春樹ファンにとっては面白
くないわけがないだろう
翻訳者は、一番熱心に、深く作品を読み込んでいる読者で
あるはずだから
。漢字、ひらがな、カタカナの混在する日本語を、どう自国の言語に
置き換えるのか。私、僕、俺、などの一人称をどう訳し分けるのか、あるいは訳さな
いのか。彼らの翻訳という作業への情熱と、村上作品への敬意と愛が隅々にまで感じ
られる。興味のある方には、是非手にとっていただきたいと思う。

 本書の詳しい内容は読んでいただくとして、一つ、興味深かった内容を紹介したい。
四方田犬彦氏による「村上春樹と映画」という短い章があり、そこでは村上作品と
映画との関わりが述べられている。私が驚いたのは、王家衛による『恋する惑星』から、
村上春樹の『風の歌を聴け』など初期作品の影響が圧倒的に感じられる、という部分。
私は『恋する惑星』は大好きで何度も観ているけれど、この作品から村上春樹の影響は
考えたことがなかった。確かに原題は『重慶森林』で、「明らかに」『ノルウェイの森
に由来している、らしい。う~む、これって常識だったんだろうか、ちょっとショック
でした。
 
 とても充実した内容の本書だけれど、村上作品の翻訳の先達、アルフレッド・バーン
バウム
氏の発言が(氏の意志により)反映されていないことは非常に残念。「カズオ・
イシグロと村上春樹の文化的無臭性の相違についてのきわめて興味深い指摘
」、う~ん、
読んでみたいじゃないですか

(『A Wild Haruki Chase 世界は村上春樹をどう読むか
    柴田元幸、沼野充義、藤井省三、四方田犬彦・編/文藝春秋/2006)
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2006-11-23 : 読書 : コメント : 6 : トラックバック : 1
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みなさんこんにちは、オレペコです。 今日は海外で活躍するインターンの方からの報告です。今年(2006年)は 日豪交流年 ですので、現地でも様々なイベントが行われているようです。それでは、どうぞ! 立命館大学院国際関係研究科の川口です。9月22日より11月30
2006-11-28 18:06 : 地球を、開けよう。
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真紅さん★『ひとつ、村上さんでやってみるか』(朝日新聞社)というムックがでましたね。そこで書かれている村上さんの座右の銘は「腹が立ったら自分にあたれ、悔しかったら自分を磨け」だそうです。大人しそうな風貌からは意外(?)なお言葉だったけど、「なんだかいいなぁ♪」と思いました。「悔しかったら他人にあたる」というのが、なんとなく今の時代になっちゃってますものね。村上さんが翻訳した『ギャッツビー』はかなりの評判だとか。「たちまち大増刷~」という宣伝も見ました。ご本人は嫌がってるようですが私としては「ノーベル賞までいっちゃっていいですよー」と思ってます(笑)。
映画だけじゃなくて、本のご紹介も、いつも楽しく、ありがとうございます~★
2006-11-24 20:24 : メグ URL : 編集
メグさま、こんにちは。コメントありがとうございます。
そうそう、村上春樹のムックはいつも楽しみに読んでいます。
なんだか潔くて、カッコイイ人だと思いませんか?村上春樹って。
『ギャツビー』もまだ手に入れてないのですが、年内には必ず読みたいと思っています。
(実は、愛蔵版と新書版、どちらを買うか迷っているのです。多分愛蔵版を買うと思います)
ノーベル賞、あと10年後くらいには現実のものとなるのではないでしょうか?
毎年騒がれるのはご本人もウンザリでしょうから、早く獲って欲しいですよね。
こちらこそ、いつもコメントありがとうございます。またいい本があればご紹介しますね。ではでは。
2006-11-24 22:57 : 真紅 URL : 編集
真・紅・さ・ぁぁぁ・~・ん★(←実はちっちゃい声で呼びかけています:汗)

私、村上さん訳の『グレート・ギャッツビー』読みました~。
真紅さんが読後感想をアップしてくださるのをお待ちしております~。
あ、せかしてしまったらごめんなさい~。
歳末は何かと忙しいですから・・・。
年が新しくなってからでも全然構いませぬ~。
ずっとずっと楽しみに待ってまーす。

いつも素晴しい映画評、ありがとうございます♪
お正月休みに、映画館で、レンタルで、どれとどれを観ようかなと
そのためのハイレベルな参考書として利用させていただいてます。
ありがとうございます★
2006-12-12 00:40 : メグ URL : 編集
メグさん、は~~~い、こんにちは。コメントありがとうございます。
おお、『ギャツビー』読了されたのですね!私も読んでますよ~、でもここのところ観たい映画がいっぱいで、読書のほうは進みません。
でも年内には絶対、感想をアップしますので、その時またゆ~っくりと、お話しましょうね♪
映画の感想は、いつもネタバレしてしまってすみません・・。
ハイレベルなんてとんでもないですが、また紹介した映画のこともお話できればうれしいです。
あ、それから朝日の06年回顧映画篇、昨日の夕刊に掲載されてました!
タイムラグがありますね~。個人的にはBBMと、麦の穂を挙げておられる方が何人かいらっしゃってうれしかったです。
ではまた覗いてみて下さいね。ありがとうございました。
2006-12-12 08:41 : 真紅 URL : 編集
真紅さん~おはようございますー!
今朝、こんなニュースを発見し、さすが!!村上春樹!!とっても素敵だし、やっぱり私が好きになった人だわ!とおもったの。で、村上春樹といえば、真紅さん♪と思って、やってきちゃいました。

>【エルサレム15日時事】作家の村上春樹さん(60)は15日、イスラエル最高の文学賞「エルサレム賞」を受賞し、エルサレム市内の会議場でスピーチを行った。村上さんは、イスラエルのパレスチナ自治区ガザ侵攻を批判、日本で受賞をボイコットすべきだとの意見が出たことを紹介した。
 村上さんは例え話として、「高い壁」とそれにぶつかって割れる「卵」があり、いつも自分は「卵」の側に付くと言及。その上で、「爆弾犯や戦車、ロケット弾、白リン弾が高い壁で、卵は被害を受ける人々だ」と述べ、名指しは避けつつも、イスラエル軍やパレスチナ武装組織を非難した

ご存じだったら、長々とコピペ、ごめんね! 私も割れる卵側につく人ですー^^
この本を読んでいないのに、関係ない話題をすいません・・。
2009-02-16 07:59 : latifa URL : 編集
latifaさま、こんにちは~。コメントありがとうございます!
いえいえ、もうコメント大歓迎ですよ~♪ ハルキさんのニュースで思い出していただけてうれしいわ♪

私も、このニュースはとても気になっていました。
大阪の団体が、授賞式のボイコットを求めたということで、なんかやきもきしてしまってね。。
ハルキさん、どーするんだろう?!って心配していたのよ。
でも、出席してスピーチして自分の立場、主張を明確にするって、かっこいいなと思いました!
夏には長編小説がいよいよ出るらしく、「それまで絶対生きねば!」と思ってます(笑)。
この賞を受けたことで、ハルキさんがミラン・クンデラやスーザン・ソンタグと並ぶくらい凄い作家なんだ、と認められたようでと~ってもうれしいです!
私も、卵側につくゾ~、ご一緒しますよ!
ではでは、またお伺いします~。
2009-02-16 19:43 : 真紅 URL : 編集
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