心のありよう~ 『帰ってから、お腹がすいてもいいようにと思ったのだ。』

高山なおみさんの新刊が出る、というので、一緒にレコメンされていた本書を
読む。雑誌『CUT』に連載されていた頃、時々読んでいたエッセイ。こんな素敵
なタイトルで、単行本になっていたなんて。今まで知らなかった。
「私の体の中には種のようなものがあって、自分ひとりの力では芽を出すこと
ができないでいるけれど、本を読んだり映画を見たり、音楽を聞いたりして
感動すると小さな芽が出てくる。それがたび重なって少しずつ成長してゆき、
茎も太くなり、しまいには堂々とした太い木になってくれればいいなと思う。
今なら私はちゃんとわかる。
誰が何と言っても、自分にはかけがえのないものなのだからそれでいい。自
分だけにしかわからない特別なことを、ひとつひとつ味わってゆけば、それ
で充分なのだと、今は強く思える。」 (スペーシャル・トゥ・ミー。)
何度も何度も読み返して、涙が溢れる。少し心が弱くなって、感傷的な今の私
には、滋養あるスープのような本、なのだった。
( 『帰ってから、お腹がすいてもいいようにと思ったのだ。』
高山なおみ・著/2001・ロッキングオン)
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