ひとを慈しむもの~『慈雨の音 -流転の海 第六部-』
慈雨の音

 昭和39年。大阪・福島で、松坂熊吾モータープールの管理人として、妻・房江
一人息子の伸仁と三人で暮らしていた。

 宮本輝氏による 『流転の海』 シリーズ待望の新作。前作である第五部 花の
回廊
 の感想を書いているのが丁度4年前。あと何年、何作で完結するのだろう
な、と思いつつ読了。

 宮本輝は、新作が出ると必ず読む作家のひとり、だった。実は今年の春に出た
『三十光年の星たち』 は手に取ったものの、読んでいない。しかしアマゾンのレビ
ューは軒並み高評価
なので、いつか読んでみようかな。。

 閑話休題。前作で、今後のキーパーソンになると予想した咲子は登場せず。
国一城の主
でないと気が済まない性分の熊吾は、新しい事業への目配せに余念
がない。房江は、小学校を卒業できなかったコンプレックスと、熊吾の晩酌に付き
合うストレスアルコールに手を伸ばす。私立中学に入学した伸仁は、第二次性
を迎えようとしている。彼らと彼らを巡る人々の日常と、それぞれの運命、様々
出逢いと別れが描かれる。

 この物語の魅力は、松坂熊吾という豪放磊落にして繊細な人物の魅力にあると
わかっていながら、この物語の語り手(視点)が息子の伸仁に移るのはいつだろ
う、と考えている自分がいた。そしてそうなった時こそが、この大河シリーズが終
わりを迎える時
なのかもしれない。

 ( 『慈雨の音 -流転の海 第六部-』 宮本輝・著/新潮社・2011)
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[2011/10/05 11:32] | 読書 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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