つながる道~『こうふく みどりの』 『こうふく あかの』
こうふくみどりの

 1991年、大阪の下町女ばかりが暮らす辰巳家には、今日もたくさんの人々
が訪れる。14歳の中学生・緑は、転校生のコジマケンに心惹かれていた。
 2007年、課長の「俺」は、従順なはずだったに、自分以外の男の子を宿し
、と告げられる。

 「緑」「赤」の(まるで『ノルウェイの森』 のような)装丁の、「こうふく」 二部
。とは言ってもこの2作、上下巻ではなく、連作というわけでもない。しかし
「どこかで繋がっている」 物語

 「イラン生まれの大阪育ち」西加奈子嬢の小説を初めて読んだ。1977年生
まれ
ということは、川上未映子嬢と同い年なんですね。(川上未映子さんは19
76年生まれでした、ごめんなさい)

 個人的好みで言うと、「みどり」 のほうが圧倒的にスバラシイ!です。どちら
にも共通しているのが人間の(というか女の)業、ですが、「みどり」 のほうが
より生々しく、リアルで切ないどうしても離れられない男と女の、理屈でない恋
情や愛情
というものを、細かく、丹念に描き出している。それはそれは、残酷な
までに


 ただ、あまり上品とはいえない大阪の下町言葉で全編が貫かれているために、
嫌悪感を覚える人も多いかもしれない。しかし、この小説は大阪弁で書かれた
がゆえに、より大きな感動をもたらしている
ようにも思う。諸刃の剣ですが、個人
的には支持したい。

 まだこの2冊しか読んでいないけれど、特に「みどり」 に、著者の心根のやさ
しさや汚れのなさ
を感じて、何度も何度もが流れた。ほぼ嗚咽。「あか」 は
読まなくてもいいくらいかも、、とか言ったら著者がガッカリするかな(笑)。それ
くらい、私は「みどり」 が好きでした。

こうふくあかの

 ( 『こうふく みどりの』 『こうふく あかの』 西加奈子・著/小学館・2008)
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【2011/09/10 13:52】 | 読書 | トラックバック(0) | コメント(0)
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