映画が大好きです。いつまでも青臭い映画好きでいたい。 記事は基本的にネタバレありです by 真紅

ただの女、ただの男~『別れの時まで』

別れの時まで










 Until It's Time For You To Go.


 編集者松永薫は10年以上前に妻を亡くし、中学生の娘早紀と二人暮らし。
「家族」についての手記を応募してきた舞台女優・毛利伊都子と出会い、互いに
惹かれあうのだが・・・。

 蓮見圭一さんといえば、『水曜の朝、午前三時』。今は亡き児玉清さんに「飛行
機の中で泣いた。こんな恋愛小説を待ち焦がれていた」
と言わしめたあの小説は
私も大好きな作品。生涯ベスト10には絶対入れたいほど思い入れがある。蓮見
さんにとってデビュー作であるあの作品はベストセラーとなったものの、当時何故
だか彼はプロフィールを明かさず、「覆面作家」だった。そのためかどうか、彼と
その作品がいまだに文壇から「無視」され続けているような気がするのは私だけ
だろうか。

 その蓮見さん待望の新作は恋愛小説! しかも、『水曜の朝~』と同じく、アメ
リカのポピュラー音楽
からタイトルを得ている。これは期待も高まるというもの。
夢中で読みました。面白かった・・・。

 不惑直前、やもめ暮らしの寡黙な男が、わけアリの舞台女優に恋をする。中学
生のような純な恋
を。彼女はシングルマザーで、9歳の男の子を女手一つで育て
ている。そしてその男の子の父親を巡るストーリーが実在の事件と絡み合って
ステリー
となり、最後まで一気に読ませる。

 物語前半、伊都子に恋をした薫の純情は微笑ましい。中年男でありながら、
っていることは中学生と変わらない
、と彼は自嘲する。しかし、恋は出会い頭だ。
気がついたら、もう落ちているもの。幾つになっても

 薫の一人称で語られるためか、伊都子の心情やキャラクターは今一つ鮮明で
はない。村上春樹レイモンド・チャンドラーの影も見え隠れする。それでもやっ
ぱり、蓮見さんの小説はいいなぁ、と思う。しかし---。

 ★ 以下、結末に触れています ★




 あのラストは何なのだ? 薫が逮捕されたということなのだろうか? しかも
大川でなくて五十嵐に? 何故? 何の罪で? あんまりだよ、酷すぎる。

 ( 『別れの時まで』 蓮見圭一・著/小学館・2011)
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2011-08-22 : 読書 : コメント : 3 : トラックバック : 0
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2011-08-30 21:35 : : 編集
真紅さん、こんばんは♪
今朝は、拙宅に遊びにいらしてくださりありがとうございました。

どうも毎度すっかりご無沙汰してます、ばっかりですね。すみません。

真紅さんもお忙しそうですね。
久々に訪れて、しばし読みふけってしまいました。そして「いちぢく大爆発!」というパンによだれが出そうになりました。(そこ!?)
いちぢく、生ではあかんのですが、ジャムとかになると大好きです~。

で。蓮見さん。次はこれを読もうかな、と思ってたんです。まぁ、デビュー時は覆面作家さんだったんですか。
ラストが気になるところですが。。。
読み終えたらまたまいります<m(__)m>

「プロメテウス」も見たかったのですけど、もう間に合わないかな・・・
映画は本当は映画館で観たいのに~~

ままなりませんね、何事も(^_^;)
2012-10-27 23:08 : 武田 URL : 編集
武田さん、こんばんは~。コメントありがとうございます。
あはは、「いちぢく大爆発!」はサミー・プーですね。
私も、生のいちぢくって子どものころに母が食べてるのを見て「こわい・・・」と思った記憶があり、好きじゃないです。
なんか、あのビジュアルがダメよね~。
でもドライいちぢくは大好きです。ドライフルーツが好きなのよ~。

で、この本ですが面白かったですよ~。
薫が「恋する乙女」みたいで笑えます。
是非読んでみて下さいね♪

夏以降忙しくて、読んだ本の感想を全く書けていません。
これからちょっと時間ができそうなので、記録だけでも残しておこうかな、とか思ってるのですが。

ところで、武田さんも早朝にお弁当作りされてるのですね。
中学生の母の宿命よね~。高校卒業までだから、お互い早起き頑張りましょうね。
私もまたお邪魔しますね。ではでは~。
2012-10-28 01:45 : 真紅 URL : 編集
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