ひなたを走りたい~『わたしの彼氏』
わたしの彼氏

 繊細美男子、中里鮎太朗は平凡な大学生。三人の姉に囲まれて育った彼は
いつでも、誰にでもやさしい。そしてその自己主張のなさが、時に女たちの劣情
を刺激する
のだった。

 芥川賞作家・青山七恵氏の長編小説。書評であまりにも大絶賛されているの
で、著者の作品を初めて読んでみました。いや~、これは。。これまでなかった
タイプの青春・恋愛小説ではなかろうか?
 出だしこそややもたつきはあるけれ
ど、先の読めない展開はラストまで面白さが止まらない。「自分」がない主人公
・鮎太朗そのもののような、不思議な小説真っ赤なリンゴの表紙もかわいい。

 しかし、タイトルの「わたし」って、誰のことなんだろう? 「彼氏」は鮎太朗であ
ることは間違いないけれど、「わたし」はもしかしたら、彼を取り巻く女性たち全て
の総称
なのかもしれない。読んでいる「私」自身を含めた。

 鮎太朗のように、「自分」っていうもの--いわゆる「アイデンティティ」がなく
自分は周りの人たちから「部品」を寄せ集めて作られたもの、だと感じてる人っ
て、意識的にしろ無意識にしろ、結構いるのではないかな。自意識が希薄なぶ
自己主張も弱くって、それを「やさしさ」と勘違いした女たちは彼につけこんだ
り、利用したり、愛したりしてしまう


 そんな鮎太朗を、最初から最後まで一途に想い続けるテンテンがかわいく、
愛おしい
嘘の恋はいやだ、命を懸けて恋したいんだ、と言って慎平と別れる
場面は最高。益夫くんと働きながらも、鮎太朗を恋しがる彼女の気持ち、わか
る、わかるよ。。

 鮎太朗を演じられるのは、岡田将生くんしかいないでしょう。テンテンは吉高
由里子
ちゃんで。妄想キャスティングしてしまうな~。

 ( 『わたしの彼氏』 青山七恵・著/講談社・2011)
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テーマ:恋愛小説 - ジャンル:小説・文学

[2011/05/21 00:00] | 読書 | トラックバック(1) | コメント(0) |
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[2011/06/09 14:51] ぁの、アレ!床屋のぐるぐる回ってるヤツ!
真紅のthinkingdays


いつまでも青臭い映画好きでいたい。愛おしい映画と、忘れがたき本たち。ときどきカフェとか。 記事は基本的にネタバレあり。 どうぞご贔屓に♪

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