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映画が大好きです。いつまでも青臭い映画好きでいたい。 記事は基本的にネタバレありです by 真紅 (言葉を探す人)   ★劇場鑑賞した映画は Instagram にアップしています @ruby_red66 ★Stay Blue

シャトー・マーモントホテル~『SOMEWHERE』

SOMEWHERE.jpg






 SOMEWHERE


 ハリウッド映画スター、ジョニー・マルコ(スティーヴン・ドーフ)は、LAの
ホテル「シャトー・マーモント」で暮らし、空虚な日々を過ごしていた。そこへ、
前妻と暮らす娘クレオ(エル・ファニング)が訪れる・・・。

 ソフィア・コッポラ監督・製作・脚本による、いかにも、いかにも彼女らしい
作品。特にこれといった事件が起こるわけでもなく、主人公の姿を淡々とカ
メラが追い、心地よい音楽優美な空気が映し出されるだけ。これは好き嫌
いが分かれる
でしょう。私は、可もなく不可もなく、だと観た直後は思ってい
たのだけれど・・・。

 これは不思議な映画です。観終わって、日が経つにつれて「いい映画だっ
た」
っていう思いが強くなる。可憐思春期の少女クレオを演じたエル・ファ
ニング
には、5つ☆を進呈したい。スティーヴン・ドーフ素敵でした。ヴェネ
チア国際映画祭金獅子賞受賞作


SOMEWHERE2

 セレヴリティの孤独や、「酒とバラの日々」は私にはどうでもいいし、関係のな
いお話。しかし、11歳の娘とその父が過ごすキラキラした夏の日々には、どうし
たって惹かれてしまう。

 気だるいプールサイド、水の中のパントマイム。真夜中のベッドで食べるジェ
ラート、カジノ、ロビーのソファでのうたた寝
。親の庇護を必要とするギリギリの
年齢の娘と、男盛りの父親。朝食の席に無遠慮に同席するイタリア女優に礼儀
正しく接しながら、父には非難の眼差しを向ける娘。「ママはいつ戻ってくるんだ
ろう、パパは忙しいし・・・」
 娘の孤独に初めて気付き、自らの「空虚」に向き合
う父。子どものには、どうしても感応してしまう。私の子も、寂しい思いしてる
んじゃないか、って、いつも不安だから。

SOMEWHERE3

 予告編でも流れていたThe Strokes「I'll Try Anything Once」が心に
残る。相変わらず、音楽は素晴らしいです。サントラは発売予定なしとのこと、
勿体ないな。。この映画を観て以来、ヴァージン・スーサイズサントラをリ
ピートしている私。

 ラストシーン、ジョニーは何処へ向かうのか・・・。「此処ではない、どこかへ」

 ( 『SOMEWHERE』 監督・製作・脚本:ソフィア・コッポラ
        主演:スティーヴン・ドーフ、エル・ファニング/2010・USA)
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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

2011-04-07 : 映画 : コメント : 8 : トラックバック : 24
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SOMEWHERE(2010)
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SOMEWHERE
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2011-04-07 23:56 : LOVE Cinemas 調布
SOMEWHERE
映像センスには定評があるソフィア・コッポラらしいドライな感覚の人間ドラマだ。映画業界ならではのセレブな空気と、そこに潜む孤独には、巨匠フランシス・フォード・コッポラの ...
2011-04-08 00:24 : 映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評
~『SOMEWHERE 』~ ※ネタバレ有
2010年:アメリカ映画、ソフィア・コッポラ監督&脚本、スティーヴン・ドーフ、エル・ファニング、クリス・ポンティアス出演。
2011-04-08 02:52 : ~青いそよ風が吹く街角~
映画「SOMEWHERE」満ち足りた、何もない毎日
「SOMEWHERE」★★★☆ スティーヴン・ドーフ、エル・ファニング、クリス・ポンティアス出演 ソフィア・コッポラ監督、 98分 、2011年4月2日公開 2010,アメリカ,東北新社 (原作:原題:SOMEWHERE)                     →  ★映画のブログ...
2011-04-08 11:05 : soramove
『SOMEWHERE』
(原題:SOMEWHERE) ----これってソフィア・コッポラ』監督の映画だよね。 確かヴェネチア国際映画祭金獅子賞だったような…。 「うん。 実を言うと、 あまりノレた映画じゃなくって、 いったんはスルーしようかと思っていたんだけど、 今回の地震で思うところがあっ...
2011-04-08 22:34 : ラムの大通り
映画レビュー 「SOMEWHERE」
SOMEWHERE  原題:SOMEWHERE 【公式サイト】  【allcinema】  【IMDb】 ソフィア・コッポラ監督のヒューマン・ドラマ。台詞が極端に少ない構成が特徴的。主演は「パブリック・エネミーズ」の...
2011-04-09 12:07 : No Movie, No Life (映画・DVDレビュー)
SOMEWHERE
娘と過ごして気づいた事公式サイト http://somewhere-movie.jp監督: ソフィア・コッポラハリウッドの映画スター、ジョニー・マルコ(スティーヴン・ドーフ)は、LAにあるホテル“シャ
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SOMEWHERE
Somewhere [Blu-ray] [2010]2010年 アメリカ 監督:ソフィア・コッポラ 出演:スティーブン・ドーフ    エル・ファニング    クリス・ポンティアス    ミシェル・モナハン    ベ ...
2011-04-09 23:28 : 菫色映画
Some where
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2011-04-13 10:47 : ケントのたそがれ劇場
■映画『SOMEWHERE』
ソフィア・コッポラ監督の新作映画『SOMEWHERE』。 これは巨匠と言われる映画監督フランシス・フォード・コッポラの娘である彼女、映画業界の表と裏、光と影、華やかさの裏にある空虚さを知り尽くしている彼女だからこそ作れた作品だと思います。 派手なストーリー
2011-04-17 22:39 : Viva La Vida! <ライターCheese の映画やもろもろ>
No.252 SOMEWHERE
【ストーリー】 「ロスト・イン・トランスレーション」のソフィア・コッポラ監督が、父フランシス・フォード・コッポラとの思い出や、2児の母となった自らの経験を投影して製作。 ...
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 『Somewhere』を吉祥寺のバウスシアターで見てきました。 (1)映画を制作したソフィア・コッポラ監督については、少し前にDVDで見たことがある『ロスト・イン・トランスレーション』(2003年)が、東京を舞台にした大変興味深い作品だったこともあり、今回の作品にも期...
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SOMEWHERE
「ロスト・イン・トランスレーション」のソフィア・コッポラが、空虚な日々を送るハリウッドスターと、別れた妻と暮らす娘とのひと時の交流を優しい眼差しで描いたドラマ。出演は ...
2011-05-10 20:12 : パピ子と一緒にケ・セ・ラ・セラ
「SOMEWHERE」感想
 イケメン妖怪スティーブン・ドーフ小僧が、生き別れの一人娘を探して大冒険を繰り広げる、超スペクタクル3Dアクションムービ(殴)  …痛、痛いです、ごめんなさいホント、すみません。ちょっとやってみたかっただけなんです、ゴメンナサイ…。  気を取り直し...
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2011-05-21 15:02 : voy's room
[映画『SOMEWHERE』を観た]
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2011-05-25 07:35 : 『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭
『SOMEWHERE』
「ロスト・イン・トランスレーション」「マリー・アントワネット」の ソフィア・コッポラ監督が、すさんだセレブ生活を送る映画スターと、 前妻との娘である思春期の少女との束の間の心のふれあいを綴るハートフル ・ヒューマン・ストーリー。 主演は「パブリック・エネ…
2011-06-29 00:25 : だらだら無気力ブログ
SOMEWHERE
SOMEWHERE'10:米◆原題:SOMEWHERE◆監督:ソフィア・コッポラ「マリー・アントワネット」「ロスト・イン・トランスレーション」◆出演:スティーブン・ドーフ、エル・ファニング、クリス・ポ ...
2011-09-05 13:18 : C'est joli~ここちいい毎日を~
DVD:SOMEWHERE なぜか「あとをひく」L.A.版「甘い生活」
「ロスト・イン・トランスレーション」のソフィア・コッポラの最新作。 ほとんど「何も起こらない映画」という噂を聞いていたので、かなり警戒して鑑賞。 ところが、そこまでではなかった。 主人公(スティーブン・ドーフ)は、たいした努力もせずとも運よく出世し、今...
2011-11-08 03:56 : 日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
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相互リンクの依頼です...
真紅さん、はじめまして。

映画と、CGと、金持ち父さんと...というサイトを運営しているnaotomoというものです。
今回、相互リンクを依頼したくて、こちらのコメント欄に記入させていただきました。
映画が好きで、熱心に更新を続けているサイトを探していて、真紅さんのブログを見つけました。

こちらのブログへのテキストリンクは、すでに設置してあります。
http://naotomo-eck.com/eiga2011/index.html
右下のリンク6をクリックすると、タブが開くようになっています。
こちらのブログへのテキストリンクは、映画に関するすべてのページに設置しているので、少しは役立つかと思います。

相互リンクしていただけるようであれば、以下に私のサイトの情報を記しておくので、良ければ使ってください。
タイトル : 映画と、CGと、金持ち父さんと...
URL : http://naotomo-eck.com/

相互リンクしていただけると、めちゃめちゃ嬉しいので、ぜひともよろしくお願いします。
それから、私は映画がけっこう好きなのですが、ソフィア・コッポラの映画はまだ一度も見たことがないので、ちょっと見てみたくなりました。

ではでは...
2011-04-07 22:30 : naotomo URL : 編集
naotomoさん、初めましてこんにちは。コメントありがとうございます。
拙ブログをリンクしていただいたようで、ありがとうございます。
相互リンクですが、後ほど張らせていただきますね。

ソフィア・コッポラの映画、私は好きです。音楽がね、いつもいいんですよ。
是非ご覧になってみて下さい。
2011-04-09 19:44 : 真紅 URL : 編集
うーん、不思議な映画ですよね。
凄く淡々としているのに、決して退屈ではなく。
まさにソフィア・コッポラの映画って感じですね。
あのきらきらした日々は娘にそのまま投影されていると思いきや、ラストあたりでその娘の寂しさが露呈されるという……。
娘の孤独と自らの空虚な人生を正視させられた上手いシーンだと思います。
エル・ファニングの少女独特の透明感は素晴らしかったです。
音楽も良かったですね。サントラの発売がないとは残念。
2011-04-09 23:26 : リュカ URL : 編集
ありがとうございます。
真紅さん、こんにちわ。

相互リンクを了解していただいて、ありがとうございます。
ソフィア・コッポラの映画、だんだん観たくなってきました。
確かに音楽って重要で、どの曲を選ぶか、どのように使うかで、映画の印象が大きく変わってしまいます。

それでは、今後ともよろしくお願いします。
2011-04-10 10:04 : naotomo URL : 編集
真紅さん、こんばんは。
味のある映画でした。水の中のパントマイム、いい場面でした。スケートリンク、卓球などのふたりで過ごす場面の優しく美しい描写力に感心しました。
日常生活を淡々と綴る作風には、ジム・ジャームッシュと河瀬直美のふたりの監督が想起され、新感覚ともいうべき映像を堪能しました。
2011-04-10 18:31 : 筆致 刻久 URL : 編集
リュカさん、こんにちは。コメント&TBありがとうございます。
そうなんです、この映画極端にセリフが少ないですよね。
だからストーリーらしいドラマはないんだけど、何故か観てて心地いいんですよね。
その辺りはソフィア・コッポラの手腕でしょうか。
しかし、この映画合わない方は結構ダメのようですね。。ブロガーさんの評価も賛否割れてる印象です。
私はエル・ファニング嬢だけでも☆5つですが(笑)。
サントラね。。ホント、残念ですよね~。YOUTUBEで曲を探して聴いてます。
2011-04-11 17:19 : 真紅 URL : 編集
naotomoさん、こんにちは。ふたたびのコメントありがとうございます。
予告編で音楽を期待したら、本編で使われてなかった、、などということが結構あるのですが、本作は予告で印象的な曲が本編でも非常に印象的でした。
ソフィア・コッポラの映画は合う、合わないがあるのですが、是非ご覧になってみて下さい。
こちらこそどうぞよろしくお願いいたします。
2011-04-11 17:21 : 真紅 URL : 編集
筆致刻久さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
父と娘の至福のときを切り取った、素敵な映画でしたね。
ジム・ジャームッシュ懐かしいです。。河瀬直美さんの映画は観たことがないのですが。
カメラはガス・ヴァン・サント作品を多く手掛けている方のようですよ。
透明感ありましたね。
2011-04-11 17:25 : 真紅 URL : 編集
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