映画が大好きです。いつまでも青臭い映画好きでいたい。 記事は基本的にネタバレありです by 真紅

ヤドカミ様の子どもたち~『月と蟹』

月と蟹

 父を亡くし、母と祖父の三人で鎌倉に暮らす小学生の慎一は、学校に馴染めな
いでいた。そんな慎一の連れは、転校生で同じく学校に馴染めない春也だった。

 欠落した心を抱えた孤独な小学生が、「ヤドカミ様」に願いを託し、黒い祈り
捧げる。親の愛を求めて得られず、大人の事情に翻弄され、傷つき、大人になろ
うと苦しむ子どもたちの姿
が、胸に痛い。第144回直木賞受賞作

 道尾さんの作品は、エッセイ集『プロムナード』を読んだことがあるだけで(感想
は書いていない)、小説作品は初めて。五期連続で直木賞候補になった、人気・
実力を兼ね備えた若手作家さん。「情熱大陸」も観たが、ビッグマウスで自らを追
い込むタイプの方のようだった。

 慎一と同い年(小学五年生)男子の母である自分は、彼の孤独と痛みが胸に迫
って、涙、涙で読了。母であると同時に、「女」でもある純江。いつだって子どもを
最優先、を心がけている私だけれど、純江の気持ちはよくわかる。そして、いつ
だって自分だけを見ていて欲しい親の、「心ここにあらず」な姿に傷つく、慎一の
思いも。

 仕事にストレスを抱える父親から、虐待されている春也。母を亡くし、父親まで
奪われるのではないかという疑心に怯え、大人になろうとする鳴海。それぞれの
欠落が、友情という絆とほのかな恋心との間で、ゆらゆらと憎しみに変化してゆ
く。哀しい子どもたち。大人への通過儀礼と呼ぶには、それは辛過ぎる試練だ。
一緒に泣いてあげたいよ・・・。

 ( 『月と蟹』 道尾秀介・著/文藝春秋・2010)
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2011-03-19 : 読書 : コメント : 2 : トラックバック : 1
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小説「月と蟹」を読みました。 著者は 道尾 秀介 今作で直木賞を受賞しました やはり 最近の道尾さんの作風で ミステリというよりは文学としてドラマが強い そして、怖さもある 最近で言うと、 光媒は好きでしたが球体はダメだった僕ですが・・・ 今作は長編という...
2011-10-16 20:39 : 笑う学生の生活
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真紅さん、こんにちは~!
これ、切ないよねー。私は凄く面白かった~。
道尾さんの小説は、小学生の子供が孤独だったり、辛い家庭環境におかれているとかって設定が多いんだよ、真紅さん的に読むのが辛くなっちゃうかもな・・・。

これはどんでん返し!みたいのが少なかったけれど、以前のは、えっ@@っていう驚かされる展開が最後の方にある小説が多かったみたい。
プロムナードで、それに期待しないで欲しい・・・みたいに書かれてたから、もう期待するのは辞めたけども^^
2011-03-20 10:40 : latifa URL : 編集
latifaさん、こんにちは! コメントありがとう~。
そうそう、これめっちゃ切なかった。。子どもたちの孤独が沁みたわ~。
道尾さん、小説は初めて読んだんだけど、、、そうか~、こういう設定が多いのね。

『プロムナード』ではね、太宰を教えてくれた女の子のエピソードとか、印象的だったな~。
道尾さんって営業マンだったんだよね。小説家に転身されて、こんなに成功して凄いよね。。
『情熱大陸』も観たけど、プライベートは結構、謎っぽくなかった?
結婚されてるのか、とか、家族のこととか、わからなかったよね。
あと、結構ナルシストかも?と思いました(ごめーん)。
2011-03-20 21:26 : 真紅 URL : 編集
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