祖母と去るもの、残るもの
 父方の祖母が亡くなった。93歳、眠るような最期だったという。
 祖母が得た15人の孫の中で、自分が特にかわいがられたという意識はない。
しかし、すべての子どもにとって「おばあちゃん」の存在が特別な意味を持つように、
私の子ども時代の記憶も祖母と分かちがたく結びついている。
母の留守中に蜂に刺されたとき、薬を塗ってくれたこと。
「むすんでひらいて」を一緒に唄ったこと。
 成人して随分長い時間がたつが、「おばあちゃん」と呼べる存在を失ったことで、
私の子ども時代も本当に終わったのだと感じている。
 孫は無条件にかわいいと言うが、見返りなど何も求めず、存在自体を丸ごと受容し、
ただそこにいるだけで愛してくれた祖母。葬儀の挨拶で父は言った。
「母は子を6人、孫を15人、曾孫を12人、合わせて33人の子孫を残しました。母は亡くなり
ましたが、私たちの中に母はいるのです」
それはただ遺伝子レベルの話ではなく、祖母の愛情が私たちの中に生きているということ
でもあるだろう。
 子どもがいつかは大人になるように、愛もいつかは、思い出に変わる。
しかし祖母の愛は変わることなく、私の中に生き続ける。
そして祖母もまた、愛を胸に抱いて旅立ったのだと信じたい。
 おばあちゃんありがとう。また会おうね。
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テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

[2005/12/22 01:41] | 徒然 | トラックバック(0) | コメント(4) |
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コメント
初訪問です。
私にとっての祖母は、いつも私の応援者で
あった事を思い出しました。
私はよく「祖母に似てる」と言われます。

このブログ、楽しみにしていますね。
[2006/03/20 22:01] URL | くっち #- [ 編集 ]
くっちさん、拙ブログにお越しくださり、コメントありがとうございます!
6年前に他界したもう一人の祖母についても、いつか書きたいと思っています。
今後ともよろしくお願いしますね。
[2006/03/21 00:32] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
びあんこさんへのコメントにも書いたことがあるのですが、我家は父親の居ない家庭で母が家計を支えておりましたため、姑である祖母がすべて私の面倒をみてくれていました。祖母にとっては唯一の孫であり知人の語り草となるほど溺愛されて育ちました。人を愛する心,他者への思いやり,自分を律する態度等々すべて祖母から言葉以外のことで教わったような気がします。真紅さんのおっしゃったように「見返りなど何も求めず、存在自体を丸ごと受容し、ただそこにいるだけで愛して」もらっていたのだと今更のように気づき祖母への思いを新たにしております。
私がずっと抱きながら言葉にできなかった愛の形を真紅さんにこんな素晴らしい表現で語っていただいたこと、感謝の言葉もありません。
祖母は真紅さんのお婆様のようには子孫を残すことはできませんでしたが、せめて私がこれからの人生悔いなく生きることが祖母への供養にもなるのでは、と自分を慰めています。
私事など書き連ね、失礼いたしました。

お婆様へのコメントにこんなことを書くのはあまりにも恐縮なのですが、「愛もいつかは思い出に変わる」ということ、今のBBMへの気持ちもいつかは思い出に変わっていくのかと思うと一層切ない気がいたします。
[2006/05/28 07:27] URL | 沙斗魔 #- [ 編集 ]
沙斗魔さん、こちらにもコメントありがとうございます。
素晴らしいお祖母さまだったのですね。祖母の存在は、ある意味親以上に子どもの人生を照らしてくれるものだと感じます。
「愛もいつかは、思い出に変わる」この言葉は、実は私の大好きな映画『八月のクリスマス』の主人公のセリフなのです、ご覧になられたでしょうか。
いつかは思い出に変わっても、記憶の中の映画として、BBMは私たちの胸の中に残り続けると思います。そして折に触れて、私たちの心を温めてくれるのではないでしょうか?
私はそう確信しています。またお話しましょう。ありがとうございました。
[2006/05/28 18:52] URL | 真紅 #V5.g6cOI [ 編集 ]
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