究極の「女優」映画〜『イヴの総て』 『サンセット大通り』


先月加入したU-NEXTのコンテンツの充実ぶりに驚いています
おかげで何年、何十年ものの 「宿題」 をたくさん片付けることができました
まずはブログ「匂いのいい花束。」管理人ブノワ。様ご推奨、究極の「女優」映画二本
『サンセット大通り』
ハリウッドの売れない脚本家がサイレント時代の大女優に愛され、悲劇を迎えるノワール
まず、コメディ畑の人だとばかり思っていたビリー・ワイルダーがこんなシニカルなサスペンスを撮っていることに驚きました
本作で人気が爆発したというウィリアム・ホールデンと、知性を感じさせる(少しバーグマンの面影あり)ナンシー・オルソンも好演しています
セシル・B・デミルやバスター・キートンが本人役で出演しているのも凄い
しかしやはりこの映画はほとんど「本人」役のグロリア・スワンソン、彼女に尽きる!
いや〜、こんな女優さんがいたのですね、、、強烈としか言いようがない
ラストシーンの迫力たるやもう、唖然、呆然、トラウマレベルですよ
執事の存在理由といい、もはや妄執と狂気の世界
天晴れとしか言いようがない作品でございました
『イヴの総て』
新人女優イヴは演劇界の最高賞を得る
そんな彼女を複雑な思いで見つめる者たちがいた
アカデミー賞ノミネートの話題で必ず名前が上がるこの作品
め・ちゃ・く・ちゃ面白かったです
マーゴを演じたベティ・デイヴィスのド迫力
対してイヴのアン・バクスターは抑えた演技ながらジワジワと邪悪な本性を現してお見事すぎる
本作も息を呑むラストシーンが忘れがたい
アン・バクスターが途中からフローレンス・ピューに見えて 「イヴをピューちゃんでリメイクしてくれ〜」 と思いながら観ていた
(当然何度もリメイクされているようで、2019年にはジリアン・アンダーソン×リリー・ジェームズで舞台化もされています)
個人的にマーゴはケイト・ウィンスレットでお願いしたい
そしてこのふたりの女優を見つめ続けるカレン役が実は重要な役どころではないかと思いました
そこはクレア・フォイにお願いして英国人キャストでまとめ、舞台はロンドン・ウエストエンドでいかがでしょう
マリリン・モンローの役は誰がいいかな?
この2作品、邦題はどちらも直訳、女優のバックステージものであること、ラストシークエンスを冒頭に明示し、そこへ向かって物語る手法など共通点も多いですね
どちらも同年公開されアカデミー賞を争った、というのもスゴい話
あり得ないハイレベルな争いです
しかしベティ・デイヴィスもアン・バクスターも、グロリア・スワンソンさえも受賞ならずだったという
作品賞は 『イヴの総て』 に軍配が上がったようですが、どちらも後世に残る作品であることは間違いないでしょう
不朽の名作とはこのことですね
「女優」 という職業、いや 「女優」 という生き物、あるいは宿命について大いに考えさせられる
必見の2作品ですね!
( 『イヴの総て』 原題:ALL ABOUT EVE/監督:ジョセフ・L・マンキウィッツ/
主演:ベティ・デイヴィス、アン・バクスター/1950・USA)
( 『サンセット大通り』 原題:SUNSET BOULEVARD/監督:ビリー・ワイルダー/
主演:グロリア・スワンソン、ウィリアム・ホールデン/1950・USA)
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戦争と女の顔


「 『戦争は女の顔をしていない』 っていう本、読んだことある?」
「あ~、それね。『同志少女よ、敵を撃て!』 ってめっちゃ面白いらしい本の著者が 「精神的原作」 って言ってるのがその本でね。先に買って読もうと思ってたらその本が原案になってる 『戦争と女の顔』 ってロシア映画がちょうど公開されて、それ先に観て結構ショックやったからまだ買ってない」(我ながら説明が長すぎる)
「...全く同じ思考で、映画観た帰りに買った」
「えっっ(...負けた)(←勝ち負けではない)そうなん? もう読んだ?」
「いや、まだ。積んでる」
というわけで負けじと()買った岩波現代文庫 『戦争は女の顔をしていない』
著者はノーベル文学賞受賞作家スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ
第二次世界大戦時、独ソ戦に従軍したロシア女性たちの聞き取りがまとめられたノンフィクションです
(昨年NHKの 『100分de名著』 に取り上げられ、コミカライズもされたのでご存じの方も多いと思いますが)
少しづつ読んでいます
予想通り重い内容ですが、「読まれるべき本」 だと思うから
映画の感想はこちら ⇒
Mad about the Boy “Timothée Chalamet”

ブリティッシュ・ヴォーグ誌106年の歴史上、初の男性単独カバーを飾った我らがティミー!
おめでとう!!(拍手)
最早いち俳優のみならず、ファッションアイコンとして君臨していると言っても過言ではない
プリンス・オブ・ハリウッド
それなのにヴェネチア国際映画祭でルカ・グァダニーノが監督賞を受賞した待機作
『Bones and All』、日本公開決まってないってマジですか?
お~い配給会社のみなさん、仕事して~
てかこれも円安の影響なのかな?(泣)
ちょ円安なんとかしてくれ!!(叫)
2022-09-16 :
YOU GUYS ARE KILLING ME :
コメント : 2 :