Netflixおすすめ映画~『私というパズル』

マーサ(ヴァネッサ・カービー)は夫と助産師とともに自宅出産に臨む。生まれた娘は産声を上げるのだが…
ヴァネッサ・カービーがヴェネツィア国際映画祭で女優賞を受賞した作品
審査委員長のケイト・ブランシェット様が評価した彼女の演技を物凄く楽しみにしていました
残念ながら劇場公開はスルー、Netflixにて配信
辛い内容ですが是非最後まで観て欲しい
観了後、監督が 『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』 のコルネル・ムンドルッツォだと知りました
うーむ、やはり只者ではない
原題は 『Pieces of a Woman』
Piecesをジグソーパズルのピースと掛けているのでしょうね
思い出し泣きが止まらない作品です
ヴァネッサ・カービーはもちろん、キャストの演技がみな素晴らしい
特に母親(典型的なジューイッシュマザー)を演じたエレン・バースティン
御年88歳になられるそうで…天晴れです
シャイア・ラブーフ(マーサの夫役)が出ているから観ない、というボイコットの動きもあるようですが
素行はどうあれ、彼の演技力は折り紙付きですからね
劇中 「時が癒すしかない」 という意味のセリフがあります
それはある意味真実なのですが
喪失の悲しみは生きている以上消えることはないと思うのです
なぜなら
喪ったものは自分の一部だから
悲しみの 「共振」 の中で人は判断を誤り
大切な人や物を傷つけ壊してしまう
しかし思うのです
過ちを犯した自分を見つめ、悔いることも
回復への大切なステップなのだと
母の手を握るマーサの表情が心に残ります
「私もこの人から生まれたんだ」
お母さんありがとう 産んでくれて
リンゴの香りと巡る命
その橋を渡れば
光は必ず見える
悲しみの果てに
( 『私というパズル』 原題:Pieces of a Woman
/監督:コルネル・ムンドルッツォ/主演:ヴァネッサ・カービー/2020)
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AmazonPrime おすすめ映画~『サウンド・オブ・メタル~聞こえるということ~』

ドラマーのルーベン(リズ・アーメッド)は恋人ルーと組んだメタルユニットでツアーを続けていたが、ある日突然聴覚を失ってしまう。
コロナ禍の影響で公開が延期され、AmazonPrimeVideoにて配信された作品
素晴らしい作品でした(そうでないとここでは紹介しないのですが、本当にほんとうに)
多くの方に観ていただきたい
オスカーレースにも絡んでくるのは確実ではないかと(そうであってほしい、希望的観測)
音楽を生業とするものが聴覚を失うということ
その絶望
そして
その先にあるもの
リズ・アーメッドは初主演作なのではないかな
『ヴェノム』 や 『ローグワン』、『ナイトクローラー』 などなど
存在感のある脇役を演じて好感しかなかったけれど
本作の演技は1ステージ上がった感がある
恐怖 焦燥 怒り 失意 迷い 受容
渾身の演技であり、繊細で奥深くもある
この難役と出逢い、ここまで演じ切ったということ
役者人生冥利に尽きるのではないかな
そしてもう一人
聴覚を失った主人公のメンターとなる施設長を演じたポール・レイシー
(初めましての役者さん、彼自身はろう者ではないがご両親がそうであるとのこと)
彼が忘れがたい印象を残す
術後の主人公と対峙するシーン
彼の演技、彼の存在そのものが作品全体に神聖さと滋味を与え、その言葉が深く心に刻まれる
参りました
「Sound of Silence」
メタルサウンドの大音量で始まり、静寂のラストに至るサウンドデザインも必聴
余分なエピソードや寄り道はなく、主人公視点がぶれない 「シンプル」 な映画であり
観終わった後も主人公の 「その後」 にいつまでも思いを巡らせてしまう 「終わらない映画」=「心に残る映画」 でもある
デビュー作でそんな作品を撮ってみせた監督、ダリウス・マーダーに拍手を送りたい
素晴らしい映画をありがとう、と
( 『サウンド・オブ・メタル~聞こえるということ~』 原題:Sound of Metal/
監督・共同脚本:ダリウス・マーダー/主演:リズ・アーメッド/2019)
2020真紅のthinkingdays Best 10 of the movie


2020年に劇場鑑賞した新作映画148本からベスト10を選びました
① ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語
② TENET
③ シカゴ7裁判
④ ジョジョ・ラビット
⑤ ワイルド・ローズ
⑥ 燃ゆる女の肖像
⑦ ダンサー そして私たちは踊った
⑧ フォードvsフェラーリ
⑨ おもかげ
⑩ 劇場
2020年の新作映画劇場鑑賞は148本(前年比83.6%)
内訳は洋画118本(79.7%)、邦画30本(20.3%)
旧作映画劇場鑑賞は20本
自宅鑑賞は65本
新作(148)、旧作(20)、自宅(65)、全部で233本鑑賞
2020年の劇場鑑賞は178回(リピート10回)
昨年は映画館が閉まったり席数制限されたりで本当に難儀な一年でした
そしてそれが未だ収束する見通しが立たないという状況です・・・()
・・・
みなさんお元気ですか?
いや、元気じゃなくてもいいんです
凹んで当たり前です
でも敢えて言います
生きていくんだ
それでいいんだ
前を向いて
上を向いて
みなさんの毎日が健やかでありますように
今年もたくさんの映画と出逢えますように
真紅拝 X
#2020年映画ベスト10
2020(下半期) 真紅のthinkingdays Best 10 of the movie


① TENET
② シカゴ7裁判
③ 燃ゆる女の肖像
④ おもかげ
⑤ 劇場
⑥ 佐々木、イン、マイマイン
⑦ スパイの妻
⑧ 私をくいとめて
⑨ 透明人間
⑩ おらおらでひとりいぐも
劇場鑑賞新作82本(鑑賞日基準)からの個人的順位です
10本選ぶのって本当に悩みます
これら以外にもいい映画たっくさんありました
でもキリがないので、、、次は年間ベストです
#2020年下半期映画ベスト10
2021-01-06 :
年間ベスト :