よいお年をお迎えください ~2020年の終わりに

今年も一年間ありがとうございました。
このブログもおかげ様でなんとか丸15年を迎えることができました。
これからもぼちぼち続けていきます。
変わらずお付き合いくださいね♪
2020年のベスト作は年明けにアップします。
(年内にアップしたかったのですが結局バタバタして例年通り。トホホ。。)
本当にロクでもない一年でしたが(汗)、いいこともたくさんありました(よね?)
Every cloud has a silver lining.
よいお年をお迎えください。愛と感謝を込めて
真紅拝
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2020-12-31 :
徒然 :
『スピリッツ・オブ・ジ・エア』

約30年前に公開されて以来ソフト化されず、伝説となっていた(らしい)作品のデジタルリマスター版リバイバル上映
全く知らない映画だったけれど妙に気になり、バレンタインデーの夜初日鑑賞
ちなみにシアター内は6人、全員がお一人様で5列目以前に座っていました
5列目に私ともう一人、あとの4人は最前列から一列に一人ずつ
同志たちよ!(笑)
観終わって、なんとも言えない感情が押し寄せてきて、パンフレットを買わずにはいられなかった
この映画を何らかの形で、この手に留めておきたいと思った
映画を観ればその都度さまざまに思いを巡らせるけれど、こんな風に感じることは滅多にない
この感情は何なのだろう?
「感動」 と呼ぶべきものなのだろうか
「何も言えねぇ」 が正しいような気がする
作品世界が特異すぎる
空を飛ぶことに憧れる車椅子に乗った兄
ハートの女王(ヘレナ・ボナム=カーター)のような妹
逃亡者の男
おびただしい十字架と 「INRI(ユダヤ人の王、ナザレのイエス)」 の文字
鳴り続ける不穏な音楽
終末後の世界のような荒涼とした赤い砂漠と、そこに広がる青すぎる青空
マルボロ・カントリー
姿を見せない追手の影
宮崎駿の世界観と似たものを感じた、と言ったら変かな?
(この映画を観た数ヶ月後に初めて劇場鑑賞した 『風の谷のナウシカ』 で、この作品と同じシーンを観た気がした)
彼がこの映画を観たら、きっと悔し泣きしながら怒るんじゃないかな
「その(飛行体の)設計図はおかしいじゃないか!」 とか言って
主人公の最後の選択に、何とも言えない感情が湧き上がる
それは犠牲なのか? それとも恐れだったのか
「空を飛ぶ」 ただ一つの彼の夢
人生をかけた希望と憧れ
彼はそれを手放せなかったのだ
面白いのかと問われれば、「面白く」はない、と答えるだろう
しかし映画館で映画を観ることに何かしら意義があるとすれば、こういう映画を観ることでしか得られない感情がある、ということに尽きるのではないか
言葉にできない、説明できない感情
ただ湧き上がる感情
この映画を観ずに、何を観るというの?
そしてタイトルが好きすぎる
Spirits of the Air, Gremlins of the Clouds
忘れられない映画体験になりそう
(2020年2月18日、Instagramへの投稿より)
( 『スピリッツ・オブ・ジ・エア』 原題:Spirits of the Air, Gremlins of the Clouds/監督・製作・脚本:アレックス・プロヤス/1987・豪)
『アンダーグラウンド』

「昔、ある所に国があった」
エミール・クストリッツァの代表作
やっと観た! 遂に! スクリーンで観たぞ!
そしてマイオールタイムベスト作入り
布施ラインシネマラストショーにて
数年前の 「ウンザ!ウンザ!クストリッツァ」 特集上映で時間が合わず観られなかった本作
残念がる私に 「アンダーグラウンドはまたいつか必ず映画館で観られる機会はあるから」 と言ってくださったシネマート心斎橋の支配人様、やっとその日が来ました(涙)
1941年4月6日、旧ユーゴスラビア
ナチスの侵攻とともに空爆は激しさを増し、、、と書くと悲惨な戦争映画をイメージするけれど、そこはクストリッツァ
音楽と動物たちとヘンテコな人間たちが繰り広げる、混沌とした祝祭感溢れるマジカルな悲喜劇
171分の長尺ながら、三部構成でさほど長さは感じない
それはあまりのパワーとエネルギーに圧倒されて、時間の感覚が麻痺してしまうせいかも知れないけれど
「映画の神様の化身」 ことクストリッツァも登場、若い!
彼が登場人物たちに託した祖国への思い、大国とイデオロギーに翻弄された失われた祖国への熱い思いが溢れかえり、息が苦しいほど
愚かで弱い人間
罪深く過ちを繰り返す人間
哀しいけれど、それが私たちなのです
「許そう、でも忘れない」 この言葉の重みよ。。
それでいて、クストリッツァは生きとし生けるもの全ての生命を肯定していると感じた
この感覚はホドロフスキーの 『エンドレス・ポエトリー』 を観たときと似ている
ラストシーンではわけのわからない感動で胸がいっぱい
わけがわからないのに感動させられている、いや感動以上の何かで頭が爆発しそうになる
こんな体験、滅多にできない
次元が違う傑作だと思う
「またいつか必ず映画館で観られる機会はあるから」
またいつか必ず観たい、何度でも
そして後世に、子どもたちにこの映画を残して欲しい
永遠に語り継ぐべき物語がある
真実、もしくは奇跡と言う名の
(2020年1月31日、Instagramへの投稿より)
( 『アンダーグラウンド』 原題:UNDERGROUND/監督・共同脚本:エミール・クストリッツァ/1995)
2020年 真紅のthinkingdays Best 10 of the movie(旧作初見&Netflix新作映画編)

① アンダーグラウンド
② ザ・ライダー
③ スピリッツ・オブ・ジ・エア
④ 灼熱の魂
⑤ フォロウィング
⑥ ここは退屈迎えに来て
⑦ AKIRA
⑧ オールド・ガード
⑨ 天国でまた会おう
⑩ ぼくは明日、昨日のきみとデートする
※①、③、⑦は劇場鑑賞、他は自宅鑑賞です
鑑賞形態の異なる作品を同一カテゴリ化してベストを出してよいものか悩みましたが、劇場公開された新作映画とは差別化したかったので取りあえず(暫定的に)今年はこういう形にしてみました
2020年は一時映画館が閉まり、ネット配信映画の存在感が大きくなりましたね
もちろんここ数年 「映画館<ネット配信」 の傾向はあったのですが、コロナがとどめを刺した感があります
個人的には賞レースに絡んでくるような良作が劇場公開スルーのまま配信されることにはまだ慣れず、いちいち驚いているのが正直なところです
しかし、本当にいい作品は配信で観ても「いい」のです
②の 『ザ・ライダー』 には本当に驚きました
『ノマドランド』 公開記念にどこか劇場でかけてくれないでしょうか・・・
そう、それでもやはり 「映画館で観たい」 のです、私は
『アンダーグラウンド』 と 『スピリッツ・オブ・ジ・エア』 はコロナ禍直前に劇場鑑賞した作品です
インスタに上げた感想をブログにもアップします
「映画館で映画を観る」、今後叶わなくなるかもしれない体験についての記録を残しておきたいと思います
#2020年映画ベスト10
『Tommy's Honour』

19世紀スコットランドのゴルファー、トム・モリス親子の物語
実話(原作)に基づきます
2016年の作品
これずっと観たくて観たくて…
YouTubeでダイジェスト版?のようなものはあるのですが、本邦では未公開、未配信、円盤もありません(泣)
UK版DVDを購入、英語字幕、PCで無理ムリ鑑賞
監督はジェイソン・コネリー、ショーン・コネリーの息子さん(それも何か因縁めいていますね)
主演は(父)ピーター・ミュラン&(息子)ジャック・ロウデン!
父は最年長、息子は最年少の優勝記録を持ち、それは21世紀の今も破られていないのだとか
英国、特にスコットランドではレジェンドですよね
そして本作、2016年のBAFTAscotlandにて作品賞受賞しています
このキャストにこの評価、なんで未公開なん?!と思いません??
まぁ言うても地味な作品ですけど、もったいないわ〜
私はジャクロ推しだしピーター・ミュランも大好きなので本当に観てよかった
ジャクロは撮影当時25歳くらいかな?
喜怒哀楽全ての表情が生きている
最高ですよ
ピーター・ミュランは珍しく普通?のお父さんだけどやっぱり貫禄(威厳)ありますよね
その大先輩に一歩も引けを取らずガチンコ芝居してるジャクロ、やるやん!と思ってしまった
セントアンドリュースがゴルフの聖地だというのは知っていましたが、スコットランドなのは知らなかった
風景もそれはそれは美しく、ジャクロが常々 「スコットランド最高! 世界一!」 と手放しで愛を叫んでいるのも納得です(笑)
しかしこの映画、日本で観てる人どれくらいいてるのかな?
せめて日本語字幕付きで配信してくださいよろしくお願いします!
(映画館で観せてくれたら一番いいんですけど) (来年の「のむコレ」とか、どうでしょうシネマートさん?)
( 『Tommy's Honour』 監督:ジェイソン・コネリー/主演:ジャック・ロウデン、ピーター・ミュラン
/2016・UK、USA)