『否定と肯定』

DENIAL
ホロコースト否定論者に名誉毀損で訴えられたユダヤ系アメリカ人大学教授デボラ(レイチェル・ワイズ)。彼女は弁護団から、一切のコメント、意見表明を禁じられる。それが法廷戦術とはいえ、人並み以上に意志的な彼女が 「良心を委ねる」 ことに耐えられるのか。
面白かった! これ超オススメです。実話の映画化。脚本がデヴィッド・ヘアなんですね。
20年前に、既にこういった 「歴史修正主義者」 による裁判が行われていたとは。常識や社会通念、史実とされていることを改めて 「証明」 することの難しさ。ホロコーストの生存者だけでなく、死者の代弁者でもあろうとする主人公の、沈黙を強いられる苦痛。いや~、考えさせられます。
ケンブリッジ卒、才媛の代名詞的な英国人女優レイチェル・ワイズ。彼女がアメリカンってキャスティングはちと気になったけれど、主人公を弁護する役どころの英国人俳優たちがもう、素敵素敵ステキ~~な面々。重鎮トム・ウィルキンソン、ツンデレ「アンソニー」アンドリュー・スコット、そして昨年のベスト台詞賞 "ミスターAfternoon" ことジャック・ロウデン!
私は瞬間湯沸かし器なので、熱い志はあれど、頭と態度は常にso coooolな彼らに学ぶこと多し。沈黙を貫くこととか、批判するときは相手の顔を見ない、とか。「私はアメリカ人よ!」 と頭を下げることを拒否していたデボラも、判決を読み上げられる時には思わずお辞儀をしている。強気で勝気な彼女も、我を忘れるほど追い詰められていたことがよくわかる。
この作品、私は昨年の12月に観たのだが、まだ上映中だったり、これから始まる地域もある。未見の方には、機会があれば是非観ていただきたい。今、この時代に生きる我々にとって必見作だと思う。
誠実で勇敢な者たち、真実のために闘う者たちに勝利を!

( 『否定と肯定』 監督:ミック・ジャクソン/2016・UK、USA/
主演:レイチェル・ワイズ、トム・ウィルキンソン、ティモシー・スポール)
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弟とランチを
初めて弟と二人でランチした。私の仕事がぱつぱつで、ヘルプをお願いしたところ二つ返事で引き受けてくれて。私の職場まで納品に来てくれたお礼だった。
弟と言っても、血が繋がっているわけではない。義理の関係でもない。初めて会ったとき、三つ歳下で私の実の弟と同い年だったから 「そんなら弟やん」 と言って、それ以来ずっと弟と呼び続けている。初めて会った時、彼はまだ十代(!)だったのに、あれからもう30年近く経っているのだ。
飲み会なんかでは隅っこに座ってニコニコしている弟キャラなのに、することは大胆。会社を辞めてアフリカやインドを放浪したり、電車の中で読み終わった本はホームのゴミ箱に何のためらいもなく捨てたり(もったいない!)。そんな自由人だが有能な彼は今は起業して、なんと社長なのである。レトロなビルにオフィスを構え、「掃除のおばさんで雇って~」 という姉(私のことね)の言葉を笑ってスルーする。
お願いした仕事は、さすがに完璧な仕上がりだった。ありがとう、ホンマに頼れる弟だよ。
でも、ふと思う。彼にとって、私はどんな姉なんだろう? 「不肖の姉」 じゃなかったらいいんだけど。

弟と言っても、血が繋がっているわけではない。義理の関係でもない。初めて会ったとき、三つ歳下で私の実の弟と同い年だったから 「そんなら弟やん」 と言って、それ以来ずっと弟と呼び続けている。初めて会った時、彼はまだ十代(!)だったのに、あれからもう30年近く経っているのだ。
飲み会なんかでは隅っこに座ってニコニコしている弟キャラなのに、することは大胆。会社を辞めてアフリカやインドを放浪したり、電車の中で読み終わった本はホームのゴミ箱に何のためらいもなく捨てたり(もったいない!)。そんな自由人だが有能な彼は今は起業して、なんと社長なのである。レトロなビルにオフィスを構え、「掃除のおばさんで雇って~」 という姉(私のことね)の言葉を笑ってスルーする。
お願いした仕事は、さすがに完璧な仕上がりだった。ありがとう、ホンマに頼れる弟だよ。
でも、ふと思う。彼にとって、私はどんな姉なんだろう? 「不肖の姉」 じゃなかったらいいんだけど。

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