Hello, stranger/Happy Together ~『ムーンライト』

MOONLIGHT
"In moonlight, black boys look blue".
マイアミの貧困地区に暮らすシャロン(トレヴァンテ・ローズ、アシュトン・サン
ダーズ、アレックス・ヒバート)は麻薬中毒の母(ナオミ・ハリス)に育児放棄され、
学校ではいじめられていた。学校帰りに逃げ込んだ廃屋で、シャロンはドラッグ
・ディーラーのフアン(マハーシャラ・アリ)に助けられる。
第89回アカデミー賞作品賞受賞作。公開日翌日に鑑賞。美しく切ない映画で
ある。あまりにも純情な初恋を描いた映画である。地味ながら、タブーに切り込
んだ勇敢な映画でもある。しかし、私が観た直後の感想はこうだ。
「こ、これは・・・。あまりにも、あまりにも 『ブエノスアイレス』 じゃないか!」
バリー・ジェンキンズ監督自身がウォン・カーウァイの影響を公言しているらし
いが、正直 「これがオスカーなら、王家衛は3、4本オスカー像手にしてないと
おかしくない?」 と思った。エンドロールの曲も、いっそ「Happy Together」
にすればよかったのに、とか。実際、観終わってしばらく私の頭の中では、あの
曲がグルグル回っていた。もちろん、フランク・ザッパで。
Imagine me and you,
I do,
I think about you day and night
It's only right,
To think about the boy you love
And hold him tight,
So happy together…
まぁウォン・カーウァイはカンヌに愛されていたから、アカデミーにはスルーさ
れていたのだろうけれど。単にマーケティングの問題なのだろうというのは重々、
わかっているけれども。
短い出演時間ながら、マハーシャラ・アリの存在感はこの作品に最後まで深い
余韻を残す。授賞式での紳士的な佇まいにはときめいた。しかしそれでも、作品
賞は 『ラ・ラ・ランド』 に授けてほしかったなぁ。

( 『ムーンライト』 監督・脚本:バリー・ジェンキンズ/2016・USA/
主演:トレヴァンテ・ローズ、アシュトン・サンダーズ、アレックス・ヒバート、
マハーシャラ・アリ、ジャネール・モネイ、ナオミ・ハリス)
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父の娘
父の13冊目の本を少しずつ読んでいる。父は理系人間。だから自分とは全く頭の
構造が違うと思い込んでいて、今までの著作はほとんど読んでこなかった。難し過
ぎるし。
しかし今回は、母が 「集大成よ」 と言って送ってきた本。なので渋々、読み始め
たのだけど・・・。う~ん、悪くないかも。もしかしたら私の 「書くことが好き」 な性分
は、父から譲り受けたものなのかも、と思い始めている。遅すぎるんだけど(笑)。
自分は 「母の娘」 だと、ずっと思い続けてきた。父は戦前の家父長制を引きず
る 「頑固オヤジ」 だし、母はそんな父に表面上は従いながらも、内心はリベラル
な人。二人は愛読している新聞も違うし、趣味も合わない。ホント、よくもってるよな、
と娘ながら感心する(違うからこそ続くのか?)。 そんな両親だから、私は当然の
ように母に味方し、父の事は疎ましく思ってきた。だけど・・・。
何の得にもならない(そして誰も読まない)ブログを10年以上も書き続けている
自分は、ほとんど儲けにもならない本を書き、出版し続けた父に似ているのかも
しれない。家族を顧みることもなく、自分の好きな事しかしてこなかった父に。
これは自分にとっては世紀の大発見、価値観の大転換と言えるかもしれない。
少し大袈裟だけれど(笑)。
そういえばもうすぐ父の日じゃないか。「父の娘」 でいられるうちに、気付けて
よかった。お父さん、ありがとう。書くことが好きで、私は幸せだよ。
構造が違うと思い込んでいて、今までの著作はほとんど読んでこなかった。難し過
ぎるし。
しかし今回は、母が 「集大成よ」 と言って送ってきた本。なので渋々、読み始め
たのだけど・・・。う~ん、悪くないかも。もしかしたら私の 「書くことが好き」 な性分
は、父から譲り受けたものなのかも、と思い始めている。遅すぎるんだけど(笑)。
自分は 「母の娘」 だと、ずっと思い続けてきた。父は戦前の家父長制を引きず
る 「頑固オヤジ」 だし、母はそんな父に表面上は従いながらも、内心はリベラル
な人。二人は愛読している新聞も違うし、趣味も合わない。ホント、よくもってるよな、
と娘ながら感心する(違うからこそ続くのか?)。 そんな両親だから、私は当然の
ように母に味方し、父の事は疎ましく思ってきた。だけど・・・。
何の得にもならない(そして誰も読まない)ブログを10年以上も書き続けている
自分は、ほとんど儲けにもならない本を書き、出版し続けた父に似ているのかも
しれない。家族を顧みることもなく、自分の好きな事しかしてこなかった父に。
これは自分にとっては世紀の大発見、価値観の大転換と言えるかもしれない。
少し大袈裟だけれど(笑)。
そういえばもうすぐ父の日じゃないか。「父の娘」 でいられるうちに、気付けて
よかった。お父さん、ありがとう。書くことが好きで、私は幸せだよ。
テーマ : こんなことがありました
ジャンル : ブログ
夢追い人~『ラ・ラ・ランド』

LA LA LAND
LAで女優を目指し、オーディションを受け続けるウェイトレスのミア(エマ・
ストーン)は、ピアノマンのセブ(ライアン・ゴズリング)と出逢う。彼は 「瀕死
の」 ジャズを愛し、好きな時に、好きな曲を、好きなように演奏できる自分の
店を開くという夢を持っていた。
公開日翌日に1回目、観た直後に買ったサントラを聴き込んで、2週間後に
IMAXで2回目。そして5月の終わり、ムーブオーバーしたミニシアターで3回
目を鑑賞。ブログを始めてから、映画館で3回以上観た映画は必ず年間マイ
ベストワンになっている。だから今年も本作がベスト1はほぼ確定ですね(笑)。
理由は、、、
この映画最高じゃないですか? はっきり言って。
冒頭、ハイウェイのミュージカルシーンで心掴まれ、ある意味古典的なストー
リーに 「夢を見ていた」。季節は流れ、ミアの 「オーディション」 から 「もし
も、あの時・・・」 な終盤、二人が視線を交わす無言のラストシーンまで、もう
滂沱の涙。「これは私の映画だな」 って。
2回目を観た後、なかなか3回目が観られなかったのですが、一番発見があ
った、というかシミジミ映画を味わえたのはやはり3回目でした。予告終わりに
スクリーンがシネスコサイズにガガ~って変わったことにもう、既に感動してた
もんね。さすがシネマート心斎橋さん! シネコンでは、今はもうスクリーンカー
テンを動かさないからね。。
初見時、エンドロールに”Japanese Folk song by Rentarou Taki”
の文字を見つけて 「えええええ~~、ど、どこに??」 と驚いたのですが、
3回目でようやくわかった!(遅) 耳の良い方は初見でおわかりになると思
います。ライトハウスでテーブルに着くとき、ミアが指輪をテーブルに落とし、
セブがキャッチしてそのまま演技を続けている、っていうのも確認できた。
あと、ミアの働くコーヒーショップのクレーマー(グルテンフリー?)が監督の
彼女だ、ってのも(笑)。
この映画のストーリーをなぞるように昇りつめた感のあるエマ・ストーンです
が、彼女の成功はライアン・ゴズリングがいてこそ、なんだよね、ゴズりんって、
本当に共演した女優さんを輝かせる。3回目の鑑賞では、ゴズりんがスクリーン
から飛び出してきて 「君、何度も観てるけどそんなにこの映画が好きなの?」
って話しかけてくるかと。。気分は 『カイロの紫のバラ』 のヒロインよ(笑)。
しかしこの映画、絶賛ばかりでなくかなり否定的意見もありますよね。うちの
母も 「物足りない」 ってLINEしてくるし・・・(汗)。特に、映画をたくさん観てい
る方に否定的意見が多い気がする。確かに青臭いミュージカルではあると思う。
しかし、あの若い監督デイミアン・チャゼルの 「こういう映画を作りたいんだ!」
っていう俺様猪突猛進な情熱を、ストレートに受け止めたいと私は思う。
万感胸に迫るラストは悲恋物語のようでいて、実は極上の 「ハッピー・エン
ディング」 なのかもしれない。人生のひと時、ともに生きた男女が歩む 「それ
ぞれの道」。それは確かに、二人で見た夢の続き・・・。

( 『ラ・ラ・ランド』 監督・脚本:デイミアン・チャゼル/
主演:ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン/2016・USA)
真紅、考え過ぎてドツボにはまる(笑)。

こんばんは。
『クーリンチェ』 で長文感想書いてから早一ヶ月。 復活するゾ~、と思いながら
何もアップできず。
いい映画が多過ぎるんです。書きたい作品が多過ぎて結局何も書けてません(爆)。
昨年観た映画も、感想を書いておきたいものがあるし、とか、、、。
考え過ぎてドツボにハマっております。
あああ~~李小龍にどやされる~~~ ”Don’t Think!Feeeel!”
いやいや、考えるのは止めません。考え過ぎないことですかね^^
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2017-05-22 :
徒然 :