胸がキュン ~『鍵泥棒のメソッド』

人生に絶望し、自殺を試みるも未遂に終わった売れない役者の桜井(堺雅人)
は、銭湯で転び、記憶喪失になった男・コンドウ(香川照之)のロッカーの鍵を
盗む。34歳独身、婚活中の編集者・水嶋香苗(広末涼子)は、父の入院先で
不安げなコンドウと出会う。
ご存知、内田けんじ監督の新作は、「30代半ば過ぎたって、恋したっていい
じゃない!」と叫ぶ三人の男女の物語(違います)。面白かった。
中年に差し掛かり、「俺の人生、いよいよドンづまりだな、、」なんて思い始
めた大人たちへの、なんて爽やかなエールなんだ! そして観終わった後、
気分のいいことこの上ない。思うに、内田けんじという人は、とことんお人好し
でやさしい、性善説な天才だ。エンドロール中の「おまけ」のあの胸キュンシ
ーン、ホント気ィ遣いやなあ、監督さん。泣けるよ(笑)。

主演の三人が凄くいい。まぁ、このメンツを揃えれば、面白くならないはず
がない、とも言えるけれど。改めて、特によかったと思うのは広末涼子。この
人、本当に素材がいいですよね。。今まで好きと思ったことがなかったけれど、
アイドルじゃなくなって、人生いろいろあって、これからいい大人の女優さん
になる人、なのかもしれない。
堺さんの「演技論を8ページしか読んでいない下手くそ演技」 も最高だっ
た。「お前は演技の基本ができていない!」 by 香川照之に爆笑。タイトル
の「メソッド」って、あの演技法に掛けているのですね。もう、ストラスバーグ
もビックリよ。
そして、いつだって何をやらせたって巧過ぎる、はずの香川さん。しかし
今回、彼はちょっと弾けてなかったな・・・。観ているうちに、その理由がわ
かりました。香川照之じゃなくて、顔が市川中車になってたからだわ。色々
大変ですよね、、お察しいたします。

内田けんじによる、今回の「点描のしくみ」はとってもわかり易くて、頭を
フル回転させながらスクリーンを凝視していなくても楽しめます。中年にな
っても、胸キュン警報は鳴るんですよね、監督。
「健康で、努力家の方であれば。」 はい、努力します!
( 『鍵泥棒のメソッド』 監督・脚本:内田けんじ/
主演:堺雅人、香川照之、広末涼子、荒川良々/2012・日本)
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また逢う日まで ~ Four de h フール・ドゥ・アッシュ 長期休業&移転

先日お邪魔したとき、↑こういう状態(ミキサー故障のため臨時休業)だった
のは、予兆だったのですね・・・(泣)。
堺筋本町の超人気パティスリー&ブーランジェリー、フール・ドゥ・アッシュ
さんが長期休業&移転されるそうです。

「当店は9月22日(祝)をもちまして長期休業することになりました。
尚、来年5月頃、中之島の方へ移転し、再開する予定です」
中之島かあ・・・。タケウチも移転するし、この界隈からは「本町四天王」
のうち2軒が消えるわけですね、、パン好きとしては寂しくなるなぁ。
でもでもアッシュさん、ちょっと遠くなるけど必ず伺いますからね! 来年
5月、更なる進化を信じて待っていますよ~。
大好きだったこのオレンジのシェードを、記憶に留めておきましょう。

この人と気が合うかも。

殴らないで下さい(笑)。
『梅ちゃん先生』 梅子の夫・ノブこと信郎役、松坂桃李くん。
先日、満を持してNHK『あさイチ』 登場、の回を観ました。23歳。まぁ~、
かわいらしいこと!
趣味&ストレス解消法は、映画館で映画を観ること。一人で、ポップコーン
など飲食はせず、スクリーンに集中する。自宅でDVDを観ると、自分の都合
で止めたり、巻き戻したりしてしまうので、映画館まで出かけて行って、お金
を払って、たくさんの見知らぬ人々と共に大きなスクリーンに向かうのが好き
なのだとか。
自分のことかと思いました(爆)。
若い頃のブルース・リーに似てると言われるそうです。背が高くて、ちょっ
と小栗旬くんに似た感じのような気もしますが、彼ほど「やんちゃ」ではない
ようですね。
次回(9月28日)、『Aスタジオ』 ゲストに登場です! 録画予約OKよ♪

ここのコーヒー、苦手なんですがつい入ってしまいます。場所がいいんだ
よね~、スタバ帝国。
犬歯 / 塀の中 ~ 『籠の中の乙女』

DOGTOOTH
高い塀に囲まれた、プール付きの豪邸。そこには、ある一家が暮らしていた。
両親の奇妙な方針により、長男、長女、次女から成る3人の子どもたちは「外
の世界」を見知ることなく、郊外の邸宅から一歩も出ること無く成長していた。
ある日、父親は長男のために、クリスティーナという女性を連れて帰宅する。
カンヌ映画祭「ある視点」部門グランプリ、オスカー候補にもなったギリシャ
映画。いや~、久々に「凄い映画」を観てしまった・・・。「凄く変な映画」を。
これ、変過ぎる。R18+指定だけに、性描写、暴力描写はかなり過激。間違
いなく不条理劇ではあるが、「これ、笑うとこ?(汗)」 と思えるコメディ風味も
あり(誰も笑ってはいませんでしたが)。ハネケや、トリアーの映画が好きな方
にはうってつけかも。しかしハネケほど性格が悪くはなく、トリアーほど鬱でも
ない。言いたいことはわかるけど、絶対に友達にはなりたくない。そんな映画
です。一見の価値はあり?

この狂った両親は、子どもたちを「純粋培養」しているつもりなのだろう。しか
し一体、何のために? 冗談としか思えない国語教育。雲ひとつない、作り物
めいた青い空。子どもたちの虚ろな瞳。しかし、実は彼らは「子どもたち」なんて
呼べない年齢だ。特に長男、長女は「おじさん」と「おばさん」にしか見えなかっ
た。名前も与えられていない彼らは、一体いくつなんだろう? どれほどの年月、
あの邸に閉じ込められているのか。そしてあの両親は、彼らを一体どうしたいの
だろう?
レンタルビデオで「世界」を知り、自ら犬歯を折った長女は、トランクの中で何
を思うのか。確かに、この「世界」は薄汚れていて恐ろしいところだ。狂っている
のは、トランス状態でダンスする長女ではなく、あの両親のはずなのに・・・。
長女が消えた後、満足げな微笑みを浮かべながら、ベッドで抱き合う長男と
次女。彼らが「幸せそうに」見えてしまうことがまた、恐ろしい。

( 『籠の中の乙女』 監督・製作・共同脚本:ヨルゴス・ランティモス/2009・ギリシャ)
テーマ : この映画がすごい!!
ジャンル : 映画
夫婦善哉~『夢売るふたり』

里子(松たか子)と貫也(阿部サダヲ)は、東京のある街で小料理屋を営む仲の
良い夫婦。しかし、火事で店は全焼し、二人は全てを失ってしまう。
『ゆれる』 『ディア・ドクター』 と、評価の高い作品を発表し続ける西川美和監
督の最新作は、自分たちの店を再開する手段として「結婚詐欺」 を繰り返し、
迷宮にはまり込んでゆく夫婦を描くサスペンス。野菜市場の夜明けを遠景で捉
えたオープニングから、一筋縄ではいかない人間の心の闇の深さを描く、西川
節はラストまで健在。主演ふたりの好演、アコギの音色が印象的な音楽。リア
ルな台詞、完璧な構図。う、うまい、上手過ぎる。これは「どちらさまも大絶賛」な
傑作に違いない。たった数シーンのために、日本を代表する演技派俳優が顔を
揃える。それほどまでに、西川美和の才能は今の日本映画界において光り輝
いているのだ。
しかし、私は好きな映画ではなかった。これは「皮膚感覚」 としか言いようが
ないのだけれど・・・。

私自身が、自らの才覚で事業を興そう、という志を抱くタイプの人間ではない
からかもしれない。この夫婦の「したこと」に、まったく同情も共感もできない。
もちろん、映画を観て、感情移入も自己投影もすることなく、最初から最後まで
全くの傍観者であっても、好きな映画は数多ある。なのに、傑作、良作と思え
ど、どうしても好きになれない・・・。この感覚、ポン・ジュノの映画を観たときに
感じるものとソックリなことに気づいた。
実は、西川美和監督はポン・ジュノの作品にかなり影響を受けているのでは
ないかと感じている。お二人とも、映画作りのテクニックや頭の良さは疑いよう
がないが、残念ながら私のハートに火をつけてくれる映画作家ではない。
多分、松たか子は、主演女優賞をたくさん、たくさん獲るのだろう。しかし、私
の中では「男運の悪い風俗嬢」 を演じた安藤玉恵くらい、いい女優はいない。
「カンナは25、紀代ちゃんは34」
「ちょっとふたりとも、幸せにするとかどういうこと? あたしがいつそんな
こと頼んだ? あたしは今のまんまで十分幸せだよ こんなだけども
自分の足でちゃんと立ってるもん だから もう自由にさせて下さい」
このセリフで涙腺決壊。紀代には、貫也の人生に「乗っかっている」里子には
ない、捨て身のしなやかさがある。思うに、「男運のいい風俗嬢」 なんていない
よね? 伊勢谷友介、いいわ~。

エンドロールを眺めていると、キャストに「ヤン・イクチュン」の名前を発見。
えええええ~~~、どこに出てたっけ~~~??? 全然わからなかった。
こういうの、悔しいんだよねぇ。
( 『夢売るふたり』 監督・原案・脚本:西川美和/2012・日本/
主演:松たか子、阿部サダヲ、安藤玉恵、田中麗奈、鈴木砂羽、笑福亭鶴瓶)
甦る伝説~『メリエスの素晴らしき映画魔術』 『月世界旅行』

LE VOYAGE EXTRAORDINAIRE
LE VOYAGE DANS LA LUNE
「映画創作の父」 と呼ばれるジョルジュ・メリエス。2001年、長きに渡り失
われていた彼の傑作『月世界旅行』 のカラー色彩版プリントが、スペインで
発見された。傷ついたフィルムを修復する人々と、メリエスの映画に魅せられ
た映画人たちのインタビュー映像で構成されたドキュメンタリー。そしてリスト
アされて現代に甦った『月世界旅行』 が同時上映されている。
ジョルジュ・メリエスのことは寡聞にして、昨年公開のマーティン・スコセッシ
作『ヒューゴの不思議な発明』 を観るまで全く知らなかった。あの映画で描
かれていたメリエスの半生が、ほとんど実話だったとは・・・。事実は小説より
も奇なり、とは正にこのこと。


「究極の映画ヲタク」スコセッシ、「永遠の12歳」ミシェル・ゴンドリー、「フラ
ンスの三谷幸喜(?)」ミシェル・アザナヴィシウスら、みんなみんな、ジョル
ジュ・メリエスの遺伝子を引き継ぐ子どもたちなんだと思う。そして、修復作業
に関わっていた人たちの、なんとも活き活きしたいい表情! 本当に映画を
心から心から愛しているんだな、って感じてうれしくなる。気の遠くなるような、
忍耐と注意深さを要求される修復作業。「狂気の沙汰」だとやっている本人
が言うくらいだから、本当に過酷な作業だったのだと思う。彼らにとって 『月
世界旅行』 カラー版は「聖杯」であり、どうしても救い出すべき至宝だ、とい
う使命感に駆られていたのだろう。

修復を終え、『月世界旅行』 は110年ぶりに甦り、映画ファンの前に現れた。
シネ・ヌーヴォXの小さな小さなスクリーンでも、この作品を映画館と呼ばれる
場所で観られたことに感無量。同時に、この映画に登場する人たちが、もう誰
一人この世にいないのだ、と思うと不思議な気分。月世界人はバルタン星人
そっくりで、笑えたのでした。 サンキュー、サンキュー、サンキュー!
( 『メリエスの素晴らしき映画魔術』 監督:セルジュ・ブロンベルグ、
エリック・ランジュ/2011・仏
『月世界旅行』 監督・製作・脚本:ジョルジュ・メリエス/1902・仏)
私が映画館で出会った史上最悪のオンナ

傑作 『桐島、部活やめるってよ』 はレイトショーで観たのですが、ひとつ空け
て私の隣に座ったオンナ、これがまぁ、酷かったんですよ・・・。
映画館では、今までいろんな目に遭ってます。特に酷かったのは忘れもしな
い 『ウィンターズ・ボーン』@大阪ステーションシネマ。
携帯が鳴って、「あ、お世話になっておりますぅ、あのですね、、」 と話し出し
た営業職らしきオンナ。それだけでも激怒ものですが、なんと2回、それをやり
やがった。何人もの人が注意しに行ってましたけどね、常識なさすぎ。マイナー
系の映画がシネコンでかかると、こういう事態が起きやすい気がしますね。
あと、シアター内がものすごい緊迫感で、カサリ、とでも音を立てようものなら
「チッ」という舌打ちとともに睨みつけられるのが梅田ガー○ンシネマ。次に咳で
もしようもんなら、、みたいに私に目を付けてるそこのアナタ、スクリーンに集中
しましょうよ~。怖!
で、私が出会った史上最悪のオンナ@TOHOシネマズなんば別館、ですが。
マクドの袋持参で入場。私の隣の隣にドカンと着席。「鷹の爪団」が始まると、
いきなりサンダルを脱いだ裸足の両足を、前の席の背もたれに「ドン!」と乗せ
るじゃありませんか! (@_@;)
その席はさすがに空席だったのですが、両隣は着席してるんですよ? 顔の
横に見知らぬ人間の足がある状態で、映画観られますか? どーゆう神経、一
体? (もちろん注意されてすぐに下してましたけどね、イヤ~な予感)
予告編が終わると、場内に響き渡る巨大な溜息ひとつ。「はぁ~」。携帯チェッ
ク(この携帯チェックは上映中、何度も何度もやってました。眩しいっちゅうねん!)。
極めつけはね~、途中、居眠り始めてイビキがうるさいのなんの・・・。目覚めて
巨大な溜息、またイビキ。(もう、この辺りから私は完全に怒りから笑いモードに
入っておりましたが)
エンドロールが始まった瞬間に、携帯を開いて床を照らしまくっている(何か落
としたのかな?)。見つかったのかどうか、そそくさと席を立つ彼女を、猛然と追
いかける一人の男子。腕を掴んで、何か言ってたよ。ああ~、私も言いたい。
「二度と来んな!」
完璧に、暇つぶしですね。さっさと家に帰って寝たら? もしくはネカフェに
でも行ってくれ!!!
隠れ家~『デンジェラス・ラン』

SAFE HOUSE
アメリカ人青年マット・ウェストン(ライアン・レイノルズ)は、CIAの極秘施設
「隠れ家」 の「客室係」 として、不本意ながら南アフリカのケープタウンに
配属されていた。退屈な日々が続いていたある日、CIAを裏切り、10年に渡
って国際手配されていた元工作員トビン・フロスト(デンゼル・ワシントン)が
連行されてくる。
元凄腕工作員と、新米職員の「危険すぎる逃避行」 を描いたサスペンス・
アクション。高速のカット割りとざらつく映像、悪徳CIA幹部、Too Much
Bleedな生身のアクションと、「ボーン」シリーズを彷彿させる作風に、ちょ
っと変わった角度の「バディ」ムービー的な味わい。一瞬たりとも目が離せ
ないドキドキ感、これは秀作です。

この映画の見どころは、デンゼル・ワシントンの魅力に負うところ大。IMDB
によると、ライアン・レイノルズが演じたマット役は、サム・ワーシントンやシャ
イア・ラブーフら、10人以上の若手俳優が候補に上っていたらしい。しかし、
「伝説のスパイ」トビン・フロストは、デンゼル・ワシントン以外に考えられない
でしょう。何たって”the black Dorian Gray.”ですから。。(字幕では「若
い頃と変わらんな」と訳されておりましたが。字幕翻訳は松浦美奈さん)
最初は「余裕」しゃくしゃくのトビン・フロストに、「必死」 で喰らいつく若い
マット。「俺を殺すのか?」 「プロしか殺さん」。頼りない新米の兄ちゃん、
くらいに思われていたマットが、意外に「出来るヤツ」 だと見抜いたトビンは、
次第に「本気」 を出し始める。
自分がしてきたこと、忘れられないミッション。犯した罪、死んでしまった人
々、どんなに悔やんでも、取り返せない日々。本当に「悪いやつら」 は誰な
のか。才長けたあまりに、「長いものに巻かれる」 ことができず、組織に収ま
り切れなかったトビン。神が彼に与えた最後の幸運は、マットという「託せる」
男に出逢えたことだった。

CIAが舞台のスパイものにありがちな「悪役」が序盤からわかってしまうこと、
暴力シーンが激し過ぎること。いくつかの瑕疵はあれど、様々な思いを噛み締
めながら映画好きの方に観て欲しい。あんなにかっこよかったサム・シェパード
も、そしてデンゼル・ワシントンも、年を取ってゆくのだなあ、と。
( 『デンジェラス・ラン』 監督:ダニエル・エスピノーサ/
主演:デンゼル・ワシントン、ライアン・レイノルズ/2012・米、南ア)
無敵~『最強のふたり』

INTOUCHABLES
パリに住む大富豪のフィリップ(フランソワ・クリュゼ)は、事故で首から下の
感覚が麻痺し、車椅子生活を送っている。新しい介護人として彼が雇い入れ
たのは、失業手当受給のための「就職活動」として面接にやってきた、黒人
青年ドリス(オマール・シー)だった。
生まれも育ちも、音楽の趣味もジョークのセンスも、全て真逆な二人の男。
雇い主/介護人という枠を超えて、どこにも接点のない二人が友情よりも深く
強い「絆」で結ばれてゆく様を、シリアスとユーモアの絶妙なバランスで描いた
フランス映画。本国で大ヒットし、介護人を演じたオマール・シーはセザール賞
主演男優賞を受賞した。実話を基にした、これはおすすめ映画です!

舞台にしろ映画にしろ、「コメディ」 は一番難しいと言われる。やり過ぎると
嫌味だし、手加減すると笑えない。何故、「人を笑わせること」はそんなにも難
しいのか? 多分、人を笑わせることは、人を「救う」ことだからだと思う。
身体の自由を失い、最愛の妻を亡くし、フィリップは深い絶望の淵にいたの
だろう。彼は本能的に、自分に必要なのはこの男だと、ドリスに白羽の矢を立
てる。
いい加減でチャラ男なドリス。ポリティカル・コレクトネスに反するブラック・ジョ
ークはお手の物。でも、何故だか憎めない。いつの間にか、ジョークのネタにさ
れているフィリップ自身も笑ってしまうのだ。ドリスには、打算や見栄がカケラも
ない。自分をいい奴に見せようとか端っから思ってないし、しょーもないプライド
も持ち合わせていない。教養、芸術、なんだソレ? 蘊蓄なんてノーサンキュー。
自分自身の皮膚感覚で「いい」と思ったものがいいのだ。結局、何も考えてない
だけなのかもしれないけど(笑)。
まず、自分の頭で「考える」男フィリップにとって、ドリスの生き方はどれほど
新鮮に、眩しく映っただろう。

二人の違いを象徴するかのような、クラシックとダンスチューンの匙加減が
素晴らしい。そして何より感動的なのは、フランソワ・クリュゼの演技。ラスト
シーン、ドリスに置き去りにされた後の、戸惑いと喜びが混沌とした表情!
涙がじわじわ溢れてくる。そして、モデルとなった本人たちが登場するエンド
ロール。彼らは人生の相棒であり、ソウルメイトであり、「共犯者」なんだ・・・。
個人的には、モップ頭をピンで留めて、クロワッサンを真面目に、毎朝届け
る少年がツボでした♪
( 『最強のふたり』 監督・脚本:エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ/
主演:フランソワ・クリュゼ、オマール・シー/2012・仏)
ゼー六
堺筋本町の 『ゼー六』 さんにお邪魔しました。

創業は大正時代の老舗、アイスモナカが人気の超有名店のこちら。初めての
訪問です。やっと、やっとお邪魔できたわ~(涙)。

一個100円でテイクアウトできる店頭には、お客さんの列が途切れません。
「写真撮らせてもらっていいですか?」 「かめへんけど、お客さんだけ入らんように」
御意。(最初の画像には、ご主人が映り込んでいます)

珈琲とアイスモナカのセットをオーダー。これで、なんと300円ですわよ奥さん。

モナカの皮には、お店の屋号が。お味はスッキリ爽やか、アイスクリームよりも
ラクトアイスに近い感じ。すごく好みですわ~。単品で200円の珈琲も、すっきり
したブレンドでとっても美味しい。自家焙煎なんだそうです。
昭和レトロな雰囲気の店内。お持ち帰り用に梱包するための新聞がたくさん積
まれています。黒電話が「リーーーン」と鳴る、その音すらも懐かしい。
「はい、ゼー六です」
御馳走様でした。絶対、絶対、また伺いますね。

創業は大正時代の老舗、アイスモナカが人気の超有名店のこちら。初めての
訪問です。やっと、やっとお邪魔できたわ~(涙)。

一個100円でテイクアウトできる店頭には、お客さんの列が途切れません。
「写真撮らせてもらっていいですか?」 「かめへんけど、お客さんだけ入らんように」
御意。(最初の画像には、ご主人が映り込んでいます)

珈琲とアイスモナカのセットをオーダー。これで、なんと300円ですわよ奥さん。

モナカの皮には、お店の屋号が。お味はスッキリ爽やか、アイスクリームよりも
ラクトアイスに近い感じ。すごく好みですわ~。単品で200円の珈琲も、すっきり
したブレンドでとっても美味しい。自家焙煎なんだそうです。
昭和レトロな雰囲気の店内。お持ち帰り用に梱包するための新聞がたくさん積
まれています。黒電話が「リーーーン」と鳴る、その音すらも懐かしい。
「はい、ゼー六です」
御馳走様でした。絶対、絶対、また伺いますね。
2012-09-09 :
パンとか、カフェとか。 :
コメント : 2 :
踊る剣客~『るろうに剣心』

幕末の混乱期、「人斬り抜刀斎」 と呼ばれて怖れられた男がいた。明治維新
から10年、男は緋村剣心(佐藤健)と名を変え、二度と人は斬らぬと「不殺の誓
い」 を自らに立て、流浪人として旅を続けていた。
アニメ化もされ、人気を博したコミックの実写映画化。監督はNHKの元ディレク
ターで、『龍馬伝』 『ハゲタカ』 などの演出を手掛けた大友啓史。NHK退職後、
初の映像作品が本作なのだそう。
福山雅治主演 『龍馬伝』 で一番ブレイクしたのは、岡田「人斬り」以蔵を
演じた佐藤健だと思っている人は多いんじゃないかな。実は、私もその一人。
彼が剣客を演じると知って、すぐに以蔵が頭に浮かんだし、監督のキャリアを
知って「やっぱり」とも思った。物凄くお金をかけているのがよくわかる、アクシ
ョン時代劇。佐藤健、最高でした。

並の女の子より綺麗な顔立ちに、華奢な体つき。踊るような殺陣、軽々とした
身のこなしは、現代に甦った牛若丸のよう! そこにどうしても、「人斬り」以蔵
の姿がダブる、脛に傷持つ佇まい。以蔵以外にも、後藤象二郎や岩崎弥太郎
を演じた彼らの姿もうれしい。香川照之はもう、仕事し過ぎなのにいつだって何
だって巧いひとだけれども、注目は青木崇高ですよ奥さん。いや~、豪快でやん
ちゃな「喧嘩屋」がハマってました。江口洋介も素敵。悪役、吉川晃司もよかった
よ~。
しかしやっぱり、この映画は佐藤健の魅力と身体能力なしには語れない。彼
が大河ドラマの主役を張る日も、そう遠くないのでは、、と思わせるほど魅力的
なのだ。映画としては、もう10分、20分短くてもよかった気もするけど。

( 『るろうに剣心』 監督・共同脚本:大友啓史/2012・日本/
主演:佐藤健、武井咲、蒼井優、青木崇高、江口洋介、香川照之)
地球最強軍団~『アベンジャーズ』 【2D・字幕版】

THE AVENGERS
マーベルのヒーローたちが集結、力を合わせて地球最大の危機に立ち向か
う! 本国アメリカでメガヒット、日本でも大ヒットしている言わずと知れた超大
作。まぁ正直、さほど期待はしていなかったのですが、面白かった。
とにかく面子が凄い。普通の(?)女スパイと神が同列のチーム、っていうの
もアレな気がしないでもないですが、144分の長尺を「長い」と感じることもなく、
楽しめました。ヒーロー一人一人に見せ場が必要だから、長くなるのも仕方な
いね(笑)。監督はジョス・ウェドン、脚本も書いてます。頑張りました!

覚書を兼ねて、ヒーローたちの印象など。。。
アイアンマン(ロバート・ダウニー・Jr): 正直、この方が目当てで観に行った
のですが、やっぱりお茶目で素敵♪ ラストはブルース様と同じでしたね(笑)。
キャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス): 名前の通り、仕切りキャラ。
ハルク(マーク・ラファロ): これのみオリジナルを観ていません。することは
派手だけど、マーク・ラファロって地味だよね。。
ソー(クリス・ヘムズワース): 地球に落ちてきた神。彼の弟ロキ(トム・ヒド
ルストン)が今回の悪役。
ブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソン): ロシア出身、謎の女スパイ。
ホークアイと「過去に何かあった」感を醸し出しておりました。
ホークアイ(ジェレミー・レナー): いきなり洗脳されて敵の手に落ちるも、無
事復活。弓の名手。
ニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン): アベンジャーズの旗振り
役。最初登場したときには「悪役?」と思ったけどね。
アベンジャーズって、「報復者」って意味なんですね。リベンジのRが、アメ
リカンのAみたいで、うまくできてるよね~。造語じゃないよね?

警備員役でハリー・ディーン・スタントンが出てきて、おお~って感じでした。
そして、エンドロール後のお楽しみが最高! あの間がね~、何とも脱力で。
息もつかせぬ後半のアクションとの落差が可笑しい。とにかく、どんだけお金
かけてんねん、と呆れながらも楽しめる超大作。お気軽に。
( 『アベンジャーズ』 監督・脚本:ジョス・ウェドン/2012・USA/
主演:ロバート・ダウニー・Jr、クリス・エヴァンス、マーク・ラファロ、
クリス・ヘムズワース、スカーレット・ヨハンソン、ジェレミー・レナー)