Foret noire フォレ・ノアール ~なかたに亭~
仕事帰り。 上本町に寄り道して、なかたに亭さんにお邪魔しました。

初夏の新作。「直訳すると黒い森。さくらんぼとショコラの伝統菓子をグラス
デザートにしました。」 (公式ブログより)
ああ・・・。このスイーツの美味しさを、的確に表現する言葉を持たない自分
が悲しいです。
なかたに亭さんのスイーツは、口にすると必ず「おっ?!」っていう驚きがあ
るんですよね。経験値からくる「このケーキは、こんな味だろう」 という無意識
の刷り込みを、いい意味で常に裏切ってくれるのです。
この白いクリームをひと匙口にした瞬間に、その驚きが広がりました。チェリ
ー、ショコラと食べ進むうち、疲れが徐々に癒されてゆく。。
「ご馳走様でした」 よりも、むしろ 「ありがとうございました」 と言いたい。

初夏の新作。「直訳すると黒い森。さくらんぼとショコラの伝統菓子をグラス
デザートにしました。」 (公式ブログより)
ああ・・・。このスイーツの美味しさを、的確に表現する言葉を持たない自分
が悲しいです。
なかたに亭さんのスイーツは、口にすると必ず「おっ?!」っていう驚きがあ
るんですよね。経験値からくる「このケーキは、こんな味だろう」 という無意識
の刷り込みを、いい意味で常に裏切ってくれるのです。
この白いクリームをひと匙口にした瞬間に、その驚きが広がりました。チェリ
ー、ショコラと食べ進むうち、疲れが徐々に癒されてゆく。。
「ご馳走様でした」 よりも、むしろ 「ありがとうございました」 と言いたい。
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息ができない~『ムサン日記~白い犬』

THE JOURNALS OF MUSAN
北朝鮮から韓国へ「脱北」してきたスンチョル(パク・ジョンボム)は、寡黙な
青年。脱北者仲間のギョンチョル(ジン・ヨンウク)の部屋に居候しながらポス
ター貼りの仕事に勤しみ、聖書を読み、白い犬を拾ってペックと名付ける。そ
んなスンチョルは、教会で見かける聖歌隊のスギョン(カン・ウンジン)に憧れ
を抱くのだが・・・。
「125」で始まる住民登録番号で区分けされ、韓国を「南朝鮮」と呼ぶ人々。
彼らの置かれた厳しい現実と、孤独な魂の彷徨を描いた本作は、脚本を書き、
自ら主演も務めたパク・ジョンボム監督の長編デビュー作。世界中の映画祭
で観るものに衝撃を与え、絶賛を浴びたという。
神と祈りを背景に、社会的弱者の「真実」をリアリズムで描く作風は、韓国の
名匠イ・チャンドンを彷彿させる。対象を見つめ、映像を切り取る「目の高さ」が
同じだなあ、と感じたのだ。実際、パク・ジョンボムは、イ・チャンドンの下で助
監督を務めていたらしい。

マイナーな韓国映画を好んで観る私だが、本作には久々に、完璧に打ちのめ
された。さほど期待はしていなかった分、この衝撃には参った。万人に「よかった
よ」 とオススメできる映画ではない。映画を観終わってのこの感情を、どう表現
していいかわからない。感動、ではない。共感でも、憐憫でもない。あまりの衝撃
に、心が宙に浮いたような、とでも言おうか・・・。しかし、記憶にしっかりと刻まれ
た作品であることだけは間違いない。力強い芯があり、信念を持って作られた映
画だけが放つ、磁力と熱を感じる。
あり得ない「おかっぱ頭」に、ダサい服。オドオドした言動、いつもうつむき加減
で、「しっかりせーよ!」 と背中を叩きたくなるような、覇気のない姿。新天地で
根を張る処世術もなく、どんどん社会からはみ出してゆくスンチョル。ペックを抱
きしめ、愛おしむ姿が切ない(監督自身の愛犬だという、この仔犬のかわいさ!)。
しかし、ある場面で私たちは、彼の「真実」を知ることになる。彼の背負うもの、
「北」に残し切れなかった計り知れないその「重さ」を。背中で語るスンチョルに、
息を呑み、涙が溢れる。彼に冷たく接していたスギョンも、素のスンチョルを知
ることで、心を開くようになるのだが・・・。

ラストシーンの衝撃は、スンチョルが信じ、祈り続けた「神」が与えた「罰」な
のか。見たこともないような大金に魔が差し、友を裏切り、自分を変えようとし
たスンチョル。ケン・ローチばりの、断ち切るような幕切れ。彼の未来を暗示す
るかのような、監督による献辞に息が止まる。涙が止まらない。音もないエン
ドロールが淡々と流れる中、嗚咽を堪えるのに必死な私。
「ムサンからソウルへ脱北した青年の憧れと孤独。そして純粋さの死。」
厳しく、残酷な映画ではある。それでも、多くの人に観て、何かを感じて欲し
い。その「何か」が、否定であれ肯定であれ。語られるべき、意義のある作品
だと、私は思う。
( 『ムサン日記~白い犬』 監督・製作・脚本・主演:パク・ジョンボム/2010・韓国)
テーマ : この映画がすごい!!
ジャンル : 映画
幸運な男/ザック・エフロンよ、何処へ行く? ~『一枚のめぐり逢い』

THE LUCKY ONE
イラク戦争に従軍していた海兵隊員のローガン(ザック・エフロン)は、戦地で
一枚の写真を拾ったことで爆撃を避けられ、生還する。写真には美しい一人の
女性が映っていた。帰国したローガンは、彼女を探す旅に出る・・・。
ご存知「恋愛小説の神様」ニコラス・スパークス原作のラブロマンス。運命に
導かれた出逢い、恋に落ちる二人、立ちはだかる障壁と悪役(本当は善人)、
全てを乗り越えて迎えるハッピーエンド。監督はスコット・ヒックス。
初日に観たので、ニナ・リッチの香水をいただきましたが。。う~ん、いまいち
・・・。

ルイジアナ、カントリーサイドの風景は美しい。大人の俳優に脱皮しようと、
ザック・エフロンも頑張っている。バツイチのシングルマザーであるヒロイン
も魅力十分。スコット・ヒックスは、堅実で誠実な作品に仕上げていると思う。
しかし、全てがあまりにも陳腐で、納得がいかない。
個人的には、能天気なザっくんのほうが好きだ。彼には「苦悩」という文字が
まだ似合わない。逞しく身体改造をしているけれど、残念ながらちょっと「熊」
化している印象。彼の恋敵は、あまりにも典型的で、気の毒なほどの悪役。
そしてあまりにも唐突に、アッサリと彼を消してしまうラストに唖然。
結論。これ、悪いのは原作ですね。大御所ニコラス・スパークスよ、本当に
こんなんでいいんですか?

そして、書くのもちょっと恥ずかしい邦題。なんか、全てに「無理やり感」が
あると思うのは私だけだろうか・・・。スミマセン
( 『一枚のめぐり逢い』 監督:スコット・ヒックス/
主演:ザック・エフロン、テイラー・シリング/2012・USA)
形成外科医の異常な愛情~『私が、生きる肌』

LA PIEL QUE HABITO
THE SKIN I LIVE IN
皮膚移植の世界的権威である形成外科医のロベル(アントニオ・バンデラス)
は、郊外の豪邸に全身タイツを纏った美女ベラ(エレナ・アナヤ)を軟禁してい
た。初老のメイド、マリリア(マリサ・パレデス)はベラの世話と監視を任されて
いたが、ある日彼女の息子セカ(ロベルト・アラモ)が邸にやってくる・・・。
スペインの巨匠、ペドロ・アルモドバルの新作。先日、アキ・カウリスマキの
映画を「ワンシーン観れば彼のものだとわかる」と書いたが、アルモドバルの
映画もそうかもしれない。とにかく、誰にも真似できないこの世界観。猟奇的
で倒錯した愛情を、極彩色にドロドロした質感で描かせたら、右に出る者はい
ない。唯一無二、他言無用なアルモドバル劇場。先の読めない展開に、口あ
んぐりでスクリーンを眺めている間に、エンディングを迎えてしまうこの力技。
モラリスト、及び潔癖症の方はお断りです。

監禁された美女ベラ。彼女は一体、誰なのか? というのが本作のミステリ
ー。ロベルの妻は全身火傷を負い、一命を取り留めるものの、娘ノルマ(ブラ
ンカ・スアレス)の目の前で投身自殺した、という過去はマリリアの口から語ら
れる。ロベルがベラに皮膚移植を施していることから、彼は心を病んだノルマ
を改造したのか? と思いきや・・・。凡人の想像力など軽々と凌駕した、驚く
べき真相が明かされるのだ。
ロベルの行為は性的倒錯ではなく、憎悪と狂気のなせる復讐でしかない。愛、
ではもちろんない。医学的見地からの好奇心も、もちろんあっただろう。しかし
皮膚移植と形成手術によって、外見は最愛の妻と瓜二つの人間を造り出せて
も、心だけは作り出すことはできない。ロベルは妻ではなく、妻の「美貌」だけを
欲していたのか? しかしどんな境遇にあっても、心だけは誰にも奪われない
し、変えられないと知らされるラストシーンに、戦慄さえ感じた。

スペインのモテ男、アントニオ・バンデラスは年輪を重ね、ますますいい男
ぶりを上げている。人工的な美しさを放つ、エレナ・アナヤはアルモドバルの
新しきミューズと成り得たか? 彼らを見つめるマリサ・パレデスの瞳だけは、
この衝撃的な物語の中、変わらず凪いでいた。
( 『私が、生きる肌』 監督・共同脚本:ペドロ・アルモドバル/
主演:アントニオ・バンデラス、エレナ・アナヤ、マリサ・パレデス/2011・西)
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ジャンル : 映画
動物園を買ったなら~『幸せへのキセキ』

WE BOUGHT A ZOO
冒険ライターのベンジャミン(マット・デイモン)は、半年前に最愛の妻を亡
くし、意気消沈していた。反抗期の息子と幼い娘を抱えた彼は、環境を変え
るべく引っ越しを考える。彼が気に入り、購入した家にはなんと、廃園になっ
た動物園が付いていた・・・。
破産寸前に追い込まれながら、動物園を再開すべく奮闘する父と、その
家族の物語。驚くなかれ、これ実話の映画化だそう。しかし、動物園付きの
家って・・・。事実は小説よりも奇なり、の典型のようなお話。主演は「ハリウ
ッドのMr.質実剛健」ことマット・デイモン。とってもいい人&いいパパを好演
して、ハマリ役。監督は、いくつになっても「青春」って言葉がお似合いのキ
ャメロン・クロウ。相変わらず、音楽もシャレてます。陽の光がとっても綺麗
だな、と思ったら、撮影は名手ロドリゴ・プリエトでした。

飼育チーフのケリーを演じたスカーレット・ヨハンソンが、いつものお色気を
封印、シャープな雰囲気を醸し出していてとっても好感。「私はキスは自分か
らするのよ」。そんな勝気な彼女が、ベンジャミンに惹かれてゆく過程がめっ
ちゃ説得力あり。子どもたちや動物たちの為に一生懸命なベンジャミン、すん
ごい素敵なんですから・・・(しかし、この映画のメインはベンジャミンとケリーの
ラヴではないです)。
反抗期のディラン(コリン・フォード)と、リリー(エル・ファニング)の関係性も
とってもよかった。この辺りはキャメロン・クロウお得意の描写だと思うのだけ
れど、それにしてもエル・ファニングの魅力的なこと・・・! こんな女の子が側
にいたら、思春期男子だったら気になって仕方ないでしょうよ。かわい過ぎる
娘のロージーしかり、美し過ぎるベンジャミンの亡妻しかり、監督の女性の趣
味、いいですね。
そして、一番いい味を出していたのがベンの兄、ダンカン。女好きで気が良く
て、弟想いのこんなお兄さんに、トーマス・ヘイデン・チャーチがまさに適役。
冒険が大好きなこの兄弟、「20秒の勇気」がディランへと受け継がれてゆくと
ころもまた、感動的なんだなぁ・・・。

本当にいい映画なんだけど、なんですかこの邦題は? 一体?? 一見、やわ
らかく素敵な言葉のように感じるけれど、それは上辺の体裁を取り繕っているだけ
で、この作品の本質を何も伝えていない。「ALMOST FAMOUS」 を「あの頃ペニ
ーレインと」 に「意訳」するのとは意味が違う。酷過ぎる。
( 『幸せへのキセキ』 監督・製作・共同脚本:キャメロン・クロウ/
主演:マット・デイモン、スカーレット・ヨハンソン/2011・USA)
港町の神様~『ル・アーヴルの靴みがき』

LE HAVRE
フランス北部の港町、ル・アーヴルで靴みがきを生業とする初老の男・マル
セル(アンドレ・ウィルム)は、妻アルレッティ(カティ・オウティネン)と愛犬ライ
カと、つつましくも幸せに暮らしていた。ある日、密航者の少年イドリッサ(ブロ
ンダン・ミゲル)と出逢ったマルセルは、彼を匿うことになる。
フィンランドの
た本作、やっとこさ観に行くことが出来ました。監督の最高傑作との呼び声も
高く、相変わらずの「カウリスマキ節」が観ていてうれしい。
不法移民の少年がロンドンを目指し、それを手助けする男、というストーリー
は『君を想って海をゆく』 でも描かれていた。現実をシビアに、悲観的に描い
たフィリップ・リオレのあの作品は、今もトゲのように、私の心に突き刺さって
いる。しかしフィンランドの自称ペシミスト、酔いどれ詩人の手にかかると、同
じ題材がこんなにもやさしい、心温まるファンタジーになってしまう。

カウリスマキの映画は、ワンシーンを観れば「あ、これは監督の作品だな」っ
てわかる。どちらかと言うとあまり見映えのよくない(そしてどこまでも無表情な)
お馴染みの登場人物、少ないセリフ、大がかりなCGやVFXはなし。特に凝った
映像だったり、プロダクションデザインではないのに、画面が非常に印象的なの
は、きっと色彩設計が素晴らしいのだろう。マルセルの自宅にある赤いアイロン
台、あれ欲しい~。貧しい暮らしでも、食卓に花を欠かさない感覚もステキ。そ
して、登場人物たちがこれほどプカプカと煙草を吸う映画も、今どき貴重です。
本作で描かれるのは、下町人情噺に出て来そうな、市井の情に厚い人々の
物語。パン屋の奥さんも、八百屋のおじさんも、ツケを溜めるマルセルをやさし
く見守っている。そしてマルセルは、最愛の妻アルレッティが入院してそれどこ
ろじゃないのに、見ず知らずの密航少年を助けようと奔走する。その日のパン
と煙草と食前酒があって、なんとか生きて行くことができるのなら、そんなに大
金を儲ける必要は無い。それより、困った人がいたら助けてあげる。そんな「当
たり前のこと」を、密告者(ジャン=ピエール・レオ!)や警視(ジャン=ピエール
・ダルッサン! 実はいい人!)の目を潜りながら飄々とやってのけるマルセル
が、なんだか妙にカッコよく見えてくる。

物語の最後に起こる「奇跡」に、「神」の存在を感じずにはいられなかった。
「羊飼いと靴磨きは、最も神に近い職業だ」 というマルセルの言葉を思い出
す。そして映画監督は、世界で一番素晴らしい職業ですね、カウリスマキさん。
( 『ル・アーヴルの靴みがき』 監督・製作・脚本:アキ・カウリスマキ/
主演:アンドレ・ウィルム、カティ・オウティネン/2011・フィンランド、仏、独)
小山ロール ~PATISSIER eS KOYAMA~
苦節○年、兵庫県三田市にある「PATISSIER eS KOYAMA エスコヤマ」
の「小山ロール」 をいただきました♪

『カンブリア宮殿』 で村上龍が絶賛し、『情熱大陸』 でも紹介されたこの
ロールケーキ。たま~にデパートの催事に出るくらいで、三田ウッディタウン
まで出向かないと買うことが出来ない、超お宝ロールなのですよ。

包みを開けると、カステラのような、ハチミツと卵黄の濃厚な香りが立ち昇
ります。生地とクリーム(生クリームとカスタード)のバランスが絶妙。そして、
栗のコンポートが予想よりたくさん入っていてちょっと驚き。このロールケー
キを「小山マロンロール」と名付けなかった小山進さん、カッコイイ。
とにかくおいしい。感動しました。生きててよかった・・・。
の「小山ロール」 をいただきました♪

『カンブリア宮殿』 で村上龍が絶賛し、『情熱大陸』 でも紹介されたこの
ロールケーキ。たま~にデパートの催事に出るくらいで、三田ウッディタウン
まで出向かないと買うことが出来ない、超お宝ロールなのですよ。

包みを開けると、カステラのような、ハチミツと卵黄の濃厚な香りが立ち昇
ります。生地とクリーム(生クリームとカスタード)のバランスが絶妙。そして、
栗のコンポートが予想よりたくさん入っていてちょっと驚き。このロールケー
キを「小山マロンロール」と名付けなかった小山進さん、カッコイイ。
とにかくおいしい。感動しました。生きててよかった・・・。
もう一度~『君への誓い』

THE VOW
幸せいっぱいの新婚カップル、レオ(チャニング・テイタム)とペイジ(レイチェ
ル・マクアダムス)。しかし二人は追突事故に遭い、頭を強打したペイジはレオ
との記憶を全て失ってしまう。レオは、自らを形成するのは「決定的瞬間の積
み重ね」=記憶だと言い、愛を誓ったペイジの記憶を取り戻すべく、二人の生
活を守ろうとするのだが・・・。
古今東西、「記憶喪失」というモチーフは、映画にドラマに繰り返し繰り返し
使われてきた。『50回目のファースト・キス』 『博士の愛した数式』。 『エター
ナル・サンシャイン』 も記憶を巡る恋のお話。そして極めつけは『冬のソナタ』。
そんなこんなで、この映画も「またか・・・」と思うのは早い。なんと実話を基に
した作品らしいのだ。

大型犬のようなチャニング・テイタムは、『親愛なるきみへ』 とほとんど同じ
朴訥キャラ。彼の恋敵ジェレミー、スコット・スピードマンってむっちゃ久しぶ
りに観た、昔は物凄く好みだったんだけどなぁ。。ジェシカ・ラングのシワシワ
加減もまた凄い。まぁ、エイジングにボトックスやリフトアップで必死に抵抗し
ている女優さんより痛々しくはないかもだけど・・・、やっぱり歳月って残酷だ
なぁと思わざるを得ない。
しかし、そんなことは全てどーでもいいんです、レイチェル・マクアダムスが
かわいければそれで。。レイチェルは、『君に読む物語』 のイメージがあまり
にも鮮烈だったためか、記憶喪失後のペイジのようなコンサバお嬢さんが本
当にハマる。そういえば『ミッドナイト・イン・パリ』 でも、お嬢さん役だったな。

過去の自分でも、失った記憶の中の自分でもなく、「今」の自分として生きる
道を選ぶペイジ。新しい店に行こうと提案するレオ。そして最後に映し出される
モデルになったカップルの現在の姿。そう、「記憶」は私にとってももちろん宝
物だけど、もっと大切なのは「これから」なんだな。
( 『君への誓い』 監督:マイケル・スーシー/
主演:レイチェル・マクアダムス、チャニング・テイタム/2012・米、伯、仏、豪、英、独)
生命とは何か?~『動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか』

福岡ハカセは、とにかく文章が巧い。新聞書評でハカセが取り上げた本は、
必ず「読みたい!」と思ってしまう。実際、読んでみると「書評のほうが面白か
った・・・」と思うことすらある(笑)。
底抜けに明るいわけでも、超ポジティヴというわけでもないが、その文体に
は好奇心旺盛な、正のエネルギーが満ち満ちている。
ハカセの代表作といえる 『生物と無生物のあいだ』 は、面白過ぎてなか
なか進まず、買ってから何年も経つのに未だ読了できていない(アホである)。
ページをめくるのももどかしく、完徹も厭わないほど夢中になれる、という類
の本とはまた、少し違う。行間に溢れ出す「センス・オブ・ワンダー」とでも表
現すべきこの世の神秘に、いつの間にかページを閉じて妄想(?)してしまう
のだ。
というわけで、福岡ハカセといえばこのキーワード、『動的平衡』 である。
分子生物学者から見た、ダイエット、アンチエイジング、コラーゲン入り食品
など、素人目にも非常に興味深いテーマの数々。3歳時の一年より、30歳の
一年のほうが短く感じるのは何故なのか。超低周波で意志疎通する、シロナ
ガスクジラとアフリカゾウ。この世界は、まだまだ「あなたの(私の)知らない」
驚異に溢れている。そしてその驚きの先に、「生命とは何か?」という問いの
答えがあるのだ。
( 『動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか』 福岡伸一・著/木楽舎・2009)
5月に読んだ本/7冊
引き続き「お弁当ノイローゼ」。でも少しずつですが、これからの生活に目鼻
が付いてきた感じです。がんばる。
と思った途端に、何年ぶりかで風邪をひいてしまった・・・。環境も生活リズム
も変わって、少々疲れ気味です。

『「空腹」が人を健康にする』
/南雲吉則・著
確かに、現代日本には食べ物が溢れています。まさに「飽食ニッポン」。でも
若い女性は痩せすぎだとか、妊婦さんが痩せてるから低体重の新生児が増え
ているとか。食べ過ぎなのか食べなさ過ぎなのかよくわかりませんが、著者に
よると「一日一食」 でいいのだそうです。無理!(笑)
『ミニシアター巡礼』 代島治彦・著
先日、NHKの「クローズアップ現代」でも、デジタル化によるミニシアターの
危機が取り上げられていました。フィルムが無くなってしまう「Xデー」も近い
のか?

『偏差値30からの中学受験 卒業編』
/鳥居りんこ・著
私立中学、入学したら待っているのは楽園ではなく地獄の二丁目。全く気
が休まらない・・・。はぁ

『家日和』
/奥田英朗・著
『我が家の問題』の前日譚的短編集。面白かった。これは単独で感想書きたかっ
たな~。

『下流の宴』
/林真理子・著
これもめちゃめちゃ面白かったですよ。。林真理子ってつくづく天才だと思い
ますね。主人公のメンタルは『不機嫌な果実』 と同じだなぁと思いながら。

『偏差値30からの中学受験 番外編 中学に入ってどうよ!?』
/鳥居りんこ・著
ウチの子にはエラがありませんよーに(笑)。
『ガール』 奥田英朗・著
映画は観る予定ナシですが、原作は最高です。『マドンナ』 待機中。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
もうすぐ、大好きな夏がやってくる。その前に訪れる、梅雨と言う名の試練。
少しでも楽しく雨の日をやり過ごすために、新しい傘が欲しい今日この頃・・・。
が付いてきた感じです。がんばる。
と思った途端に、何年ぶりかで風邪をひいてしまった・・・。環境も生活リズム
も変わって、少々疲れ気味です。

『「空腹」が人を健康にする』
/南雲吉則・著
確かに、現代日本には食べ物が溢れています。まさに「飽食ニッポン」。でも
若い女性は痩せすぎだとか、妊婦さんが痩せてるから低体重の新生児が増え
ているとか。食べ過ぎなのか食べなさ過ぎなのかよくわかりませんが、著者に
よると「一日一食」 でいいのだそうです。無理!(笑)
『ミニシアター巡礼』 代島治彦・著
先日、NHKの「クローズアップ現代」でも、デジタル化によるミニシアターの
危機が取り上げられていました。フィルムが無くなってしまう「Xデー」も近い
のか?

『偏差値30からの中学受験 卒業編』
/鳥居りんこ・著
私立中学、入学したら待っているのは楽園ではなく地獄の二丁目。全く気
が休まらない・・・。はぁ

『家日和』
/奥田英朗・著
『我が家の問題』の前日譚的短編集。面白かった。これは単独で感想書きたかっ
たな~。

『下流の宴』
/林真理子・著
これもめちゃめちゃ面白かったですよ。。林真理子ってつくづく天才だと思い
ますね。主人公のメンタルは『不機嫌な果実』 と同じだなぁと思いながら。

『偏差値30からの中学受験 番外編 中学に入ってどうよ!?』
/鳥居りんこ・著
ウチの子にはエラがありませんよーに(笑)。
『ガール』 奥田英朗・著
映画は観る予定ナシですが、原作は最高です。『マドンナ』 待機中。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
もうすぐ、大好きな夏がやってくる。その前に訪れる、梅雨と言う名の試練。
少しでも楽しく雨の日をやり過ごすために、新しい傘が欲しい今日この頃・・・。
女の子は楽しまなくっちゃ。~『ガール』
中間テスト真っ最中、初めての英語の試験に緊張気味(?)の息子が尋ねる。
「なあ、girlとwomanとladyってどう違うん?」
それなりに説明すると、今度は
「どうして女の人って歳言えへんの? 隠すやん?」
う~ん、息子よ、そう来たか・・・。
「日本ではね、「女は若ければ若いほどいい」っていう価値観が根強いから、
歳いってきたら自分の年齢に自信が持てなくなって、言いたくなくなるねん」
「ふ~ん。でも、若いって幾つくらいまでのこと?」
「う~ん、やっぱり30越えたら若くはないんじゃない?」
奥田英朗の『ガール』 は、そんな微妙な年齢の女の子たちが主人公の短編集。
後で知ったけど、今公開中の映画の原作なのですね。

正直、私はこの小説の登場人物たちより一世代上だけれど、大いに共感した。
表題作「ガール」 なんて、もう読みながら泣いたもん。奥田英朗さんって、どう
してこんなに女の子の気持ちがわかるんだろう? 奥田さんの文章から、嫌味
や嘲笑や、底意地の悪さを感じたことは一度もない。傍から見たら痛いオンナ
の描写でも、どこか温かい視線を感じる。奥田さんは、人は皆一生懸命生きて
いるんだ、誰もが愛おしい存在なんだ、、ってわかってくれているような気がす
る。存在そのものを、全肯定してくれているような。
「生涯一ガール。きっと自分もその道を行くのだろうと、由紀子は思った。
この先結婚しても、子どもができても。そんなの、人の勝手だ。誰にも
迷惑はかけていない」
「女は男の目なんか気にしていない。自分が楽しいからおしゃれをするの
だ。若くいたいと思うのだ」
私も、いくつになっても膝丈のジャーワンを着て、地下鉄に乗って仕事に行
きたい。誰のためでもなく、自分がしたいからそうするんだ。Girls just wa-
nna have fun! 明日からダイエットだっ。
( 『ガール』 奥田英朗・著/講談社・2006)
「なあ、girlとwomanとladyってどう違うん?」
それなりに説明すると、今度は
「どうして女の人って歳言えへんの? 隠すやん?」
う~ん、息子よ、そう来たか・・・。
「日本ではね、「女は若ければ若いほどいい」っていう価値観が根強いから、
歳いってきたら自分の年齢に自信が持てなくなって、言いたくなくなるねん」
「ふ~ん。でも、若いって幾つくらいまでのこと?」
「う~ん、やっぱり30越えたら若くはないんじゃない?」
奥田英朗の『ガール』 は、そんな微妙な年齢の女の子たちが主人公の短編集。
後で知ったけど、今公開中の映画の原作なのですね。

正直、私はこの小説の登場人物たちより一世代上だけれど、大いに共感した。
表題作「ガール」 なんて、もう読みながら泣いたもん。奥田英朗さんって、どう
してこんなに女の子の気持ちがわかるんだろう? 奥田さんの文章から、嫌味
や嘲笑や、底意地の悪さを感じたことは一度もない。傍から見たら痛いオンナ
の描写でも、どこか温かい視線を感じる。奥田さんは、人は皆一生懸命生きて
いるんだ、誰もが愛おしい存在なんだ、、ってわかってくれているような気がす
る。存在そのものを、全肯定してくれているような。
「生涯一ガール。きっと自分もその道を行くのだろうと、由紀子は思った。
この先結婚しても、子どもができても。そんなの、人の勝手だ。誰にも
迷惑はかけていない」
「女は男の目なんか気にしていない。自分が楽しいからおしゃれをするの
だ。若くいたいと思うのだ」
私も、いくつになっても膝丈のジャーワンを着て、地下鉄に乗って仕事に行
きたい。誰のためでもなく、自分がしたいからそうするんだ。Girls just wa-
nna have fun! 明日からダイエットだっ。
( 『ガール』 奥田英朗・著/講談社・2006)