迷子の旅人~『ミッドナイト・イン・パリ』

MIDNIGHT IN PARIS
ハリウッドの売れっ子脚本家だが、実は作家志望のギル(オーウェン・ウィル
ソン)は、婚約者のイネズ(レイチェル・マクアダムズ)と憧れのパリにやってき
た。何かと価値観の異なる婚約者とその両親、友人らとの付き合いに疲れた
ギルは、真夜中のパリを散歩するうち、1920年代にタイムスリップしていた。
「花の都」パリを舞台に、午前零時の鐘の音が「ゴールデンエイジ」へと誘う、
ファンタジックな夢物語。街角の一コマ一コマが絵になるパリのスチールが映
し出されるオープニングから、この映画の虜になってしまった。なんて素敵な
映画だろう。。今までに観てきたウディ・アレンの作品の中でも、ベスト3に入
るんじゃないかな。そう思った方が多かったのか、アメリカではアレン作品一の
興行成績を上げたそう。ウディ・アレンの映画が大好きで、スコット・フィッツジェ
ラルドを崇拝(?)している村上春樹さんも観たのかな、、なんて思いながら、
初日の初回に鑑賞。アカデミー賞脚本賞受賞作。これはオススメ!

スコット・フィッツジェラルドのミューズ、ゼルダが全然かわいくない! な
んて思いながら観ていたけれど、今考えるに、これはピカソの愛人、アドリ
アナ(マリオン・コティヤール)を引き立たせるためなのかも・・・。マリオン、
本当にキレイ!まさに「夢の女」にふさわしい。アドリアナに出会って、ギル
も本当の自分に目覚めてゆく。憧れの「神」たちに囲まれ、舞い上がるギル
がかわいい。彼はまさしく「巴里のアメリカ人」。
1920年代から、ギルとアドリアナはさらに19世紀末、アドリアナの憧れの
時代「ベル・エポック」にタイムスリップする。しかし、そこにいた芸術家たち
はさらに以前のルネッサンス期に憧れを抱いている。あと50年もしたら、世
界的な経済危機が叫ばれているこの2010年代でさえ「憧れの時代」になっ
ているのかも・・・。時の流れは皮肉なものです。

パリ、ジュテーム。またいつか再訪したい街。どんなに時代が変わっても、
パリが世界中の人々から愛される都であることは変わらない。世界一偏屈
でシニカルな映画監督でさえも、その愛は隠せないほどに。
( 『ミッドナイト・イン・パリ』 監督・脚本:ウディ・アレン/
主演:オーウェン・ウィルソン、マリオン・コティヤール/2011・米、西)
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トム・ハンクスの「いい人全開」~『幸せの教室』

LARRY CROWNE
ラリー・クラウン(トム・ハンクス)は、アメリカのスーパーマーケットチェーン
「Uマート」の従業員。優秀な販売成績にも関わらず、彼は「大卒でない」とい
う理由だけでリストラ解雇されてしまう。落ち込むラリーだったが、地元のカレ
ッジに入学し、スピーチと経済学の講義を受け始める。
一昔前は、邦題にやたら「愛と~」 って付けるのが流行っていたけど、最近
は「幸せ~」 なんですね。ふーん。
★☆ 以下、辛口感想です。この映画が気に入った方はご遠慮下さい、悪しからず ☆★

いつも通り「いい人」全開のトム・ハンクスの、トム・ハンクスによる、トム・
ハンクスのための映画(多分)。う~ん、私この映画全くダメでした・・・。何
も心に響いてこなかった。劇場まで観に来たことを激しく後悔してしまった、
久々に。
特に、中盤のダルダル加減はどうよ? と言いたい。これ今年のワースト
かもです・・・。温い!!(怒)
しかしテイノー先生(低能先生って、、と一人ツッコミ。ジュリア・ロバーツ)
は、どうしてあんなにいつも不機嫌なんだろう? 有名大学じゃない、たとえ
地方の小さなカレッジであろうと、彼女は教師という職業にもう少し誇りを持
つべきなんじゃないのか? もう、ジュリア・ロバーツが素の性格の悪さ全開
ですよ(スミマセン)。「髪結いの亭主」状態のダンナが気に入らないのはわ
かるけどさ~、仕事はちゃんとしましょうよ。。。
普通のバツ一中年おじさん、ラリーがやたらとモテるのもなんだかなぁぁ。
そもそも、こんないい人がどーして離婚してるの? トム・ハンクスのお友達
がラリーのモデルらしいけど、ついて行けない私。

で、結局ラリーは大学に行って、美人の先生と恋に落ちて終わり? それだ
け? ええー、それってあんまり安易じゃないの? それに「醤油」って日本語
でいいよね? 経済学の先生のキャラも、全くスベッてたし。日系人ってところ
がまた、小馬鹿にされてるようで気に食わない。ちょっとちょっと、どーしちゃっ
たの? トム・ハンクスさ~ん! 次はもうちょっと面白い映画、頼みますよ。
( 『幸せの教室』 監督・製作・共同脚本:トム・ハンクス/
主演:トム・ハンクス、ジュリア・ロバーツ/2011・USA)
ようこそ日陰の世界へ~『ダーク・シャドウ』

DARK SHADOWS
1972年、アメリカ東海岸・メイン州の港町。魔女の呪いによってヴァンパ
イアにされてしまったバーナバス・コリンズ(ジョニー・デップ)が、200年の
眠りから目覚める。すっかり没落してしまったかつての名家・コリンズ家を
再興させようとするバーナバスだったが・・・。
毎度お馴染み、ジョニー・デップ主演&ティム・バートン監督によるダーク・
ファンタジー。元々はアメリカの人気テレビシリーズだったというこの映画。
今回ジョニーが扮するのは、白塗りのヴァンパイア。ヘレナ・ボナム=カータ
ーやダニー・エルフマンら「いつものメンバー」の協力の下、ダークで奇妙な
ティム・バートン印の世界観は健在。誰が何と言おうと言うまいと、自分の描
きたい世界を、独自の感覚を貫いて映像で表現するティム・バートンという監
督は、本当に天晴れだと思う。そんな監督に「一生お供します」なジョニーも
素敵。ある意味、この二人ってソウルメイトなんじゃないかと思う。

ストーリーは、語るほどのこともないような定番ですけれども(笑)、美女揃
いなキャスティングがGood! 名家の女当主に貫禄十分、てか物凄く魔女
っぽいミシェル・ファイファー、アンジーそっくり(絶対意識してると思ったな~、
役名だけじゃなくて)なエヴァ・グリーン。『モールス』 の役柄が、実はまだ続
いていたのね、、な、クロエ・グレース・モレッツ嬢。ちょっとヴァネッサ・パラディ
に似た面差しのベラ・ヒースコート。そして、呑んだくれの小間使いが、この人
以上に上手く(気持ち悪く)演じられる俳優がいるだろうか、、(いや、いない)と
思わせるジャッキー・アール・ヘイリー。皆さん、ドンピシャのキャスティングで
す。
そしてまさか、ティム・バートンの映画でカーペンターズを聴くことになろう
とは・・・。娯楽作として(つまり、何も考えずに)、気楽に観られた作品でした。

( 『ダーク・シャドウ』 監督:ティム・バートン/2012・USA/
主演:ジョニー・デップ、ミシェル・ファイファー、エヴァ・グリーン)
俺の戦争は終わった~『キラー・エリート』

KILLER ELITE
1980年、メキシコ。凄腕の殺し屋、ダニー(ジェイソン・ステイサム)は、師匠
であり相棒でもあるハンター(ロバート・デ・ニーロ)と共に、暗殺のミッションを
遂行する。しかし、リムジンにいた少年を撃てず負傷したダニーは、殺し屋稼業
から足を洗い、オーストラリアに移住するのだが・・・。
元SAS(Special Air Service:英国陸軍特殊部隊)隊員の作家による、実話
を基にしたベストセラーの映画化。英国政府はもちろん関与を否定したらしいけ
れど、石油利権がからむ大国の陰謀、ってよくある話。ストーリーよりも、相変
わらずキレ味鋭いジェイソン・ステイサムのアクションを堪能。この人、ほ~ん
とにカッコイイですよね。。惚れ惚れ。

正直、ストーリーはよくわからないというか、細かいところは置いといて(爆)。
一番の見どころは、男気溢れるダニーのキャラクター。ハンターのためなら
地の果てまでも! っていう師弟愛に痺れます。
そして私はクライヴ・オーウェンの隠れ(?)ファンなので、これはもうおい
しい! ジェイソン vs. クライヴ、男の色気ではクライヴの辛勝、といった
ところかな。外見はすっかり「おじいちゃん」 になってしまったデ・ニーロも
健在。実話かどうかとか、ストーリーとかはほぼどうでもよく(笑)、男臭さ全
開の俳優たちのアクションを堪能した感じ。デニーの恋人、紅一点のアン
(イヴォンヌ・ストラホフスキー)に対する、ラストのデニーのセリフがよかっ
たな~。彼女のブーツに、私も注目していたのです。

( 『キラー・エリート』 監督:ゲイリー・マッケンドリー/2011・米、豪/
主演:ジェイソン・ステイサム、クライヴ・オーウェン、ロバート・デ・ニーロ)
守るべきもの~『ファミリー・ツリー』

THE DESCENDANTS
ハワイ・オアフ島に住む弁護士のマット・キング(ジョージ・クルーニー)は、カメ
ハメハ大王の末裔。祖先の残したカウアイ島の広大な土地を、売却するか否か
の決断を迫られていた。そんな時、妻エリザベス(パトリシア・ヘイスティ)がスピ
ードボートの事故で昏睡状態に陥る。
中年男の悲哀( 『サイドウェイ』、 『アバウト・シュミット』 )を描かせたら天下
一品、アレクサンダー・ペイン監督。彼がハリウッドの「看板」 ジョージ・クルーニ
ーを主演に迎え、崩壊しかけたある家族の再生を描く。ジョージは冴えない中年
男をリアルに演じて絶賛され、アカデミー賞にもノミネートされた。アレクサンダー
・ペインはアカデミー賞脚色賞を受賞。
評判に違わず、ジョージ・クルーニーが素晴らしい! 導入部のボイスオーバ
ーが少々、クドいけれど、ハワイが舞台というだけで好感度が三割増のロケーシ
ョン、ウクレレの響きが和む音楽。感動して、笑ってホロリ。最高でした。

スクリーンを見つめながら、自分の人生を大切にしたいな~、と思っている私
がいた。傍から見れば何の変哲もない、しょうもない人生でも、これは私だけの、
たったひとつの人生なんだな、なんて。観ながらそんな風に思える映画って、な
かなかお目にかかれない気がする。「人生における真理」的な、深い何かが描か
れているのかな。私の心の、琴線に触れる「何か」が。
原題は「the Descendants(子孫)」。邦題は何故か「家系図」になっていて、
関連があるような、ないような(笑)。
マットが大金持ちであることを除けば、描かれているのはどこにでもある家庭
の問題。エイリアンのような子どもたち、義実家との確執、不倫、冷めた夫婦仲、
相続、尊厳死。お気楽にだけ生きているように見える若者にも、気難しい老人に
も、家族を巡るそれぞれの痛みや苦しみがある。秘密も嘘も、どんな家族にも
在り得ること。昏睡状態の妻(母)を置いて小旅行に出かける、アメリカンのドラ
イさには少々、驚かされたけれど。

エリザベスを包んでいた黄色いハワイアン・キルトにくるまり、カウチでテレビ
を観る三人。何と言うこともない、ありふれた家庭の姿が、この家族の物語を
見つめて来た私にはとても特別な、限りなくやさしい風景に見える。大きな犠牲
を払い、辛い別れを越え、再生した家族。そこには、温かな「赦し」 の空気が流
れている。愛、友情、痛み、歓び。 人生、いろいろだけど、そこにはいつも家族
がいてくれるんだな、なんて。
( 『ファミリー・ツリー』 監督・製作・脚本:アレクサンダー・ペイン/
主演:ジョージ・クルーニー、シャイリーン・ウッドリー/2011・USA)
五感
第七芸術彷徨~『ミニシアター巡礼』

自らもミニシアター(BOX東中野、2003年4月閉館)を経営していた著者
が、北海道から沖縄まで、全国12のミニシアターを「巡礼」。 映画を愛し、
あの「暗闇」を守り続ける人々に取材したノンフィクション。
映画のために、映画を求める観客のために、ミニシアターに人生を捧げ
た人々の言葉には、映画好きの端くれとして何度も胸が熱くなった。映画
ファン必読の書。
「どんな貧乏してもやりますっていう人以外に、映画館はやれない」
シネコンが隆盛、「ミニシアター冬の時代」 と言われる今。逆風の最中
で、儲けや私利を求めず、小さな劇場を守り続ける人々がいる。
映画を紹介したい、映画が観客と出逢える場所をなくしたくない。彼らの、
その熱く真摯な志に頭が下がる。
シネコンの繁栄でミニシアターの経営が立ちいかなくなっているのは事
実でも、彼らはシネコンを敵視しているわけではない。むしろ、ミニシアタ
ーを追い詰めているのはミニシアター自身である、という発言もある。
映画を純粋に「娯楽」として観るならば、シネコンだけでも十分かもしれ
ない。しかし、映画を「芸術」であり「文化」だと捉えるならば、ミニシアター
の灯が消えていいはずがない。
非日常空間としての「あの暗闇」 に、私も何度も助けられた。そしてこ
れからも、映画館に通い続けるだろう。それは現実逃避なのかもしれない、
しかし私にとっては、人生において絶対に必要な時間なのだ。
三重の進富座、大分のシネマ5、そしてユーロスペース。 私もいつか
「巡礼」の旅をしてみたい。そして今まで映画からもらったものの何十分
の一でも、恩返しができたら、と思う。
( 『ミニシアター巡礼』 代島治彦・著/2011・大月書店)
二重スパイは誰だ? ~『裏切りのサーカス』

TINKER TAILOR SOLDIER SPY
1970年代、東西冷戦時代の英国。MI6内英国諜報部「サーカス」 のリーダ
ーであるコントロール(ジョン・ハート)は、組織の中にKGBの二重スパイがいる
と疑っていた。ブダペストでの諜報作戦失敗により、コントロールとその右腕・
スマイリー(ゲイリー・オールドマン)はサーカスを去るが、直後にコントロール
が謎の死を遂げる。
元MI6諜報員である作家、ジョン・ル・カレによるスパイ小説の映画化。「スパイ」
とは言っても、ここに登場するのはジェームズ・ボンドやイーサン・ハントとは違っ
た種類のスパイたち。彼らが交わす視線の先に、裏切り、友情、濃厚な絆が見え
隠れする。いや~、最高でした! これは今年のベスト作の一本ではないだろう
か。もう一回劇場で観たい。

登場人物が多く、「わからない」 という意見も散見される本作。しかし、ストー
リーは「もぐら」=二重スパイは誰なのか? という一点に集約していくわけで、
繊細なエピソードを積み重ねながら、謎は次々と終幕に明かされていく。解釈
を観る者に委ねるような幕切れの作品とは違い、逆にこれほど明快なラストを
観せてくれる映画もそうないのでは? フリオ・イグレシアスの歌声が最高潮
に達したラストシーン、私も思わず拍手しそうになったもの。
アカデミー賞にノミネートされたゲイリー・オールドマンはじめ、英国俳優た
ちが皆、素晴らしい! トム・ハーディだけはスパイに見えなかったが(笑)、
『アナザー・カントリー』 のジャドが成長したかのようなコリン・ファース(赤い
靴下がGood!)、彼を見つめるマーク・ストロングの、瞳の中の熱! ジョン・
ハートも渋いです。正体がつかめない「カーラ」、最後まで顔を見せないスマ
イリーの妻、アン。北欧人トーマス・アルフレッドソンが作り出す、静謐で低温
な映像も素晴らしい。この監督、天才じゃないかと思った。

ただ、確かに集中力と洞察力を必要とする映画ではある。回想シーンと現在
のシーンが混在し、舞台もロンドン、ブダペスト、イスタンブールなど欧州各地
に飛び、スパイたちは数ヶ国語を操る。ジム・プリドー(マーク・ストロング)が
トレイラー暮しをしながら教師をしているのを、私はしばらく回想シーンだと勘
違いしていた(笑)。彼の偽名の一つが「ビル・ローチ」=生徒の名、というのが
わかって初めて、ああ、彼は生き延びて隠遁生活を送っているのだな、、と理
解できたという始末。その他にも、一度観ただけでは理解し切れていない部分
が、少なからずありそう。
エンドクレジットにはサー・ポール・スミスの名もクレジットされている。紳士
の国英国の、紛れもないジェントルマンたちの姿を堪能すべし。
( 『裏切りのサーカス』 監督:トーマス・アルフレッドソン/2011・英・仏・独/
主演:ゲイリー・オールドマン、コリン・ファース、トム・ハーディ、マーク・ストロング)
テーマ : この映画がすごい!!
ジャンル : 映画
武勇と侠気~『捜査官X』

武侠
1917年、中国・雲南省の小さな村。武術に長けた二人組の強盗が、居合わ
せた紙職人リウ・ジンシー(ドニー・イェン)の「正当防衛」によって死亡する。
町から派遣された捜査官シュウ(金城武)は、強盗の死に疑念を抱く。
ピーター・チャン監督、「最強」ドニー・イェン主演の時代劇アクション。金城
武扮する捜査官を指す邦題に対し、原題は「武侠」。武術に長け、義理を重
んじる紙職人リウが真の主人公であることは自明。いや~、面白かった!
ガイ・リッチーの『シャーロック・ホームズ』 を、もう少し猟奇的にした感じ?
相変わらず、ド兄さんの超絶アクションが冴え渡る! 金城くんは、諸葛孔明
的頭脳派名捜査官。東洋医学の知識を持ち、ツボや急所を心得て鍼を打つ。
動と静、メリハリの利いた展開と、主人公たちを待ち受ける「最強」以上の超人
的悪役。観逃さなくてよかった~。

流れ者のリウ・ジンシーには、中国最凶の暗殺団「七十二地刹」のナンバー
2、タン・ロンという顔があった。殺生を生業とする家に生まれた運命を倦み、
真人間になろうとした彼はしかし、自らが巻き込まれた事件によって、過去へ
の扉を開いてしまう。
ドニー・イェンの「最強オーラ」が最高潮に達するのが、森でのシュウとの
シーン。道案内されるはずが、リウの放つ「気」にビビりまくりのシュウには
笑えた。
豪快なアクション映画ではあるけれど、ピーター・チャン監督の演出は繊
細だ。朝、寝床でリウの裾を掴んでいる妻アユー(タン・ウェイ)。 慌ただし
い朝の食卓の風景を、冒頭とラストシーン、同じ構図で見せることで、この
一家が全てを乗り越え、再生したことを示している。「夕飯までに帰って」。
この一言で、アユーのリウへの信頼、万感の思いが表現されている。お久
しぶりなタン・ウェイに、子役たちもかわいい。

リウの父にして暗殺団の首領を演じた、ジミー・ウォングの迫力たるや・・・!
刺された鍼を気合で飛ばし、ナタでも切れない超人的肉体。さすがのリウと
シュウも絶対絶命か、と思われたその時・・・。おお、こう来るか~。不死身と
思われた男も、自然現象には勝てなかったのだ。猟奇的な血生臭さが多少、
気になるものの、個人的には楽しめた作品でした♪
( 『捜査官X』 監督・製作:陳可辛ピーター・チャン/
主演:甄子丹ドニー・イェン、金城武、湯唯タン・ウェイ/2011・香港、中国)
テーマ : ☆.。.:*・゚中国・香港・台湾映画゚・*:.。.☆
ジャンル : 映画
4月に読んだ本/5冊
新年度が始まり、何かと慌ただしかった4月。落ち着いて本を読んだ記憶があ
まりありません。
とにかく先月は「お弁当ノイローゼ」 状態。恥ずかしい話ですが、私、自分の
料理に全然自信がないんですよね。。とにかく、暇さえあればお弁当の本を眺
めていた4月でした。

『私の中の男の子』
/山崎ナオコーラ・著
う~ん、これは・・・。かなり極端な物語です。てかこれも先月知ったんです
けど、ナオコーラさん結婚されてたんですね~。朝日新聞の食にまつわるエ
ッセイで知りました。お相手は書店員さんだそうです。ビックリ・・・・。
で、この本ですがまだ「殻を破る」には至っていない印象です。作風が定着
したかな。。

『それでも三月は、また』
/谷川俊太郎、川上弘美、多和田葉子、
川上未映子・ほか著
3・11後、作家や詩人たちは何を考え、何を表現しようとしたのか? 多彩
な執筆陣によるアンソロジー。女性作家の作品が印象に残っています。
川上未映子さんの短編は、村上春樹テイストでした。
『我が家の問題』 /奥田英朗・著
最高に面白かった。『家日和』 『ガール』 待機中♪

『さいごの色街 飛田』
/井上理津子・著
大阪在住のフリーライターの女性が、10年の歳月をかけて取材・執筆
した現代の秘境。しかし、著者の方すんごい勇気ですよね。。

『お母さんにはわからない
思春期の男の子の育て方』
/淡路雅夫・著
受験母のカリスマ・鳥居りんこさんのオススメで読んでみました。著者は
私立浅野中学・高校の校長を長年勤められた方だそうです。あ~、子育て
って難しい~(叫)。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
魔のGWも終わり、また夏休みまで全力疾走ですね! がんばろ~。ふぅ~
まりありません。
とにかく先月は「お弁当ノイローゼ」 状態。恥ずかしい話ですが、私、自分の
料理に全然自信がないんですよね。。とにかく、暇さえあればお弁当の本を眺
めていた4月でした。

『私の中の男の子』
/山崎ナオコーラ・著
う~ん、これは・・・。かなり極端な物語です。てかこれも先月知ったんです
けど、ナオコーラさん結婚されてたんですね~。朝日新聞の食にまつわるエ
ッセイで知りました。お相手は書店員さんだそうです。ビックリ・・・・。
で、この本ですがまだ「殻を破る」には至っていない印象です。作風が定着
したかな。。

『それでも三月は、また』
/谷川俊太郎、川上弘美、多和田葉子、
川上未映子・ほか著
3・11後、作家や詩人たちは何を考え、何を表現しようとしたのか? 多彩
な執筆陣によるアンソロジー。女性作家の作品が印象に残っています。
川上未映子さんの短編は、村上春樹テイストでした。
『我が家の問題』 /奥田英朗・著
最高に面白かった。『家日和』 『ガール』 待機中♪

『さいごの色街 飛田』
/井上理津子・著
大阪在住のフリーライターの女性が、10年の歳月をかけて取材・執筆
した現代の秘境。しかし、著者の方すんごい勇気ですよね。。

『お母さんにはわからない
思春期の男の子の育て方』
/淡路雅夫・著
受験母のカリスマ・鳥居りんこさんのオススメで読んでみました。著者は
私立浅野中学・高校の校長を長年勤められた方だそうです。あ~、子育て
って難しい~(叫)。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
魔のGWも終わり、また夏休みまで全力疾走ですね! がんばろ~。ふぅ~
ふたりで行こう~『宇宙兄弟』

幼い頃から宇宙に憧れ、いつか一緒に宇宙に行こうと約束を交わした南波六太
(小栗旬)・日々人(岡田将生)兄弟。夢に向かって一直線に進んだ日々人は、日
本人初のムーンウォーカーとして月に向かうが、兄の六太は失業中・・・。
大人気コミックの映画化。小栗旬、岡田将生という若手ツートップ俳優の共演
だけでも狂喜したのに、一番好きな俳優さんである堤真一まで出演しているとあ
らば、この私のテンションも上がるというもの。しかも、試写会まで当選してしまっ
た~。いそいそと公開前、一足お先に鑑賞♪ なのにGWでアップできず・・・
原作コミックは未読だけれど、旬くんと将生くんは原作キャラのイメージ通り
なのでは? 特に旬くんは、天然アフロの心やさしき兄ちゃんを熱演。この映画、
タイトルロールは「兄弟」ですが、実質的な主役は兄・六太です。
子役のふたりがまた、めちゃくちゃカワイイ♪

月に行った弟を追うように、宇宙飛行士試験に挑戦する六太。10日間に渡る、
6人の受験者とともに密室で過ごす実技試験が描かれる。物語の核になるのは
もちろん、六太と日々人の兄弟愛だけれど、六太が抱く純粋な「宇宙への思い」
が夢に届くのか? その一点が物語をドライブしていく。
兄弟を幼い頃から見守ってきたJAXA職員を演じる堤さんは、軽く、楽しそう
に演じていて本当に素敵。六太の受験者仲間にしてライバルを演じるのも、濱
田岳、新井浩文ら曲者役者が脇を固める。今を時めく旬くん、将生くんが主演
だからといって、「イケメンパラダイス」的なただのアイドル映画、というわけで
は決してない。ロケットの映像も迫力あるし、本物の元宇宙飛行士も登場して、
これにはビックリ!

六太はドーハの悲劇の日(1993年)生まれ、という設定ゆえ、大人になった
彼らを描く本作は近未来(2025年~)が舞台なはず。しかし老けメイクは施さ
れず、未来グッズなども登場しないのは御愛嬌。原作のファンの方が本作をど
うご覧になるのかは気になるところだけれど、そう悪くはないんじゃないかな。
( 『宇宙兄弟』 監督:森義隆/2012・日本/
主演:小栗旬、岡田将生、堤真一、新井浩文、濱田岳、麻生久美子)