ひとは何故、かくも悲しい生き物なのだろう~『別離』

JODAEIYE NADER AZ SIMIN
NADER AND SIMIN, A SEPARATION
「娘の教育のために」 海外移住を主張する妻・シミン(レイラ・ハタミ)と、ア
ルツハイマーを発症した父を置いては行けないとそれを拒む夫・ナデル(ペイ
マン・モアディ)。折り合えない二人は離婚を申請し、シミンは娘テルメー(サリ
ナ・ファルハディ)を置いて実家に帰る。父の介護のため、ナデルはラジエー
(サレー・バヤト)をヘルパーとして雇い入れるが・・・。
アカデミー賞外国語映画賞をはじめ、世界中で数々の映画賞を受賞したイ
ラン映画。評判だった監督の前作 『彼女が消えた浜辺』 は残念ながら未見
のままの鑑賞だったが、期待以上の濃密な人間ドラマに考えさせられること
しばし。オスカーも納得の、必見の一作と言えるのではないだろうか。

冒頭から、修復し難い夫婦の溝が描かれる。この二組の家族の物語が、タイ
トル通りの苦い結末を迎えることは、想像に難くない。それでも、観終わって思
うのだ、人間は何故、かくも悲しい生き物なのだろう? と。
「金がないのは首がないのと同じ」 と喝破したのは西原理恵子だが、貧しさ
に押し潰されそうなラジエーの表情が痛い。彼女は幼い娘を連れ、身重である
ことを言い訳にすることなく懸命に働く。お金のためならばどんなことでも耐え
られるけれど、盗人呼ばわりされることだけは別だ。
彼女にお金=職業があったなら、と考えずにはいられない。自立した教師で
あるシミンは、不仲の夫と別れる選択をすることができる。夫の保釈金を支払
うこともできる。ラジエーの夫ホッジャト(シャハブ・ホセイニ)に、示談金を払う
こともできる。ラジエーに経済力があれば、失業して暴力をふるう夫を見限る
こともできただろう。そして何より、激痛に耐える前に、病院に行くと言う選択を
することができただろう、自分と、お腹の子を守るために。

国や人種が違っても、人間というものの内面はさほど大きな違いはないの
ではないか、と改めて考えさせられる。 現代社会が抱える様々な問題--
教育、少子高齢化、介護、失業と貧困、格差、離婚、DV、女性の権利。舞台
を日本に移しても、ほとんど変わりないドラマが描けるのではと思うほど。た
ったひとつ、「信仰」 を除いては。
コーランを絶対の真理とするイランの人々にとって、「誓う」という行為には、
我々日本人の想像を絶する重みがあるのだろう。特に、黒いチャドルをまと
い、人一倍敬虔なラジエーにとっては。
愛する家族の為に流す、テルメーの涙が胸に迫る。父と母、彼女はどちら
を選ぶのか。ある意味 「究極の選択」 に引き裂かれる家族。監督が、その
結末を曖昧にしたのは、賢明な選択に思える。 選択肢が示された時点で、
もう取り返しはつかないのだから。
( 『別離』 監督・製作・脚本:アスガー・ファルハディ/2011・イラン/
主演:レイラ・ハタミ、ペイマン・モアディ、サリナ・ファルハディ)
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ジャンル : 映画
空へ~『ももへの手紙』

父を亡くした小学6年生のもも(美山加恋)は、母(優香)と二人で瀬戸内の小島
「汐島」 へと越してきた。
「ももへ」 とだけ書かれた父からの手紙。仲違いしたまま亡くなった父を思うもも、
亡くなった父の思い、悲しみを堪えて強く生きようと踏ん張る母、そして妖怪たち。
穏やかな海と、段々のみかん畑が広がる美しい島の風景に抱かれながら、少女
が過ごすひと夏の物語。
船で渡る島々、広島弁のイントネーション。監督が徹底的にリサーチしたという
だけあって、全てがとてもリアルだった。おじさんが読んでいるスポーツ紙の記事
が、カープの前ケンだったり。実に細かい。

ももを演じた美山加恋ちゃんと言えば、かわいかった子役の頃を思い出す。そ
して、お母さん役があの優香って、、。全く気付かなかった、ビックリ。彼女がもう、
母親役を演じる年齢だなんて。。アタシも歳とるはずだわ(笑)。
イワ、カワ、マメの妖怪三人組も、最初は気色悪いんだけど観慣れてくればそ
れなりにカワイイ。特にマメ! 物事を憶えられない、頓珍漢な彼はまさしく癒し
系。イワとカワは、妖怪なのに妙に人間味があったし。演じてるのが西田敏行と
山寺宏一だなんて、すごい大御所。
ただ、私はジブリファンなので、、。少女、妖怪とくればどうしても 『千と千尋』
を連想してしまう。既視感があると言うか・・・。それだけが少し残念。

あの風景に再会したくて、この映画を観たんだもの。それだけでいい。瀬戸内
は、本当に天国みたいに美しいところだなぁ。改めてそう思わせてくれた、この
映画に感謝です。
( 『ももへの手紙』 監督・原案・脚本:沖浦啓之/
声の出演:美山加恋、優香、西田敏行、山寺宏一/2012・日本)
ある民間兵の死~『ルート・アイリッシュ』

ROUTE IRISH
2007年、リバプール。イラク戦争から帰還した元民間兵のファーガス(マー
ク・ウォーマック)は、兄弟同然に育った親友・フランキー(ジョン・ビショップ)
がバグダッドで戦死したことを知る。彼が遺した携帯電話の動画を観たファー
ガスは、親友の死に疑問を抱く。
英国の厳父ことケン・ローチ監督の新作は、イラク戦争における民間兵士の
存在と、その死を巡るサスペンス。実はケン・ローチは、私が世界で最も尊敬
する監督の一人(もう一人は韓国のイ・チャンドン)。 今年前半は、このお二人
の新作をスクリーンで観られて幸運だった。全くの偶然だけれど、本作も『ポエ
トリー アグネスの詩』 も、流れる川に始まり、川で終わる。国も題材も異なる
のに、こんなシンクロってあるのだな、と一人感慨にふける。
本作は、顔を広く知られている俳優がほぼ皆無。このような地味な作品が劇
場公開されるのは、やはりケン・ローチ作品の質の高さゆえ、だと思う。

さて。本作は「社会派」監督ケン・ローチの面目躍如、といった趣の作品。バ
グダッド空港とグリーン・ゾーン(安全地域)を結ぶ道路、ルート・アイリッシュ。
この「世界で最も危険」と言われている道路で亡くなったフランキー。民兵派遣
の会社を彼に紹介したファーガスは、罪の意識に苛まれながらフランキーの
死の真相を知ろうとする。そしてそれは、ファーガス自身が受けた傷に触れる
行為でもあった。
イラク戦争を描いたハリウッド映画は数多く観てきたけれど、民間兵という聞
きなれない職業の男たちが主人公の作品は初めてだと思う。明度の低い、くす
んだような色合いの映像は間違いなくケン・ローチ作品だと思わせるけれど、サ
スペンスの要素を盛り込んだ語り口は珍しいかもしれない(脚本は、ケン・ローチ
の「声」 ポール・ラヴァーティ)。サッカーの場面が必ず登場するのも彼の作品
の特徴であるが、今回はブラインドサッカーだった。

金のために貧しきものは戦場に赴き、私利私欲に走る私企業はイラク人の
多大な犠牲の上に、暴利を貪る。アルコールが好きで、短気でタトゥーを彫っ
た、典型的なワーキングクラスの男・ファーガスが、不釣り合いなほどスタイ
リッシュな部屋に住んでいるのも、イラクで稼いだ金のおかげ。しかし、その
ために彼が払った代償は、あまりにも大きかったと言えるだろう。
フランキーを「共有」した彼の妻、レイチェル(アンドレア・ロウ)に惹かれな
がらも、ファーガスが最後にした選択が胸に痛い。誰も幸せにならずに終わ
る映画、悲しみと後悔の坩堝のような映画。それこそが戦争なのだと言いた
げに。
( 『ルート・アイリッシュ』 監督:ケン・ローチ/
主演:マーク・ウォーマック、アンドレア・ロウ/2011・英、仏、伊、西、ベルギー)
善男善女の物語~『我が家の問題』

新婚なのに家に帰りたくない夫、両親の不仲に悩む女子高生、UFOが見えると
言い出した旦那さん、北海道と名古屋に実家がある夫婦の、初めての盆休み・・・。
様々な「家族」の情景を切り取った、奥田英朗の短編集。物凄くよかったです、
超オススメ。
奥田英朗さんの本を読むのは久しぶり。『イン・ザ・プール』 以来じゃないだ
ろうか? 超人気作家ゆえ、図書館の順番待ちが尋常じゃないんですよね。。
この本も、半年くらい待ちでしたが、ホントに待った甲斐、ありました。一気に読
んでしまった。
タイトル通り、様々な「家庭の問題」を当事者の視点から描いているのですが、
悪人が出てこないから読後感がとってもいい。「胸が締め付けられる」っていう
表現がよく出てくるんだけど、みんな自分以外の家族のことを心配したり、イタ
イケに思ったりして、胸をキュンキュンさせているのですよ。。そう、登場人物が
みんなみんな、やさしいんです。とっても。
最後の「妻とマラソン」 は奥田さんご自身がモデル?と思ってしまうような、
作家とその妻、家族のお話。血縁って、時々やっかいだけど、やっぱり家族っ
ていいな、と思わせてくれる小説でした。
( 『我が家の問題』 奥田英朗・著/2011・集英社)
リアル・ヒーロー~『ドライヴ』

DRIVE
A real human being and a real hero
「10万の通りを持つ街」、ロサンゼルス。自動車修理工場で働く謎めいた男
(ライアン・ゴズリング)は、抜群のドライビング・テクニックを持っていた。昼は
ハリウッドでカー・スタントのアルバイト。そして、夜。彼にはもう一つの「顔」が
あった。
「5分間だけは、何があっても待つ」
寡黙なドライバーが、愛する者のために一人、裏社会に闘いを挑むクライム
・サスペンス。R15+指定も納得の、血まみれのバイオレンスが強烈。監督の
ニコラス・ウィンディング・レフンは、カンヌ映画祭において監督賞を受賞。キャ
スト陣も賞レースを賑わしたが、オスカーでは全くスルーされたことでも話題
になった。しかしまぁ、ライアン・ゴズリングのカッコイイこと。。フフフフフ。

昨年、ピープル誌が選ぶ「最もセクシーな男2011」 がライアン・ゴズリング
でなかったことに、アメリカではプラカードまで掲げて抗議する人たちがいた。
選ばれたブラッドリー・クーパーもカッコイイと思う私は「ガタガタ言うなよ~」
くらいに思っていたのだが、この映画を観て考えが変わった。「最もセクシー
な男2011」 、ライアン・ゴズリングが獲るべきだったよ!
ここ数年の、彼の活躍は目覚ましい。強烈な個性には乏しい代わりに、どん
な役でもこなせる透明感と、安定した演技力が備わっている。引っ張りだこな
理由もわかります。

セリフは少ないが、映像は雄弁。特にエレベーター内、男と人妻アイリーン
(キャリー・マリガン)とのスローモーションなシーンは、映画史クラスにロマン
チックだと言ってしまおう。しかし、「惚れてまうやろ~!」と思った次の瞬間、
始まる惨劇・・・。全身が泡立つような恐怖と、甘やかな恍惚との落差が半端
ではない。
しかし何故、彼は爪楊枝をくわえていたのだろう? 謎・・・。
サウンドトラックもクール! ハンドルとタイヤとナイフで切り裂かれるよう
な映像に、更なる切れ味と陰影を与えている。爆発寸前の秘めた激情を胸
に、男は何処へか去ってゆく。「 I drive. 」 過去も未来も、名前さえも持
たない男。やっぱり、惚れてしまう私なのだった。
( 『ドライヴ』 監督:ニコラス・ウィンディング・レフン/2011・USA/
主演:ライアン・ゴズリング、キャリー・マリガン、アルバート・ブルックス)
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ジャンル : 映画
はらドーナッツ
心斎橋の「はらドーナッツ」 さんにお邪魔しました。

神戸発祥、大阪府内に三店舗ある「はらドーナッツ」。カフェ併設店はここだけ
です。今までテイクアウトしかしたことがなくて、カフェは初めて。

コーヒーと、「こまつな」 「有機シナモン」 をいただきました。おいしいよね~。

こちらでは「はらロール」 もいただけます。
小腹が空いていたのでドーナツにしたのですが、はらロールにすればよかった
かな。。(店頭売りはしていないのです)

2階のカフェから
プレーンのはらドーナッツと、丹波黒豆きなこを買って帰りましたよ。
ごちそうさまでした♪

神戸発祥、大阪府内に三店舗ある「はらドーナッツ」。カフェ併設店はここだけ
です。今までテイクアウトしかしたことがなくて、カフェは初めて。

コーヒーと、「こまつな」 「有機シナモン」 をいただきました。おいしいよね~。

こちらでは「はらロール」 もいただけます。
小腹が空いていたのでドーナツにしたのですが、はらロールにすればよかった
かな。。(店頭売りはしていないのです)

2階のカフェから
プレーンのはらドーナッツと、丹波黒豆きなこを買って帰りましたよ。
ごちそうさまでした♪
芸術家は死なず~『アーティスト』

THE ARTIST
1927年、ハリウッド・キノグラフ撮影所。サイレント映画の大スター、ジョー
ジ・ヴァレンティン(ジャン・デュジャルダン)と、彼に憧れて女優を夢見るペピー
・ミラー(ベレニス・ベジョ)がいた。
第84回アカデミー賞において、作品・監督・主演男優・作曲・衣装デザイン
の5部門を受賞したフランス映画。モノクロ・サイレントの手法を採り、古き良き
時代の名作映画へのオマージュを捧げている。セリフはラストシーンまでなく、
字幕(キャプション)もほとんどないことに戸惑いながらも、耳に馴染む音楽と、
クラシカルな雰囲気をまとった俳優たち、そして一匹の「パルムドッグ」 の名
演技に引き込まれる。
ストーリーは、時代に取り残されようとしている俳優と、時流に乗った新進
女優の物語。ラブストーリーでもあるが、特に目新しいところはない。しかし、
あのラストシーンの躍動感といったら・・・! あのワンカットだけのためにで
も、もう一度観たいほど素晴らしい。

スケジュールをチェックしようとシネコンのタイムテーブルを覗いてみたら、
スクリーンサイズの表示に見慣れない「スタンダード」の文字。「ビスタ」 か
「スコープ」 しか知らなかったけれど、ほぼ正方形に近いスクリーンサイズ
なのですね。タイトルやクレジットの出し方も「いかにも」なクラシックスタイ
ルで、おお~、やるな、という感じ。しかし、現代風なエンドロールだけはビス
タサイズで流れていたような気がする。
監督は、アカデミー賞での「ビリー・ワイルダー×3!」がとても好印象だっ
た、「スマートになった三谷幸喜」という雰囲気の方。3D・VFX全盛時代にサ
イレント映画とは、物凄い信念の持ち主なのだろう。
「にやけ顔」がやたら印象的なジャン・デュジャルダン、監督の奥様にして
ヒロイン、ベレニス・ベジョが適役。特にベレニス・ベジョは新進女優にしては
トウが立ち過ぎている感が無きにしも非ずではあるが、アン・ハサウェイに似
た大きな瞳と大きな口に、付けぼくろが似合い過ぎ! ジョージの楽屋での
一人芝居、最高でした。その他、撮影現場に時計仕掛けのアレックスが座っ
ていたり、ジェームズ・クロムウェル(運転手クリフトン役)、ジョン・グッドマン
(プロデューサー役) も「パーフェクト!」

そして、「トーキー(talkie)」って「talking Picture」、talkの派生語なん
ですね? 知りませんでした。
映画に歴史あり。サイレントからトーキーへ、そして21世紀の「今」。 時代
や技術がどんなに変わろうと、その愛は受け継がれてゆく。映画を愛する老
若男女、必見の映画でしょう。

( 『アーティスト』 監督・脚本・編集:ミシェル・アザナヴィシウス/
主演:ジャン・デュジャルダン、ベレニス・ベジョ/2011・仏、ベルギー)
大統領予備選の内幕~『スーパー・チューズデー ~正義を売った日~』

THE IDES OF MARCH
民主党大統領候補決定のための予備選は、オハイオ州で天王山を迎えて
いた。 ペンシルバニア州知事、マイク・モリス(ジョージ・クルーニー)の元、
30歳の若さで広報官として働くスティーヴン(ライアン・ゴズリング)は、その
スマートさで敵陣営にも一目置かれる存在だった。
魑魅魍魎が蠢くアメリカ大統領予備選の内幕を、リアルかつスリリングに
描く、ポリティカル・サスペンス。リベラルで清廉潔白なイメージとは裏腹な
貌を持つ州知事、シャープな野心家でありながら、その若さゆえか脇が甘
い広報官、美人過ぎるインターン(エヴァン・レイチェル・ウッド)、選挙参謀
の太鼓腹対決(フィリップ・シーモア・ホフマン vs. ポール・ジアマッティ)。
全てがいかにもいそうな人々、在りそうな話。芸達者たちのアンサンブル、
演技合戦が見ものな良作。監督はジョージ・クルーニー。面白かった。

スティーヴンを演じたライアン・ゴズリングは、今やハリウッドの若手売れ
っ子№1。どこか影のある、彼自身の資質がその演技力と相まって、どんな
役を演じても独特で絶妙な雰囲気を醸し出す。ドンピシャなキャスティングと
思いきや、なんとこの役、当初は製作者の一人、レオナルド・ディカプリオが
演じるはずだったとか・・・。しかも選挙参謀のポールは当初、ブラピだったら
しい。それ無理、絶対! オーシャンズじゃないんだから(笑)。
大統領になろう、なんて桁外れの野心を抱く人間が、聖人君子でいられる
はずがない。理想は理想、快楽は快楽として欲しがる、握力の強い人間な
だけ。この物語の登場人物は、誰もが疑心暗鬼で被害妄想で、常に何かに
怯えている。裏切り、引き抜き、裏取引にリーク合戦。しかしそれが、大統領
選というものなのだろう。
モリーにまつわる一連の出来事の真相も、結局は藪の中。スティーヴンの
反応は、少しナイーブ過ぎるような気もしたな・・・。

ラストシーン、スティーヴンは何を語るのか? その先を観る者に委ねた幕
切れは悪くない。 しかしまぁ、ジョージ・クルーニーはハマリ役。彼が何年後
かに、民主党大統領候補として出馬する可能性は実際、ゼロなのか? 歴代
のガールフレンドが登場するだろう「ネガティブキャンペーン」 は面白そうだけ
ど。
( 『スーパー・チューズデー ~正義を売った日~』
監督・製作・共同脚本:ジョージ・クルーニー/
主演:ライアン・ゴズリング、ジョージ・クルーニー/2011・USA)
3月に読んだ本/5冊
読んだ冊数が、だんだん少なくなっている(汗)。言い訳ですけど、、最近落ち
着かなくて、ノンビリ本読んでる場合じゃない! って気分なんですよね。。なん
だか漠然と不安で・・・。と言いつつ映画は観てるんですが(笑)。

『10代の子を持つ親が知っておきたいこと
~思春期の心と向き合う』
/水島広子・著
子育てって、子育てって・・・。難しいですよね(溜息)。
『魔法飛行』/川上未映子・著

『晴天の迷いクジラ』
/窪美澄・著
『ふがいない僕は空を見た』 で大ブレイクした赤裸々系作家・窪美澄さんの
新作。正直、読み進めるのが「しんどい」と感じてしまう内容です。しかし、最終
章で全てがひっくり返るのですよ・・・。号泣しました。

『無限の網』
/草間彌生・著

『草間彌生、たたかう』
/草間彌生・著
現在大ブレイク中、前衛芸術家「やよいちゃん」こと草間彌生の自伝2冊。彼女は
画家であるだけでなく、文章も書ける作家さんでもあったのですね。ウォーホール
も彼女を模倣したのだとか。
前者は純然たる自伝、後者は写真が多くて読みやすいけれど、これだけだと物足
りないかな。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
さて。長く寒い冬もようやく終わり、4月ですね。いよいよ入学式だよ、晴れます
ように。。
着かなくて、ノンビリ本読んでる場合じゃない! って気分なんですよね。。なん
だか漠然と不安で・・・。と言いつつ映画は観てるんですが(笑)。

『10代の子を持つ親が知っておきたいこと
~思春期の心と向き合う』
/水島広子・著
子育てって、子育てって・・・。難しいですよね(溜息)。
『魔法飛行』/川上未映子・著

『晴天の迷いクジラ』
/窪美澄・著
『ふがいない僕は空を見た』 で大ブレイクした赤裸々系作家・窪美澄さんの
新作。正直、読み進めるのが「しんどい」と感じてしまう内容です。しかし、最終
章で全てがひっくり返るのですよ・・・。号泣しました。

『無限の網』
/草間彌生・著

『草間彌生、たたかう』
/草間彌生・著
現在大ブレイク中、前衛芸術家「やよいちゃん」こと草間彌生の自伝2冊。彼女は
画家であるだけでなく、文章も書ける作家さんでもあったのですね。ウォーホール
も彼女を模倣したのだとか。
前者は純然たる自伝、後者は写真が多くて読みやすいけれど、これだけだと物足
りないかな。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
さて。長く寒い冬もようやく終わり、4月ですね。いよいよ入学式だよ、晴れます
ように。。
アメリカの母たち~『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』

THE HELP
ジャーナリスト志望のスキーター(エマ・ストーン)は大学を卒業し、ミシシッピ
州ジャクソンに帰郷する。彼女を待っていたのは、結婚・出産後、家事と子守を
「ヘルプ」と呼ばれる黒人メイドに任せきりの、上流家庭の友人たち・・・。
公民権運動が盛り上がりを見せる、1960年代のアメリカ。とりわけ人種差別
の激しかった南部の町に育った女性が、黒人メイドたちの劣悪な待遇と生活環
境に疑問を抱き、彼女たちの声をすくい取ろうとする。しかしそれはメイドたちの
命を脅かす、危険な行為だった。
実力派女優たちのアンサンブル演技が見応えある、涙あり、笑いありの感動
作。料理上手のミニーを演じたオクタヴィア・スペンサーはアカデミー助演女優
賞ほか、各賞を受賞。同じく受賞確実と言われながらオスカーを逃したヴィオラ
・デイビス、天然ボケの白人女性・シーリアを演じたジェシカ・チャスティンもアカ
デミー賞にノミネートされた。しかし正直、ジェシカ・チャスティンは「おいしい」役
でしたね。もうけ役と言うか。。

慈愛に満ち、子守を「天職」と自覚しながら、息子を亡くした苦しみと向き合
い続けるエイビリーン。果敢に未来を切り開こうとする賢き女性を体現したヴィ
オラ・デイビスには、いつかまたオスカーゲットのチャンスが巡って来て欲しい。
しかし。。家事も子育てもせず、ブリッジと「慈善活動」に明け暮れている上流
家庭の白人女性たち。彼女たちの価値観、精神構造は全くもって理解不能。
「病気がうつる」と言ってトイレも使わせないのに、ヘルプの作った食事を食べ、
自らの子を育てさせる。自分は我が子のオムツも換えず、トイレトレーニングも
任せっきり・・・。
そういう時代だったのだろう。そういう土地柄なのだろう。私だって、あの時代、
あの町に生まれていたならば、ヒリー(ブライス・ダラス・ハワード)のような女
だったかもしれない。それでも、実家に長く仕えた黒人メイドを、自らの「育ての
母」だと言うスキーターの感覚が、救いに思える。

フライドチキン、アメリカン・チョコレート・パイ、瓶入りのコーク。教会に響く
ゴスペル、カントリー・ミュージック。無駄にデカい車、ジョン・F・ケネディ。
悲惨な境遇でも、大地に根を張って懸命に生きる、エイビリーンとミニーの逞
しさ。彼女たちこそが、真の「アメリカの母」なのだろう。
( 『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』 監督・脚本:テイト・テイラー/
主演:エマ・ストーン、ヴィオラ・デイビス、オクタヴィア・スペンサー
ジェシカ・チャスティン、ブライス・ダラス・ハワード/2011・米、印、UAE)
好きにならずにいられない~『マリリン 7日間の恋』

MY WEEK WITH MARILYN
1956年。ハリウッドで絶大な人気を博していたマリリン・モンロー(ミシェル・
ウィリアムズ)は、ローレンス・オリヴィエ(ケネス・ブラナー)が監督する『王
子と踊り子』に出演するため、新婚の夫アーサー・ミラーとともに英国へ渡る。
当時、駆け出しの第3助監督(サード、要は雑用係)だったコリン・クラーク
(エディ・レッドメイン)の回想録を基にしたドラマ。イートン校出身、実家はお
城、ウィンザー城にコネを持つ生粋のお坊ちゃんと、世界中を虜にしていた
大女優との淡い恋。ゴールデングローブ他、数々の主演女優賞賞を受賞し
たミシェル・ウィリアムズが素晴らしい。これは必見!

「やけどするぞ」 「深みにはまるな」。忠告されればされるほど、止められな
いのが恋というもの。彼女に「マリリンと呼んで」 と言われて、恋に落ちない男
がいるだろうか? 天使のような小悪魔。彼女の出演作品全てに「コリン・クラ
ーク」がいるのだろう、表には出ないだけで。
この映画が素晴らしいのは、マリリン・モンローという女優のことを「もっと知
りたい、作品を観てみたい」 と思えるところ。輝くばかりの美貌と才能に溢れ
ているのに、自分に自信が持てず、常に不安に苛まれている一人の女。寂し
さを持てあまし、薬に依存するほど苦しんでいるのに、「マリリン・モンロー」で
あることの栄光から降りられない彼女が愛おしく、好きにならずにはいられな
い。それは演技法を巡って対立していたローレンス・オリヴィエも、「味方」に
ついたコリン・クラークも、我々一映画ファンも同じだろう。 スキャンダラスな
最期だったマリリンを貶めることなく、敬意と憧憬を滲ませ、活き活きとした生
身の女性として描いてくれたことがうれしい。

素敵なセリフが多くて、字幕を読むのがもどかしい。 「映画監督は世界で
最高の職業」。同感。「デイム」ジュディ・デンチのやさしさと気遣い、衣装係
ルーシー、エマ・ワトソンの若さも印象的。ラン・ランのピアノというのが無駄
に贅沢(?)な気もしたけれど、音楽もコスチュームも何もかも、満足できた
作品だった。
( 『マリリン 7日間の恋』 監督:サイモン・カーティス/
主演:ミシェル・ウィリアムズ、エディ・レッドメイン/2011・UK、USA)