「真実の愛」 を信じるあなたへ ~ 『ラブ・アゲイン』
ラブ・アゲイン





 CRAZY, STUPID, LOVE.


 冴えない中年男キャル(スティーヴ・カレル)は、ある日突然妻エミリー(ジュ
リアン・ムーア)
から離婚を切り出される。10代で出逢って以来、エミリー一筋
だったキャルは、茫然自失のまま離婚を受け入れるのだが・・・。

 「ミドルエイジ・クライシス」 に陥った夫婦の顛末を軸に、「魂の伴侶(ソウル
メイト)」
 を求めて愛に彷徨う男女を描く群像劇。 などと書くと、生真面目な
映画だと思われそう。しかしそこは製作・主演のスティーヴ・カレル「真面目
過ぎて可笑しい」キャラを演じさせたら右に出る者がいない彼が物語の中心

あらば、面白くないわけがない! 喜劇ではあるけれども、大人のための「上
質な」コメディ
であると言わせていただきます。劇場予告から大いに期待して
いたのですが、予想以上にいい映画でした。練られた脚本に、あっと驚かされ、
大いに唸る。そして一言。 「こんなライアン・ゴズリング、観たことない!」

ラブ・アゲイン2

 実はこの記事、「ライアン・ゴズリングが素敵過ぎる件について」ってタイトル
にしようかと思ったくらい(笑)。もう、彼演じるジェイコブが最高! 遊び人
けど、やさしくて、哲学があって、大人だけど母性本能もくすぐる。非の打ちど
ころがないイイ男! 亡父の遺産であの暮らし、って美味し過ぎだし(笑)。ジェ
イコブがキャルをほっとけなかったのは、きっとキャルが亡くなったお父さんに
似てたから
なんじゃないかな・・・。

 たった一度の浮気で、キャルに離婚を切り出してしまうエミリー。彼女もキャ
ルに負けず劣らず、生真面目な人なんだろうな。浮気相手がケヴィン・ベーコ
、ってそりゃ、しゃーないよエミリーさん! 長い人生、いろんな感情が生ま
れては消えていくもの
。ちょっと素敵な同僚に、ときめくこともあるでしょう。 

 ★ 以下、超ネタバレしますので未見の方は読まないで下さいね ★

ラブ・アゲイン3

 ケイト(マリサ・トメイ)がキャルとエミリーの息子・ロビーの担任教師だった、
というのも驚いた(そして笑った)けれど、ハンナ(エマ・ストーン)も彼らの
だったとは・・・。鈍感な私はビックリ!してしまった。しかし、冒頭から「あれ?」
と思うところはあった。キャルとエミリーの年齢の割に、子どもたちが小さ過ぎ
る気がしたこと。離婚が決まったとき「ナナに電話しなきゃ」とつぶやくキャル。
ナナって誰? そうだったのか・・・。ロビーもハンナもそばかすが散っていて、
エミリーによく似ているね。

 「アップルオーナーで億万長者じゃないと、ニューバランスのスニーカーを
履く権利はない!」
とか、セリフもかなり笑かしてくれる。タイトルの通り、クレ
イジーで、愚かだけど、とっても愛おしくてたまらない物語
。なんだか心が温
かくなった
な。

 ( 『ラブ・アゲイン』 監督:グレン・フィカーラ&ジョン・レクア
     主演:スティーヴ・カレル、ライアン・ゴズリング、ジュリアン・ムーア/2011・USA)
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【2011/11/29 10:08】 | 映画 | トラックバック(23) | コメント(4)
食べずに死ねない ~ ル・シュクレ・クール  Le Sucre Coeur
 「食べログ」 パン部門全国第一位超有名店『ル・シュクレ・クール』 に
行って来ました。

ル・シュクレ1

 な~んて平然と書いておりますが、これはパン好きの私にとって大事件(笑)。
「遂に行った! 買った! 食べた! う、美味かった!!」 って感じの一大イベ
ント
でした。

 自宅からは遠い、遠いと思い込んでいたのですがそうでもなかったです。伺った
のは11月最後の土曜日吹田ガンバ大阪のお膝元、ユニを着たサポーターの
方をちらほらお見かけしましたよ。

 お目当てのパンたちはショーケースの中。対面販売って正直苦手(店員さんと
自分の後ろに控えているお客さん、双方向からのプレッシャーが・・・) なのです
が、なんとかあれこれ購入。写真を撮る余裕はなかったのですが。

ル・シュクレ2

 う~ん、これは確かにおいしい! 生地がね、なんか別格というか。。。ただ、
同行した連れは「タケウチのほうがおいしい」 と言います。うん、それもわかる。
タケウチのパンって万人向けな気がする。あそこのクリームパンベーグルは、
確かに「どこにもないパン」。 比類なき味ル・シュクレのバゲットも、そうかも
しれないけど。

 あ~、また来たいなぁ。。

ル・シュクレ3

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【2011/11/28 14:34】 | パンとか、カフェとか。 | トラックバック(0) | コメント(0)
ウチダ的映画論~『うほほいシネクラブ/街場の映画論』
うほほいシネクラブ

 「映画は、映画について語られることを欲望しているジャンルである」

 内田樹先生の映画評論集が出ました。新書ですがボリュームたっぷり。これ
は読むしかないでしょう!

 電車の中で読み始めたら、第一章の扉に釘付け。一駅分くらい眺めてました。

うほほいBBM

 「そう、ウィリー(・ウォンカ) はジェイソン『13日の金曜日』) だったんです!」
ここで爆笑。つかみはオッケー!

 そして第二章。これ(『冬のソナタ』)、 映画ちゃうし(爆)。

うほほい冬ソナ

 私は内田先生のブログを愛読しているので既読の文章もたくさんあったの
ですが、再読でもとっても面白く読めました。流麗、っていうのとは少し違うけ
れど、文体に独特のリズムがあって引き込まれます。内田先生って、つくづく
博識で天才でミーハーだな、ってうれしくなる。

 「僕もジョン・ウォーターズと小津安二郎になら死ぬまでついていける」

 私も内田樹になら、死ぬまでついていけますよ。レオのことを「ディカプリオ
様」
 と表記して下さる先生が大好きです。

 ( 『うほほいシネクラブ/街場の映画論』 内田樹・著/2011・文藝春秋)

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【2011/11/27 00:00】 | 読書 | トラックバック(0) | コメント(2)
元気ですかーーーー!!! ~『アントキノイノチ』
アントキノイノチ

 高校時代の親友の死をきっかけに、心を病んでしまった永島杏平(岡田将生)
は、遺品整理を代行する会社・クーパーズに就職する。そこで出逢った先輩社
員・ゆき(榮倉奈々)の手首に、傷跡があるのを見てしまった杏平は・・・。

 モントリオール世界映画祭において、イノベーションアワードを受賞した話題作
今年一番劇場予告を観る機会が多かった作品かもしれません。主演の岡田将
くんの大ファンで、しかも秘かに大好きな原田泰造さんも御出演ということで、
随分前から楽しみにしていました。原作は、さだまさしによる同名小説。初日に
鑑賞。

アントキノイノチ2

 岡田くんのこと、大好きなんですけど・・・。正直に書きますね。これ、私的に
いまいちでした。人の生死を見つめた映画としては、エンディングノート
観た後では、ちょっとキツかった

 まず、杏平の親友、山木(染谷将太)自殺した理由がよくわからなかった。
松井(松坂桃李)悪意と、自分を助けてくれなかった杏平に絶望した、ってい
うのはわかるのだけれど・・・。 
 松井もあり得ないほど嫌な奴で、観ていて気分が悪くなった。こういう悪意が
はびこる学校という場所
の描き方も、中途半端に感じてしまった。どうせなら、
告白 くらい突き抜けて欲しかった。

 極めつけゆきの顛末・・・。唖然。あれ、あんまりじゃないですか?? 酷す
ぎる
、ゆきも杏平も可哀想過ぎる(泣)。遺品整理業の仕事と巧く絡めている(つ
もりの)ラストなんだろうけど、あざといよ。山木の死もそうだけれど、人の生き
死にを見つめ、考えようとする映画なはずなのに、肝心要の「命」 の扱いが軽
すぎるのでは?
 まぁ、これは原作の問題なのでしょうが

アントキノイノチ3

 公開前、深夜にプロローグドラマが放映されていた。佐相(原田泰造)社長
(鶴見辰吾)
が主役で、杏平が入社する前のクーパーズを描いていた。このド
ラマほうが、ずっとずっと感動したなぁ。。佐藤江梨子がハマり役だったし。

 主演の岡田くんの演技は、とってもよかったと思います。彼はこの役柄にと
ても思い入れがあるらしく、宣伝活動も一生懸命で、ますます好感度↑。次は
宇宙兄弟 だよね、絶対観るからね~♪

 ( 『アントキノイノチ』 監督・共同脚本:瀬々敬久
      主演:岡田将生、榮倉奈々、原田泰造、松坂桃李/2011・日本)

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【2011/11/24 21:01】 | 映画 | トラックバック(29) | コメント(0)
天国への段取り~『エンディングノート』
エンディングノート

 日本の高度成長期を支え、「会社大好き」 「段取り命」 の熱血サラリーマン
だった父・砂田知昭。67歳で退職した直後、進行性の胃ガンを宣告される。余命
半年
。彼は自分の「死」 さえも段取ろうと、「エンディングノート」をつけ始める。

 是枝裕和監督の助監督をしていたという砂田麻美監督が、自らの父の最期の
日々
をホームビデオに収め、劇場用映画に編集したドキュメンタリー

 観ていた間中、私の頭の中にあったのは「何て幸せな人(たち)なんだろう」って
ことだった。ユーモアがあって、明るくてやさしくて家族思いなお父さん。高度成長
期、日本が右肩上がりだった頃に丸の内にお勤めし、専務まで上りつめたお父さ
ん。三人の子どもと孫に恵まれ、家族皆を愛し、愛されたお父さん。。

エンディングノート2

 病名を告知され、余命を宣告されるガンという病気は、「段取る」という意味で
好都合な病気なのかもしれない。不慮の事故や災害に遭って亡くなる人は、
自分の葬儀のシミュレーションなんてなかなかできるものじゃない。家族や妻
「ありがとう、愛してるよ」 と言えたこのお父さんは、何て幸せなんだろう!
もちろん、心残りはたくさんあるだろう。のこと、結婚しない末娘(監督)のこ
と。94歳で独り暮らしをする母のこと。何よりも、まだ幼い孫たちのこと。

 しかし、この映画に登場する、素人であるはずの女性たちのフォトジェニック
なこと! はもちろん、長女、そして名古屋で一人暮らしをしているお祖母ち
ゃん
の、なんとも凛とした美しさ! そういえば砂田家の孫は全員女の子、、女
が強い女系家族なんですね。お父さん、女運がいいなあ(笑)。

 「段取り外の三人目」 兄と七つ違いの末っ子である監督は、恐らく、このお父
さんに有り余るほどの愛情を注がれて育ったのだろう。死を見つめている映画
なのに、笑いが絶えず、希望を感じる作品なのはナゼ? それは多分、父と娘
の間にある絶対的な信頼関係と、120%の愛情とで撮り上げられたフィルムだ
から、なのだと思う。結局のところ、「死に様」 っていうのはその人の「生き様」 
そのもの
なのかもしれない。

 そういえば、今年は平野勝之っていう「しあせなバカタレ」が撮った私的ドキュ
メンタリー
も観たなぁ。どちらの作品も甲乙つけ難い、記憶に残る作品だった。

エンディングノート3

 ( 『エンディングノート』 監督・撮影・編集:砂田麻美/2011・日本)

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【2011/11/21 10:23】 | 映画 | トラックバック(11) | コメント(6)
野球を理論で組み立てる~『マネーボール』
マネーボール





 MONEYBALL


 オークランド・アスレチックスゼネラルマネージャー(GM)、ビリー・ビーン
(ブラッド・ピット)
は、インディアンズとの交渉の席でピーター(ジョナ・ヒル)
出逢う。彼はエール大学経済学専攻卒、実戦経験はないものの、野球を統計
学の観点から組み立てる「マネーボール理論」
によって選手を分析していた。
ビリーはピーターを引き抜き、自らの補佐役としてチームに迎える。

 ブラッド・ピット主演、実在の人物の半生を描く物語。いい映画です、面白か
った
、でも、惜しい・・・。理由は後述。監督はカポーティ のベネット・ミラー
フィリップ・シーモア・ホフマン、もちろん出てます。

 野茂が道を切り拓き、イチローの活躍で随分身近になったメジャーリーグ
個人的には全く野球好きというわけではないのだけれど、日本に居たらとても
知り得ないメジャーの内幕もチラリと伺えるし、我らがイチローも一瞬、画面に
映ったのがうれしかった。

マネーボール2

 ビリーは、その熱しやすい性格が災いしてか選手としては芽が出ず、元妻(ロ
ビン・ライト)
は娘を連れて去った。彼自身は、スタンフォードの奨学金を蹴って
までプロ入り
したことを、心の中で悔やみ続けている。ヤンキーズやレッドソック
スとは比べようもない貧乏球団で、勝利を得るために彼が光明を見出したのが
「マネーボール理論」 だった。

 メジャーって、なんてドライで厳しい世界なんだろう。選手は球団の「駒」であ
り、電話一本で売り買いされる「商品」でしかない。そこにの入り込む隙は無
く、勝利だけが価値あるものと見なされる。トレード期限日のやり取り、傍観者
たる我々はただ面白いけれど、俎上に乗せられている選手にとっては、なんと
残酷なシーンだ。

 ビリーとピーターが「100%」の覚悟を決めてチーム作りを推し進め、アスレ
チックスは20連勝という快挙を成し遂げる。クライマックスであるこのシーンの
高揚感は素晴らしい。そしてそれ故、このエピソード以降が長く、どうしても蛇足
に感じてしまった。20連勝でエンドロール、その後のエピはクレジットでもよか
ったのでは?


 もちろん、この映画が描きたかったことが「マネーボール理論によってアスレ
チックスが快進撃したこと」ではなく、ビリー・ビーンという一人のGMの生き方
であることはわかっている。レッドソックスからの、史上最高額のオファーを蹴
るビリー。弱小球団で勝つことが、彼にとっては人生のリベンジなんだな。誰も
がいつか、野球少年であることを卒業する
。でも、ビリーの卒業はまだだ。

マネーボール3

 鑑賞したのは、公開第一週目のレディースデイ。驚いたことに、シアター内は
ガラガラ、しかも女の観客は私だけ! ブラッドはアンジーと子どもたちを引き連
れて来日し、笑顔を振りまいて宣伝していたのに・・・。やはり、いくらプラピ主演
といえど、野球モノでは女性客にはアピールしないのか? いい映画だと思うだ
けに、ちょっと残念

 ( 『マネーボール』 監督:ベネット・ミラー/2011・USA/
       主演:ブラッド・ピット、ジョナ・ヒル、フィリップ・シーモア・ホフマン

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【2011/11/20 09:22】 | 映画 | トラックバック(58) | コメント(6)
Sammy Pooh!!
サミー・プー1




 映画の帰り、テクテク歩いて。

 今日は南船場にあるブランジェリー

 「サミー・プー」さんにお邪魔。



 この辺り、カフェご飯屋さんがひしめいているゾーン。マリメッコも近いです。

サミー・プー2


 テンション上がります!


 このお店、雑誌はもちろんですが
 
 先日新聞に載ったので、

 ご存知の方も多いかも。


サミー・プー3

サミー・プー4

 オススメいただいたキッシュも美味しかったのですが、丸いほうの 「いちぢく
大爆発!」
 という面白い名前のパンがめっちゃおいしかったです。。ストライク
ど真ん中


 あと、パン職人さんって寡黙な印象の方が多いのですが、こちらの店主の方
はすごく気さくな方。 「どちらかお出かけだったんですか?」 と話しかけてこら
れました。しばし映画のお話など。。楽しい時間でした。

 テイクアウトももちろんたっぷり♪ ご馳走様でした、また伺いますね

サミー・プー5

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【2011/11/18 12:30】 | パンとか、カフェとか。 | トラックバック(0) | コメント(2)
感染拡大~『コンテイジョン』
コンテイジョン





 CONTAGION


 香港出張からミネソタの自宅に戻ったベス(グウィネス・パルトロー)は、激し
痙攣を起こして急死する。夫のミッチ(マット・デイモン)疾病予防管理セン
ター
によって隔離されるのだが・・・。

 スティーヴン・ソダーバーグによる、パンデミック・サスペンス未知のウィル
世界規模で感染爆発し、疑心暗鬼と恐怖から掠奪・暴動が起こり、都市
機能不全に陥ってゆく様をリアルに、冷徹に描く。怖かったです。居ても立
ってもいられない感じ。ここ数年、我々人類は新型強毒性インフルエンザ発生
の危機
に瀕しているわけで、決して絵空事でないストーリーが、じわじわと恐
怖を煽る。

コンテイジョン2

 この映画、とにかくキャストが贅沢。監督のスティーヴン・ソダーバーグもオ
スカーを受賞しているけれど、メインの女優三人、マリオン・コティヤール、グ
ウィネス・パルトロー、ケイト・ウィンスレット
全員アカデミー主演女優賞受賞
、ってめちゃめちゃ豪華! 中でもマリオンは相変わらず美しいです。大好
きです。抗ウィルスワクチンを開発する医師が、ジェニファー・イーリーってい
うのも何気によい、地味で(笑)。男優陣もマット・デイモン、ジュード・ロウ、ロ
ーレンス・フィッシュバーン
と、オーシャンズ並みのキャラ立ち。とにかく役者
だけでも十分観応えがある。料金の価値はあり

 しかし、これらキャストたちは二人以上が同時に画面に登場することはほと
んどない
。それぞれが交わることなく物語は時系列に、淡々と進行してゆく。
軸となる主人公がいないため誰にも感情移入できず、途中少々の中だるみ感
があったことは否めない。ジュードもイヤなヤツだしサ

コンテイジョン3

 <2日目>から始まり、最後にコウモリと豚が登場して一日目の謎が明かされ
る作りはなかなか面白い。しかしそのまんまカタカナ邦題「コンテイジョン」 は
「感染」 という意味だけれど、あまり聞きなれない言葉。せっかくシネコン公開
される作品なのだから、ここはもう一工夫欲しかったところ。

 ( 『コンテイジョン』 監督:スティーヴン・ソダーバーグ
     主演:マリオン・コティヤール、マット・デイモン、ジュード・ロウ/2011・USA、UAE)

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【2011/11/17 18:15】 | 映画 | トラックバック(55) | コメント(10)
この宇宙のどこかに ~『ラビット・ホール』
ラビット・ホール






 RABBIT HOLE


 ニューヨーク郊外の瀟洒な邸に暮らすベッカ(ニコール・キッドマン)ハウ
イー(アーロン・エッカート)
は、8ヶ月前、4歳になる一人息子のダニーを亡
くしていた。ある日、ベッカは息子を轢いた少年ジェイソンを見かける。

 最愛の息子を目の前で喪い、悲しみに沈む夫婦。もがき、苦しみ、ぶつかり
合いながらも、前を向いて少しだけ未来に進もうとする二人の姿を描く、ブロ
ードウェイ戯曲
を映画化したドラマ。

 ニコール・キッドマンが帰って来た! 主演とプロデュースを兼任した彼女
は、衰えないその完璧な美貌とともに、胸を打つ渾身の演技を披露。ゴール
デングローブとアカデミー主演女優賞にノミネートされた。監督は、ジョン・キャ
メロン・ミッチェル
。前作までのような、彼の個性を前面に押し出した作品では
ない。しかし、傷ついた魂を癒すやわらかな光に包まれたような、やさしさ溢れ
る作風
はやはり、ジョンのものなんだなぁと思う。

ラビット・ホール2

 幼い子どもを喪うということ。子どもを「天に召した」神を、「サド野郎」と罵倒
するベッカ。彼女の気持ちはよくわかる。しかし逆縁を経験しても、その悲しみ
の表現の仕方
は一人ひとり違うもの。たとえ夫婦であっても。夫婦二人の生活
に戻っても、夫には企業人としての時間が変わらずある。対して妻は、出産前
キャリアウーマンだった自分には戻れない。そしてその小さなズレが、いつ
の間にか大きな亀裂に広がってゆく。妻を慮り、不満を口にしなかったハウイー
が、動画を消されたことで堰を切ったように声を荒げるシーン。せずにはいら
れなかった。

 そして驚いたのは、ミッション:8ミニッツ に続いて(?)本作でも多世界
解釈(パラレルユニバース)
が引用されていること。「じゃあ、これは悲劇バー
ジョンね。この宇宙のどこかに、楽しくやってる私がいるのね」
 私自身、この
分岐世界の考え方を知ったとき、とても救われる思いがしたことを憶えている。

ラビット・ホール3

 ベッカのを演じたダイアン・ウィーストの演技がまた、素晴らしい。自らも
息子(ベッカの兄)を亡くしたことで、娘に寄り添おうとする母。息子を恋うあ
まりに、麻薬中毒だった兄と我が子を同列に扱われることが耐えられないベ
ッカ。妹の妊娠、友人夫妻の子どもの成長。。ベッカの周りで起こる出来事
全てが、死んだダニーへと繋がってゆく・・・

 こういう映画を観ると、「そんなに急いで前に進もうとしなくていいよ。その
ままでいいよ」
 と言いたくなる。でも、悲しみの渦中にいるって辛いんだよ
ね。なんとか抜け出そうともがくのが普通なのかもしれない。時間しか解決
できないこと
なのはわかっていても。。

 ギリギリで踏み止まったハウイーは、きっとこれからも逃げずに、ベッカ
共に生きる人生を引き受けるのだろう。それは、「息子の死」を受け入れ
る人生
でもある。決して平坦ではないだろう二人のこれからに、寄り添うよ
うな静かなラストシーン
も、素晴らしい。

 ( 『ラビット・ホール』 監督:ジョン・キャメロン・ミッチェル
       主演:ニコール・キッドマン、アーロン・エッカート/2010・USA)

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【2011/11/16 00:00】 | 映画 | トラックバック(21) | コメント(2)
アメリカの「攻撃対象」 ~『フェア・ゲーム』
フェア・ゲーム






 FAIR GAME


 9.11後、アメリカはイラクが核兵器開発を画策しているという不確定情報を得
る。CIA(米国中央情報局)工作員ヴァレリー・プレイム(ナオミ・ワッツ)に、
情報を「確定」すべく調査を命ずる。

 アメリカにおけるイラク戦争「大義名分」を否定したことでスケープゴート
された夫婦が、紆余曲折を経て家庭崩壊の危機を乗り越え、手を携えて自国
に反撃を開始
するまで。実話に基づいた物語。

 正直、観る前は「またイラク戦争の「大量破壊兵器は存在しない」うんぬん
映画か」 「はっきり言って賞味期限切れじゃないのか?」 などと思っていた。
主演も、ナオミ・ワッツとショーン・ペン? 鉄板過ぎる、なんて。しかし、これは
かなり観ごたえのある秀作だった。地味に公開されていますが、時間が合え
ば是非劇場へ。監督はダグ・リーマン

フェア・ゲーム2

 イラクに核兵器が存在しないことを知りながら、アメリカが「お家の事情」
イラク戦争を始めたことは周知の事実。それは例えば映画グリーン・ゾーン
でも描かれていたこと。そして、アメリカがその「大義名分」ゴリ押しするため
に、こんな「問題のすり替え」 と、意図的悪意に満ちた「情報漏洩」 が行わ
れていたとは、この映画を観るまで知らなかった。CIAという組織の恐ろしさも、
今まで何度も映画を通して知らされてきたけれど、一国の指導者がここまで
国民をないがしろ
にできるものなのか。国を愛し、仕事を愛し、家庭を犠牲にし
て組織に身を捧げていた優秀な人材
を。まさに「戦慄」 してしまう。

 自らの「不屈の精神」 が災いの元だったと涙を流すヴァレリー。そしてそれ
以上の「反骨心」 を持つ夫ジョー・ウィルソン(ショーン・ペン)。リミッターを持
たない夫の言動に絶望し、夫婦間には修復し難い亀裂が走る。しかし、自ら
「頑張り屋さん」 な血が娘に受け継がれていると知ったとき、ヴァレリーは
悟る。「この結婚だけは手放さない」。 それは夫と共に「闘う」 ことを意味す
る。国家を相手に。

フェア・ゲーム3

 娘に誇りを取り戻すきっかけを与えたを演じたのは、サム・シェパード
ショーン・ペンは、ほとんど「本人」 かと錯覚しそうな成り切りぶりで熱演
を隠さない美しいナオミ・ワッツ
が、ヴァレリー・プレイム本人のニュース映像
に切り替わる。伏字だらけのエンドロール、コード化されている(であろう)隠
されたメッセージ
。裁かれるべき者は誰か。

 ( 『フェア・ゲーム』 監督・製作・撮影:ダグ・リーマン
      主演:ナオミ・ワッツ、ショーン・ペン/2010・米、アラブ首長国連邦)

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【2011/11/15 10:29】 | 映画 | トラックバック(21) | コメント(0)
天国よりきれいです ~『すべて真夜中の恋人たち』
すべまよ

 フリーランスの校閲者・入江冬子は、自宅で一人仕事に埋没する日々。世間と
の接点は、同郷で同い年大手出版社校閲局社員・石川聖だけだった。

 大好きな作家・川上未映子の新作は、ヘヴン 以来の長編小説。しかも「初
の恋愛小説」
 ということで、期待度はMAX。最初のページからやられました。
『ヘヴン』 も素晴らしかったけれど、この小説はそれ以上に好き。泣きました。

 ちなみに、感想は書いていませんが川上未映子の(単行本になっている)作品
はすべて読んでいます。

 プロローグ。冬子は真夜中をひとり歩きながら、三束さんとの会話を反芻して
いる。この描写で、二人の関係は既に終わっているのだとわかってしまう。この
最初の頁を、何度も何度も読み返す。ナラタージュ と同じだ。こういうの、
なんです。。ただ、この小説は帯に書かれているような「究極の恋愛」 を描い
たものではない
、と思う。「恋愛未満」 と呼んでもいいような、不器用でカッコ悪
くて
、それでも愛おしくて抱きしめたくなる、恋の記憶

 冬子は性格も、外見も地味な34歳。人間関係がうまく築けず、恋人はおろか
友達もいない
アルコールの力を借りなければ、外に出て人と接することもでき
ない。そんな彼女は、新宿のカルチャーセンターで高校教師の三束さんと出会
い、週に一度、喫茶店でお茶を飲むようになる

 そんな痛々しげな冬子とは対照的な、饒舌で肉食な聖美人で頭が切れ、仕
事もできる
彼女は何人もの男と付き合うものの、友達はいない。太陽と月、光と
影のような二人
は、孤独という範疇においては似たもの同士なのだ。

 私自身は、冬子のようでもあるし、聖の生き方、考え方もわからないでもない
だから、冬子を攻撃していた聖、反撃する冬子、泣きながら謝る聖、どちらの気
持ちもわかって、一緒に泣いてしまった。

 孤独に生きている冬子が、三束さんと語らう幸福な場面が好きだ。こんな風に、
好きな人とただ語らうだけで十分なのに。それだけでもう、「奇跡」 なのに。ど
うして人は、それ以上、それ以上に進んでしまわないとダメだと思ってしまうの
だろう。そのままでも、嘘でもいいのに

 最後の最後だけ、ちょっと蛇足なような気もしたけれど。というものに象徴
される恋の輝きときめき、内包する希望やはかなさが十二分に感じ取れる
小説。それが恋の記憶と結びついているとき、目に映るものはすべてまばゆく、
美しい
。そして少しだけ、悲しいのだね。。

 ( 『すべて真夜中の恋人たち』 川上未映子・著/講談社・2011)

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【2011/11/12 17:51】 | 読書 | トラックバック(1) | コメント(2)
手をつなごう ~ HANS CAFE
ハンズカフェ1

 今日は映画の後、梅田大丸「ハンズカフェ」にお邪魔。

ハンズカフェ2




 南東側一面がガラス張り(窓)で、

 吹き抜けも開放感いっぱい。


 こちらはキッズメニューが充実してるので、お子様連れ多しです。バギーを
押した益若つばさみたいな綺麗なママもいて、もう、ガン見(笑)。

 大阪ステーションシティの開業以来、休日ともなると梅田ではお茶するのも
一苦労。うかうかしてると「カフェ難民」 になってしまうんですよ。

 カップを持ち上げると、こんな絵柄が…。

ハンズカフェ3





 「手をつなごう」



  ごちそうさまでした

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【2011/11/10 00:00】 | パンとか、カフェとか。 | トラックバック(0) | コメント(0)
変わらない、心のありよう ~『高山ふとんシネマ』
高山ふとんシネマ

 帰ってから、お腹がすいてもいいようにと思ったのだ。 ではまだ「さなぎ」
だった高山さん51歳になり、ホットフラッシュを疑い、娘さんは母になり、
が生まれた。

 しかし広島弁の「夫」との二人暮らしの日々、仕事をして散歩に出て、映画を
観たり本を読んだり
。そんな生活は変わらない。

 そしてなにより、高山さんの心のありよう--「感情の芯」は変わらずそこに
ある。倍賞千恵子の声に涙し、逝ってしまった「フィッシュマンズ」 の佐藤君
に焦がれ、よしもとばなな「同じ部族の長老」として崇める。青臭いままで

 空を飛ぶ夢は、もう見ないのですか?

 「私は、いつまで私なんだろう」。 死ぬ瞬間まで、そんな風に思えたらいい
な。

 ( 『高山ふとんシネマ』 高山なおみ・著/2011・幻冬舎)

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【2011/11/09 10:42】 | 読書 | トラックバック(0) | コメント(0)
その先の森へ~『ウィンターズ・ボーン』
ウィンターズ・ボーン





 WINTER'S BONE


 17歳リー(ジェニファー・ローレンス)は、保釈中の父失踪心を病ん
だ母
を抱え、12歳の弟6歳の妹の面倒を見ながら暮らしていた。保釈金
担保になっている家と森を守るために、彼女は父を捜し始める。期限は
一週間。。

 サンダンス映画祭グランプリをはじめ、アカデミー各賞にもノミネート。世界
中で絶賛されたインディ映画。アメリカ中西部の田舎町灰色に染まった世界。
息の詰まるような貧困厳しい自然の中で、懸命に生きる少女のサバイバル
を描いた秀作。荒涼とした風景、小さな子どもたちのために危険な場所へと足
を踏み入れるホワイトトラッシュの姿は、フローズン・リバー とだぶる。どち
らも女性監督の作品であることに、妙に納得。まだあどけなさの残るはずの
17歳
なのに、100年も生きてきたような目をしたジェニファー・ローレンス
素晴らしい。トゥルー・グリット のヘイリー・スタインフェルドといい、少女が
頑張る映画
は切なくも、観ごたえあるハードボイルドだ。

ウィンターズ・ボーン2

 これは現代アメリカの、リアルな姿なのだろうか? 森の中、ほとんど自給
自足
のような生活。その部屋にはテレビも、ベッドさえない。燃料は、森で撃
ったリスを自らの手で捌く。職もなく、若者はただお金目当てに入隊する。10
代で結婚、出産
、そして貧しさだけが再生産されてゆく。ニューヨークやロスだ
けがアメリカではない。カントリー・ミュージックが響く、過疎の村。大国の、
実の姿
がここにあるのかもしれない。

 掟や因習に縛られた大人たちの身勝手で、たった17歳の少女の肩に、どれ
だけの重荷が背負わされていることか! それでもリーは強く生きようともがく。
殴られても、冷たい湖に両手を浸しても。どんな警告にも怯まないその強靱な
意志
は、一体どこからやってくるのだろう? 髪をとかすこともなく、マスカラも
口紅も無縁な素顔。そう、彼女が住むこの世界には「色」が無い

ウィンターズ・ボーン3

 リーの伯父、ティアドロップを演じたジョン・ホークスの存在感も半端ではな
い。保釈金を支払ったのは誰なのか。リーの父を殺したのは、誰なのか? 
真相は霧の中に葬られ、物語は徐々に、深い森の中で語られる神話のような
様相を帯びる。秘密も嘘も、全て抱えて生きてゆくしかない、リーの未来。そ
れが少しでも明るいものであって欲しい、と監督が願っているかのような、
溢れるエンドロール
に救われる。

 ( 『ウィンターズ・ボーン』 監督・共同脚本:デブラ・グラニック
        主演:ジェニファー・ローレンス、ジョン・ホークス/2010・USA)

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【2011/11/08 00:00】 | 映画 | トラックバック(25) | コメント(2)
演出された事故~『アクシデント』
アクシデント






 ACCIDENT

 意外


 香港ブレイン(ルイス・クー)は、事故を演出し、偶然に見せかけてターゲッ
トを葬る暗殺集団のリーダー。ある日、バスの暴走により仲間の一人(ラム・シ
ュー)
が死ぬ。この事故は偶然なのか? それとも、我々は狙われたのか
心暗鬼
にかられたブレインは・・・。

 極端に少ないセリフ、黒縁めがねの奥、ルイス・クーの無表情な瞳が、90分
間観るものに緊張を強いるサスペンス。刑事と暗殺集団という違いはあれど、
チームワーク、監視カメラ、迷路のような香港の街角が舞台とあれば、どうし
ても同じジョニー・トー製作『天使の眼、野獣の街』 を思い出してしまう。

アクシデント2

 妻を自動車事故で亡くした日から、ブレインの妄想は始まっていたのだろう。
妻は、自分の身代わりに殺された。ならば、自分を狙っているのは誰なのか?

 アルツハイマーを発症し、「まだらボケ」となったおやじ(フォン・ツイファン)
は、フォン(リッチー・レン)によって突き落とされたのか? 疑惑恐慌を呼び、
仲間の女(ミシェル・イエ)を手に掛けてしまうブレイン。そして皆既日食の日、
光の反射を利用した新たな「完全犯罪」 が仕組まれる・・・。

 死んだ妻以外、誰も信じることができなかったブレイン。彼は自分自身さえも
信じることができず、自滅する。孤独な人間が追い詰められてゆく過程が、痛々
しくも目が離せない。

アクシデント3

 ( 『アクシデント』 監督:ソイ・チェン/2009・香港/
       主演:古天樂ルイス・クー、任賢齊リッチー・レン、林雪ラム・シュー

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【2011/11/07 13:05】 | 映画 | トラックバック(11) | コメント(5)
笑えない・・・~『モンスター上司』
モンスター上司





 HORRIBLE BOSSES


 暴君のような上司に悩まされるニック(ジェイソン・ベイトマン)、デイル(チャ
ーリー・デイ)、カート(ジェイソン・サダイキス)
の三人。横暴に耐えかね、上
司の暗殺計画を企てる彼らだったが・・・。

 サイコ、マンイーター、2代目バカ社長。それぞれにケヴィン・スペイシー、
ジェニファー・アニストン、コリン・ファレル
が扮するドタバタコメディ。これは面
白そう~、と楽しみにしていたのだが、、残念。笑えない! ギャグは下ネタ
多く、三人組の一人がキーキーうるさくて耐えられない。同じような三人組の
ハングオーバー! はそこそこ笑えたし、ザック・ガリフィナーキスほどのウ
ザキャラでもないのに。。ジェイミー・フォックスドナルド・サザーランドも使っ
ての豪華キャストなのに、この映画スベってるコリン・ファレルの髪型が、全
てを物語っているかも。。期待外れでした。ごめんなさい!

モンスター上司2

モンスター上司3

 ( 『モンスター上司』 監督:セス・ゴードン/2011・USA/
     主演:ジェイソン・ベイトマン、チャーリー・デイ、ジェイソン・サダイキス

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【2011/11/06 23:59】 | 映画 | トラックバック(16) | コメント(0)
セカンド童貞/または、長澤まさみがかわい過ぎる件について~『モテキ』
モテキ

 第一期「モテキ」が過ぎ去り、「ちゃんと働こう」とフリーターを卒業、ニュース
サイト運営会社に就職した藤本幸世(森山未來)、31歳・草食系メガネ男子
ツイッターで知り合った雑誌編集者みゆき(長澤まさみ)と出逢い、「運命の
恋(笑)」
に堕ちた幸世だったが・・・。

 人気コミック実写ドラマ化され、更に映画化されたラブコメ。ドラマもコミック
も知らなかったが、あまりにも評判がいいので劇場鑑賞。いや~、面白かった!
モテキ最高!
 観てよかった~、まだの方は是非劇場へ今すぐ「走れぇ」!!

モテキ2

 森山未來長澤まさみが、まさにハマリ役。フと気が付くとこの二人、一世を
風靡
したかの『セカチュー』 コンビなんですね。あの映画でも、(篠田昇氏の
カメラによる)この二人は本当に画になっていたし、二人のシーンは素晴らしか
った
のを思い出す。「森山未來ってこんな顔だったっけ?」 と感じるほど、彼は
幸世に憑依(笑)していたけれど、それより何より尋常じゃないのが長澤まさみ
のかわいらしさ! 何あの笑顔? なになにあの足の長さ?! 長澤まさみを
今すぐ世界遺産に登録しろ!!


 「モテキ」=「モテ期」なわけで、幸世がモテモテになるおいしー展開かと思い
きや、結局描かれるのは片思いの恋。思う人には思われず、合わない人から
告られて。ホステスの愛ちゃん(仲里依紗)や、ドSの先輩(真木よう子)はただ
幸世が関わる女性、というだけで扱いは小さい。仲里依紗、かわいい、、そして
真木よう子の飛び蹴り&回し蹴り、サイコー♪

 しかし一番可哀想な役回りるみ子(麻生久美子)ですよ。「重い!」 とか言
われた揚句、泣いてすがって、、もう、同じ女として「ヤメテーー!!」 と叫びた
かった世界の中心で!
 墨さん(リリー・フランキー)に喰われて夜明けのひとり
吉牛(しかもおかわり)
って、、一体この女、、どんだけーーー!!

 メモっときたいような名言も数々。ワンシーンだけ登場の新井浩文。ムカつく
けどカッコイイ金子ノブアキ。とにかく観どころ満載

モテキ3

 音楽の使い方も最高でした。まず「格好悪いふられ方」 でつかみはオッケー
(あのカラオケ風の)、(500)日のサマー へのオマージュと言われている、
ミュージカルシーンPerfume森山未來の身体能力の高さを思い知りました)、
エンディング「今夜はブギー・バック」涙モノ。もう、この映画以降オザケン
『LIFE』 ヘビロテですから!

 しかし、一番引っくり返ったのはジュディマリ「LOVER SOUL」。イントロが流
れた瞬間、シートからずっこけそうになったもん。これ、90年代後半とにかくカラ
オケで唄いまくった曲
なんですよ。監督、聴いてた?(笑)  ということは、私は
るみ子みたいにメンドクサイ女なのか? いやいや違う、ぜってーちげーよ!

 ( 『モテキ』 監督・脚本:大根仁/2011・日本/
         主演:森山未來、長澤まさみ、麻生久美子、リリー・フランキー

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【2011/11/05 14:42】 | 映画 | トラックバック(32) | コメント(2)
多世界解釈~『ミッション:8ミニッツ』
ミッション:8ミニッツ







 SOURCE CODE


 コルター・スティーヴンス大尉(ジェイク・ギレンホール)は、目を覚ますとシカ
ゴ行きの列車の中
にいた。目の前には、クリスティーナ(ミシェル・モナハン)
いう女性が「ショーン」と話しかけてくる。8分後、列車は爆発炎上。再び目を覚
ました時、スティーヴンスは軍の実験施設の中にいた。

 死後も覚醒し、臨終前8分間の記憶を留めているという人間の脳に入り込む
プログラムの実験台にされた軍人が、繰り返し過去に戻るうち、真実を知るサ
スペンス。ダンカン・ジョーンズ監督&ジェイク・ギレンホール主演というだけで
も楽しみなのに、非常に評判もいいようで楽しみにしていた作品。初日の初回
に鑑賞。いい作品だとは思うのですが、観終わってしばらくしても多少混乱
残りました。

 ★ 以下、作品の核心に触れますので未見の方はご注意下さい! ★

ミッション:8ミニッツ2

 「これはタイムトラベルではない」 プログラムを開発したラトレッジ博士(ジェ
フリー・ライト)
は言う。意識だけを過去に転送し、実際に起こった事件を(既に
死んでいる)他人の意識の中で追体験
する。「意識」だけを過去に転送するの
だ。これは荒唐無稽なようでも、主人公が過去に戻される度に少しずつ世界が
変わっている、というのはあり得ない話ではないのだろう。

 ジェイクのセリフの中にも「量子力学」という言葉が出て来たと思うのだけれど、
観ていて「これは多世界解釈ということなのか?」 と思った。箱を開けた瞬間に、
シュレーディンガーの猫「生きている」 か「死んでいる」 か。そのどちらかで
はなく、両方存在するという、世界が無限に枝分かれするという考え方。もちろん、
実証はできない。しかし映画にはできる

ミッション:8ミニッツ3

 最後の8分間。スティーヴンスは仲違いしていた父に電話し、列車を爆破し
犯人を捉え、クリスティーナとキスをし、グッドウィン大尉(ヴェラ・ファーミガ)
テキストメッセージを送る。爆破は回避され、スティーブンスは「ショーン」と
して生きる
。その意識の中だけで。

 では、「ショーン」本人の意識はどこに行ってしまったのだ? ここがどうして
クリアにならないのが、ちょっと残念

 ( 『ミッション:8ミニッツ』 監督:ダンカン・ジョーンズ/2011・USA/
     主演:ジェイク・ギレンホール、ミシェル・モナハン、ヴェラ・ファーミガ

テーマ:アメリカ映画 - ジャンル:映画

【2011/11/04 09:35】 | 映画 | トラックバック(53) | コメント(14)
男女の友情は成立するか? ~『ステイ・フレンズ』
ステイ・フレンズ








 FRIENDS WITH BENEFITS


 LAに住むアートディレクター、ディラン(ジャスティン・ティンバーレイク)は、
NYのヘッドハンター、ジェイミー(ミラ・クニス)に誘われ、「GQ」誌に転職
住み慣れたLAからNYにやって来る。

 「恋愛感情なし」 で身体の関係だけを楽しもうとした男女は、「ステイ・フレ
ンズ」
 でいられるか? LA男NY女恋の顛末を描いたラブコメ。気楽に
観るに限るタイプの映画だけれど、案外、恋愛の本質を突いているのかも?

 はっきり言って、私はラブコメが大好きです。"Let's play tennis!" と
叫んで行為に及ぶこの二人にはちょっとついて行けないものを感じながらも
(汗)、最後はうるうるしながら観てしまった。

ステイ・フレンズ2

 「男女の友情は成立するか?」 これは古今東西、語り尽くされてきた問い
ですが、前提「身体の関係アリ」 とあれば話はちと、ややこしい。ゲイ
トミー(ウディ・ハレルソン)が言う、「女は必ずセックスに意味を持たせる」 こ
れはけだし名言である、、と、思いませんか?

 結局、求めているものが何なのか、ですよね。ディランはセックスをテニスに
例えていたけれど、身体を動かして汗を流したけりゃ、ホントにテニスでもスカ
ッシュでもするほうが手っ取り早い。セックスがしたい、ってことは、心の奥底
では「メイクラブ」を求めているんじゃないの? 本当に求めているのは、身体
じゃなくて心の触れ合い
なんだよね、きっと。多分。思うに。

ステイ・フレンズ3

 ブラック・スワン では大層妖艶だったミラ・クニス、本作ではあまり魅力的
なキャラじゃなくて残念。今回改めて思いましたが、彼女決して「美人」ではない
ですね。奔放な母、パトリシア・クラークソンしかり。実直な父、リチャード・ジェン
キンス
も、こういう役がタイプキャスト化してて残念。お二人とも大好きな役者さ
んですが、ちょっともったいない感あり。

 NYって、ホントに素敵な美しい街ラブコメってこれからも繰り返し繰り返し、
未来永劫作り続けられるのだろうけれど、NYが舞台なら印象が2割増しになる
と思う。そして、これカタカナ邦題ですけど原題よりいいのでは? マイレージ
・マイライフ
 以来かも、、ジョージ・クルーニー♪

 P.S. NG集が本編よりいいって、、ありがち(笑)。

 ( 『ステイ・フレンズ』 監督・製作・共同脚本:ウィル・グラック
      主演:ジャスティン・ティンバーレイク、ミラ・クニス/2011・USA)

テーマ:恋愛映画・ロマンティックコメディ - ジャンル:映画

【2011/11/03 23:57】 | 映画 | トラックバック(13) | コメント(0)
心のありよう~ 『帰ってから、お腹がすいてもいいようにと思ったのだ。』
帰ってから

 高山なおみさんの新刊が出る、というので、一緒にレコメンされていた本書を
読む。雑誌『CUT』連載されていた頃、時々読んでいたエッセイ。こんな素敵
なタイトル
で、単行本になっていたなんて。今まで知らなかった。

 「私の体の中には種のようなものがあって、自分ひとりの力では芽を出すこと

  ができないでいるけれど、本を読んだり映画を見たり、音楽を聞いたりして

  感動すると小さな芽が出てくる。それがたび重なって少しずつ成長してゆき、

  茎も太くなり、しまいには堂々とした太い木になってくれればいいなと思う。

  今なら私はちゃんとわかる。

  誰が何と言っても、自分にはかけがえのないものなのだからそれでいい。自

  分だけにしかわからない特別なことを、ひとつひとつ味わってゆけば、それ

  で充分なのだと、今は強く思える。」
(スペーシャル・トゥ・ミー。)

 何度も何度も読み返して、が溢れる。少し心が弱くなって、感傷的な今の私
には、滋養あるスープのような本、なのだった。

 ( 『帰ってから、お腹がすいてもいいようにと思ったのだ。』
                        高山なおみ・著/2001・ロッキングオン)

テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

【2011/11/02 23:35】 | 読書 | トラックバック(0) | コメント(0)
真紅のthinkingdays


いつまでも青臭い映画好きでいたい。愛おしい映画と、忘れがたき本たち。ときどきカフェとか。 記事は基本的にネタバレあり。 どうぞご贔屓に♪

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