本気の嘘を真実にしてみろ! ~『スマグラー おまえの未来を運べ』

役者に憧れていたが、今はしがないフリーターの砧(妻夫木聡)、25歳。チャイ
ニーズマフィアから300万の借金を抱えてしまった彼は、「スマグラー」と呼ばれ
る「闇の運び屋」の助手となるのだが・・・。
夢に挫折し、空虚な日々を送っていた青年が、闇社会に潜む危険に晒されな
がら「本気の嘘」 がつけるようになるまで。ヘタレ男子の、少々、いやかなり荒っ
ぽい成長譚。いや~、面白かった! 原作コミックはもちろん未読。しかし、一癖
も二癖もある役者たちの怪演と、章立てされたテンポのよいストーリー、ラストシ
ーンの爽快感まで。一気に引き込まれて観た。衝撃的だと伝え聞いていた残虐
描写も、目を背けるほどではない(私的には『一命』 のほうが苦手でした)。
お人好しで、ちょっと気弱な好青年。妻夫木聡は本当にこういう役がハマる。
「お前はこの世界に住む人間じゃない」 by 丈(永瀬正敏)。その通り! 妻夫
木くん、キミはやっぱり「悪人」じゃないわ(笑)。

すっかりオヤジ化した永瀬正敏。心やさしき謎のワケあり男、丈が最高でした。
警官の松田翔太、大杉漣、漁師の寺島進と、大物俳優がチョイ役で出ているの
もおいしい。翔太のお父さん、優作も(笑)。お蕎麦が大好き♪なジジイ、
きら
安藤政信の中国語はどうだったんだろう? しかし、正直そんなことはどうでも
いい。背骨最高! 狂気と寂寥がない交ぜになった瞳、しなやかで強靭で、この
世のものとは思えない動き。仕事(人殺し)を終える度に、生きることや死ぬこと
がわからなくなる背骨。愛って何か教えてくれよ・・・。教えてあげられるものなら、
私が教えてあげたいわ!(爆)
そして『探偵はBARにいる』 の弟に続き、高嶋兄がすごいことになっておりま
す。香川さんかと思った(汗)。いや~、キャストがホント、素晴らしい作品でした。
そして彼らの最高の演技を引きだしたのは、もちろん監督の力量なのでしょう。
拍手。

そしてこれは少数意見だと思いつつ書きますが、満島ひかりだけがミスキャ
ストだと思ったなぁ。。演技力のある、若手ナンバーワンの女優さんであるのは
わかっているし、私も大好きではあります。でも、ちょっと役に合ってなかったん
じゃないかな? てか、ちょっと彼女は最近「出過ぎ」感があるのかも。売れっ子
の宿命ですが。。「じゃあ他に誰ができるんだ?」 と言われても思いつかないん
ですけどね、すみません。
「愛をくらえ」 と唄うSuperfly・志帆ちゃんのパワフルな歌声を聴きながら、
エンドロールの最後の最後まで、堪能させていただきました!
( 『スマグラー おまえの未来を運べ』 監督・共同脚本・編集・画コンテ:石井克人/
主演:妻夫木聡、永瀬正敏、安藤政信、松雪泰子、満島ひかり/2011・日本)
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秋のパン屋さん巡り・その2
朝晩めっきり冷え込んでまいりましたが、私の食欲は一向に冷え込みません
(笑)。お天気がいいので、映画の後はちょっと足を延ばしてパン屋さん巡り。
まず一軒目。アド・パンデュース。

淀屋橋の駅で降りたのって何年ぶりだろう? 10番出口に直結しているビル、
淀屋橋odonaの2Fにありますブランジュリ・ダイニング。本日はAランチ。

サニーレタスにちゃんと味があります。
手前のポテトはさつま芋、カレー味♪
小さなりんごジュースがついています。
氷ぬきで、ってお願いするのを忘れて
しまった。

テイクアウトコーナーはこんな感じ。
トングがズラリと並んでいるの、
わかるかな?
パンデュースといえばハート型のパン。
もちろん買いましたとも。
さて。2軒目は肥後橋のブランジェリータカギ。アドから歩いてすぐです。赤い
シェードが目印。なんともかわいらしい外観ですよね~。店内写真はNGです。

迷いながらいくつか買いました。また来るね♪

(笑)。お天気がいいので、映画の後はちょっと足を延ばしてパン屋さん巡り。
まず一軒目。アド・パンデュース。

淀屋橋の駅で降りたのって何年ぶりだろう? 10番出口に直結しているビル、
淀屋橋odonaの2Fにありますブランジュリ・ダイニング。本日はAランチ。

サニーレタスにちゃんと味があります。
手前のポテトはさつま芋、カレー味♪
小さなりんごジュースがついています。
氷ぬきで、ってお願いするのを忘れて
しまった。

テイクアウトコーナーはこんな感じ。
トングがズラリと並んでいるの、
わかるかな?
パンデュースといえばハート型のパン。
もちろん買いましたとも。
さて。2軒目は肥後橋のブランジェリータカギ。アドから歩いてすぐです。赤い
シェードが目印。なんともかわいらしい外観ですよね~。店内写真はNGです。

迷いながらいくつか買いました。また来るね♪

2011-10-28 :
パンとか、カフェとか。 :
コメント : 0 :
武士の本懐~『一命』

江戸時代初期。井伊家に津雲半四郎(市川海老蔵)と名乗る浪人が現れ、切腹
を願い出る。井伊家家老・斎藤勘解由(役所広司)は狂言切腹であると考え、数ヶ
月前に井伊家を訪れた若い浪人の話を始める。
御家取り潰しとなり、浪人の身となった武士たちの「一分」を描いた時代劇。実
は鑑賞をかなり迷ったのですが、三池崇史監督作品ということで行ってきました。
結果、観てよかったです。個人的には監督の同じ時代劇『十三人の刺客』 より好
き。監督らしい肉体的な痛々しさ、血生臭さは健在でも、全編を貫く静謐な緊張感
が凄い。そして役者・市川海老蔵を観直しました。立ち姿が様になる役者は大勢い
るけれど、そのオーラでスクリーンを「支配」し、君臨できる役者はそう多くない。
本作の海老蔵は、間違いなくその一人。もちろん、瑛太も、満島ひかりもとっても
よかった! 迷っている方は、大きなスクリーンで是非。

竹光で切腹させられた求女(瑛太)のハラキリ場面は壮絶過ぎて、正直、「これ
がカンヌで、全世界に向けて発信されたのか~」 と少々憂鬱にもなりました。傘
貼りの内職をし、質屋に通って日々の糧を得る浪人たち。士農工商とは名ばかり
で、貧しいお侍さんも多かったのですね。「熱いうちでないと喰えぬ味かもしれぬ
ぞ」っていう半四郎の台詞がよかったなぁ。武士は食わねど高楊枝。
義理の息子を殺めた井伊家に単身乗り込み、本懐を遂げる半四郎。降りしきる
雪の中、多勢を相手に屋敷に乗り込む様は気迫みなぎる名シーン。「美しい」とさ
え感じてしまった。

井伊家に仕える若武者三人の顔もうれしい。『龍馬伝』 で知り、時代劇向けの
役者さんだと思う青木崇高。邦画界の若き名バイプレイヤー、波岡一喜。そして、
たとえ画面の端っこに居ても、存在感は群を抜く新井浩文。彼は瑛太と親友らし
く、以前松田龍平と三人でトーク番組に出演していた。マイペースでタバコなんか
ふかしてる二人の隣で、大汗かきながら一生懸命、場を盛り上げようと必死でしゃ
べっていた姿が忘れられない。邦画も、時代劇も、そして若い俳優たちも捨てた
もんじゃあないな、と思わせてくれた一作だった。

( 『一命』 監督:三池崇史/主演:市川海老蔵、瑛太、満島ひかり/2011・日本)
未来は頭のうしろにある~『こんなツレでゴメンナサイ。』

映画『ツレがうつになりまして。』 の著者・細川貂々さんの夫、「ツレ」こと望月
昭さんのエッセイ。帰国子女だった生い立ちや夫婦の出会い、結婚までのいき
さつ、おふたりの「長男」であるグリーンイグアナの「イグ」の飼育についてなど
など、「うつ」闘病記以外のボリュームが大きくなっている。
深刻なことでも「ププッ」と吹き出してしまうような、客観的な文章はとても読み
易い。それだけツレさんが回復しているということだろうし、ご本人が自己憐憫
に浸ってないってことなんだろうな。貂々さんによるイラストも楽しい。
しかし、身につまされたのは「ブログにはまって具合が悪かった」 という部分。
ネットに依存してエネルギーを消耗してしまう、というのはすごくわかる。自分も
「観た映画の感想を、読んだ本の感想を書かねば」 「コメントのレスを早くせね
ば」 と自分を追い込んでしまいがちだから。ブログを始めてもうすぐ丸6年にも
なろうというのに、未だマイペースがつかめていない自分。。。トホホ。
ちなみに、ツレさんはパソコン断ちをしたことで、心の中のエネルギーが回復し
たらしい。う~む。私も止めた方がいいのかもしれないなぁ、パソコン。。
結婚12年目にして赤ちゃんを授かったところで、このエッセイは終わる。子育
てについてのエッセイも書かれているから、機会があれば読んでみたいな。
( 『こんなツレでゴメンナサイ。』 望月昭・著/細川貂々・画/2008・文藝春秋)
明日があるさ~『カンパニー・メン』

THE COMPANY MEN
地元ボストンの大企業、GTXの販売部長として働くボビー・ウォーカー(ベン・
アフレック)は、リーマン・ショックのあおりでリストラ宣告されてしまう。妻と子ど
も二人を養い、車や家のローンを抱えるボビーは、再就職はさほど難しくないと
高をくくっていたのだが・・・。
金融不況のあおりを受け、疲弊するアメリカの重工業。社員よりも株価上昇を
重要視する経営者によって切り捨てられた「企業人」たち。第二の人生を模索す
る彼らの姿を通して、働くことの意味や家族の絆を描く社会派ドラマ。
「金持ちは1%、われわれは99%」 のスローガンの下、ウォール街でのデモ
が世界に飛び火している昨今、物凄くタイムリーで意義のある映画だと思う。オ
スカーウィナーである素敵な「オジサマ」たちの、渋い演技も見どころ。

挫折を知らないエリート、ボビー。彼は自分がリストラされても、なかなか現
実を見ようとしない。ポルシェを乗り回したり、ゴルフをしたり。。そんな彼を、
黙って支えるマギー(ローズマリー・デウィット)って、いい妻だなぁ。。こんな
女性、なかなかいませんよ(私ならキレてる)。リストラされたのがご近所にば
れるから6時まで帰って来るな、って言うフィル(クリス・クーパー)の奥さんの
ようなタイプの方が、世間には多いかもしれない。しかし正直、マギーは妻と
いうより「お母さん」のような役割を果たしていたような? ボビーが子ども過ぎ
るから、そうならざるを得ないのかもしれないけれど。
社員の生活よりも買収を恐れ、株価を優先するCEOに反発し、役員でありな
がらリストラされてしまうジーン(トミー・リー・ジョーンズ)。「ものづくり」に対す
る理念を熱く語る彼は、現代社会においては最早無用の長物なのかもしれな
い。ジーンの顔に刻まれた深い深い皺が、後戻りできないアメリカという国の
「疵」のように映る。しかし、ジーンもただの堅物というわけではない。不倫相手
のサリー(マリア・ベロ)に解雇通告されるも、浪費家の妻を見切って出た先が
サリーの家、っていうのが凄い。まだまだ枯れてません(笑)。

ボビーの義兄ジャック(ケヴィン・コスナー)がまた、口は悪いが義理人情に厚い
「親方」で、いい味。ホワイトカラーとブルーカラー、軽蔑し合っていたボビーとジャ
ック。しかし仕事を通して互いを認め合い、和解するシーンは感動的。先の見えな
い、不安定なこの現代社会で、やっぱり強いのは「手に職」なんだと思う。そして、
社員を大事にしないGTXみたいな会社は、遅かれ早かれダメになりますよ。
「リストラ組」が再結集、リスタートする彼らに幸多かれ。小さなタグボートが大き
なタンカーを曳くラストシーンに、胸がジーンとしてしまった。負けるな~!
( 『カンパニー・メン』 監督:ジョン・ウェルズ/2010・USA/
主演:ベン・アフレック、トミー・リー・ジョーンズ、クリス・クーパー)
パトリオット~『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』

CAPTAIN AMERICA:
THE FIRST AVENGER
1942年、第二次大戦に参戦したアメリカ。人一倍の愛国心を持ちながら、
その虚弱さゆえに兵役をパスできなかった青年スティーブ・ロジャース(クリス
・エヴァンス)は、アースキン博士(スタンリー・トゥッチ)から人体実験に誘われ
る。実験は見事成功、屈強な身体を得たスティーブだったが・・・。
毎度お馴染み、マーベル・コミックの映画化。普通に面白かったです、可もな
く不可もなく。これジョー・ジョンストンなんですね~。まぁ、ケネス・ブラナーが
アメコミ映画を撮るくらいだから、監督が誰であろうと何の不思議もありません
が・・・。主演のクリス・エヴァンスは、『私がクマにキレた理由(わけ)』 でハー
ヴァード大生を演じていた彼。出世したね(笑)。他にはトミー・リー・ジョーンズ、
ヒューゴ・ウィーヴィングなど、結構豪華キャストです。(↑のポスターの横顔っ
て、トミー・リーに見えない?) ドミニク・クーパーが、トニー・スターク(ロバダ
ウJr.)の父君だったとは、、、なるほど。そして、「出るゾ、出るゾ」 と思ってい
たらやっぱり最後に出ました、サミュエル・L・ジャクソン! お約束!

この映画を持って、マーベルのヒーローは揃い踏み。でいよいよお待ちかね、
『アベンジャーズ』 公開です。私の隣では、高校生男子三人組がお行儀よく
鑑賞していたのですが、エンドロールが始まった途端に帰ってしまいました。。
「ちょっとちょっと君たち、最後に必ず何かあるよ~」って教えてあげればよかっ
たかな? 『マイティ・ソー』 で何故かノンクレジットだったジェイミー・レナーの
顔も観られたよ! 楽しみですね♪

( 『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』 2011・USA/
監督:ジョー・ジョンストン/主演:クリス・エヴァンス、トミー・リー・ジョーンズ)
知り過ぎた男~『ゴーストライター』

THE GHOST WRITER
ロンドンでゴーストライターを生業とする男(ユアン・マクレガー)は、ある日
エージェントから元首相アダム・ラング(ピアース・ブロスナン)の自叙伝執筆
を打診される。気乗りしないまま引き受けた男は、ラングが滞在するNY州の
孤島へと向かう。
”Who are you?” ”I'm your ghost.”
ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞をはじめ、ヨーロッパ映画賞、セザール賞
など各賞を受賞、大絶賛されたサスペンス。彷徨える名匠、ロマン・ポランス
キーの語り口が巧妙な秀作。こういう作品を「映画らしい映画」と言うのだろう
な。でも私には、ちょっとテンポがスローに感じてしまった。アナログって言う
か、旧きよき映画、みたいな。

暗い海に浮かび上がる一艘のフェリー。観る者の不安を煽るようなオープニン
グは『赤い航路』に似ている。あの作品で奇妙な夫婦に翻弄される英国人を演じ
たのはヒュー・グラント。そして本作で、同じく英国人キャラ全開で振り回される
主人公を演じるは、ユアン・マクレガー。本作を観て、「そこらの兄ちゃん」(失礼)
だったユアンもすっかりいい歳だなぁ、と感慨に浸ってしまった。
出版社社員を演じるティモシー・ハットンにまず目が釘付けで(懐かしい!)、
ブレア元首相がモデル(?)なピアーズ・ブロスナンもハマリ役。イーライ・ウォ
ラックさんもまだまだお元気そうで。。そして妻VS.
優さん二人がお見事! 特にルース・ラングを演じたオリヴィア・ウィリアムズ、
直近では『ハンナ』でお見かけしましたが、この女優さんいいですね~、好きだ
な~。そして「サマンサ」ことキム・キャトラルが秘書って・・・。ロマン・ポランス
キー、女の趣味わかりやす過ぎ(笑)。

人生ネタ帳、なロマン・ポランスキーには、世界はいつもこんな風に、鉛色
に曇って見えているのかなぁ。何より感じたのは、彼はアメリカが嫌いなんだ
な、ってこと。風が物語るラストシーンは本当に素晴らしい。そして、エンドロ
ールが出て初めて、ゴーストライターに名前が与えられていなかったことに
思いが至る。これにはやられた! ロマン・ポランスキー、やるなぁ。まだまだ
枯れませんね。
( 『ゴーストライター』 監督・製作・共同脚本:ロマン・ポランスキー/
主演:ユアン・マクレガー、ピアース・ブロスナン/2010・仏、独、英)
ココロが風邪をひいたら~『ツレがうつになりまして。』

売れない漫画家のハル(宮崎あおい)は、几帳面で真面目な夫・ツレ(堺雅人)
と二人暮らし。結婚5年目のある日、ツレが「うつ」になってしまう。
細川貂々のベストセラーエッセイ漫画「ツレがうつになりまして。」の映画化。
とってもよかったです。ちょっと甘いけど、今年の邦画のベストに入れてしまい
そう。
実は私、白状しますが宮崎あおい嬢ってあまり好きではありませんでした。堺
雅人さんも、好感度は高いですがそう好きな俳優さんというわけでもなく。。そ
れでも、お二人が共演した大河ドラマはチラ見しておりました。「ふたりとも巧い
役者さんだなぁ」と思いながら。
そして、、本作を観て、あおい嬢大好きになってしまった。。化粧っけのない
犬顔、意外に背が高くて足が長い。頭が小さいからお団子ヘアがよく似合う。
リアルでは
も応援するからね! 堺さんも、巧い巧いとは思っていたけれど本当に巧い
なぁ~。お風呂場のシーンでは、もう、泣けて、泣けて。。このお二人のケミス
トリー、最高ですね。

一週間、曜日毎のチーズとネクタイを決めている、生真面目なツレ。きっと、
「テキトー」だったり、「おおざっぱ」な人はうつにはならないんだろうなぁ。「死
にたい」 とか「取り残された気がする」とか、「昼寝したら申し訳ない」とか。
なんだか身につまされるよ。私も電話対応の仕事をしていた時期があるので、
ああいう仕事の辛さはよくわかる。電話の仕事って、ダイレクトに心に来るん
ですよ。相手の顔が見えない分、言葉がハートに突き刺さるんです。「自分な
んか何の価値もない人間なんだ、って思うんですよ」って、私もお医者さん(内
科の先生でしたが)に言ったことがあります。それはまた、仕事以外に問題を
抱えていた頃の話だけれど・・・。
辛そうなツレに「仕事辞めたら」 って言えるハルさんは、強い女性だなって
思う。家族が病気になったら、もちろん一番辛いのは本人だけど、支える家族
の心労も相当なものだから。そしてハルさんがツレを支えられたのは、彼女に
「漫画」という支えがあったから。やっぱり、仕事って、人間にとって本当に大切
なものなんだな、って改めて思います。

ハルさんが描くイラストが本当にかわいい。そしてこの映画のテーマは、病
の克服というよりも夫婦愛、夫婦の成長譚なのだろう。あなたも結婚したくな
りますよ! ヤバイよ! 原作には続編があるから、このコンビで映画も続編
希望です。
P.S. 教会のシーンで、原作者ご夫婦がカメオ出演されていたような?
( 『ツレがうつになりまして。』 監督:佐々部清/2011・日本/
原作:細川貂々/主演:宮崎あおい、堺雅人)
リンゴをかじろう~ Stay hungry,stay foolish.
心斎橋のアップルストア前。まだたくさんの献花が。。。

私はPCはずっとウィンドウズだし、ドコモユーザーなのでiphoneを使う
のはまだまだ先だと思うし、使ってるアップル製品といえばipodくらいなの
ですが。
やはり、スティーブ・ジョブズの引退と死はかなりのショックでした。本日
(10月14日)は彼の「最後の製品」の発売日。アップルストア前にはたくさ
んの人々が並んでいたようです。彼の志は、これからもずっとアップルに
引き継いでいただきたいですね。。 R.I.P.
幽霊の映画を観たあとはダロワイヨ(DALLOYAU)でランチ。ぐふふ

そしてキッシュやらリュスティックやら、たんまりとテイクアウトしたのは
言うまでもありません。お土産にマカロンまでいただいてしまった。。店長
様、ありがとうございました&ごちそうさまでした♪

ゴーストの映画の感想は、また後日~。

私はPCはずっとウィンドウズだし、ドコモユーザーなのでiphoneを使う
のはまだまだ先だと思うし、使ってるアップル製品といえばipodくらいなの
ですが。
やはり、スティーブ・ジョブズの引退と死はかなりのショックでした。本日
(10月14日)は彼の「最後の製品」の発売日。アップルストア前にはたくさ
んの人々が並んでいたようです。彼の志は、これからもずっとアップルに
引き継いでいただきたいですね。。 R.I.P.
幽霊の映画を観たあとはダロワイヨ(DALLOYAU)でランチ。ぐふふ

そしてキッシュやらリュスティックやら、たんまりとテイクアウトしたのは
言うまでもありません。お土産にマカロンまでいただいてしまった。。店長
様、ありがとうございました&ごちそうさまでした♪

ゴーストの映画の感想は、また後日~。
人間は万物の霊長か?~『猿の惑星:創世記/ジェネシス』

RISE OF THE PLANET OF THE APES
アメリカ・サンフランシスコ。製薬会社の研究員ウィル(ジェームズ・フランコ)
は、アルツハイマーの特効薬を開発していた。その薬を投与されたチンパンジ
ーは、驚異的な知能の発達を見せたのだが・・・。
少し前の新聞に、「あなたの心に残るSF映画は?」というアンケートが掲載さ
れていた。そうそうたる名作・大作が名を連ねる中、堂々の第一位はなんと(?)
『猿の惑星』。 特に、「トラウマ必至」だというラストシーンが忘れられない、と
いう意見多数。ええ~、どんな凄いシーンなんだろう?! 観た~い。
・・・、そうなんです。ワタクシかの有名な『猿の惑星』シリーズ、一作もマトモ
に観た記憶がございません(懺悔)。本作は前評判の良さと、ジェームズ・フラ
ンコ主演ということで鑑賞。いや~、面白かったというよりは、怖かったです。

驚いたのは猿たちの演技が素晴らしいこと。VFXだろうとは思ったのですが、
顔の表情も身体の動きもリアルで、人間たちの演技以上に感情が伝わってくる。
特に主役の「ブライト・アイズ」シーザーは、その名の通り瞳の演技が素晴らし
い! アンディ・サーキスという役者さんが演じているらしい。
ウィルやその父(ジョン・リスゴー)との関係に悩み、自分は一体何者なんだ?
と葛藤するシーザー。猿に生まれながら、猿よりも人間に近い彼。しかし結局、
彼は「猿」として、仲間とともに生きることを決意する。
この映画には「人類への警鐘」というキャッチコピーが付いているけれども、
科学の進歩と自然環境保護とのバランスって、本当に危うい綱渡りだと思う。
「絶対安全」な、副作用のない薬なんてあり得ない。人間は自らの力で、病気
も自然災害も克服できると過信しがちだけれど、自然を支配しようとすると必
ずどこかで綻びが生じる。そしてその因果は、巡り巡って人類を滅ぼすかも
しれない・・・。他人事じゃないですよね、本当に怖い。リアルに。しっぺ返しが。

ドラコ・マルフォイことトム・フェルトンが、本当に憎たらしいヤな奴を好演し
てたのがなんかうれしい(笑)。これが「創世記」ってことは、エピソード・ゼロ
ってことなんですよね? ますます観たくなってきた、シリーズ第一作。。
( 『猿の惑星:創世記/ジェネシス』 監督:ルパート・ワイアット/
主演:ジェームズ・フランコ、アンディ・サーキス/2011・USA)
テーマ : 特撮・SF・ファンタジー映画
ジャンル : 映画
季節の変わり目
ちょっと体調を崩していました。

これは少し前にイートインしたときの写真。
ほんま、どんだけバケット好きやねん、と(笑)。
店内はこんな感じ。

Four de h

『ゴーストライター』 今週行けるかな。。
行きたいな。。いや絶対行くゾ!

これは少し前にイートインしたときの写真。
ほんま、どんだけバケット好きやねん、と(笑)。
店内はこんな感じ。

Four de h

『ゴーストライター』 今週行けるかな。。
行きたいな。。いや絶対行くゾ!
2011-10-10 :
パンとか、カフェとか。 :
コメント : 2 :
しあわせなバカタレ~『監督失格』

2005年、35歳の誕生日の僅か2時間前にこの世を去った女優、林由美香。
かつて彼女と不倫関係にあり、長年友人関係にあった映画監督・平野勝之
が、自らの気持ちに「けじめ」 をつけるべく製作したドキュメンタリー。
残念ながらと言うべきか、AVにもピンク映画にも縁のない人生を送ってき
た自分は、林由美香のことも、平野監督のことも知らなかった。しかしこの作
品の劇場予告を目にしたとき、そのなんとも表現し難い異様なまでの吸引力、
生身の人間がさらけ出す「情念」のようなものに釘付けになり、「絶対に観たい
映画」として心にメモした。こういう作品がシネコンでかかること自体、奇跡の
ように思えるが、残念ながら観客はまばら。林由美香のコアなファンと思しき
中年男性数人とともに、間違いなく記憶に刻まれるであろう壮絶な人間ドラマ
を観た。

映画前半は、二人の「北海道不倫自転車旅行」 のプライベート・フィルム。
平野32歳、由美香は26歳。白い肌、大きな垂れ目にまんまるい頬っぺたの、
典型的なタヌキ顔の由美香。奥さんに電話した、元カレにハガキを書いたと痴
話喧嘩し、もう疲れたと言って泣き、前後不覚に酔っ払って失禁する、どうしよ
うもなく無邪気で魅力的な由美香。そんな由美香が好きで好きで、一緒にいる
のがうれしくてたまらない平野。
「そんな無駄に回してどうすんの」 「かわいいから無駄じゃないの」
「俺は由美香からオギャーって生まれた監督だから」 。
自分にとって由美香は「運命の人」だと、照れながら言う平野。「幸せですか?」
「うん、幸せです」。 しかし二人の蜜月は、そう長くは続かなかった。
「結婚して、子ども産んで、人並な幸せってやつを」 望んでいた由美香。しか
し彼女は、どんな男とでも4ヶ月と続かないのだと嘆く。相手が共感して欲しいと
きに、何故か醒めた物言いをしてしまうのだと。やがて34歳になった由美香は
痩せて、まんまるだったほっぺを失っていた。
そしてこのドキュメンタリーには、もう一人強烈な印象を残すキャラクターが
登場する。短髪に男物のシャツを着た、「お父さんみたいな」 由美香ママ。
由美香が語る「不幸な」生い立ち、小学生の時に「捨てられた」この母に、彼女
は終生執着する。

自宅で倒れていた由美香を「発見」した平野は、通夜でも葬儀でも涙を流せず、
以来5年間、カメラを手にすることができなかった。自らが前に進むために、由
美香との日々に正面から向き合い、映画にすることを決意した平野だったが・・・。
編集作業を進めるうち、彼はやっと自分の「本当の気持ち」に気付く。そして
そこには更なる喪失感と、大き過ぎて埋め難い欠落感が待ち受けていた。
「生半可」な言葉では送れないと、平野は絶叫する。涙と汗と鼻水でぐちゃぐち
ゃになりながら、自分の「本当の気持ち」、本当の姿をさらけ出す。その言葉が、
私には正反対の意味に聞こえてならなかった。イカナイデ、イカナイデ、イカナ
イデ・・・。
平野さん。無理に由美香とお別れしなくてもいいじゃない? あなたは由美香
から生まれたのだから、あなたがあなたであり続ける限り、別れることなんかで
きないんだよ。それがあなたが持って生まれた「宿命」であり「業」であり、「愛」
なんだから。それは全部、由美香が与えてくれたものなのでしょう?
公式サイトにある、由美香ママと由美香の弟さんの「物語」がまた、胸を打つ。
平野監督には、彼らのドキュメンタリーも作っていただきたいくらい。打ちのめ
されるようなラストシーンの後、矢野顕子が唄う主題歌 『しあわせなバカタレ』
がまた、慟哭に拍車をかける。この映画、エンドロールが短すぎるよ。明るくな
るのが早すぎて、泣き顔をどうすることもできないじゃない・・・。

( 『監督失格』 監督:平野勝之/主演:林由美香、平野勝之/2011・日本)
ひとを慈しむもの~『慈雨の音 -流転の海 第六部-』

昭和39年。大阪・福島で、松坂熊吾はモータープールの管理人として、妻・房江
と一人息子の伸仁と三人で暮らしていた。
宮本輝氏による 『流転の海』 シリーズ待望の新作。前作である第五部 『花の
回廊』 の感想を書いているのが丁度4年前。あと何年、何作で完結するのだろう
な、と思いつつ読了。
宮本輝は、新作が出ると必ず読む作家のひとり、だった。実は今年の春に出た
『三十光年の星たち』 は手に取ったものの、読んでいない。しかしアマゾンのレビ
ューは軒並み高評価なので、いつか読んでみようかな。。
閑話休題。前作で、今後のキーパーソンになると予想した咲子は登場せず。一
国一城の主でないと気が済まない性分の熊吾は、新しい事業への目配せに余念
がない。房江は、小学校を卒業できなかったコンプレックスと、熊吾の晩酌に付き
合うストレスでアルコールに手を伸ばす。私立中学に入学した伸仁は、第二次性
徴を迎えようとしている。彼らと彼らを巡る人々の日常と、それぞれの運命、様々
な出逢いと別れが描かれる。
この物語の魅力は、松坂熊吾という豪放磊落にして繊細な人物の魅力にあると
わかっていながら、この物語の語り手(視点)が息子の伸仁に移るのはいつだろ
う、と考えている自分がいた。そしてそうなった時こそが、この大河シリーズが終
わりを迎える時なのかもしれない。
( 『慈雨の音 -流転の海 第六部-』 宮本輝・著/新潮社・2011)
今年も残すところ
あと3ヶ月ですね。。は、早、!! 皆さま如何お過ごしでしょうか。

「スタバ帝国」
遂にアメ村にも来襲、の図
大阪は、もう「涼しい」 を通り越して朝晩は「寒い」 くらいですよ。
1日にはブーツを解禁いたしました。足元があったかいと、いい感じ~♪
さて。激動の2011年、やり残したことは。。
取り急ぎ、「読書INDEX」 の「著者別INDEX」 を作らねば!
と書いて自分にプレッシャーをかけます。あと3ヶ月!
皆さま風邪など召しませぬよう。。

「スタバ帝国」
遂にアメ村にも来襲、の図
大阪は、もう「涼しい」 を通り越して朝晩は「寒い」 くらいですよ。
1日にはブーツを解禁いたしました。足元があったかいと、いい感じ~♪
さて。激動の2011年、やり残したことは。。
取り急ぎ、「読書INDEX」 の「著者別INDEX」 を作らねば!
と書いて自分にプレッシャーをかけます。あと3ヶ月!
皆さま風邪など召しませぬよう。。
同じ月を見ている~『親愛なるきみへ』

DEAR JOHN
2011年。チャールストンの海岸で、休暇中の軍人ジョン(チャニング・テイタム)
は女子大生のサヴァナ(アマンダ・サイフリッド)と出逢い、恋に落ちる。
9.11によって引き裂かれた恋人たちの純愛物語。原作はニコラス・スパークス、
監督はラッセ・ハルストレム。主演は大型犬を思わせるチャニング・テイタムと、
今が旬の若手、アマンダ・サイフリッド。鉄板ですね。もう、うるうるでした。
手紙、引き裂かれた恋人たち、別れても想いは終わらない、、と、既視感で目眩
がしそうになりながらも。。
いやしかし、『きみに読む物語』 のレイチェル・マクアダムスは最高にかわい
かった。。アマンダ・サイフリッドも好きですが。彼女、歌が巧いんですよね~。
声もきれいだし。

一番好きだった人と結ばれなかった、という想いを胸に秘めて生きている人は、
少なくないんじゃないだろうか。若い頃は、恋人と会えない一年、って途方もなく
長く感じるもの。だからこの物語でサヴァナがした選択を、私は責めたくない。
サヴァナはそのやさしさゆえに、その弱さゆえにティム(ヘンリー・トーマス)と
結婚したのだし、そんな彼女をこそ、ジョンは愛したのだから。
会えなくても、声も聞けなくても、この世界のどこにいても、「同じ月を見てい
る」と信じあえる相手と出逢えたこと。そのことに感謝して、思い出を抱きしめ
て生きている人もいれば、その人のそばで生きて行こう、とトライする人もいる
だろう。この映画を絵空事だと笑う人もいるかもしれない。でも、人生には、思
いもしなかったような奇跡が起こるんだよ。それは明日、あなたの身にも起こ
るかもしれない。誰かと出逢って、恋に落ちる。それだけで既に「奇跡」なのだ
し。
”See you soon then.”

ここ数年大活躍のリチャード・ジェンキンスがいい味。そしてティム。この人
知ってる、どこで観たんだろう、、って思ってたらアナタ、『E.T.』 のエリオット
じゃない! ギャー、懐かし過ぎ!! 顔もあんまり変わってないね。
( 『親愛なるきみへ』 監督:ラッセ・ハルストレム/
主演:チャニング・テイタム、アマンダ・サイフリッド/2010・USA)
妻の人生を取り戻すために~『スリーデイズ』

THE NEXT THREE DAYS
大学教師のジョン(ラッセル・クロウ)は、愛妻ララ(エリザベス・バンクス)と一人
息子ルークと幸せに暮らしていた。そんなある日、ララが殺人容疑で逮捕されて
しまう。
フランス映画『すべて彼女のために』 のハリウッドリメイク。これポール・ハギ
スなんですね、ビックリ! 彼は脚本家として実績があるので、リメイク作品を手
がけるとは思ってもみず。オリジナルは未見ですが、面白いんだろうな~。。
ヴァンサン・ランドン&ダイアン・クルーガーですから。

こちらのリメイクはと言うと、まぁまぁ面白かったかな。妻を愛し、信じ抜く主人
公の信念が凄いです。壮絶です。妻は「絶対に」 無実だと。誰がどう裁こうが、
証拠が揃っていようが、妻は「絶対に」 やってないんだと。ここまでぶれずに、
誰かを信じられるってことに感動する。ほとんど狂気だけれど・・・。
「君の人生を取り戻す」。 ジョンはそう言って、ララを刑務所から掠奪する計画
を練る。真面目一本の大学教師が、ドラッグの売人に近づき、ネットで鍵の解錠
方法を調べ、医療文書を偽造する。すべては妻のために。妻を取り戻すために・・・、
そこまでやるか!
観ている私(たち)は思うんですよ、「この妻は、本当にやってないのか?」 と。
実刑が確定し、絶望して自殺を図るララ。それでも、他人は疑うのです。誰かを
信じるということは、本当に難しく、根気が必要。真実がどうであれ、それは自分
自身の心の問題だから。

脱獄計画が実行されるまで、が長いのが難でした。ラッセル・クロウは相変わ
らずの鉄板演技。そして何と言っても子役がかわいい! イタイケだわ~。
彼らは逃げおおせたのか? 全てを、国、仕事、名前、血族、全てを捨てた、
彼らの今後に何が待ち受けているのか? 考えずにはいられない幕切れだっ
たな。
( 『スリーデイズ』 監督・製作・脚本:ポール・ハギス/
主演:ラッセル・クロウ、エリザベス・バンクス/2010・米、仏)