パン屋さん巡りにうってつけの日

9月も終わりの、気持ちのいい一日。青い空、乾いた空気、「爽やか」という
言葉がぴったりのこんな日は、とびきりおいしいパンを買いに出かけよう!
まずは堺筋本町のこちら、「フール・ドゥ・アッシュ」。同じ通りにある「PAUL」
さんを横目に(ごめんなさい)歩く。オレンジのサンシェードが目印です♪



こちらはハード系が本当においしいです。。ドライフルーツぎっしりのセーグ
ルは、もちろんマスト! 他にもあれこれとトレーに乗せて、サンシェードと同
じオレンジの袋に入れてもらって。次に目指すは・・・。

「パンデュース」
お店が近づいてくると、
パンのいい香りが漂ってきます。

こちらはお惣菜系のパンが多いですが、ハード系ももちろんおいしい!
イートインコーナーでちょっと一息。

こ、、この、クルミ入り生ハムとゴルゴンゾーラの何とか(うろ憶えですみま
せん)、っていうパン、おいし過ぎ! 思わず目を閉じて噛みしめてしまった。。
視覚も聴覚もシャットアウトして、まさに脳内トリップです。おいしいパンでナ
チュラルハイになれる、私ってなんて安上がりなオンナなんだ(笑)。

おいし過ぎたので、クロワッサン追加。やっぱりこういうシンプルなパンが、
その店の真髄よね~。この日は取材の方とカメラが入ってました、さすがは
超有名店。
そして、ここまで来たらもう少し足を伸ばしてタケウチまで、と思わなくも
なかったのですが、たくさん買い込んだし今日はこの辺で。でも、今これを
書いてて思い出した! タケウチのカフェって、10月末で閉店だったんだ!
ガーーーン。。
あ~、やっぱり行けばよかったな。 次はタケウチスタートにしよう。
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2011-09-30 :
パンとか、カフェとか。 :
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素直になれなくて~『ホ・オポノポノ』 に関する本2冊


もう20年以上前になると思うのですが、シカゴというアメリカのロックグル
ープに『Hard to say I'm sorry』 という大ヒット曲がありました。
直訳すると 「ごめんなさいが言いづらい」。 邦題は 『素直になれなくて』。
名訳ですなぁ。。
ホ・オポノポノとは、「潜在意識(記憶)をクリーニングする」 こと。自分に
関わることは全て、100%自分の責任として捉え、記憶をクリーニングする
ことで本来の「あるべき生き方」 ができるようになる、という考え方です。
服部みれいさんの 『あたらしい自分になれる本』 で紹介されていて興味
を持ち、イハレアカラ・ヒューレン博士による本2冊 『ハワイに伝わる癒しの
秘法 みんなが幸せになるホ・オポノポノ 神聖なる知能が導く、心の平和の
ための苦悩の手放し方』 『たった4つの言葉で幸せになれる! 心が楽に
なるホ・オポノポノの教え』 を読んでみました。
クリーニングとは、以下の4つの言葉を繰り返し言うことで行います。
ありがとう (Thank you.)
ごめんなさい (I'm sorry.)
許して下さい (Please forgive me.)
愛しています (I love you.)
私はこの「許して下さい」 に引っかかってしまって。。「私は別に悪くない
のに、どーして許してもらわないといけないんだ?」 と思ってしまったんで
すよね。それこそシカゴの名曲のタイトルのように、「許して下さいが言いづ
らい」 ですよ。
しかしこんな風に考えるのは私だけではないらしく、どうして許してもらわ
ないとダメなのか、理由もちゃんとこの本の中に書かれています。
「ありがとう」 がツキを呼ぶ魔法の言葉だとか、身の周りに起こることは
全て自分が原因、という考え方はよく耳にします。素直になってみようかな
・・・。よりよく生きるために。何より自分が、心地よく生きるために。
( 『ハワイに伝わる癒しの秘法 みんなが幸せになるホ・オポノポノ 神聖なる
知能が導く、心の平和のための苦悩の手放し方』
イハレアカラ・ヒューレン・著/徳間書店・2008)
( 『たった4つの言葉で幸せになれる! 心が楽になるホ・オポノポノの教え』
イハレアカラ・ヒューレン・著/イースト・プレス・2009)
怨念と妄想~『ラビット・ホラー3D』

小学校の図書館で働くキリコ(満島ひかり)は、母親の違う弟で10歳の大悟
(澁谷武尊)を大切にしていた。ある日、校庭で衰弱していたウサギを、大悟が
安楽死させる。
3D映画は嫌い。ホラーも観ない私(怖いから)。 しかし満島ひかり&香川
照之、カメラはクリストファー・ドイル、に惹かれてつい、「83分だし」と観に行
ってしまいました。。ハリウッドでも実績があるという清水崇監督については、
全く知識なし。う~ん、あんまり怖くはなかったけど、いいとも思わなかったか
な。いつの間にか3Dメガネが改善されていて、随分軽くはなっていた。しかし、
メガネの跡が残るのが嫌ですね、やっぱり。

キリコは声を失くしている。絵本作家の父(香川照之)は、妻であり大悟の母
であるきょうこ(緒川たまき)を亡くしてから、童話の世界に閉じこもっている。
キリコは何故声を失ったのか? 映画館でスクリーンから飛び出してきたウサ
ギのぬいぐるみを受け取ってから、キリコと大悟の周りで奇妙な出来事が起こ
り始める。
映画前半、夢の中で大悟が恐怖におびえるシーンが長過ぎ。しかも全然怖く
ないし・・・。ここでちょっと退屈してしまう。しかし、キリコときょうこの間に起こっ
た「事件」が明かされるに連れ、不気味で意味不明な「恐怖」がひたひたと押し
寄せてくる。
香川照之は、正直彼でなくともいい役だと思った。しかし精神科医を演じた大
森南朋がいい! 僅かな出演時間ながら、ただならぬ色気に釘付け。この二人
の2ショットに、「武市半平太と岩崎弥太郎だ~♪」 と思ったのは私一人ではな
いでしょう(笑)。

そしてやはり、一番の見どころは満島ひかりの演技! 彼女、物凄く演技力
のある女優さんなんだな、と改めて思いました。そして、満島ひかりといえば顔
の小ささ! そこらの小学生より小顔。自分と同じ人類とは思えない(爆)。
きょうこの怨念がキリコの妄想を乗っ取る、何とも後味の悪いラスト。透明感
のある映像は、やっぱりドイルなのかな、と思ってみたりしたけれど・・・。ちょっ
と残念な作品でした。
( 『ラビット・ホラー3D』 監督・共同脚本:清水崇/
主演:満島ひかり、香川照之、澁谷武尊、大森南朋/2011・日本)
ロールケーキはお好き? (追記あり)

大好きだけど、滅多に買えないロールケーキ。幸せなことに、ケントハウスの
「はちみつロール」 をいただきました~。ありがとうございます♪
ロールケーキってほとんどのケーキ屋さんにありますよね。超有名なのはモン
シュシュの「堂島ロール」 とか。。あそこまだ行列してんのかな? オススメあっ
たら教えて下さい。ちなみに私の好みは、生地はふわふわよりもしっかりめで、
生クリームは甘さ控えめ、マロンなんかが入ってたらもうご機嫌でございます。
一度食べてみたいと願いつつまだ叶っていないのが、パティシエ エス コヤ
マの「小山ロール」。 たま~にデパートの催事に(もちろん)数量限定で出てま
すが、当たったことはありません。。ほとんど「幻のロールケーキ」と化してます
(?)が、いつか食べてみた~い♪
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
(9/26 追記) sabunoriさんにオススメいただいたロールケーキを食べてみま
した。
2011-09-24 :
パンとか、カフェとか。 :
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隣の家のおじさん/または、ウォンビンがカッコよすぎる件について~『アジョシ』

THE MAN FROM NOWHERE
ソウルの古いビルで質屋を営むテシク(ウォンビン)は、隣の部屋に住む少女
ソミ(キム・セロン)に「アジョシ(おじさん)」と呼ばれ慕われていた。
2010年、韓国で興行収入第一位を記録、主演のウォンビンに数々の主演男
優賞をもたらしたサスペンス・アクション。東映が外国映画を配給するのは24年
ぶりとのこと。この映画どうしても観たかったので、感謝・感謝です。
いやしかしウォンビンのカッコよさったらあなた・・・。彼はとにかくスタイルが
いい! 顔が小さい上に童顔だから、『フレンズ』の頃と全然印象が変わらない
(私はあのドラマを観て彼に感電しました)。もちろん、すっかり大人の男性にな
ったとは思います。しかし、彼がまとう天性の純粋さ、素朴さ、飾らなさは変わら
ない。願わくばこれからもずっと、そうであってほしい。

物語は、ソウルの街で麻薬密売、臓器売買に関わってしまった少女ソミを救う
ため、孤独に生きてきたテシクが身体を張って奔走する姿を丹念に描きます。
超人並のテシクの身体能力は、闇組織も警察組織も歯が立たない。そう、彼は
軍部の特殊要員として特別な訓練を受けた元戦闘員だったのです。
テシクの全身を捉えたショットはどれも美しく、足の長さ、スタイルの良さが際
立っている。監督もウォンビンに惚れているのでは? と思わせるほどに。少な
いセリフ、その表情だけでテシクの孤独や哀しみ、悲嘆を表現した演技、そして
文字通り身体を張ったアクションは見応え十分!
黒いスーツに身を包み、いつもたった一人でいるテシク。この「いつもひとり」
でいることが、どれほど強靭な意志を必要とするか。ゾロゾロと「いつも大人数」
で行動する警察。ひとりでは何もできない闇組織の輩。テシクが単独で組織に
乗り込んだ時点で、もう勝負はついているのです。
しかし映画としては、子どもの臓器売買という最もダークな題材を扱っている
だけに、耐え難くグロいシーンもあり。R15+指定も納得の、かなりハードな作
品となっています。
長々と私のウォンビン愛(?)を語りましたが、こちらのコラムでは韓国でいか
にこの作品の彼が愛されたか、ユーモアたっぷりに綴られています。ファンの
方、必読ですよ♪
↓↓↓↓ 噂のバリカンシーン♪ ↓↓↓↓

しかし・・・。ビンくんが「アジョシ」ねぇ。。私の中でアジョシといえば、『八月のクリス
マス』 のハン・ソッキュが伝説と化しておりますが。
ビンくんなら、40になっても、50になっても「オッパ」でしょ!
( 『アジョシ』 監督・脚本:イ・ジョンボム/2010・韓国/
主演:ウォンビン、キム・セロン、タナヨン・ウォンタラクン)
テーマ : この映画がすごい!!
ジャンル : 映画
人生も家族も終わらない~『あしたのパスタはアルデンテ』

MINE VAGANTI
ローマで恋人と暮らす作家志望のトンマーゾ(リッカルド・スカマルチョ)は、
南イタリアの美しく保守的な街・レッチェに帰省する。家族の前で自分がゲイ
であることを告白しようとするトンマーゾだったが、兄アントニオ(アレッサンド
ロ・プレツィオージ)に先を越されてしまう。
パスタ会社を経営する一家を揺るがした「告白」をきっかけに、人生や家族に
とって本当に大切なものは何か、考えさせてくれる映画。イタリア映画らしく美
しい風景、色鮮やかな色彩、伊達男たち、彼らに見とれる女たち(そして私)。
とっても面白かった! 人生訓みたいな金言が散りばめられた脚本が素晴ら
しい。笑って、泣いて。。生まれ変わったらイタリア人がいいな~。

映画は、トスカーナの乾いた街路をひた走る「ランアウェイ・ブライド」の姿か
ら始まる。彼女は何者なのか、一体どうして思い詰めた表情で走っているのか?
その謎は、ゆっくりと明かされてゆく。
トンマーゾも、アントニオも、そしてパスタ工場の共同経営者の娘である、美
しいけれどワケありな表情のアルバ(ニコール・グリマウド)も、思い通りに進
まない人生に焦りといらだちを感じている。若いということは、迷いの最中にあ
るということ。そんな彼らを見守るおばあちゃんの存在が、圧倒的に素晴らしい。
「叶わない愛は終わらない」
「紳士でありたければ、農夫よりは遅くとも、怠け者よりは早く起きなさい」
「人の望んだ人生で、満足?」
おばあちゃんの言葉が、優柔不断でどっちつかずのトンマーゾの心を、少しづ
つ固めてゆく。彼女は身を呈して、「後悔しない生き方」を彼らに教えるのだ。美
しく気高いおばあちゃん。誰にも告げず、たった一つの愛に殉じたおばあちゃん。
「わたしも、奥様が大好きです」
この映画の真の主役は、このおばあちゃんだ。

アルバは、トンマーゾが好きだったのかな? しかし彼の心は恋人マルコに
ある。トンマーゾの「ローマの友だち」、底抜けに明るいゲイたちが最高!
「大切なものは心にとどまる、意思とは関係なく。別れを恐れることはない」
生きている者の中で死者の人生は続く。婚礼の祝祭が葬送の宴に重なって
ゆくラストは、不思議な高揚感。邦題は酷いけれど、観逃さなくてよかった。
( 『あしたのパスタはアルデンテ』 監督・共同脚本:フェルザン・オズベテク/
主演:リッカルド・スカマルチョ、ニコール・グリマウド/2010・伊)
よりよき世界に~『未来を生きる君たちへ』

Hævnen
IN A BETTER WORLD
デンマーク郊外に住む少年エリアス(マルクス・リゴード)は、学校でいじめ
に遭っている。エリアスの父アントン(ミカエル・パーシュブラント)はアフリカの
紛争地域で医療活動に従事しているが、妻マリアン(トリーヌ・ディルホム)と
の離婚問題を抱えていた。エリアスは、転校生のクリスチャン(ウィリアム・ヨ
ンク・ユエルス・ニルセン)と親しくなる。
昨年度のアカデミー&ゴールデングローブの外国語映画賞をW受賞した、
デンマーク、スサンネ・ビア監督の秀作。暴力と憎悪、裏切りと赦し、不条理な
死による心の傷。人間社会にうごめく様々な負の感情を通して、善悪の根源
を問い、否応なく観る者に「もし、あなたなら?」 という問いを投げ掛ける。
素晴らしい作品でした。もう、身につまされてボロ泣き。これは間違いなく今年
のベスト作の一本。スサンネ・ビアの最高傑作でしょう。必見。

子役の少年たちの演技が凄い。特にクリスチャンの昏い瞳が秀逸。大人で
も、あんな表情はなかなかできるものじゃない。演技経験はゼロだったという
彼らから、あれだけのものを引きだした監督の手腕には脱帽する。
理不尽な暴力に対する「報復」を完全否定する父、アントン。子どもたちに「負
の連鎖」がいかに無意味で下劣な行為であるかを身を持って示す場面は感動
的だけれど、彼だって決して聖人君子ではない。
アントンが過去に陥った「婚外恋愛」が許せない妻マリアン。傷ついた彼女は、
時に感情の抑制が効かない。エリアスを喪うかもしれないという恐怖から、彼女
は幼い(そして十分傷ついている)クリスチャンを罵倒する。
母の「死」が受け容れられず、「死」の意味が理解できず、それを「誰か」=父
(ウルリク・トムセン)のせいにしようとするクリスチャン。やり場のない怒りは、
危険な「報復」行為に向かう。いじめの標的だったエリアスは、初めてできた
「友だち」を失いたくない一心で、彼に追従する。
登場人物たち全ての気持ちが、わかり過ぎて苦しい。彼らは痛々しいほど人
間臭く、愚かで哀しい。やられたらやり返す、それのどこが悪いのか。暴力は
「諸刃の剣」であり、それが肉体的なものでも、精神的なものであっても、全て
のものを傷つける。暴力によって、救われる者などどこにもいない。そう頭では
わかっていても、やり返したら自分まで卑屈な相手と同レベルに堕ちてしまうと
わかっていても、「仕返し」してやりたいと思うのが人間なのだ。

暴力によって快楽を得る、悪魔のような人間もいる。しかし、自らが傷を負
いながら、赤の他人や、「友だち」を護ろうとする人間もいる。「クリスチャンを
叱らないで」。 エリアスのこの一言が、頑なだったマリアンの心を溶かす。
暴力に傷つきながら、生まれながらにして「赦し」を知っているのが人間だと。
そう信じさせてくれた監督の、静かで厳かな祈りが伝わってくる。
( 『未来を生きる君たちへ』 監督・原案:スサンネ・ビア/
主演:ミカエル・パーシュブラント/2010・デンマーク、スウェーデン)
見られていたんだ/察してよ~『ニキの屈辱』

加賀美和臣は、写真家志望の24歳。ひとつ年下の人気写真家、村岡ニキのア
シスタントに採用される。
デビュー作『人のセックスを笑うな』 以来の、山崎ナオコーラ久々の恋愛小説。
第145回の芥川賞候補作でもあった。写真家が主人公の小説らしく(?)、カバー
写真は今を時めく川島小鳥さん。
これ、西加奈子さんがエライこと褒めてたんですけど、『人セク』には及ばない
と感じました。女性として、女の子として見られたくない、ただ「写真家」として
だけ見られたいというニキ。「写真家」を「作家」に読み換えると、これは著者が
『男友だちを作ろう』で繰り返し述べていたことと同じ。つまり、ニキの人物造形
には、山崎ナオコーラ自身がまんま反映されている。
自分が女だという意識がないのは本人だけで、周りは女だとしか見ていない。
そのギャップを後に知り、屈辱だと感じるニキ。アシスタントの和臣に対しては
「察してよ」と常に居丈高だったニキが、自分のこととなると何も察することがで
きなかった、というのは何とも皮肉な結末。恋愛も、仕事も、常に謙虚でいない
と酷い目に遭いますよ。油断大敵、下剋上。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
しかし、9月11日付の朝日新聞読書欄「著者に会いたい」 は酷かったですよ。。
この作品が取り上げてあり、私はちょうど読みかけだったので、山崎ナオコーラ
の写真に「おお!」 と思わず飛びついて読んだのですが・・・。超ネタバレもいい
とこ(怒)。個人のブログじゃないねんから。プロなら、ネタバレなしで記事書いて
くれ!
( 『ニキの屈辱』 山崎ナオコーラ・著/2011・河出書房新社)
靭公園界隈 ~ Cante Grande & Boulangerie Takeuchi ~

シルバーウィーク初日はあいにくの雨模様。しかし「関西最強のパン屋さん」
の呼び声も高い、靭公園南の「ブランジュリ・タケウチ」に突撃すべくお出かけ。
本日のメインターゲットは午後から焼き上がるベーグル。よって午後三時の
2度目の開店まで、大阪布帛会館1階の「カンテ・グランデ」にて待機。こちら
はタケウチのすぐ近く、公園の緑もまぶしい。

雨だし大丈夫でしょ、とタカをくくっていたら、3時前にはタケウチの袋を抱
えた方がたくさん歩いてる! これは大変と走りました。警備員さんがドア
を開けて下さり、なんとか入店。こちらは写真がNGなのですが、そもそも
カメラなんか構えている余裕はありません。。ギュウギュウの店内で、我を
忘れそうになりながらわんさと購入。店を出ると、雨はほとんど上がってい
ましたが長蛇の列! 何十人もお待ちでした。三日月のオリーブパンはもう
売り切れでしたよ、ごめんね4つも買ってしまった。。
そしてショックな情報なのですが、3Fのカフェは10月末で閉店
だそうです、ガーーーン!! 消防法改正のため、だとか。。確かに、ここ
の階段めちゃくちゃ狭くて急やもんなぁ。しかし残念! 閉店までにまた来
たいな、来れるかな。。。あ、1Fのベーカリーはもちろん今まで通りですよ~。

ベーカリーカフェ・Hito-iki

心斎橋でイタリア映画を観た帰り、今日はJR難波駅近くのベーカリーカフェ・
Hito-iki さんにお邪魔しました。

窓ガラスに映り込んでる(汗)

店内に入ると、小ぶりなパンたちが
お行儀よく並んでいます。

「連れて帰って~」 と言わんばかりに。

メニューはこんな感じ。
ランチは3種類、スープ、サンドイッチ、
サラダ、いづれかがメインです。
私はサラダランチをオーダー。

サラダの中にパンがコロコロ入ってます。
スープは根菜のカレースープ。
バジルとサワークリーム(多分)の
ドレッシングは控えめですが、
パンのお味が結構しっかりしてます。
とってもおいしかったです☆
帰りにはもちろん、お持ち帰りも何種類か。
またお邪魔させて下さいね♪ ごちそうさまでした☆
至福のとき~『おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2』

ああ、読み終わってしまった・・・。ハルキさん、至福の時間をありがとう。
雑誌『アンアン』 連載中の、村上春樹のエッセイ。「(ビール会社の作る)
日本でいちばんおいしいウーロン茶」 を目指して書かれたらしい。う~ん、
これは確かに極上の味! ファン・ビンビンもビックリ、に違いない。
実はこの本、発売日(今年の七夕)に買ってあったのですが、読むのがも
ったいなくてずっと置いてあったんです。。普通なら数時間もあれば読める
ボリュームの本だと思いますが、もうゆっくり、ゆ~~~っくり読み進めまし
た。噛みしめるように。
10年前に『村上ラヂオ』 を読んだときは、「鰻がおいしいとか好きだとか、
何このユルユルなエッセイは?」 とか、怒りに近い感情を抱いてしまった
ものです。青かったなぁ、私も(笑)。本作も相変わらずユルいエッセイと言
えなくもないですが、まぁこれは面白いですよ。声を上げて笑ったのも、一
度や二度ではありませんです、はい。
大橋歩さんの銅版画も素敵。しかも「居眠り猫」 のしおり付き! 「あとが
き」 では、彼女の春樹さんへの「愛」がいっぱい、いっぱい感じられます。
日本に村上春樹あり。またうれしからずや、ですね♪
( 『おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2』 村上春樹・著/
大橋歩・画/2011・マガジンハウス)
シリーズ化希望! ~『探偵はBARにいる』

札幌・ススキノのバー「ケラー・オオハタ」で依頼の電話を待つ探偵(大泉洋)は
携帯電話を持たず、運転手の高田(松田龍平)とオセロ三昧。そんな彼に、「コン
ドウキョウコ」と名乗る謎の女性から電話が入る。
北海道・札幌を舞台に、北海道出身のスター、大泉洋が探偵に扮するハードボ
イルド(?)サスペンス・アクションそしてちょこっとコメディ。大泉洋と松田龍平の
2ショットのポスターを観た瞬間から、「これは観る!」 と決めていた。大泉洋っ
てホント、魅力的ですね~。。一人ボケ、一人ツッコミはもちろん、シリアスな演技
もアクションもOK。アドリブに聴こえるセリフも、実は相当練られているのだろうけ
れど、そんな苦労を全く悟らせない飄々とした存在感は実に得難い。いやなかな
か面白かった。小雪が綺麗に見えたし(もちろん美しい女優さんなんですが、個
人的に好きじゃなかったので)。

謎の女からの依頼を引き受けた探偵が、次第に事件の真相に迫り、、というス
トーリーは想定内だけれど、この映画を魅力的にしているのはやはり主演の大
泉洋と、彼の相棒・高田を演じた松田龍平のキャラクターだと思う。北大農学部
の研究員にして空手の師範、なのに一日中寝てばっかり、というヌーボーとした
高田のキャラは、『まほろ駅前多田便利軒』の行天と被る。探偵といえば松田優
作なんだから、もうそろそろ龍平自身も「これ!」っていう代表作に恵まれてもい
いんじゃない? と思いつつ、彼はこういう役が妙にハマる。一歩引いて傍観しな
がら、核心を突く一言をつぶやく、っていうキャラですね。
エンストしてばっかりのボロ車(人間の言葉を解する!)も、愛嬌があって面白
かった。「次までに買い替えようぜ~」 ってセリフがあったけど、それは続編が
あると、シリーズ化するということなんですかね?(嬉) この主演コンビなら是非
次も観たいです~。松重豊とか安藤玉恵とか、濃ゆい脇役陣の皆さんももちろ
ん、続投で!

♪ 時計を~止めて~、二人の~た~め~にぃ~ ♪ その時計はオメガです
ね。。
( 『探偵はBARにいる』 監督:橋本一/2010・日本/
主演:大泉洋、松田龍平、小雪、西田敏行、田口トモロヲ)
未だ和平に至らず~『ミラル』

MIRAL
1947年、ヒンドゥ(ヒアム・アッバス)は私財を投げ打ち、ユダヤ民兵に親を
殺されたパレスチナの子どもたちのための施設を作る。そこで育ったミラル(フ
リーダ・ピント)は、難民キャンプで見たイスラエル軍の暴挙に衝撃を受け、反
イスラエルの過激な政治活動に傾倒してゆく。
ミラルとは「道端に咲く赤い花」 のことだという。イスラエル占領下のパレス
チナに生まれた一人の少女が、国家間の苛烈な諍いに翻弄されながらも、自
らの足で逞しく運命を切り開いてゆく姿を描く。ジュリアン・シュナーベルがヒア
ム・アッバスを主演に撮った作品と知り、どうしても観たかった。パレスチナ問題
に関しては様々な意見があるとは思うけれど、是非多くの方に観ていただきた
い作品。

自らの土地、「国」 を持たないユダヤ人たちが、「約束の地」 に国を再建しよ
うとした。しかしそこには何百年も前から定住するアラブ人たちがいた。ユダヤ
人が、たとえどんなに迫害され続けた(可哀想な)民族であろうと、ずっとそこに
いたアラブの人々を強制的に排除して新しい国を作れば、当然多くの難民が生
まれる。「前からそこにいた人たちは、どうすればいいの?」 幼い子どもだって、
そう思うだろう。この映画は、そのアラブ人たちの、反イスラエルの立場をとる人々
の視点で作られている。
この映画の監督、ジュリアン・シュナーベルが、ユダヤ系アメリカ人であること
に、驚きを禁じ得ない。彼はただ単に一人の芸術家として、純粋に撮りたいもの
を撮ったに過ぎないのだろう。しかし、その一見単純なことが、実はどれほどの
困難を伴うか。想像に難くない。監督の勇気に感動する。
非暴力を説き、何千人もの孤児たちの教育に人生の全てを捧げたヒンドゥ・フ
セイニ。彼女を演じられるのは、パレスチナ人女優、ヒアム・アッバス以外にい
ないだろう、その「憂い顔」 が、とにかく大好きな女優さん。ヒンドゥが未来への
希望を託したミラルを演じた、フリーダ・ピントも素晴らしかった! そして映画
の最後に、原作者でありミラルのモデルであるルーラ・ジブリールが映し出され
る。映画女優顔負けの、その美しさに驚愕・・・。

1993年、オスロ合意。世界中が歓喜に沸いたものの、ラビン首相は暗殺され、
「未だ和平に至らず」 のクレジットが虚しい。テロの止まないこの21世紀、恩讐
を越えてイスラエル人と愛し合うミラルの従兄や、血を分けた娘ではないミラル
を慈しみ育てたジャマールの「愛」に、かすかな希望を感じる。子どもたちは宝、
教育こそが国の未来だと信じた、「ママ・ヒンドゥ」 の願いが、叶うときがきっと
来ますように。
( 『ミラル』 監督:ジュリアン・シュナーベル/
主演:ヒアム・アッバス、フリーダ・ピント/2010・仏、イスラエル、伊、印)
殺るか、殺られるか~『ハンナ』

HANNA
十代の少女ハンナ(シアーシャ・ローナン)は、元CIA諜報員の父エリック(エリ
ック・バナ)に、人里離れた深い森の中で育てられた。格闘技や数ヶ国語に習熟
するハンナは、ある決意を胸に「外の世界」へと飛び立つ。
”I just missed your heart.”
ジョー・ライト監督&シアーシャ・ローナンのコンビに、当代きっての名女優
ケイト・ブランシェットが参戦、ということで随分前から楽しみにしていた作品。
こういうサスペンス・アクションって毎年たくさん作られて、私もよく観る。され
どこれがどうも似たりよったりで、大音量にも関わらず寝てしまったりするこ
とも(汗)。しかし本作は、期待に違わず、面白かった! まだ幼さの残る少女
が父の英才教育を受け、敏腕スナイパーに成長、亡き母の復讐を遂げようと
する物語。父が朗読する本の中でしか世界を知らなかった少女が、音楽や
友情を知り、自分は何者なのか、何処から来たのか、出生の秘密に辿りつく。

何と言ってもキャストが最高でした。タイトルロールを演じたシアーシャ・ロ
ーナンは、アクションこそ「がんばりました」感が勝るものの、演技力は折り紙
つきなだけに、安心して観ていられる。そしてエリック・バナくらい諜報員が似
合う俳優もいないですよね? 今回はモサドじゃありませんが(笑)、立ち回り
が実にサマになってる。ケイト・ブランシェットに至っては、もう「お約束」の大
芝居。CIA組織のお局的(若手の諜報員なんて目も合わせられない雰囲気)
役回りで、ハンナとは「殺るか、殺られるか」の宿敵な関係。ケイト自身がこう
いう悪役を、本当に楽しんで演じているんだろうな~、って感じる。
どうしてパソコンが使えるんだ、とか、スペインからドイツ・ベルリンって近過
ぎないか? とか、突っ込みどころは確かに満載。もうちょっとハンナが旅す
る各国の街並みを生かして欲しかったかな。

深い森の中でハンナが渇望する「音楽」は、この作品の重要なポイント。これは
素晴らしかったんじゃないだろうか。スペインのフラメンコ、ケミカル・ブラザーズ。
so cool♪
( 『ハンナ』 監督:ジョー・ライト/2011・米、英、独/
主演:シアーシャ・ローナン、ケイト・ブランシェット、エリック・バナ)
つながる道~『こうふく みどりの』 『こうふく あかの』

1991年、大阪の下町。女ばかりが暮らす辰巳家には、今日もたくさんの人々
が訪れる。14歳の中学生・緑は、転校生のコジマケンに心惹かれていた。
2007年、課長の「俺」は、従順なはずだった妻に、自分以外の男の子を宿し
た、と告げられる。
「緑」と「赤」の(まるで『ノルウェイの森』 のような)装丁の、「こうふく」 二部
作。とは言ってもこの2作、上下巻ではなく、連作というわけでもない。しかし
「どこかで繋がっている」 物語。
「イラン生まれの大阪育ち」、西加奈子嬢の小説を初めて読んだ。1977年生
まれ
76年生まれでした、ごめんなさい)
個人的好みで言うと、「みどり」 のほうが圧倒的にスバラシイ!です。どちら
にも共通しているのが人間の(というか女の)業、ですが、「みどり」 のほうが
より生々しく、リアルで切ない。どうしても離れられない男と女の、理屈でない恋
情や愛情というものを、細かく、丹念に描き出している。それはそれは、残酷な
までに。
ただ、あまり上品とはいえない大阪の下町言葉で全編が貫かれているために、
嫌悪感を覚える人も多いかもしれない。しかし、この小説は大阪弁で書かれた
がゆえに、より大きな感動をもたらしているようにも思う。諸刃の剣ですが、個人
的には支持したい。
まだこの2冊しか読んでいないけれど、特に「みどり」 に、著者の心根のやさ
しさや汚れのなさを感じて、何度も何度も涙が流れた。ほぼ嗚咽。「あか」 は
読まなくてもいいくらいかも、、とか言ったら著者がガッカリするかな(笑)。それ
くらい、私は「みどり」 が好きでした。

( 『こうふく みどりの』 『こうふく あかの』 西加奈子・著/小学館・2008)
下女~『ハウスメイド』

THE HOUSEMAID
ウニ(チョン・ドヨン)は上流階級の瀟洒な邸宅で、住み込みの家政婦として
働くことになる。そこには双子を妊娠中の若い妻(ソウ)と夫(イ・ジョンジェ)、
その娘ナミ(アン・ソヒョン)がいた。家事を取り仕切る老家政婦のビョンシク
(ユン・ヨジョン)の元、懸命に働くウニだったが・・・。
韓国で「カルト的傑作」と呼ばれている(らしい)、キム・ギヨン監督作『下女』
のリメイク。監督はイム・サンス。韓国が誇る名女優、チョン・ドヨン主演とい
うことで物凄く楽しみにしていた作品。しかし。。期待が大き過ぎたのか、ちょ
っと肩透かしを喰らった感あり。ラストは確かに「衝撃」的ではあるけれど、そ
こに至るまでの全てが類型的すぎて、サスペンスに肝心な「先の読めないハ
ラハラ感」 が全くない。しかし、ドヨン姐さんをはじめ、キャストは皆ハマって
いて好演。特に、つるんとしたお顔でナルシスト全開演技の「ご主人様」イ・ジ
ョンジェが最高。ファンの方は必見ですよ。

笑ってしまうくらい無機質で現実感のない邸宅。ビョンシクは家政婦を「最低
の仕事」 だと卑下するけれど、ウニは「この仕事が好き」 だと言う。確かに、
おいしそうな料理や高級ワインのおこぼれに預かり、モダンなバスルームでゆ
ったりとお湯に浸かることのできる、何不自由ない生活だと言えなくもない。し
かし、彼女たちは名前のない「アジュンマ(おばさん)」であり、人間扱いされる
ことはない。ご主人様にとってウニは単なる欲望のはけ口でしかなく、朝食を
運ぶウニが口紅を引こうが、彼の心は一ミリたりとも動かされることはない。
そして実はウニという女も、よくわからない。純粋無垢なのか何も考えていな
いのか、元々彼女は何者なのか。「友だち」と身体を重ねて眠る姿はバイセク
シュアルな雰囲気も感じさせつつ、彼の国特有の「親密さ」の表現にすぎない
と思ってみたり・・・。しかし、相変わらずチョン・ドヨンの脱ぎっぷりは天晴れの
一言。
だからあの「復讐」も、物凄い唐突感。お腹の子どもにそこまで執着している
ようには見えなかったし、自分が死んでしまったら終わりなのに。そして実際、
下女たちが去った後も、ご主人様たちは何もなかったかのように生活している
のだ。ほとんどブラックジョークのような結末・・・。

イム・サンスは今まで『浮気な家族』しか観ていない。そういえば、産婦人科の
女医さんがムン・ソリさんだったような気がしたのだけど。カメオ出演? 似てま
したよね?
( 『ハウスメイド』 監督・脚本:イム・サンス/2010・韓国/
主演:チョン・ドヨン、イ・ジョンジェ、ソウ、ユン・ヨジョン、パク・チヨン)
初体験☆ ~シネ・ヌーヴォ~
九条にあるミニシアター、シネ・ヌーヴォに行ってきました。

どうして今まで行ったことが無かったかと言うと、、
「遠い」 「敷居が高そう」 と思い込んでいたから。私ってこう見えて(?)
行動力がないんですよ~。そんな私を連れ出してくれたのは、ジュリアン・
シュナーベルとヒアム・アッバス。

MIRAL
実際行ってみると、、「近いやん!」 これはなんばパークス行くより近いか
も。。雰囲気は十三のナナゲイそっくり。
しかしHPで地図はしっかり頭に叩き込んでいたにも関わらず、案の定迷っ
てしまいました。キョロキョロしていると、前方から一人の女性が!
「すみませ~ん、この辺にシネ・ヌーヴォって映画館ないですか?」
「はい、今から行くのでご一緒に」 おお! 天の助け!!
笑顔の素敵なショートカットの方。「初めて来たんです」 という私に、
「映画マニアには堪らない、コアな映画をかけてくれる映画館ですよ」 と
おっしゃる。 「小さくて、視聴覚室みたいよ」。そうなんだ~。
タクミくんシリーズをご覧になるそうで。。ありがとうございました☆
終映後、写真を撮っている私に、眼鏡の紳士が声をかけて下さった。
「ここの写真撮ってるの?」 「はい、初めて来たので記念に」
「僕も一週間位前に初めて来たんだよ~。なかなかおしゃれだね」
はい、本当に。これからはちょくちょくお邪魔します。


どうして今まで行ったことが無かったかと言うと、、
「遠い」 「敷居が高そう」 と思い込んでいたから。私ってこう見えて(?)
行動力がないんですよ~。そんな私を連れ出してくれたのは、ジュリアン・
シュナーベルとヒアム・アッバス。

MIRAL
実際行ってみると、、「近いやん!」 これはなんばパークス行くより近いか
も。。雰囲気は十三のナナゲイそっくり。
しかしHPで地図はしっかり頭に叩き込んでいたにも関わらず、案の定迷っ
てしまいました。キョロキョロしていると、前方から一人の女性が!
「すみませ~ん、この辺にシネ・ヌーヴォって映画館ないですか?」
「はい、今から行くのでご一緒に」 おお! 天の助け!!
笑顔の素敵なショートカットの方。「初めて来たんです」 という私に、
「映画マニアには堪らない、コアな映画をかけてくれる映画館ですよ」 と
おっしゃる。 「小さくて、視聴覚室みたいよ」。そうなんだ~。
タクミくんシリーズをご覧になるそうで。。ありがとうございました☆
終映後、写真を撮っている私に、眼鏡の紳士が声をかけて下さった。
「ここの写真撮ってるの?」 「はい、初めて来たので記念に」
「僕も一週間位前に初めて来たんだよ~。なかなかおしゃれだね」
はい、本当に。これからはちょくちょくお邪魔します。

生き抜く~『ライフ-いのちをつなぐ物語-』

英国BBC製作のネイチャー・ドキュメンタリー。「一体どうやって撮影したんだ
?!」 と思わせられる、迫力満点の映像の数々。是非劇場で体感してほしい
作品。
この地球上には、500万種の生物がいるらしい。それぞれに、その「生(LIFE)」
を全うするために、生き抜くためだけに生きている。泳ぎ、飛び、走り、闘う。シン
プルなんだけど、なんだか凄いな、って思う。

動物たちは誰に教わったわけでもないのに、与えられた(生まれ落ちた)環境
で生きる術を知っている。道具を使ったり、ライバルを欺いたり、群に厳然たる
秩序があったり。
人間は、「万物の霊長」 としてこの地球に君臨しているように見える。でもこの
映画を観ながら、本当は自然や動物たちを模倣しているだけなんじゃないか、と
感じてしまった。「生きる」 ことに関して私たちができることなんて、彼らがとっく
に成し遂げているんだもの。

ナレーションは松本幸四郎、松たか子親子。オリジナルはダニエル・クレイグ
なんだって・・・。聴いてみたいな♪

( 『ライフ-いのちをつなぐ物語-』 監督:マイケル・ガントン/2011・UK)
テーマ : この映画がすごい!!
ジャンル : 映画
クリムゾンボルト! ~『スーパー!』

SUPER
サエない中年男フランク(レイン・ウィルソン)は、最愛の妻サラ(リヴ・タイラ
ー)をドラッグ・ディーラーのジョック(ケヴィン・ベーコン)に奪われてしまう。
サラを奪還すべく、フランクが取った行動とは?
自らを「神に選ばれし者」と確信(もしくは勘違い)した劣等感だらけの男が、
手縫いの真っ赤なコスチュームに身を包み、「クリムゾンボルト」を名乗って街
の小悪党を叩きのめす、クレイジーなコメディ。R+15指定だけあって、笑える
んだけど暴力&スプラッタ描写は結構ドぎつい。フランクの頭に神の指が触れ
る、ってシーン、別に頭蓋骨を割って脳味噌に触れなくても・・・(汗)。あれって
『ハンニバル』 のパロディなのかなぁ。クリムゾンボルトの相棒、ボルティに扮
するエレン・ペイジはノリノリで、二段オチの強烈な姿をさらしてくれています。

レイン・ウィルソンって、『メタルヘッド』 で引きこもりのお父さんだった人だ
よね。この役、ものすごくハマってたなあ~。割り込みしたくらいでレンチでメ
ッタ打ち、ってやりすぎだと思うけど、こういう正義感ってエスカレートするから
実は危険なんだよね。おまけにボルティに誘惑されたりして、おかしな方向に
行き始めたぞ、ってところで我に返って「サラを取り戻すんだ!」 って原点に
戻るわけだけれども。
ハマってるといえば、ケヴィン・ベーコンですよ奥さん! こういう小悪党が
ベストマッチなんだよね、彼は本当にいい俳優さんだと思います。大作でもこ
ういうB級作品でも、いつもスクリーン映えしてると思う。いつまでもスリムで素
敵だし。いまだに『フットルース』 の、って言われるけど、ホントあの頃と変わ
らない印象だし。

しかし『ツリー・オブ・ライフ』 にしても本作にしても(ってこの2作比べる人も
そうはいないと思うけど、笑)、アメリカって国は本当に「神」の存在が大きいん
だなぁと思う。心の拠りどころ、って言うか、まず神ありき、みたいな。日本にも
八百万の神、っていう思想はあるけど、人生を決めるときに「神の啓示」に従う、
って人はそんなにいないと思うし。
・・・な~んて小難しいことは全く考えなくていい、B級コメディです。ただし、
よい子は観ちゃダメ!
( 『スーパー!』 監督・脚本:ジェームズ・ガン/2010・USA/
主演:レイン・ウィルソン、エレン・ペイジ、ケヴィン・ベーコン)
テーマ : この映画がすごい!!
ジャンル : 映画
開拓者たち~『〈わたし〉を生きる-女たちの肖像』

様々な分野で活躍する16人の女性たち(プラス男性一人)の横顔を、インタ
ビューの名手、島崎今日子が切り取る。朝日新聞のテレビコラムでも知られる
著者の『この国で女であるということ』 がとても面白く印象的な本だったので、
同じく「アエラ」連載の「現代の肖像」をまとめた続編的な本書も楽しみに読ん
だ。16人のメンツが、とにかく凄いんです。。
1 表現者の孤独 : 山田詠美 夏木マリ 綾戸智恵 萩尾望都
2 女が動かす : 林文子 北村明子 宇津木妙子 野田聖子
3 闘う女 : 上野千鶴子 長与千種 北村道子 木皿泉
4 明日の〈女子〉: 北原みのり 澤田知子 風神ライカ 本谷有希子
帯にあるように、仕事を通して自分を解放してきた彼女たちの「生き様」は読
んでいて清々しいし、ワクワクするし、勇気が湧いてくる。彼女たちが特別な
才能を持って生まれた特別な人たちであることは間違いない。けれど、それ
ぞれのフィールドで自身の「表現」を死守するために彼女たちが払った犠牲、
流した血、失われた代償は凡人の想像を絶するだろう。
本当は、男とか女とか関係なく、一人の人間として真っ当に生きようとしてい
るだけなんだと思う。「男前」な女たちに、励まされた気分。
( 『〈わたし〉を生きる-女たちの肖像』 島崎今日子・著/紀伊國屋書店・2011)
開戦前夜~『シャンハイ』

1941年、第二次世界大戦開戦前夜の中国・上海。米英をはじめ、各国の租界
が連なる魔都。アメリカ人諜報員のポール(ジョン・キューザック)は、親友コナー
の死の真相を探っていた。
アメリカ、日本、中国、ドイツの大スターが集結した豪華キャストな作品という
ことで、初日に鑑賞。しかし、しかし全くの期待外れ。面白くなかった・・・。これ
多分今年のワーストです。残念。
★ 以下、ほぼ愚痴です ★

まず、ジョン・キューザックが全くスクリーンに映えていないんです。。コン・リ
ーともフランカ・ポテンテともケミストリーが感じられず。。ちょっと主役がミスキ
ャストだったのでは?
相変わらずの美貌、アジアの大輪の花ことコン・リー。ヒアルロン酸&コラー
ゲンたっぷり、ぷるぷるのお肌は年齢不詳。もはや貫禄さえ感じさせる、チャイ
ナドレスから伸びる細くてまっすぐな手足。そんな女王蜂な彼女がポールに惹
かれるわけがないやん、と思ってしまう。夫がチョウ・ユンファ兄貴なのに。。
この二人、中華圏最強の夫婦って感じ(笑)。菊池凛子ももったいないなぁ。

我らが渡辺謙は、さすがの存在感だったと思います。しかし、キャスト全員に
ハートが感じられない映画だったなぁ。いかにも作り物、張りぼてみたいな映画。
こんなにも豪華キャストで、こんなにも描きたいことの「芯」のない映画も、珍し
いんじゃないでしょうか。残念・・・。

画像だけ眺めてたらいい感じなんだけどね・・・。う~ん。。
( 『シャンハイ』 監督:ミカエル・ハフストローム/2010・米、中国/
主演:ジョン・キューザック、コン・リー、チョウ・ユンファ、渡辺謙)
テーマ : 映画を見て、思ったこと
ジャンル : 映画
日本が物語る~『嘘みたいな本当の話 【日本版】ナショナル・ストーリー・プロジェクト』

Amazon内にあるWeb文芸誌『マトグロッソ』上で公開されていた実話、
149篇を収録した本。元はアメリカの作家、ポール・オースターがラジオの
DJを務めることになった際、聴取者に「物語」(事実でなければならず、また
短くなければならない)を求め、朗読した「ナショナル・ストーリー・プロジェク
ト」。柴田元幸氏ほか訳で、新潮文庫で読めます。

本書はその日本版。選者は内田樹と高橋源一郎。内田氏による「まえがき」
にその辺りは詳しいです。
この本、物凄く面白いですよ。。「事実は小説より奇なり」と言うけれど、まさ
にその通り。また短ければ短いほど面白いんですね、これが。
実話ということで、日本人の湿潤な気風から「泣ける」話が多いのかな、と読
む前は思っていました。しかし、これが意外にも「笑える」話が圧倒的に多い!
腹を抱えて笑った、と言っても過言ではないです。一話一話が短くて(千字以内
という規定あり)、何も考えずにすらすら読めるので、読みだしたら止まらない。
夏休みの一日、ソファに寝っ転がって、時にエビのように身体を丸めて爆笑し
ていた私・・・。
読んで何か貴重な教訓を得たとか、為になったということは特にないけれど。
とにかく「面白い」んです。一読推奨。
( 『嘘みたいな本当の話 【日本版】ナショナル・ストーリー・プロジェクト』
/内田樹・高橋源一郎:選/イースト・プレス:2011)
いのちを巡る物語~『ツリー・オブ・ライフ』

THE TREE OF LIFE
オブライエン家の長男ジャック(ショーン・ペン)は二人の弟とともに、厳格な
父(ブラッド・ピット)と慈愛に満ちた母(ジェシカ・チャスティン)に育てられた。
都会で成功した彼は、19歳で亡くなった弟のことを想い、幼かった日々を回想
する。
カンヌ映画祭において最高賞パルムドールを受賞した、テレンス・マリックの
(恐らく)自伝的ドラマ。愛憎相半ばする父と息子の葛藤、聖母のような美しい
母の、見返りを求めない息子たちへの愛。宇宙創造から連綿と受け継がれて
きた「生命」を監督らしい映像美で描きながら、その中に包含された死、そして
「神の意志」をも示唆する意欲作。
「世俗に生きるか、神に委ねるか」

「善良な人間になるな」 と繰り返す父。他人に利用されるな、自分のようには
なるなと。音楽家を目指しながら挫折した彼は、一見、幸せな家庭を築きながら
も、己の人生は満たされていないという虚しさを抱えている。その虚無が、時とし
て息子たちへの過剰な「抑圧」となり、息子たちはそんな父に反発する。
息子たちを愛する美しい母。緊張が走る食卓で、彼女は何度悔し涙を呑み込
んだのだろう。父が出張に出かけた後の、解放された母と息子たちの伸びやか
さ!
私は女だけれど、私が育った家庭も同じようなものだった。支配しようとする
父、専業主婦の母。食卓でいつも父は私に「問題」を出し、考えるのも答えるの
も苦痛だった。きっと、世界中に同じような家庭が数えきれないくらい存在する
のだろうし、ジャックの父への「憎しみ」が理解できるという人も、少なくはないだ
ろう。

善良に生きた人間にも、死は訪れる。逆縁の辛さは想像を絶するが、生きて
いる限り逃れられない「死」、その先に待つのは天国と呼ばれる場所なのか?
私自身は信仰を持たないが、人間がなぜ「宗教」を求めるのか、こういう映画
を観るとわかる気がする。そして、信仰を持っているほうが、きっと生き易いの
だろうとも思う。「信じる者は救われる」 とは、真理なのだろう。たぶん。
( 『ツリー・オブ・ライフ』 監督・脚本:テレンス・マリック/
主演:ブラッド・ピット、ショーン・ペン、ジェシカ・チャスティン/2011・USA)
テーマ : この映画がすごい!!
ジャンル : 映画
その名はヘッシャー~『メタルヘッド』

HESHER
母を亡くし、祖母の家で引きこもる父と暮らす少年TJ(デヴィン・ブロシュー)。
彼はある日、粗暴で破天荒な男ヘッシャー(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)と
出逢う。
原題は『HESHER』。タイトルロールを演じるは、我らがジョセフ・ゴードン=
レヴィット。彼の出演作というだけで、予備知識ゼロのまま鑑賞。しかし、う~
ん、これは何と言うか、、。よく劇場公開されたなぁ。 ナタリー・ポートマンが
(一応)ヒロインなので、『ブラック・スワン』効果なのかな? 「スゴいものを観
てしまった」感じ。特に前半部分のハチャメチャぶりは強烈で、これはほとんど
冗談か? ギャグなのか? と思いながら観ていた。

とにかくヘッシャーのキャラが強烈。ボッサボサのロン毛、裸の上半身には子
どもの落書きのようなタトゥ。警察車両にダイナマイトを投げ、TJをいじめる同
級生の車には火をつける。売り家に不法侵入して庭を破壊する。もう、やりたい
放題。そしていきなりTJの(おばあちゃんの)家にやってきて住み着いてしまう!
「まぁ、お友だちなの?」 とか言ってるおばあちゃん、いい人過ぎ(笑)。
TJはいじめられているところを助けてくれたスーパーのレジ係りのジェーン
(ナタリー・ポートマン)に恋してしまう。ジェーンがまた、「それはいつの時代の
ファッションですか」っていうくらい、ダサい(てかこの映画、時代設定はいつな
んだろう?)。レジに週15時間しか入れてもらえないの、と涙ながらに訴える
彼女、週休二日として一日3時間しか働いてないんか! 他の仕事探しなさい
よ! 泣いてる場合じゃないでしょ~。
TJがなぜ母の車にこだわったのか、母は何故いなくなってしまったのかは、
終盤の回想シーンまで明かされない。最愛の妻を亡くしたお父さんの落ち込
みぶりもわかるけど、、TJのためにもうちょっとしっかりしてよ、と言いたい。
そんなダメダメな彼らに向かって、ヘッシャーは下ネタ連発で言いたい放題。
ときどき、ハッ、と目の覚めるようないいコトを言ったりもするのだけれど(一時
間早く起きろ、とか)、何せあの容貌、あの言動では説得力がいまいち。そして
TJは、ヘッシャーとジェーンの行為の最中を目撃してしまう! あ~あ、最悪。。
しかし当然、このままでは終わりませんよ。

結局、ヘッシャーとは何者だったのか? 思うに、彼はJC(JESUS CHRIST)
のメタファーなんじゃないかな? 容貌も似ているし、学校に現れても、TJ以
外には彼の姿は見えてなかったようだし。彼はTJを救えたのか? よくわから
ない。しかしまたいつかTJのもとにフラリとやってきそうな気がする。性懲りも
なく、昨日までそこにいたような顔で。
( 『メタルヘッド』 監督・製作・共同脚本・編集:スペンサー・サッサー/
主演:ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ナタリー・ポートマン/2010・USA)