あなたは誰? ~『こちらあみ子』
こちらあみ子

 祖母と暮らすあみ子回想する、田中家の娘だった日々。すっかり忘れてし
まっていた、15歳までのこと。父と母と兄、のり君、ほとんど行かなかった学校。
そして、おばけ。

 太宰治賞三島由紀夫賞を受賞した、今村夏子のデビュー作。三島賞の受賞
コメントに「これから新しい小説を書きたい気持ちはない」とあったけれど、う~ん、
それはもったいなさ過ぎ! デビュー作にして、この完成度は凄い! 得体の知
れない不気味さと、無垢な魂が同居したような小説
。間違いなく今年のベスト
入れるであろう一作。素晴らしいです。広島弁が、なんとも言えないいい味

 あみ子には「裏」がない悪意だとか、悪気だとか、人を貶めようとしたりする
がない。しかし、それは同時に彼女が「欠落」しているというでもある。その
欠落ぶりをどう捉えるか、で、この物語の評価、好き嫌いは分かれるのかもし
れない。

 読み終わってを見る。 「あみ子はわたしだ、そう思うかもしれません」

 それはまさしく、読みながらずっと私が思っていたことだった。小さな頃、
ったことは何でも口に出してしまう性分
だった私。そのせいで、いろんなもの
を壊してしまったり、傷つけてしまった。いろんな人を悲しませた。あみ子の馬
鹿
バカな私・・・。涙が止まらないです。

 ( 『こちらあみ子』 今村夏子・著/筑摩書房・2011)
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【2011/05/31 21:27】 | 読書 | トラックバック(1) | コメント(5)
チャップリンと踊ろう~『ダンシング・チャップリン』
ダンシング・チャップリン

 国際的な振り付け師、ローラン・プティチャップリンの映画にインスパイア
されて創作した2幕20場面の舞台を、周防正行監督が1幕13場面に再構成
し、映像化した映画。演じるのは、これも国際的なバレエダンサー、ルイジ・
ボニーノ
と、監督のパートナー、草刈民代。彼女のラストダンスでもある。
監督の好奇心と映像化へのこだわり、バレエへの尊敬の念、妻への深い愛
がいっぱい詰まった、素晴らしい作品でした。

 本作は二部構成で、5分間の幕間がある。第一部は、ローラン・プティやチ
ャップリンの息子への映画化の許諾を得る交渉と、リハーサルの様子を捉え
舞台裏。「この場面は公園で撮りたい」という監督に対し、「それなら映画は
なしだ」というプティ。そして出来上がった映像は野外で撮影されていた! 
監督がどういう「作戦」を立てたのかは明かされない。

 一方、ダンサーたちはリハーサルを重ね、衣装合わせ、メイクしてのカメラ
テストへと向かう。どういう舞台になっているのか、期待が最高潮に高まった
ところで幕間。時計を見ると、ちょうど一時間が経過していた。

ダンシング・チャップリン2

 そして第二幕。チャップリンの映画を基にした無言劇が繰り広げられる。どの
場面も素晴らしいが、一番感動したのは草刈民代が白いチュチュを着て踊る
「Smile」。故マイケル・ジャクソンも一番好きだったというこの曲、自然に
流れた。

 この作品を観て、映画における「音楽」の重要性を改めて感じた。チャップリン
の映画はほとんど断片的にしか観た記憶のない私だけれど、音楽はどれも聴き
覚えがあった。記憶の奥底に刻み込まれた名曲たち。

 草刈民代の引退は残念ではあるけれど、ラストダンスを最愛の夫によって永遠
に残すことができた彼女は幸せな人だな。この映画のハイライトが第二部にある
ことは間違いない。しかし、バレエという「究極の美」を体現する人間、その厳しさ
と努力の一端に触れることができた第一部があってこそ、の作品
だったと思う。

ダンシング・チャップリン3

 ( 『ダンシング・チャップリン』 監督:周防正行
                        主演:ルイジ・ボニーノ、草刈民代/2011・日本)

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【2011/05/30 20:00】 | 映画 | トラックバック(11) | コメント(2)
私のお守り~『自選詩集 僕が守る』
僕が守る

 銀色夏生さんの詩集を、久しぶりに購入。

 過去の詩集の中から選ばれた詩と、銀色さんの娘さん(カーカ、かんちゃん)
携帯の画像で構成されている。「君のそばで会おう」が入っていて、うれしか
った。

 本屋さんで手に取って、「すみわたる夜空のような」で、ガツン。次で涙が表面
張力
。久しぶりに、銀色さんに泣かされた

   「 大丈夫と
     言ってくれる人がほしかったのね

     きっとずいぶん長いこと
     つらかったね

     もう大丈夫だよ  
     私がいるから          」


 この詩集は、女子高校生に向けたものだと銀色さんは言うけれど、

 もう、とーーーっっくの昔に女子高校生ではなくなった(でも、気持ちだけは
あの頃とあまりにも変わっていないことに苦しんでいる)、私が持っていても、
いいよね?


 この詩集は私のお守りにしよう、と思って、ウニッコ柄のブックカバーを手作
りしてみた。毎日カバンに入れて、持ち歩いています。

僕が守る1

 ( 『自選詩集 僕が守る』 銀色夏生・著/2011・角川書店)

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【2011/05/26 20:42】 | 読書 | トラックバック(0) | コメント(1)
カ・ン・ペ・キ~『ブラック・スワン』
ブラック・スワン




 BLACK SWAN


 NYのバレエ団に所属するニナ(ナタリー・ポートマン)は、新作舞台「白鳥の湖」
プリマ抜擢される。幸福の絶頂も束の間、彼女の精神は次第にバランスを失
ってゆく


 ナタリー・ポートマンアカデミー賞はじめ、数々の主演女優賞を受賞したスリ
ラー
。監督は才人、ダーレン・アロノフスキー。ミッキー・ロークを甦らせたレスラ
に続いて、監督乗ってます。期待以上、予想以上に怖くて、痛い映画だった。
観終わって立ち上がったら、足がガクガクだったほど。久々に、力入りました。

ブラック・スワン2

 真面目で努力家、しかし「不感症の踊り」と言われてしまうほどバレエ一筋の
ニナ。美しく、完璧な技術を持ちながらも、その前のめり過ぎる姿勢は繊細
々しい
ほど。誰もが認める優等生印のナタリーは、この役にドンぴしゃでハマっ
ている。

 舞台監督ルロイ(ヴァンサン・カッセル)からのダメ出し、過保護で過干渉な母
(バーバラ・ハーシー、老けた!
)、尊敬していたプリマ、ベス(ウィノナ・ライダー)
の変わり果てた姿。カンパニーからの嫉妬妖艶なダンサー、リリー(ミラ・クニ
ス)の影


 様々なプレッシャーが、ニナの精神を蝕み、追いつめてゆく自傷行為幻覚
・幻聴
を呼び、現実と妄想の境界が次第に曖昧になってゆく。

 白鳥黒鳥という、正反対な資質の演技を全うすることは、彼女にとって命と
引き換えの取引
だった。初日を控えた重圧の中、狂気だけが、彼女を舞台に引
き留め続ける。正気ではいられない。現実の中では生きられないパーフェクト
であるためには、実際に役を生き抜くしか、彼女には術がなかった。ラストシーン
に至るステージの高揚が、鳥肌となって観る者に降りてくる。

ブラック・スワン3

 バレエという「美しさ」を生み出す純白の世界の裏にある、漆黒のブラックホー
にのみ込まれてしまった一人のプリマ。古今東西、語り尽くされてきたありふ
れた設定の物語だ、と言えなくもない。しかし一人称の視点で、これほどまでに
緊張感を持続させ、ラストまで観る者の心を掴んで離さない完成度の高さ。これ
は間違いなく、オスカーという称賛に値するだろう。

 ( 『ブラック・スワン』 監督:ダーレン・アロノフスキー/2010・USA/
           主演:ナタリー・ポートマン、ヴァンサン・カッセル、ミラ・クニス

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【2011/05/25 09:57】 | 映画 | トラックバック(79) | コメント(22)
映画館と本屋さん巡り
映画館と本屋さん

 五月晴れの日曜日。久々に茶屋町までお出かけ。

 日本一のメガ書店、MARUZEN&JUNKUDO、初体験♪

映画館と本屋さん2

 そしてお目当てのNU+スタンダードブックストア茶屋町店は、なんとスタバ
の真上^^;

 コーヒーが驚きの美味しさです。私は紅茶党なので、コーヒーを「美味しい!」
と感じることは滅多にないのですが…。オススメ

映画館と本屋さん4

 「あんまりのんびりしてると、映画に遅れるよ」

 あ~、本屋さんか映画館で働いてみたいな♪
 
 などと思ったりする、平和な休日に感謝・・・。

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【2011/05/23 21:21】 | パンとか、カフェとか。 | コメント(4)
ひなたを走りたい~『わたしの彼氏』
わたしの彼氏

 繊細美男子、中里鮎太朗は平凡な大学生。三人の姉に囲まれて育った彼は
いつでも、誰にでもやさしい。そしてその自己主張のなさが、時に女たちの劣情
を刺激する
のだった。

 芥川賞作家・青山七恵氏の長編小説。書評であまりにも大絶賛されているの
で、著者の作品を初めて読んでみました。いや~、これは。。これまでなかった
タイプの青春・恋愛小説ではなかろうか?
 出だしこそややもたつきはあるけれ
ど、先の読めない展開はラストまで面白さが止まらない。「自分」がない主人公
・鮎太朗そのもののような、不思議な小説真っ赤なリンゴの表紙もかわいい。

 しかし、タイトルの「わたし」って、誰のことなんだろう? 「彼氏」は鮎太朗であ
ることは間違いないけれど、「わたし」はもしかしたら、彼を取り巻く女性たち全て
の総称
なのかもしれない。読んでいる「私」自身を含めた。

 鮎太朗のように、「自分」っていうもの--いわゆる「アイデンティティ」がなく
自分は周りの人たちから「部品」を寄せ集めて作られたもの、だと感じてる人っ
て、意識的にしろ無意識にしろ、結構いるのではないかな。自意識が希薄なぶ
自己主張も弱くって、それを「やさしさ」と勘違いした女たちは彼につけこんだ
り、利用したり、愛したりしてしまう


 そんな鮎太朗を、最初から最後まで一途に想い続けるテンテンがかわいく、
愛おしい
嘘の恋はいやだ、命を懸けて恋したいんだ、と言って慎平と別れる
場面は最高。益夫くんと働きながらも、鮎太朗を恋しがる彼女の気持ち、わか
る、わかるよ。。

 鮎太朗を演じられるのは、岡田将生くんしかいないでしょう。テンテンは吉高
由里子
ちゃんで。妄想キャスティングしてしまうな~。

 ( 『わたしの彼氏』 青山七恵・著/講談社・2011)

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【2011/05/21 00:00】 | 読書 | トラックバック(1) | コメント(0)
辛亥革命前夜~『孫文の義士団』
孫文の義士団



 十月圍城

 BODYGUARDS AND ASSASSINS


 20世紀初頭、清朝末期。大英帝国の統治下にある香港では、中国の未来を
憂える人々が革命を切望していた。そんな時、革命家孫文が香港にやってくる
という情報がもたらされる。

 香港・中国のオールスター・キャストによる群像アクション映画愛しの胡軍
様御出演
、ということのみで楽しみにしていた作品で、事前情報は全く入れず
に鑑賞。いやはや、これほどの豪華キャストが集結した作品だったとは・・・。
これは大きなスクリーンで観るに値する傑作だと思う。キャストよし、ストーリー
よし、アクション文句なし!
 ファーストクレジットは葉問師匠ことドニー・イェン
ですよ。相変わらずの超絶・最速・悶絶アクションが炸裂しております。ド兄
、ですなぁ。

孫文の義士団2

 前半は、孫文を守ろうと立ち上がる市井の人々葛藤苦悩が丹念に描かれる。
中でも、革命を支援する豪商と、その息子の物語が胸を打つ。自らのと、40過
ぎて授かった最愛の一人息子を守りたいという感情のせめぎ合いに揺れる男。
となり、絶命するも最後に満足げな笑みを浮かべる息子。この17歳の男の子、絶
対どこかで観た! と思ったら、九月に降る風の少年の一人でした。そして、そ
の前半の丹念さをなぞるように、義士たち一人ひとりのに際して、名前と出身地、
生没年のキャプション
が出るところが新鮮かつ印象的。

 エリック・ツァンってホント、どんな映画にも顔出しますね(笑)。お久しぶりのレオ
ン・カーフェイ
、途中まで彼だとわからなかったレオン・ライ、こんなにもアクション
できる人だったとは・・・。ファン・ビンビンって佐々木希にそっくり! そしてお目当
ての胡軍様は、今回凶悪仕様でちょっと怖かった。。

孫文の義士団3

 革命を成し遂げるために、本当に多くの人々がを投げ出し、犠牲になってい
ったんだな。「この一時間のために、17年間生きてきた」

 こんなにいい映画なのに、上映館が少ないことがとても残念。できるだけたくさ
んの方がご覧になれますように。。

 ( 『孫文の義士団』 監督:陳徳森テディ・チャン/2010・中国、香港/
     主演:甄子丹ドニー・イェン、黎明レオン・ライ、謝霆鋒ニコラス・ツェー

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【2011/05/20 08:46】 | 映画 | トラックバック(25) | コメント(8)
いつかは消えてしまう感情について~『ブルーバレンタイン』
ブルーバレンタイン



 BLUE VALENTINE


 シンディ(ミシェル・ウィリアムズ)ディーン(ライアン・ゴズリング)の夫婦は、
幼い娘フランキーと3人暮らし。夫婦はそれぞれに娘を愛しながら、互いへの
不満
を募らせていた。

 愛し合って結婚したはずの夫婦の心が擦れ違い、どうしようもなく離れてゆく
様を、リアルに描いたドラマ。主演のミシェル・ウィリアムズとライアン・ゴズリン
グは製作総指揮を兼ね、入魂の演技を披露している。ミシェルはアカデミー賞
主演女優賞にノミネートされた。

 これは、、、ドキュメンタリーかと思いました。男女間の、夫婦間の愛というもの
真実(現実)をこれほどリアルに、煌めきも醜さも全てさらけ出して、描き切っ
てしまっていいものでしょうか・・・。手厳しい映画です。情け容赦ない映画です。
そして、悲しいほど儚くも、美しい映画です。それが多分、愛の本質だから。

ブルーバレンタイン2

 私は女だから、どうしても女(シンディ)目線で観てしまう。女は、子どもを産むと
変わる
変わらざるを得ない。夫は、そこでまず戸惑う。

 ディーンは、「女はみんな稼ぎのいい男を選ぶ」とわかっている。しかし、シンディ
と出会い、それを「運命」だと錯覚した彼は、他の男の子どもを身ごもったシンディ
丸ごと受け入れようとする。そして、娘が生まれると、妻も娘も受け入れる。これ
以上ない愛情を注ぐ。しかし仕事はほとんどしない。朝から酒を飲んでいる。

 ディーン、それはアカンよ。あなたそのうちアル中になるよ。

 徹底的にズレているこの夫婦。残念ながら、それは結婚前からわかっていたこと。
勉強熱心なシンディには、向上心のないディーンとの生活は耐え難いものでしょう。
どんなにやさしい夫であっても、酔っぱらって職場に押し掛けてくるなんて言語道
断、問答無用


 しかし、シンディが全く悪くないかと言えば、そうも言い切れない。元彼(娘の遺
伝子的父親!)に会った
、なんて、うれしそうに夫に報告してどういうつもり?
思いやりのカケラもない

 シンディ、それはアカンよ。あの時、ディーンも辛かったんやで。。彼がどんな思
いで、一緒に居ててくれたと思ってんの?

 10歳の頃から母と離れて暮らさざるを得なかったディーンと、抑圧的な父親が
支配する歪んだ家庭に育ったシンディ
幼い娘の身を案じる気持ちは同じでも、二
人の選ぼうとする道は異なる。経済力のあるシンディは自立を、そうでないディー
ンは共存を望むのだけれど・・・。

ブルーバレンタイン3

 素晴らしい映画だと思います。映像、音楽、構成、俳優たちの演技。二人が乗る
バスを遠景で捉えた空にがかかる場面、ディーンの弾き語りに合わせてシンデ
ィが踊るシーンは、最高に美しく心揺さぶられる。しかし、自分にとってはあまりに
リアル過ぎて、「好き」な映画だとは言えない。観る人それぞれの人生を反映した
感想が語られるだろうし、語らずにはいられない映画だと思う。それだけ力のある
作品、作り手の熱意と誠意を感じる作品
であることは間違いない。

----------------------------------

 この映画を観た行き帰り、エターナル・サンシャインサントラをずっと聴い
ていました。互いへの不平不満がわかり過ぎていても、一度は互いの記憶を消
したいと望んだほど憎み合った
としても、それでも互いを選んだジョエルクレメ
ンタイン


 私は、あの二人と、あの映画が大好きです。

 ( 『ブルーバレンタイン』 監督・共同脚本:デレク・シアンフランス
     主演・製作総指揮:ライアン・ゴズリング、ミシェル・ウィリアムズ/2010・USA)

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【2011/05/19 00:00】 | 映画 | トラックバック(26) | コメント(12)
雑多なムラカミ印~『村上春樹 雑文集』
雑文集

 作家デビューの言葉から、2010年エルサレム賞受賞スピーチまで。これまで
単行本に未収録だった短い文章「雑文」村上春樹自身が69篇セレクトし、集め
た本。装画・解説対談安西水丸×和田誠という、ファンにはお馴染みの最強タ
ッグ。

 この本はほとんど発売と同時に購入したのだけれど、正直、読み終えるまでに
すごく時間がかかりました。「村上春樹の書いた文章なら、もう何が何でも読み
たい!」
という私のようなハルキストでさえ。一気読みできるような本ではない、
と個人的には思います。しかし、ファン必携の書であることは間違いないです。
ハルキ・ムラカミのエッセンスがいっぱいですよ。

 まぁ私の場合、音楽、特に村上さんの愛するジャズに関して暗いので、「音楽
について」の章でかなり躓きました。他の章はすらすらと読める文章がほとんど
ですが、寝る前にベッドで2、3節読み進む、という感じが合う本なんじゃないか
な。一日の締めくくりに、お楽しみでね。

 ( 『村上春樹 雑文集』 村上春樹・著/新潮社・2011)

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【2011/05/18 19:41】 | 読書 | トラックバック(0) | コメント(0)
「山の兄ちゃん」 に、感動した!~『岳-ガク-』
岳

 北アルプス山系でテント生活を送る島崎三歩(小栗旬)は、山岳救助ボランティ
。誰よりも山を愛し、山岳救助隊長・野田(佐々木蔵之介)「山そのもの」
まで言わしめる男。新人救助隊員・久美(長澤まさみ)は、そんな三歩に励まされ
ながら成長していくのだったが・・・。

 石塚真一による人気漫画の映画化。例によって原作は未読。何度か劇場予告
を観ても惹かれるものはなかったのだが、小栗旬くんがすごくいい、という評判を
聞いて、ファンとして観に行かないわけにはいきますまい。。初日に鑑賞。いや~、
これは素晴らしい! と言うか、あの劇場予告は残念の一言。この映画の良さが
伝わってないですよ。。一昨年劔岳 点の記という山岳映画があったのは記憶
に新しいけれど、あの作品に負けずとも劣らない良作だと思う(小栗旬ファンの
欲目を差し引いても)。ストーリー展開は無理も無駄もなく、俳優たちの演技も
確かで、山の雄大な風景を写し撮った映像は文句なし! 是非劇場でご覧下さ
。絶対に、絶対に損はさせません。

 「また、山においでよ」

岳2


 日本の登山人口は一千万人超、そして年間の遭難者数二千人を超えてい
るそう。単純に計算しても、一日5人強。ニュースで目にする山岳事故は、氷山
の一角だということがよくわかる。雄大で美しい、しかし突然牙を剥く自然人生
も自然も、苦しいのが半分。楽しいのが半分
。それでも、いつも三歩は笑顔
いる。その背中に、たくさんの悲しみを抱えて

 この映画の主演に小栗旬を推し、彼に三歩というキャラクターを与えてくれた
監督に感謝したい。旬くんって、本当はこういう純粋で真っ直ぐな役がよく似合
う人
だと思う。見かけはダサダサでも、心はキラキラしてる。そんな役が。そう、
小栗旬は決してチャラ男ではないんですよ!

 長澤まさみちゃんもとってもよかった。。スタイルいいですよね~、足、長!
勝手に御三家(長澤まさみ、宮崎あおい、綾瀬はるか)の中では綾瀬はるかが
贔屓な私だけれど、これからは長澤嬢にも注目してみようかな。三歩と久美が
安易な恋愛関係に陥ることなく、山岳救助の厳しさが貫かれているところも、
とっても好感。

岳3

 山岳ボランティアである三歩がどうやって生計を立てているのか、採算を度
外視して救助ヘリを飛ばす牧(渡部篤郎)にどんな過去があるのか。その辺り
のエピソードは、続編でどんどん膨らませられそう。この作品がヒットして、
リーズ
化されたらいいな。コブクロの歌声に、じ~~~ん、としながら、劇場を
後にしたのでした。

 ( 『岳-ガク-』 監督:片山修/原作:石塚真一/2011・日本/
      主演:小栗旬、長澤まさみ、佐々木蔵之介、渡部篤郎、市毛良枝

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【2011/05/17 20:10】 | 映画 | トラックバック(29) | コメント(12)
完璧な答えとは~『GANTZ: PERFECT ANSWER』
GANTZ.jpg

 100点を取り、加藤(松山ケンイチ)を甦らせようと、計(二宮和也)GANTZ
召還されるままに星人との闘いを続けていた。

 二部作で描かれるGANTZ完結篇ダークで謎めいた世界観はそのままに、
物語は衝撃の結末を迎える。

 ★ 徹底的にネタバレします ★

 最後まで観ても、GANTZとは何だったのか、星人とは何だったのか、そんな
疑問に対する明確な「答え」はない。謎は謎のまま計の自己犠牲によって全
ては幕を閉じる。

 話は前篇に戻るけれど、地下鉄のホームで計と加藤が再会した場面で、何
故か違和感があった。ホームに落ちた男性を助けた加藤を引き上げようと、計
は腕を伸ばす。その計の腕を、加藤が「引っ張っている」ように見えたのは私だ
け? この完結篇を観て、あの時の加藤は実は「星人」で、GANTZの元に計を
引きずり込んだのかも、、
などと思ってしまった(違うと思うけど)。

GANTZ2

 前篇では、闘いに目覚める計と、闘いを否定しながらも命を落とす加藤との
対比が描かれていた。一方、完結篇では計と小島多恵(吉高由里子)との恋愛
がストーリーの軸。二宮和也、吉高由里子ともに小柄で、とってもお似合い!
ニノがいい感じなのは前篇でも大絶賛した私だけれど、吉高由里子のかわいら
しさ
には萌えてしまった。顔の造作は正統派美人、というわけではないのだけれ
ど、なんとも言えない雰囲気美人だと思う。「下の名前で呼んで下さい」とか、
初々しい二人の恋愛模様が胸キュンでした。

GANTZ3

 鈴木さん(田口トモロヲ)が、結構見せ場があって意外に大活躍。ニノはやっ
ぱり、演技力あるな~、と感心。あのラストには驚かされたけれど、あれが計
「完璧な答え」なんだな。

 「みなさん お幸せに」 納得。

 ( 『GANTZ: PERFECT ANSWER』 監督:佐藤信介/2011・日本/
      主演:二宮和也、松山ケンイチ、吉高由里子、田口トモロヲ、山田孝之

テーマ:GANTZ - ジャンル:映画

【2011/05/16 00:00】 | 映画 | トラックバック(33) | コメント(0)
記憶と忘却の結晶~『SWITCH STORIES -彼らがいた場所-』
SWITCHSTORIES.jpg

 雑誌『SWITCH』創刊し、2003年まで編集長を務めた著者のインタビュー集
インタビュイーは桑田佳祐、福山雅治、吉田美和ら錚々たる面々。しかし、この
一冊の本を読み終えて感じるのは、インタビュアーである新井敏記自身の、真摯
な人間性
だったりする。
 読み終えて、インタビュイーよりもインタビュアーの方が印象に残る、というのは、
後藤繁雄さんのインタビュー集を読んだときも感じた事。

 「インタビューをすることは本を読むことに似ている。生きることは考えることだ」

 「本当に命かけてるようなインタビュアーに出会ってみたいですね」 浅野忠信

 「言葉は願いだから」 深津絵里

 「死ぬことを描くことで生きるとは何かを描きたい」 井上雄彦

 この本は新聞書評が出てすぐに近場の書店で購入したのだけれど、心斎橋
スタンダード・ブックストアでは『SWITCH』フェアが開催されていて、サイン本
があったのだ(残念!)。カフェコーナーには壁全面『SWITCH』が貼り巡らさ
れていて、それはそれは壮観でした。

 ひとつだけ気になったこと。新井氏によるあとがきの後に、沢木耕太郎「ジ
ャーナリズムの海を泳ぐ」
と題した文章を寄せている。その中に、(笑)という記
号が二度、三度と使われているのだ。

 沢木耕太郎と(笑)、全くミスマッチ! どーしちゃったの、沢木さん?! と
思っていたら、最後に(談)って。。うーん、ちょっと納得行かないなぁ。

 ( 『SWITCH STORIES -彼らがいた場所-』 新井敏記・著/新潮社・2011)

テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

【2011/05/12 00:00】 | 読書 | トラックバック(0) | コメント(0)
最強。~『イップ・マン 序章』
イップ・マン序章


 葉問

 IP MAN


 1930年代広東省佛山の瀟洒な邸宅に暮らす葉問(ドニー・イェン)は、詠春
拳の達人
。弟子は取らず、家族と静かな暮らしを営んでいる。しかし、彼の腕前
を知った武人が手合わせを乞い、自宅を訪れるのだった。

 イップ・マン 葉問前日譚。と言うか、こちらが正篇で、『葉問』続編
どうして2→1なんて順番で公開されたかと言うと、本作の日本軍の描写危惧
されたため、らしいのだが、、全然普通じゃん(唖然)。勿論、非道な軍人も描か
れているにはいるけれど、それはあくまで映画的誇張であって、この程度ならこ
れまで多くの映画で描かれた範疇だと思う。葉問の実力を感じ取り、闘いを挑む
将校・三浦(池内博之)なんて、カッコいいと思えるほど魅力的に描かれていると
思う。う~ん、これはやはり1→2の時系列通りに観たかった! と言うか、順番
通りに公開しなきゃダメでしょう。面白かった~。劇場は男性のおひとり様がほ
とんどで、皆さん謙虚(?)に隅の方の席に座られる。私は女一人、ど真ん中で
ゆったり、観せていただきました♪

イップ・マン序章2

 葉問師匠って、とってもお金持ちだったんだなぁ。向かうところ敵なし、なの
に常にその爪を隠し、謙虚で、礼儀正しく義理堅く、友情に厚くって・・・。
弟子にしてください!

 ドニー・イェン内なる闘魂を長衫の中に隠し、日常の静かな佇まいから一転、
闘いの場においては最強・最速の達人と化す。

 一番好きだったのは、工場の工員たちが詠春拳の修練をする群舞のようなシ
ーン。私も、見よう見まねで手の振り(?)だけ真似しながら観てました。

 しかし気になるのは、王家衛『一代宗師』ですよ。。まだ完成していないので、
カンヌでも上映されないというし。トニーの出演場面は撮り終わっているらしい、
のですが・・・。早く観たいなぁ。 

 ( 『イップ・マン 序章』 監督:ウィルソン・イップ
      主演:ドニー・イェン、サイモン・ヤム、池内博之/2008・香港)

テーマ:☆.。.:*・゚中国・香港・台湾映画゚・*:.。.☆ - ジャンル:映画

【2011/05/11 08:37】 | 映画 | トラックバック(14) | コメント(4)
こいのぼり
こいのぼり

テーマ:今日を大切に・・・ - ジャンル:ブログ

【2011/05/05 22:20】 | 徒然 | コメント(0)
FIRST of MAY
 あっと言う間に4月が終わってしまった・・・。

 「今日は4月13日か・・・」 と思って、その次気が付いたら24日だった(遅過ぎ)。

 時間泥棒??

 映画もあまり観られず、本も進まず、何にもしなかった気がする4月。

 GWが終わったら真面目に映画館通いしようっと!

 観たい映画は目白押しなんだから。


ホットドッグ




 今日はホットドッグ。

 結構ボリュームあります♪



テーマ:今日を大切に・・・ - ジャンル:ブログ

【2011/05/01 10:15】 | パンとか、カフェとか。 | コメント(4)
真紅のthinkingdays


いつまでも青臭い映画好きでいたい。愛おしい映画と、忘れがたき本たち。ときどきカフェとか。 記事は基本的にネタバレあり。 どうぞご贔屓に♪

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