ああ青春~『チャーリー・バートレットの男子トイレ相談室』
チャーリー・バートレット






 CHARLIE BARTLETT


 チャーリー・バートレット(アントン・イェルチン)大邸宅に住み、専属の
リムジン運転手や精神科医
を持つ高校生。彼は私立校で問題を起こして
退学となり、地元の公立校に編入することになる。

 人気者になりたいと願うセレブな高校生が、荒れた公立高校で自らの人生
を模索する青春コメディ。公開時、タイトルから観に行く気も起こらずスルー
していたのだが、アントン・イェルチンくんが大好きなので鑑賞。しかし、この
映画単館とはいえよく劇場公開されたなぁ。。アントンくんは日本ではさほど
知名度があるわけでなし、監督も無名だし、オスカーに絡んだわけでもなし。
と思っていたら、ロバート・ダウニー・Jrがご出演とは。そして配給は、なん
と今は無きワイズポリシー!! そうだったのね~、しくしく。。

 ロバダウの役どころは、チャーリーが通う公立校の校長先生。妻に逃げら
れて酒浸り、今や一人娘のスーザン(カット・デニングス)だけが生き甲斐。
なのに娘は問題児チャーリーと付き合っている! 監視カメラを導入してみ
たものの、学内の治安は一向に好転することもなく、教育委員会からの突き
上げは厳しく、悩んではアルコールに逃避し、、という中間管理職の悲哀
滲むキャラ設定。実生活で麻薬中毒からの大復活を遂げた彼が、「人生や
り直せる、何者にだってなれる」
というメッセージを若い人々に伝えるために、
この(恐らく)低予算コメディ出たんだろうな、としんみり観てしまった。

 しかし、スーザン役のカット・デニングスは唇が赤過ぎ、体つきもボリュー
ムがあり過ぎ
てとてもティーンには見えない。チャーリーをリードする姿は、
ほとんど熟女(爆)、なのだった。その彼女に、喰われてしまうチャーリーよ。。
強く生きていくんだゾ。

チャーリー・バートレット2

 ( 『チャーリー・バートレットの男子トイレ相談室』 2007/USA/
     監督:ジョン・ポール/主演:アントン・イェルチン、ロバート・ダウニー・Jr
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[2010/08/30 22:26] | DVD/WOWOW | トラックバック(4) | コメント(0) |
恐怖のフルコース~『劇場版 怪談レストラン』
怪談レストラン

 闇のギャルソンがお出迎えする、怪談レストランへようこそ--。童心社から
刊行されている人気シリーズ『怪談レストラン』TV放映されていたアニメシリ
ーズが、実写を加えて劇場版として帰ってきました。夏休みも終盤、シネコンは
子ども連れでごった返し、熱気ムンムン。シアターはほぼ満席で、このシリーズ
の人気の高さに改めてビックリ。キャストは以下です。

 闇のギャルソン  西村雅彦・・・白塗り
 エンマ大王     長友光弘(響)
 占いガラス     山根良顕(アンガールズ)
 解剖模型      田中卓志(アンガールズ)
 紫ババア      片桐はいり・・・やっぱり顔が四角い
 おきくちゃん    さくらまや・・・前髪バサリに爆笑

 
 アンガールズの二人が、すっごくはまってました。

 主役のハルを演じたのは、国民的美少女コンテスト優勝者だという工藤綾乃
ちゃん。この子がですね、、個人的には好みじゃなかったですね。国民的美少
女といえば、かの「ゴクミ」後藤久美子とか、宮沢りえだとかを連想してしまう世
代ゆえ、綾乃ちゃんはいかにも「普通の子」に見えて、私にはオーラも魅力も
感じられませんでした。残念!

 でも、劇場内の子どもたちはすっごくウケてたなぁぁ。それでいいんですよね。

怪談レストラン2

 ( 『劇場版 怪談レストラン』 監督:落合正幸/2010・日本/
            主演:工藤綾乃、森崎ウィン、剛力彩芽、冨田佳輔

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[2010/08/28 00:23] | 映画 | トラックバック(6) | コメント(3) |
「ほぼすべての映画」って?
 昨日の新聞に興味深い記事を見つけた。 「高層階に最大級シネコン」

 JR大阪駅北ヤードの再開発区域に建設中の新ビルに、シネコンが入る
らしい。その名も「大阪ステーションシティシネマ」。松竹、TOHOシネマズ、
東映系の三社が共同で運営し、「ほぼすべての映画が上映されるという」

 「ほぼすべての映画」って、どういう意味なんだろう? シネコン系の大手
配給会社の映画のこと? それとも、ガーデンやシネマートでしか上映しな
いような、単館系の映画も上映するのだろうか?

 梅田には既にシネコンもいくつかあるし、ミニシアターもある。観に行く側
としては、改札に直結した映画館ができるのは大歓迎。だけど、あの長い
長い地下道を通って映画を観に行くこともなくなるのかも? と思うと、少し
寂しい気もするのだった。

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[2010/08/27 13:15] | 映画雑談 | トラックバック(0) | コメント(6) |
存在証明~『ふたりの証拠』
ふたりの証拠

 おばあちゃんの家に一人戻ったリュカ(LUCAS)は、茫然自失の日々を過ごし
た後、党書記局のペーテルと知り合う。大晦日の夜、ヤスミーヌと彼女の赤ん坊
を、リュカは家に招き入れる。

 アゴタ・クリストフ悪童日記続編にして、三部作からなる第二作。『悪童日
記』
衝撃を受け、すぐにこの続編も読了してしまった。構成は異なるが、感情
や装飾を排した
、透明な水のような文体は変わらず、人間存在の絶望や葛藤、
悲哀
は重みを増している。そして前作に劣らぬ衝撃の、読む者を混乱に陥れる
ラスト
。凄い小説です。

 冒頭から、少々戸惑ってしまった。何故、あれほど一心同体だった「ぼくら」の
別離
を、誰も訝しがらないのか。どうして、誰よりも聡明なはずのリュカが「白痴」
と呼ばれているのか。謎は謎のままに、リュカはヤスミーヌと、彼女の赤ん坊
ティアス
と暮らし始める。そしてリュカの兄弟の名は、クラウス(CLAUS、LUCAS
のアナグラム)
だと明かされる。

 不具であるマティアスを溺愛するリュカ。リュカに対する激しい愛憎と独占欲
に苛まれるマティアス。彼もまた「書く」ことを始め、本屋のヴィクトール「すべ
ての人間は一冊の本を書くために生まれてきた」
と言い、リュカは夫を亡くした
図書館員のクララを求める。クラウスを永遠に待ち続けながら・・・。

 物凄く飛躍した妄想だと自分でもわかっているのだけれど、この物語を読み
ながら私の頭に浮かんでいたのは、萩尾望都による漫画『ポーの一族』なの
だった。リュカも、クラウスもマティアスもバンパネラではないし、永遠の命
有するわけではない。しかし、私には彼らの関係が、エドガーとメリーベルと
アランの関係
にダブってしまったのだ。彼らの持つ浮世離れした妖気や、
ーロッパの街並みの雰囲気
が、そう感じさせたのだろうけれど。

 「死者はどこにもいなくて、しかもいたるところにいる」 そして、生きている
人たちは帰ってくる。クラウスは帰って来た、そしてリュカは、何処にいる?

 ( 『ふたりの証拠』 アゴタ・クリストフ/著、堀茂樹・訳、早川書房・2001)

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[2010/08/26 20:13] | 読書 | トラックバック(2) | コメント(4) |
ぼくらの作文~『悪童日記』
悪童日記

  <大きな町>から、おばあちゃんの住む<小さな町>の外れの家にやってきた
双子「ぼくら」。厳しい自然、戦争の足音、並外れて不潔で吝嗇で、夫殺しの魔女
と呼ばれるおばあちゃん、そして何より彼らが幼い子どもであること。そんな過酷
な環境下
で、「ぼくら」は如何に学習し、鍛錬し、生き延びたか。著者アゴタ・クリス
トフ
の出生地ハンガリーの現代史を背景に、「恐るべき子どもたち」のサバイバル
が活写される、20世紀の残酷童話

 初版の発行から20年近くが過ぎようとしているこの名作を、初めて読み通した。
日本でも話題のベストセラーとなり、本木雅弘(モックン)がこの本を手に『ダ・ヴィ
ンチ』
誌の表紙に登場したこともあったと(私の記憶が確かならば)思うのだが、何
故か未読のままだった。しかし、思わず「あっ」と声を上げてしまうまさに「衝撃の」
ラスト
まで、引き込まれて夢中で読んでしまった。名前を与えられていない主人公
たち、一切の感情移入、自己投影を許さないソリッドな文体、短編の集積のようで
いて、全体が一つの完璧な世界を形作る構成は、恐るべき処女作としか言いよう
がない。主人公の「ぼくら」の作文として、著者は本作中で以下のように宣言する。

 ぼくらには、きわめて単純なルールがある。作文の内容は真実でなければなら
ない、というルールだ。ぼくらが記述するのは、あるがままの事物、ぼくらが見た
こと、ぼくらが聞いたこと、ぼくらが実行したこと、でなければならない。

 感情を定義する言葉は、非常に漠然としている。その種の言葉の使用は避け、
物象や人間や自分自身の描写、つまり事実の忠実な描写だけにとどめたほうが
よい。


 この無骨にして繊細な「作文」を、「悪童日記」と名付けた翻訳者のセンスも素晴
らしい。誰もが驚愕するであろう最後の一文を読み終えた瞬間、心は続編に飛ん
でいた。

 ( 『悪童日記』 アゴタ・クリストフ/著、堀茂樹・訳、早川書房・1991)

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[2010/08/25 13:06] | 読書 | トラックバック(1) | コメント(4) |
悪徳と知恵~『ワンダーラスト』
ワンダーラスト




 FILTH AND WISDOM


 ご存じクィーン・オブ・ポップ、マドンナの初監督作。めちゃめちゃトンガった
パンクな映画なんじゃないだろーか、という予想は外れ、意外にオーソドック
スな青春映画
でした。

 ロンドンルームシェアしている、AK(アンドレ)、ホリー、ジュリエットの三人
が主人公。ミュージシャンを目指すアンドレは盲目の作家のヘルパーをしなが
ら、SMの調教師として糊口をしのいでいます。バレリーナを目指すホリーは喰
いつめてポールダンサーとなり、アフリカの貧しい子どもたちを助けようという
を持つジュリエットは、インド系英国人が営む薬局で働いています。

 夢を抱いて進路を模索するこの若者三人が、マドンナの分身であることは自明。
ホリーとジュリエットの間には同性愛的感情もほのめかされ、アンドレの口から
は、自ら脚本も担当したマドンナらしい人生哲学も語られます。処女作にはその
作家の全てが現れ
ると言われますが、50代になったマドンナが人生を振り返り、
若い世代にエールを送っているような印象も受けました。

 意外だったのは邦題。てっきり原題まんまのカタカナ邦題かと思ったら、劇中
に登場する小説(アンドレの愛読書、盲目の作家の著作)のタイトルから採って
いるんですね。映像も綺麗で、なかなか好感できる映画でした。AKを演じた
ージン・ハッツ
が、時々オダギリジョーに見えたのはご愛嬌(笑)。

ワンダーラスト2

 ( 『ワンダーラスト』 監督・製作総指揮・脚本:マドンナ/2008・UK/
      主演:ユージン・ハッツ、ホリー・ウェストン、ヴィッキー・マクルア

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[2010/08/24 19:39] | DVD/WOWOW | トラックバック(2) | コメント(0) |
裸一貫!~『フル・モンティ』
フル・モンティ






 THE FULL MONTY


 英国北中部、シェフィールド。かつて鉄鋼業で栄えたこの街は、すっかり寂れ
失業者ばかり。最愛の息子の養育費も払えないガズ(ロバート・カーライル)
は、男性ストリップで稼ごうと画策するのだったが・・・。

 英国産コメディ映画の代表と言っても過言でないこの名作を、今日まで観ず
に生きてきました(懺悔)。公開当時、劇場鑑賞した友人からオススメもされて
いたし、BS放映なりビデオなりDVDなりでいくらでも観る機会はあったはず、
なのに・・・。
 そしてやっとやっと、観ることのできた本作は、本当に素晴らしく面白い作品
でした! いや~、もう、最高。英国アカデミー賞やヨーロッパ映画賞受賞も
納得。これは映画史クラスの名作と言ってもいいでしょう。

フル・モンティ2

 ロバート・カーライル、いいですね。相変わらず神経質な立ち姿と、やさぐれ
がなんとも言えません。一人息子ネイサン(男前♪)に、親心を切々と訴える
シーン
をはじめ、名場面がテンコ盛り。このムショ帰りのダメ男をここまで突き
動かしている全てが、息子への愛っていうのがまた、いいんですよ~。

 不況に伴う失業、離婚、破産、老親の介護などなど、現代日本の諸問題を先
取りして描いているかのようで、13年前の映画ですが古臭さは感じません。英国
映画ではお約束(?)のゲイ愛シーンもあり、想定内ではありますがまさに「これ
しかない!」
であろう、一発勝負のラストシーンには大喝采です。

 ロック・ユー!チーム・ウィリアムの一人だったマーク・アディと、トム・ウィ
ルキンソン
も出ていたんですね。実は今回、最近のヒュー・グラントの演技がトム
・ウィルキンソンのそれに似ている
ことに気付きました(爆)。ヒューも英国を代表
する名優への道をまっしぐら、だといいんですけれど。。

 英国映画っていいな~、と改めて思いました。派手なロケーションもVFXも
ない、狭くて小さな世界を描いているのですが、そこには普遍的な人生の真実
や、がいっぱい詰まっているのですよ。。いい作品は、時代を越えて残るの
ですね。繰り返し観たい傑作だと思います。

フル・モンティ3

 ( 『フル・モンティ』 監督:ピーター・カッタネオ/1997・UK/
          主演:ロバート・カーライル、トム・ウィルキンソン、マーク・アディ

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[2010/08/23 20:11] | DVD/WOWOW | トラックバック(3) | コメント(4) |
聖なるもの/守られたもの~『小さいおうち』
小さいおうち

 昭和5年の春。山形の尋常小学校を卒業したタキは、東京女中奉公に出る。
小説家の「小中先生」のお屋敷に奉公した後、平井家「時子奥様」と過ごした
濃密な日々。戦前・戦中の激動の時代を背景に、市井の人々の暮らしと、東京
の中流家庭
で起こった「ある恋愛事件」が回想される。

 中島京子氏による、第143回直木賞受賞作。タイトルから、バージニア・リー・
バートン
による『ちいさいおうち』が想起されるが、あの名作絵本と本作がどう
関係しているのかは、最終章までのお楽しみ。林真理子ちっくな「家政婦は見
た!」的話
なのかと思いきや、その壮大な仕掛け昭和初期の風俗の見事な
描写には脱帽。お盆休みに読了したのだけれど、読み終わってしばらく、この
物語から現実に戻って来ることができなかった。嗚咽をこらえきれない、心に
残る感動作
です。レトロ切り絵風の装丁も美しい。一読推奨!

ちいさいおうち

 しかしこれは間違いなくドラマか、映画化されるでしょうね。オファー殺到中
でしょうが、時子奥様のキャスティングだけは納得のいくものにしてほしい!
でも正直、今の日本の女優さんの中で誰が適役か、と考えても、なかなか思
いつかないんですけれどもね。。

 タキにとっては、ほとんど人生の全てだったともいえる、平井家での日々。
若く美しい時子奥様と、「そういうことのない」旦那様、奥様の連れ子である恭一
ぼっちゃんと
の暮らし。二間しかない女中部屋を「終の棲家」だと信じていたタキ
は、一体どんな思いで、戦後の長い長い時間を生き抜いたのか。「第三の路」
ゆくしかなかったタキ。彼女を終生さいなんだ後悔、自ら「頭の良い女中」であろ
うとしたあの日の選択、それは愛する人を守ろうという「決意」だったのか、それ
とも・・・。

 答えがないからこそ、余韻のある物語が生まれるのかもしれないですね。

 ( 『小さいおうち』 中島京子・著/文藝春秋・2010)

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[2010/08/22 22:14] | 読書 | トラックバック(5) | コメント(8) |
~ 再開します ~
サンセット1

  関東以北では暑さも幾分やわらいだようですが、関西ではまだまだ酷暑が続い
ています。皆さまいかがお過ごしでしょうか。

 夏休みの間、ブログどうしよう・・・、と考えていました。このままフェイドアウトでも
いいかな、なんて。。でもやはり、今まで通りに続けることにしました。もはや生活
の一部ですし、今辞めるのも悔しいし。

 というわけで、今後ともよろしくお願いします♪

                                    真紅拝

サンセット2

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[2010/08/21 17:14] | 徒然 | コメント(6) |
~ 夏休みに入ります ~
2010夏休み

 残暑お見舞い申し上げます。

 しばらく更新をお休みします。コメントレスやTBのお返し、拍手のお礼なども
遅れますことをお許し下さい。


 ↑画像は最近自宅鑑賞した『魔法遣いに大切なこと』。いいんです、岡田くん
が麗しければ・・・。ちなみに『ハルフウェイ』はまだ観る勇気が出ません。もう少
し気持ちに余裕ができたら、と思っています。

 では皆さま、お元気で、楽しい夏をお過ごし下さいね。
 またお会いできる日を楽しみに・・・。

                                     真紅拝

テーマ:お知らせ - ジャンル:ブログ

[2010/08/11 09:38] | 映画雑談 | コメント(1) |
ブラッディ・アンジー~『ソルト』
ソルト






 SALT


 優秀なCIA分析官イヴリン・ソルト(アンジェリーナ・ジョリー)は、夫のマイ
ク(アウグスト・ディール)
と幸せな結婚生活を送っていた。そんな彼女が、ロシ
アとの二重スパイであるとの嫌疑をかけられてしまう。

 アンジー姐さん主演のアクション映画。いや~、アンジーが血まみれで逃げ
る、飛ぶ、走る殴る撃つ! ストレートで面白かったです。劇場も大入り、アン
ジーって人気あるんですね。

 物語は、イヴが北朝鮮の収容所で拷問されているところから始まります。
「お前はスパイだろう?!」 しかし彼女は夫マイクの尽力によって釈放されま
す。夫に自分がCIA諜報員だと泣きながら告白するイヴ。彼女は知っていた
のでした、秘密を共有してしまうことは、何も知らない一市民である夫を大国
間の諜報戦
に巻き込んでしまうことだと。そしてその不安は的中してしまうの
でした。

ソルト2

 アンジーはほとんどのアクションをスタントなしでこなしたそうですが、特に
凄かったのはハイウェイでのカーアクションジョン・マクレーンばりの不死身
っぷりには、さすがに「あり得ねぇ~」という声が上がっていましたが(笑)。
しかしまぁ、あの折れそうな細い身体のどこから、あれほどのパワーが生まれ
るのでしょうね? ウィンター(リーヴ・シュレイバー)とのファイトは、ほとんど
ガチバトルか、っていうほどの迫力。NATO少佐の扮装は、マイケル・ジャク
ソン+プリンス÷2
、みたいに見えて面白かったけど。

 KGBが大国ロシアの世界制覇を目論む、という冷戦時代の残滓のようなプ
ロットでしたが、男前なアンジーの熱演、アクションだけでも観る価値はあり。
続編への含みを大いに持たせたラスト。不死身のソルトよ、何処へ行く?

ソルト3

 ( 『ソルト』 監督:フィリップ・ノイス/2010・USA/
         主演:アンジェリーナ・ジョリー、リーヴ・シュレイバー

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[2010/08/09 09:46] | 映画 | トラックバック(54) | コメント(4) |
侍パティシエ~『ちょんまげぷりん』
ちょんまげぷりん

 シングルマザーのひろ子(ともさかりえ)は、保育園児の友也を抱え、仕事と
家事・育児の両立
孤軍奮闘の日々。そんなひろ子が出逢ったのは、江戸時
からタイムスリップしてきたお侍さんだった・・・。

 「木島安兵衛、直参でござる」

 文政九年、180年前の江戸からやってきた若侍が、お菓子作りの才能を発揮
して人気パティシエとなる。なんとも奇想天外なプロットだけど、劇場予告の面
白さに惹かれて鑑賞。原作は、荒木源の同名小説。なかなか面白かったでご
ざる


ちょんまげぷりん3

 TVドラマではすっかり人気者の錦戸亮くん、私はドラマはチラ見程度しかし
ないのであまり印象はなかったけれど、なかなかいい役者さんですね。彫り
の深い顔立ち
に、翳りある瞳。異世界に迷い込んだ若者の不安と矜持を、誠
実な演技で見せてくれたと思います。武士の所作も、お菓子作りの手つきも、
なかなかになっていましたよ。映画は初出演・初主演だそうで、ジャニーズ
は、やっぱり人材の宝庫だと再認識です。

 戸惑いながらも安兵衛を受け入れるひろ子の苦悩も、ちゃんと描かれてい
る。目いっぱい仕事がしたいのに、上司に嫌味を言われながら定時で会社を
後にしなければならない。子が熱を出したと言っては呼び出され、お迎えのた
め残業できない故に、仕事は自宅にお持ち帰り。どんな時代になっても、女に
はしなければならない用事が多過ぎる
。離婚の理由があまりにも安直な気も
したけれど、働く母は、本当に大変です。。しかし、この雇用不安の時代に、
社員
であり、尚且つプロジェクトのマネージャーを任されたりもするひろ子は、
とても運がいい(才能ある)女性だとも言える。母と子が暮らすマンションは、な
かなか立派な建物だったし。お布団の周りにプラレールが敷いてあったり、「ポ
ケモン観れなかった~」
と友也が泣くシーン、個人的にあまりにリアルで笑えま
した。

ちょんまげぷりん2

 ケーキコンテストのシーンではちょっと中だるみもあったけれど、時空を超え
た約束
が果たされるラストは、巧くまとめた感じ。そしてこの映画、エンディング
がなんとも豪華なんですよ。NG集のおまけに、流れるテーマ曲は忌野清志郎
『REMENBER YOU』。思わぬプレゼントをいただいた気がしました。

 ( 『ちょんまげぷりん』 監督・脚本:中村義洋
            主演:錦戸亮、ともさかりえ/2010・日本)

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[2010/08/05 00:00] | 映画 | トラックバック(36) | コメント(10) |
ボーイズ・ビー・アンビシャス~『おれのおばさん』
おれのおばさん

 「おれ」高見陽介は、母親の姉の「恵子おばさん」が運営する、札幌児童養護
施設
で暮らしていた。中学受験を経て、東京の名門私立校に通っていた陽介だっ
たが、銀行員の父が横領罪で逮捕されて一家は離散、絶縁状態だった「おばさん」
の元へ預けられたのだった。

 14歳の多感な少年が、わけありの仲間たちと強烈な押し出しの「おばさん」とと
もに暮らしながら、自らの人生を模索してゆく青春小説。こんなにも読後感がよ
く、一気に読ませる「爽やかな」物語は珍しいかも。

 温室育ちの少年が、規格外かつ破天荒でありながらも人間味溢れる「おばさん」
背中を通して、一筋縄ではいかない人間関係や社会性を学んでゆく。「勉強が
できる」
そのことに自らのアイデンティティを見出し、環境が激変しても、勉強する
ことだけは決して手放さない
、陽介の努力に感動する。身を粉にして、身寄りのな
い子どもたちのために献身する「おばさん」の姿にも。ここには、告白ヘヴン
に描かれた陰湿な「14歳」とは真逆の「清々しさ」がある。

 「卓也と並んで恵子おばさんを見つめながら、おれもおばさんのように全力で生
 きたいと思った。どこでなにをするのかはわからない。というか、おれはなんにだ
 ってなれる気がする。きっとおばさんだってそう思って医学部をめざし、役者に
 なって、芝居にのめりこんだのだ。だからおれも自分がこれだと思う仕事に全力
 で取り組んで、その結果どれほどみじめな目にあおうとも、おばさんや卓也に胸
 を張れるだけの生き方をしたい。」


 がんばれ、14歳の子どもたち! 私も彼らを信じ、見守り続ける「おばさん」であ
りたい
な。

 ( 『おれのおばさん』 佐川光晴・著/集英社・2010)

テーマ:紹介したい本 - ジャンル:本・雑誌

[2010/08/04 13:34] | 読書 | トラックバック(1) | コメント(2) |
~ 旬刊小栗 ~
旬刊小栗










  本日発売。


 職場の先輩に 「今日、小栗旬のムック買って帰るんですよ~♪」 って言ったら、

 「いいな~、楽しそうで。。」 と言われてしまった。


 うん、確かに。 楽しいかも。 ムフフ♪

 ( 小栗旬責任編集 「旬刊小栗」 ワニブックス)

テーマ:この本買いました - ジャンル:本・雑誌

[2010/08/03 20:13] | 徒然 | トラックバック(0) | コメント(4) |
夢の途中~『インセプション』
インセプション4



 INCEPTION


 他人の夢に侵入し、アイデアを盗む産業スパイ・ゴブ(レオナルド・ディカプリオ)
彼の元に、サイトーと名乗る男(渡辺謙)が依頼を持ち込む。相棒のアーサー(ジョ
セフ・ゴードン=レヴィット)
らとともにチームを組み、アイデアを盗むのでなく植え
付ける「インセプション」というミッションに挑むゴブだったが・・・。

 ダークナイトでその才能を名実ともに全世界に知らしめたクリストファー・ノー
ラン
の新作は、人間の無意識と「夢」を自在に駆け抜けるサスペンス・アクション。
主演のレオをはじめ、オスカー級の名優、新鋭が勢揃いした大作映画。日本から
渡辺謙が参加している。音楽はTDKに引き続き、ハンス・ジマー

インセプション2

 シャッター・アイランドに続き、レオはサイコな妄想に取り憑かれた男。亡き妻
の幻影
に悩まされ、眉間の縦皺も深く正気を失っていく姿は既視感あり。しかし私
は基本的にレオを応援しているので、「またこういう演技(役柄)か・・・」と思いつつ、
批判する気にはなれないのだった。複雑な内面を持つ役柄に偏っているとはいえ、
彼の作品選びや演技力はやはり、一流だと思っているから。

 ややお久しぶりのキリアン・マーフィ、本当にお久しぶりのトム・ベレンジャー
登場すると途端に画面に風格が加わるマイケル・ケインなどなど、キャスト的には
観応えたっぷりの本作、一番光っていたのはジョセフ・ゴードン=レヴィットでしょ
う。監督が、故ヒース・レジャーに彼が似ていると思っているかはわからないけれ
ど、(500)日のサマーとは真逆な、クールでワイルドな一面を魅せてくれたと
思う。

インセプション5

 夢がいくつもの階層に分かれていて、侵入した者は自ら他の階層に移ることがで
きる。夢の中で死ぬと目覚めるが、「虚無」に落ちると心は戻らず、廃人となる。現実
はもちろん、夢の中でも時間の経過にはずれがあり、数分が何十年に値することさ
えある・・・。冒頭からいきなりの日本語シーンに戸惑い、複雑に枝分かれしたストー
リー
はかなり難解で、「理解」しようとすると楽しめない。途中から私は、無重力だっ
たり、雪山だったりする場面、それぞれを楽しめればそれでいい
と思ってしまい、辻
褄を合せることは放棄してしまった。

 それゆえ、自分がこの映画を果たして「観た」と言い切れるかは自信がないのだ
けれど、観終わって心に残るのは、ゴブとモル(マリオン・コティヤール)との少し、
ねじれた夫婦愛なのだった。美しいマリオンを観れば、エディット・ピアフのシャン
ソンで「キック」するという納得しがたい設定も腑に落ちる。振り向いた子どもたち、
回り続ける駒
。結局のところ、何が現実で何が夢なのか。それは誰にもわからな
い。

 ( 『インセプション』 監督・製作・脚本:クリストファー・ノーラン/2010・USA、UK/
       主演:レオナルド・ディカプリオ、渡辺謙、ジョセフ・ゴードン=レヴィット

テーマ:気になる映画 - ジャンル:映画

[2010/08/02 13:37] | 映画 | トラックバック(88) | コメント(12) |
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いつまでも青臭い映画好きでいたい。愛おしい映画と、忘れがたき本たち。ときどきカフェとか。 記事は基本的にネタバレあり。 どうぞご贔屓に♪

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