仲善きことは美しき哉~『ヴィクトリア女王 世紀の愛』

THE YOUNG VICTORIA
19世紀。英国王ウィリアムの逝去により、ヴィクトリア(エミリー・ブラント)は
18歳にして英国女王に即位する。
「ヴィクトリア朝」という言葉が残る、英国史上最長の在位記録を持つヴィクト
リア女王。その若き日々を描いた歴史劇。幼い頃から、階段も一人で昇り降り
できないほどの厳重な監視の下に育ち、孤独な少女時代を送ったヴィクトリア。
若くして王位に就いた彼女が、内外の政治的権謀にさらされながらも、最良の
パートナーを得て成長してゆく姿を描く。豪華絢爛な衣装、宝飾、歴史的建造
物でのロケーションと、見どころはたっぷり。それにも増して、ヴィクトリアとア
ルバート公(ルパート・フレンド)との、ピュアでドラマチックな夫婦愛にうっとり、
うるうるの作品。脇を支える、英国の名優たちの演技も観逃せない。

ほんの数年前は「悪魔」メリル・ストリープにアゴでこき使われていたのに、母
国の伝説的女王を演じるとは。エミリー・ブラントったら凄い出世! 気丈で強情
で、世間知らずなその若き女王の夫となるアルバート公、ルパート・フレンドが
素敵。キーラ・ナイトレイと長年付き合っている彼はゴシップでは見慣れている
けれど、映画は『プライドと偏見』以来かな? くるりんと巻き毛になる前髪がか
わいい。押し出しは弱いけれど、聡明で視野の広い高潔なアルバートと出逢え
たヴィクトリアは、本当にラッキーだと思う。生死の境を彷徨ったのに、「ヘタな
狙撃手だった」「かばった理由は二つある」なんてセリフ・・・、泣かせる。
アルバートを英国に送り込んだベルギー国王が、トーマス・クレッチマンだっ
たのにはビックリ。。ヴィクトリアのアドバイザー、メルバーン卿がポール・ベタ
ニーであることにもしばらく気付かず・・・。髪型と衣装で、俳優さんも変わりま
すね。特徴あり過ぎのマーク・ストロングだけはすぐわかったけど(笑)。

個性も外見も様々な、英国の歴代女王たち。21世紀の今でも、こうやって映画
として語り継がれるだけの、強烈なキャラクターの持ち主たちだったんだろうな、
と想像する。束縛の中で育ち、自由を知らずに生きる一人の女性が、一国の王
として君臨する重責を思うと胸が痛む。しかし、そんなヴィクトリアが真実の愛を
知っていたことも教えてくれるこの映画に、なんだかほっとするのだった。
(『ヴィクトリア女王 世紀の愛』 監督:ジャン=マルク・ヴァレ/
主演:エミリー・ブラント、ルパート・フレンド/2009・USA、UK)
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虹の架け橋~『海角七号/君想う、国境の南』

海角七號
台北でミュージシャンになる夢に破れた阿嘉(ファン・イーチェン)は、故郷・恒春
に帰郷する。郵便配達の職を得た彼は、「海角七号」という今は存在しない住所
宛の手紙を見つける。それは日本統治時代の終わり、1945年12月に書かれた、
切ないラブレター・・・。
大阪では単館上映でひっそりと公開されている本作は、2008年、台湾で史上
ナンバーワンの大ヒットを記録し、社会現象を巻き起こした作品。長らく待ち望
んで、やっと観ることができた。期待通り、これは台湾から日本への、恩讐を越
えたラブレターなんじゃないかと思わせてくれる、温かくも切ない佳作。監督・脚
本は、これが長編デビュー作だというウェイ・ダーション。

届かなかったラブレター、と聞くと、甘美なラブストーリーを想像してしまう
だろう。しかし、この映画の大筋は、どちらかと言うとコメディ。日本人アーテ
ィスト中孝介(本人役で出演)の前座バンドとして急遽集められた老若男女と、
彼らをまとめるべく奔走する日本人スタッフ友子(田中千絵)との軋轢、阿嘉
と友子の間に芽生えたある感情がメインのストーリー。前半はドタバタといっ
てもいいくらい喜劇調で、海角宛の手紙は一体、どうなってしまうんだ? と
不安になるほど。しかし、即席バンドの面々がなんとも魅力的で、すっかり彼
らの応援モードになってしまった私なのだった。

敬虔なクリスチャンの少女大大、先住民の警察官、名前が何故か商品名のマラ
サン。劇場のロビーにそのマラサン酒が置いてあって、思わず買って帰りそうにな
ってしまう(笑)。勤務先の奥さんに横恋慕しているカエル、阿嘉、そして茂(ボー)
さん! この、80歳になろうとしている自称・人間国宝のおじいさんのキャラが
最高なんですよ。。
この茂じいさんが「童は見ぃたぁり、野中のバ~ラ♪」と歌いながら郵便配達する
冒頭が伏線となって、国境を越えた「音楽」という共通言語が呼び起こす、ラストの
感動。胸が震えます。サントラも、思わず購入しそうになってしまった。上の画像で
は、茂さんが黒縁メガネをかけていないのが本当に残念! 故郷を離れ、異国で
奮闘する友子のキャラクターだけが、あまり好きになれなかったことも。。
戦争は多くの市井の人々に消えない傷と想いを残し、国と国との間にわだかま
りを残す。しかし、雨の後、海峡にかかる虹のように、この映画が台湾と日本との
間に架かる橋のようだと私には思えた。過去の過ちは決して消すことはできない。
けれど、新しく結ばれ、生まれた関係が、輝く未来を担ってくれると信じたい。この
映画が作った奇跡のように。
(『海角七号/君想う、国境の南』 監督・脚本:魏徳聖ウェイ・ダーション/
主演:范逸臣ファン・イーチェン、田中千絵、中孝介/2008・台湾)
幻想館へようこそ~『Dr.パルナサスの鏡』

THE IMAGINARIUM OF DOCTOR PARNASSUS
英国、ロンドン。パルナサス博士(クリストファー・プラマー)が率いる大道芸
一座は、ある夜橋に吊るされた男を救う。男の名はトニー(ヒース・レジャー)。
彼は一座に加わり、「パルナサス博士の幻想館」の一員となるが・・・。
2008年1月、主演俳優ヒース・レジャーの死によってお蔵入り寸前だった
本作は、ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルの三人がヒース
の代役を務めることで完成。監督、製作、脚本を担当したテリー・ギリアム
の作家性が大爆発した、ファンタジーの怪作となってようやく日本公開!
待って、待って、待っていました。
ヒースの演技は当然、申し分なく。。今だに亡くなったことが信じられない
感じ。あまりにも自然に、生き生きと、あの「声」で正体不明の男を演じてい
る。しかし全く感傷的になる暇もなく、摩訶不思議で幻想的な鏡の中の世界
に浸った2時間だった。これは再見確定ですね。

ここは19世紀か?!っていうような、馬車仕立ての見世物小屋が最高!
日本で言うと「さぁ、お立会い~」みたいな口上担当、団員のアントンを演じた
アンドリュー・ガーフィールドがまた、この役にピッタリ! 彼はちょっと「不思
議ちゃん」入ってる容貌(だと私は思う)ので、ギリアム的ファンタジーワール
ドの案内役に巧くハマっていた。ヒースが亡くなったことで、ジョニー、ジュー
ド、コリンの三人に話題が集中してしまっている感があるけど、アンドリューも
重要な役どころ。悪魔役のトム・ウェイツも渋い! 博士の愛娘ヴァレンティナ
を演じたリリー・コールも、映画初出演とは思えない。スタイル良過ぎ・・・。羨。。
ヒースの代役の三人を知った時、「う~ん、微妙・・・」と正直思った。ジョニー
は有名過ぎるし、ジュードもコリンも、ヒースの個性とは程遠い気がして。でも、
それは全くの杞憂だった。驚くべきことに、鏡の中の三人は皆、どことなくヒー
スに似ていたんだから! もちろん、全てのシーンをヒースで観てみたかった、
というのが正直なところだけれど・・・。しかし今は、ただただ三人に感謝したい。

一座に加わったトニーの正体は? ヴァレンティナの運命は、博士の永遠の命
は? 謎めくストーリー、3Dじゃないのに、不思議な奥行きと立体感のある映像
が美しい。仏像や座禅で東洋的な要素も取り入れた、明から暗、高から低へと
自在に変化する鏡の中の世界。煌びやかであり、安っぽくもあるあの空間に、も
っと漂っていたかったな。
「ハッピーエンドなの?」 ありがとうって思ったから、そうなんじゃない?
(『Dr.パルナサスの鏡』 監督・製作・脚本:テリー・ギリアム/
主演:ヒース・レジャー、アンドリュー・ガーフィールド、リリー・コール、
ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレル/2009・英、加、仏)
元祖・不思議ちゃん~『小さいころに置いてきたもの』

小説新潮などに連載されていた、ご存知・黒柳徹子のエッセイをまとめた本。
タイトルの意味は、幼い頃に亡くなった弟さんの記憶のこと。仲睦まじく、かわ
いらしい姉弟の表紙写真が切ない。
黒柳さんと言えば、天然キャラでお茶の間で人気のテレビタレント、というイ
メージが一番だろう。それに加えて長年に渡ってユニセフ親善大使の活動を
され、大ベストセラーになった『窓際のトットちゃん』では文才を発揮された、と
にかく枠にはまらない、異能の人。このエッセイでも、ホロヴィッツからイチロー、
赤塚不二夫まで、様々な分野の人々との交流が描かれている。ご本人は自ら
「分配の女王」とか「クイクイ教の教祖」と名乗っておられるが・・・(笑)。
中でも一番笑ったのは、動物(爬虫類も)と話ができる、というエピソード。
『冬のソナタ』のパチンコの話、鍋嫌いのお母さん(チョっちゃん)の話も爆笑。
先に逝った人々、久世光彦さんや森茉莉さんとの交流話も初めて知った。
巧いとか、読み易い文章とは言い難いけれど、時々こういうエッセイを読む
とホッとする。黒柳さん、ず~っとお元気でいて下さいね。
(『小さいころに置いてきたもの』 黒柳徹子・著/2009・新潮社)
もう、切れそう。~ 映画館にて ~
私は器の小さい人間なのだろうか(多分、いや絶対そうだろう)。しかし今日と
いう今日は堪忍袋の緒が切れた。
シネコンに映画を観に行く場合、大抵全席指定。なので、予めネットで座席
指定してから出かける。しかし、私が手にした指定席に、先客がいることが多
いのはナゼ? しかも、たいがいお年寄り。
「あの、すみません・・・」と声をかけても、「??」という顔をされる方はほと
んどいない。バツの悪そうな顔で「あ、ごめん」 「空いてたから」と言われる。
つまり、確信犯なわけ。席を間違えたんじゃなくて、わかってて座ってる。他人
(つーか、私の!)席に。
「空いてる席に座ってたら、座席指定する意味ないやん?」 と突っ込みを入
れたい気持ちをいつもなら抑えるのだが、今日の爺さんにはムカついた!!
「ふん、しゃーない。我慢するか」 ・・・って、何者~~~?!?!(激怒)
あー、もう気分悪!!! しかしいつも思うんですけど、映画鑑賞のマナー
って若い人より年配の方のほうが悪くないですか? 上映中、携帯鳴らしてる
のって大概年配の方のような気がする。
あれは『ヴィヨンの妻』鑑賞中。お松さんと浅野くんが拘置所で対峙する場面、
「夫に心中された女房は、どうすればいいの?」 お松、迫真の演技。うなだ
れる浅野っち。・・・トゥルルルル~、トゥルルルル~、トゥルルルル~。
あれ、効果音? と思ったら「もしもし。あ、今映画観てんねん」・・・。もう、腹立
つやらあきれるやら笑けてくるやら。。
みんな、「2時間くらい鳴らんやろ」 と思ってるんやろーなぁ。甘いっちゅうねん。
年配のご婦人でしたが。
まぁ、『クリーン』のときみたいに若い人が、、ってこともあるけど。皆さん、お願
いですからマナーは守りましょうね(涙)。
いう今日は堪忍袋の緒が切れた。
シネコンに映画を観に行く場合、大抵全席指定。なので、予めネットで座席
指定してから出かける。しかし、私が手にした指定席に、先客がいることが多
いのはナゼ? しかも、たいがいお年寄り。
「あの、すみません・・・」と声をかけても、「??」という顔をされる方はほと
んどいない。バツの悪そうな顔で「あ、ごめん」 「空いてたから」と言われる。
つまり、確信犯なわけ。席を間違えたんじゃなくて、わかってて座ってる。他人
(つーか、私の!)席に。
「空いてる席に座ってたら、座席指定する意味ないやん?」 と突っ込みを入
れたい気持ちをいつもなら抑えるのだが、今日の爺さんにはムカついた!!
「ふん、しゃーない。我慢するか」 ・・・って、何者~~~?!?!(激怒)
あー、もう気分悪!!! しかしいつも思うんですけど、映画鑑賞のマナー
って若い人より年配の方のほうが悪くないですか? 上映中、携帯鳴らしてる
のって大概年配の方のような気がする。
あれは『ヴィヨンの妻』鑑賞中。お松さんと浅野くんが拘置所で対峙する場面、
「夫に心中された女房は、どうすればいいの?」 お松、迫真の演技。うなだ
れる浅野っち。・・・トゥルルルル~、トゥルルルル~、トゥルルルル~。
あれ、効果音? と思ったら「もしもし。あ、今映画観てんねん」・・・。もう、腹立
つやらあきれるやら笑けてくるやら。。
みんな、「2時間くらい鳴らんやろ」 と思ってるんやろーなぁ。甘いっちゅうねん。
年配のご婦人でしたが。
まぁ、『クリーン』のときみたいに若い人が、、ってこともあるけど。皆さん、お願
いですからマナーは守りましょうね(涙)。
テーマ : 映画を見て、思ったこと
ジャンル : 映画
運命の恋、もしくは幻想~『(500)日のサマー』

(500) DAYS OF SUMMER
グリーティングカード会社で働く草食系男子トム(ジョセフ・ゴードン=レヴィ
ット)は、社長秘書として入社してきたサマー(ズーイー・デシャネル)に一目
惚れ。「彼女こそ、運命の相手だ!」と思い込んでしまうトムだったが・・・。
アメリカで小規模公開ながら大ヒットし、高く評価されたというインディ映画。
幼い日、映画『卒業』を拡大解釈し、運命の恋、運命の人、という共同幻想に
とりつかれてしまった純情青年の悶々(500)デイズが、時制を前後しながら
描かれる。
いや~、期待はしていたけれど、ここまで面白いとは、、もう、最高!!
ストーリー、映像、キャスト、全てがポップでイカしてる。監督は本作が長編
デビュー作となるマーク・ウェブ。グッジョブ!! ツボ!!!

この映画を観た大半の男子(女子も?)は、ヒロイン・サマーを演じたズーイー
・デシャネルの魅力にノックアウトされるんだろうな。誰もが思わず振り返る美女
にして、徹底的なリアリストであるサマー。黒い髪、青く澄んだ瞳。リンゴ・スター
をこよなく愛し、オスカー・ワイルドを読み、コピー室でいきなりキスしてきたかと
思えば、男に媚びることなく「愛してる」とも言わず、曖昧な関係を望むつかみど
ころのない小悪魔。こりゃ、男はひとたまりもないよね(笑)。
そんなサマーに「熱中症」状態のトム。演じるジョセフ・ゴードン=レヴィットく
ん、いいですね~! ぱっと見(体型、雰囲気)はエドワード・ノートンなんだけど、
顔をよくよく見てみればアナタ、ヒース・レジャーじゃないですか!! ベスト姿が
一瞬、オードリー春日に見えたのは私の目の錯覚でしょうね(爆)。なんとも情け
ない役どころを、リアリティたっぷり、お茶目に演じてくれて。ラストシーンのトム
のカメラ目線に、思わずスクリーンに向かい、親指を立てて応えた私なのだった。

男女の関係にレッテルを貼ることを嫌い、恋愛に距離を置くサマー。この人
(トム)とはダメだ、と思ったら即座にバイバイなんて、なんと身勝手な、と思う
人もいるだろう。でも私は、サマーは精神的に自立した女性なんだと思う。誰か
のものになんてなりたくない、自分自身でいたいだけ・・・。こんな風に、なかな
か言えるもんじゃない。そしてそういう人ほど、決める時は早いのだ。
サマーと出会ったことで、トムも自分自身と向き合い、人生をリスタートする
ことができた。新しい恋に落ちたとしても、それでもトムはサマーを忘れること
はないんだろうな。勝手に振り回されて傷ついて、秋になろうが、春が来ようが、
一生引きずるよ、間違いなく。でも、それでもいいと思いませんか?
「愛して愛を失ったのは、全く愛さなかったよりましである」って誰かも言ってた
ような。。
恋に落ちた時の多幸感、全能感を表現した「青い鳥」のシーン、もう、最高に
大好き! こんなに素敵な映画なのに、劇場はガラガラだった、ナゼ? 関西
の映画好きのみなさ~ん、観逃さないでよ~♪
(『(500)日のサマー』 監督:マーク・ウェブ/2009・USA/
主演:ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ズーイー・デシャネル)
ALL is LOVE~『かいじゅうたちのいるところ』

WHERE THE WILD THINGS ARE
両親が離婚し、仕事に恋に忙しい母親に育てられ、年の離れた姉にも相手にし
てもらえない孤独な少年マックス(マックス・レコーズ)。ある夜、感情を爆発させ
てしまったマックスは母親の怒りを買い、家を飛び出す。小舟に乗って彼が辿り
ついた場所は、「かいじゅうたち」のいるところ・・・。
世界的ベストセラー絵本『かいじゅうたちのいるところ』の映画化。監督は、原作
者モーリス・センダック自ら指名したというスパイク・ジョーンズ。原作はとても字
数が少なく、読む者の想像力に委ねられる部分が大きい。この絵本を一体どんな
風に実写映画化したのか、興味津々だった。「かいじゅうたち」には一人一人名前
と個性が与えられ、彼らの「王様」となったマックスに訪れる、幻想的かつワイルド
な冒険物語。音楽も◎。サントラ欲し~い♪ 1,2 Ready Go!

我が子に寂しい思いをさせているのでは・・・、とわかっていながら、子どもに真
正面から向き合えない母親。自分のことのように、今も胸が痛い。いつか太陽は
燃え尽き、地球が滅びるという事実に不安を掻き立てられる繊細さを持ちながら、
暴力衝動を抑えられない少年マックス。感情のコントロールが効かない、この痛々
しい主人公を演じた新人、マックス・レコーズが素晴らしい!! 見開いた瞳の
表情も印象的だけれど、全身でマックスの喜怒哀楽を表現する、その身体能力
に脱帽。全世界から、何千人もの少年が受けたという厳しいオーディションを勝ち
抜いただけのことはある。
マックスが出逢うかいじゅうたち。彼らは着ぐるみで表情だけがCG処理されて
いるらしいが、その声を演じた俳優たちの豪華なこと! エンドロールを観てビ
ックリした。ジェームズ・ガンドルフィーニ(キャロル)、クリス・クーパー(ダグラ
ス)、フォレスト・ウィテカー(アイラ)、ポール・ダノ(アレクサンダー)、などなど・・・。
もっとじっくり、彼らの声に耳を傾ければよかったと思った。

疑似家族のような、かいじゅうたちとの日々。「家族は難しい」という言葉に、マッ
クスの、そして私の心が感応する。ラストシーン、うたた寝をする母(キャサリン・
キーナー)をやさしい表情で見つめる、少しだけ成長したマックス。ただ、私は
原作絵本の終わり方(オチ?)がとっても好きだったので、映画にも生かして欲
しかったな、と少しだけ残念。エンドロールが終わるまで、席を立たずにカレン・
オー(と子どもたち)の歌声に耳を傾ける。いつか必ず、再見したい作品となりま
した。
(『かいじゅうたちのいるところ』 監督・脚本:スパイク・ジョーンズ/
原作・製作:モーリス・センダック/主演:マックス・レコーズ/2009・USA)
テーマ : 特撮・SF・ファンタジー映画
ジャンル : 映画
青春って言える青春~『リテイク・シックスティーン』

地方の進学校に入学した沙織は、ある日友人の孝子から「12年後の未来から
来た」と打ち明けられる。
豊島ミホさんの本を読むのは初めて。各紙誌であまりにも(?)絶賛されている
ので読んでみたのですが・・・。読んで納得、止められない面白さ! ほろ苦い
青春、恥ずかしいくらい純情で真っ直ぐな主人公たち。泣きました。
何と言っても、「王子顔」の村山くんが魅力的過ぎる~~~!!
私、岡田将生くんの顔を当てはめて読んでましたから(爆)。男性視点だったら、
沙織がかわいい~、っていう感想になるのかな? 成績優秀、真面目で見た目
「お嬢」の彼女の一人称で、物語は季節を追いながら進む。
27歳にして無職、引きこもりがちな自分に嫌気がさし、12年前にタイムスリ
ップしてきたという孝子。それなのに、どこか投げやりで逃避癖のある彼女に
少しだけイライラさせられながらも、誰もが自分の高校時代に思いを馳せてし
まうんじゃないかな。超両想いなのに、自分たちの将来と「進学」を第一に考え
る、オクテな沙織と村山くんに萌える。期間限定だからこそ、自由で気ままで、
少しだけ窮屈な学生時代。その渦中で、「今この瞬間だけの幸福の重さ」に気
づくことのできる者は少ないだろう。一度きりの人生、奇跡のような時間。それ
はきっと、私のような大人にとっても同じ重さなんだ。
映画かドラマにして欲しいな~、コレ。久々に、勝手にキャスティングしてし
まいます。
沙織 :井上真央
孝子 :吉高由里子
村山くん :岡田将生
大海くん :濱田岳
泉 :北乃きい
車谷 :杏
油屋 :香椎由宇
(『リテイク・シックスティーン』 豊島ミホ・著/幻冬舎・2009)
新・クイズ王のできるまで~『京大少年』

クイズ番組の回答者の中で、今一番輝いているのが、ご存じ京大法学部卒・
宇治原くん。高学歴お笑いコンビ・ロザンの片割れで、高校時代からの親友、菅
広文が書いた「高性能勉強ロボ」宇治原史規の真実。
実は私、前作『京大芸人』をまだ読めていません・・・。昨年の7月から図書館
で予約しているのだけど、まだ順番が回って来ないんです。おそるべし、宇治原
くん人気。。本作は、出版されるなり即予約。
今や、新・クイズ王と呼ばれる宇治原くん。お正月特番のタイムショック、惜
しかったよね~。。京大の先輩、辰巳琢郎さんが優勝したんだけど。
京大に入るほどの人って、やっぱり小さい頃から賢さが違うんですね。国語
の勉強は新聞を読むだけ、っていうのがすごく印象的。ちなみに宇治原くんは、
今でも新聞は三紙読んでいるらしい。元々の頭の良さ(地頭?)に加えて、努力
するからこそ天才と呼ばれる。宇治原くん(菅くんも)、ずっと応援しているから
ね。早く『京大芸人』が読みた~い!
( 『京大少年』 菅広文・著/講談社・2009)
テーマ : 気になる本をチェック!!
ジャンル : 本・雑誌
I SEE YOU. ~『アバター』#2

3D・字幕版の感想はコチラ⇒。年をまたいで2D・字幕版を鑑賞。
う~ん、これサイコーに面白かった! 3Dメガネのストレスがない分、物語を
存分に堪能できた気がする。映像はもちろん3Dに勝るものではないと思うけれ
ど、それでも並みのアクション、SF映画とはスケールが違う! あっと言う間の
162分、素晴らしい作品です。
この物語が「ありふれた」ものであることに異存はないけれど、脚本がよくでき
ていることに感心(?)してしまう。科学的知識ゼロの文字通り「ジャーヘッド」ジェ
イクが、その「空っぽ」な頭ゆえにナヴィ族に近づき、信頼を得、絆を深めてゆく。
この過程が濃密で分かり易い「成長譚」であるからこそ、私たちはジェイクやネイ
ティリにたやすく感情移入できる。伏線が効いているし、涙が出るほど勧善懲悪
なのも、娯楽映画として潔い。

印象に残ったのは、女性たちの短い言葉。グレース(シガーニー・ウィーヴァー)
のジェイクに対する「ボナペティ」、パイロットのトゥルーディ(ミシェル・ロドリゲス)
が愛機を呼ぶ「マイベイビー」、そして一番好きなのはネイティリ(ゾーイ・サルダ
ナ)の「ジェイク、マイジェイク!!」という必死の呼びかけ(字幕ではMYが省略さ
れていたけれども、所有格なところがミソなのに)。助かるとわかっていても、ネイ
ティリに思いっきり感情移入してしまった私なのだった。
惑星や衛星が浮かぶ、広い、広い空を飛ぶ浮遊感。最後の影に乗り、部族を
まとめる「トルーク・マクト」となるジェイク。彼は予め選ばれた人間ではあるけれ
ども、緑を無くした地球を憂えるタイプの人間ではなかったはず。パンドラの森の
自然、森の神に導かれ、彼は大きな愛に辿り着く。最後に地球人の姿でジェイク
が言う「あなたが見える」という言葉の深さ。
2154年の5月から8月まで、たった三ヶ月間の、長い長いジェイクの旅。「スカ
イピープルは続々とやってくる」という言葉に、続編の含みも感じる。本作は世界
各国、もちろん本国アメリカでも大ヒットしているらしいし、アカデミー賞も期待で
きるかも? ノミニーもまだなのに気が早いけれど、さて、「王の帰還」となります
か。注目ですね。

愛と孤独について~『きれいな水のつめたい流れ つれづれノート17』

「私は一人の男性とまっすぐに向かい合って、心から愛し合ったことがまだない、
と思う。だから、次はそれに挑戦したい」
カバー裏の、この文章にまず驚かされる。毎度お馴染みつれづれノート、ちょ
っとドキドキしながら読み始める。
今回、銀色さんの精神状態はかなりダウナー。「精神的なパートナーが欲しい」
「運命の人に出会えるかな?」 現状から抜け出したい、新しい出逢いが必要だと、
切々と訴えるような言葉が連なる。
つれづれの初期の頃、銀色さんはむーちゃん(カーカのパパ、最初の旦那さん)
のことが大好きなんだな~、って思っていた。でも、結局離婚してしまったし、短
い結婚生活の中でむーちゃんからの愛情はさほど感じることができなかったの
かな、なんて想像してみる。もちろん、さくのパパのいかちんからも。
銀色さんほど精神的に自立して見える人でも、誰かと愛し合いたい、ただ一人
の人と精神的に繋がっていたい、っていう願望は本能的に持っているんだなぁ。。
子どもたちが成長して、自分自身の人生を振り返る余裕ができた証しなのかもし
れないけれど。
今までず~~~っと銀色さんの悩みの種だったカーカとの関係が、今回随分
と修復されているのに安心した。久々に、カーカの写真がたっぷりで楽しめる。
まだ小さいさくちゃんはちょっと不憫だけれど、東京-宮崎と離れている分、とっ
ても強い結びつきの三人だと思う。私も歯の手術は経験があるので、さくの大変
さは身につまされた。
映画の話題も多め。中でも『トワイライト』の大絶賛は悔しい!(観てないから)
斉藤由貴の「銀色さんは私が出逢った人の中で一番不思議な人」発言には笑っ
た・・・。多分、読んだ人全員が「アンタが言うな!」と突っ込みを入れたんじゃない
かな(笑)。そういえば大昔、『徹子の部屋』に出演した斉藤由貴が、銀色さんの話
をしていたのをはっきりと憶えている。「初めてわかり合える人に出逢った」みたい
なことを言っていた気がする、、あと、詩も素晴らしいと。
読みながら、自分はどうして20年近くも銀色さんの本を読み続けているんだろ
う、と考えていた。日々の出来事に挿入される詩が、遠い記憶を呼び覚ますよう
で、懐かしい感触。私はきっと、「詩人」に惹かれるのだろう。川上未映子にしても
そう。いつも何かを考え続けていて、この世の中の森羅万象を言語化してくれる
のが詩人、とよばれる人たち。彼らが紡ぐ考え抜かれた「言葉」を、これからも読
み続けたい。
(『きれいな水のつめたい流れ つれづれノート17』 銀色夏生・著/角川書店・2009)
土に生きる~『牛の鈴音』

OLD PARTNER
韓国の農村。70歳を過ぎた老夫婦と共に農作業に従事する、40歳になる
雌牛がいた。老いて骨と皮になった牛は、余命一年と宣告されるのだが・・・。
韓国で大ヒットしたドキュメンタリー。2010年の始めに、素晴らしい映画を
観ることができた。
映画は、おじいさんとおばあさんが寺院にお参りしているシーンから始まる。
足の不自由なおじいさんが、長い長い階段を上り、手にした鈴の音に耳を澄ま
す。うつろな瞳、土で汚れた指。透明な鈴音だけが鳴り響く・・・。

風に吹かれる木よりも無口なおじいさん、愚痴ばかり言う達者なおばあさん。
「楽させておくれよ」「惨めな人生だよ」 ボヤキまくりで、不平タラタラのおばあ
さんが笑える。でも、おじいさんがかまう老牛に嫉妬する姿は、とってもかわい
い。
(牛のために)農薬もまかず、機械も使わず、土にはいつくばって作業する老
夫婦の姿は、荘厳でさえある。何が起ころうと、毎日毎日土を耕し、手仕事を休
むことはないふたり。夜明けとともに目覚め、日が暮れると眠る。テレビはあって
も観ることもなく、古びたラジオが生活の友だ。ただ淡々と月日は流れ、ここには
韓国特有の「過剰」で「濃厚」な情念は存在しない。
それなのに、おじいさんとおばあさんの牛への愛情は、強く強く伝わって来る。
言葉はなくても、こき使っているように見えても。これが「背中を見せる」という生
き方なのだな、と思う。

牛が逝っても、慟哭はない。しかしおじいさんは牛の鈴を外した時、万感の思
いを込めていたのだと思う。瀕死の歩みで牛が運んだ薪が映されると、泣けて
泣けて仕方なかった。(映画館だから)たくさんの人がいて我慢したけれど、自宅
で観ていたら、声を上げて号泣したかもしれない。牛は土に還り、季節は巡り、
そこにまた花が咲き、新しい命が生まれる。業を背負い、休むこともなく病や老
いを引き受け、無言のうちに「働くことが生きること」なんだと教えてくれたおじい
さん・・・。
参った。絶対、絶対、かなわない。
( 『牛の鈴音』 監督・脚本・編集:イ・チュンニョル)
清志郎は生きている~『ぼくの好きなキヨシロー』

1970年、渋谷のライブハウス<青い森>で出会った忌野清志郎、泉谷しげる、
加奈崎芳太郎。2009年5月、清志郎が亡くなるまで、40年近く続いた彼らの絆
を、泉谷と加奈崎が回想する。タイトルはもちろん、RC初期の名曲『ぼくの好きな
先生』へのオマージュ。
清志郎が亡くなったときの二人の反応は、驚くほど似ている。
「オレだけは絶対に忌野清志郎の死は、認めないから」(泉谷)
「ざけんなー! 俺は受け入れない」(加奈崎)。今も、これからも、偉大な巨人
・忌野清志郎を生かし続けることしか考えない、と叫ぶふたり。
もちろん、清志郎という人間へのまなざしや、音楽性に対する評価は微妙に異
なる。泉谷は清志郎への憧れを、加奈崎は同志的愛情を隠そうともしない。チャ
ボを巡るライバル意識も見え隠れする。それでも、清志郎という唯一無二な存在
への無限大の敬意と思慕が、この本をまっすぐに貫いている。
清志郎の死どころか、病さえも彼らは受け入れられなかったのだと思う。肉体
は滅びても生き続ける、清志郎の真価が問われるのはこれからなのかもしれな
い。
忌野清志郎がどれほど凄いシンガーだったか、私なんぞがガタガタ言えるは
ずもない。この本を読んで肯くしかない。しかしまぁ、このカバー写真、見て下さ
いよ・・・。なんて自由で気ままで、大らかな清志郎の精神性を写し取った写真
なんだろう! このカバーだけで、もう、泣けてくる私なのだった。
(『ぼくの好きなキヨシロー』 泉谷しげる・加奈崎芳太郎・著/WAVE出版・2009)
あなたが見える~『アバター』 【3D・字幕版】

AVATAR
未来。車椅子の元海兵隊員ジェイク・サリー(サム・ワーシントン)は、事故死し
た双子の兄の代わりに惑星パンドラへと向かう。そこはナヴィ族が住む美しい星。
人間とナヴィのDNAによって造られた「アバター」とリンクし、パンドラの森へ足を
踏み入れたジェイクだったが・・・。
「キング・オブ・ザ・ワールド」ジェームズ・キャメロン12年ぶりの新作。3D映画
製作のために、監督自ら3Dカメラを開発し、映像に革命を起こそうとした意欲作。
私は誰が何と言おうと『タイタニック』は傑作だと思っているし、あの映像には度肝
を抜かれた。3D元年と言われている2009年、3D・吹き替え版は何本か体験し
たけれど、この作品だけは3D・字幕で観たかった。自らの世界観を完璧に映像化
しようと、ここまでクレイジーになれるジェームズ・キャメロンに敬意を表するため
に。念願叶って初日に鑑賞。感無量です。

ジェイクのビデオログによると、時代設定は2154年、22世紀の半ば。人類は
地球の緑を破壊し尽くし、遥か彼方の惑星、パンドラの貴重な鉱物資源を狙って
いる。ナヴィに「スパイ」として近づいた主人公が、敵方の「姫」と禁断の恋に落ち
てしまう、という物語設定はオーソドックスなもの。平凡だった男が、愛した女の
ために闘う、というのも「タイタニック」的なロマンスだと思う。一番面白いと思っ
たのは、人間が「アバター」とリンクして、遠隔操作で操る、という設定。「容れ
もの」としてのアバターは意志を持たず、人間の意識=脳がリンクすることに
よって初めて活動することができる。当然、近未来SFであるから突っ込みどこ
ろは多々あるが、下肢の自由を失ったジェイクがアバターという「新しい身体」
を得、意識まで変わってゆく過程がこの映画の骨格。162分という時間の中で、
観る者はジェイクの「心の旅」を体感する。
3D映画はまさに「体感」する映像体験であり、パフォーマンス・キャプチャーに
よって加工された俳優たちの演技は全く違和感がない。パンドラの自然のみな
らず、そこで暮らすナヴィたちの言語や文化、宗教まで徹底的に世界観を構築
した映画的完成度には脱帽。アニメ(『未来少年コナン』とか)で描かれたことが
実写とCGになって帰ってきた、と喜んでみるのもアリかもしれない。

ジェイクのモノローグは、サム・ワーシントンの意外にソフトな低音が耳に
心地よい。チョイ役だと思っていたシガーニー・ウィーヴァーが重要な役どこ
ろだったのもうれしい。『パブリック・エネミーズ』の最後の最後で美味しいとこ
ろを持って行ったスティーヴン・ラングが、今回も狂気じみた演技で印象的。
ジョヴァンニ・リビシの演じた悪役が、あまりにも類型的なことだけはマイナス
だと思うけれど。。。
最後に、3D・字幕版について。とにかく目が疲れる。重くて掛け辛いメガネも、
真剣になんとかして欲しい。字幕版は初めて鑑賞したが、字幕の位置が定ま
らないのは致し方ないのだろうか? 画面中央に字幕が出たのにはビックリ。
これからの映画は3D上映が主流になるのだとしたら、一抹の不安を覚えるの
は私だけ? 取りあえず本作は、2D・字幕版で再見したいと思っている。
(『アバター』 監督・製作・脚本・編集:ジェームズ・キャメロン/
主演:サム・ワーシントン、ゾーイ・サルダナ/2009・USA、UK)
才能とは~『世界クッキー』

川上未映子の育った家には、本が一冊もなかったらしい。彼女の両親が、本
というものを必要としない人たちだったのだという。だから当然、川上未映子は
「絵本に親しむ」だとか「読み聞かせ」だとか、今では当たり前の「幼児教育」と
は無縁に育っている。なのに、彼女のこの語彙の豊富さ、文章の巧みさ!
才能というものは、たとえそれがどんな環境にあっても絶対に埋もれないもの
なんだな、と改めて感じる。
2007年の後半から2009年の半ばまでに、川上未映子が様々な媒体に書いた
散文・エッセイをまとめた本。作家デビューして芥川賞を受賞し、一躍「時の人」
となった彼女。しかし、その思考はどこまでも深く腰が据わっていて、浮ついたと
ころはない。どの箇所を読んでも、きっちりと文が立っていて澱みもなく、誠実さ
を感じる。それは彼女の生い立ち故の「飢餓感」の現れでもあるだろうし、言葉と
いうものへの「畏怖」でもあるのだろう。もちろん、愛情でもある。
2009年は、川上未映子という稀有な才能を「発見」できて、いい年だったな~。
今年は、どんな本に出会えるだろう。ワクワク、ドキド嬉。
(『世界クッキー』 川上未映子・著/文藝春秋・2009)
発表!~ 2009年真紅デミー賞 & 業務連絡 ~

作品賞: 『マイケル・ジャクソンTHIS IS IT』
監督賞: ケニー・オルテガ 『TII』 『HSM』
主演男優賞: ミッキー・ローク 『レスラー』
主演女優賞: ペ・ドゥナ 『空気人形』
助演男優賞: ビル・ナイ 『パイレーツ・ロック』
助演女優賞: ヒアム・アッバス 『扉をたたく人』
ケイト・ウィンスレット 『愛を読むひと』 他
新人賞: 岡田将生 『ホノカアボーイ』 他
アカデミー賞がミッキー・ロークを選ばなかったのは間違いだったと、私は今
でも思っています。
こうしてみると、俳優業もやっぱり肉体労働なんだな、と思いますね。身体性
の高い役者さんしか残れないし、世界では通用しないんだな~、と感じます。
2009年に公開された全ての映画に感謝を込めて、2010年もたくさんの素
晴らしい映画と出会えますように♪
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★☆ 業務連絡 ☆★
おかげさまで5年目に突入した拙ブログです。ここで改めてコメント、TB、リン
クについての方針を書いておきたいと思います。
・基本的にリンクフリーですが、ご一報下さると嬉しいです。ご挨拶に伺います。
・コメントはどの記事に対しても歓迎しますが、管理人の判断で削除させていた
だくこともあります。ご了承下さい。
・TBも同様です。またTBのみでも全く無問題です。歓迎します。
・拙記事へのコメントレスは必ずさせていただきます。
・TBのお返しも必ずさせていただきたいのですが、ココログさん、アメブロさん
など一部の方にはTBが反映されないようです。ごめんなさい。
・リンク集である「My Favorite」を整理しました。ブログを閉鎖された方、休止
状態の方は(泣く泣く)削除させていただきました。
コメントやTBについては、ブロガー(管理人)さんそれぞれに考え方があります
よね。TB飛ばしたら必ずコメントも!っていう方や、コメントのみ、TBのみ受け付
ける方、どちらもナシで記事アップだけされてる方。。私もブログを続ける中で色々
考えることもあるのですが、やっぱりコメントもTBもない記事ってちょっと寂しいな、
と思ってしまうんですよね。でもいただいたコメントへのレスに時間を割いてしまっ
て、記事アップがなかなか出来ない、という贅沢な悩みもあるわけで・・・。今後も
試行錯誤しながら続けていくんだろうな、と思っています。
それから、昨年の暮れ、一ヶ月くらい毎日のように、たくさんの記事に拍手がつ
いていたことがあったんです(一日60拍手とか)。拍手ってどなたがポチして下さ
ったのかわからないんですが、ここでお礼を言わせて下さい。拍手くれる方、ホン
トにありがとうございます! すっごくうれしいんですよ拍手って・・・。今後ともよろ
しくお願いします。
というわけで、今年も 「真紅のthinkingdays」 をどうぞ、ご贔屓に♪
~ 真紅的映画ベスト10+α 2009 ~

2009年、劇場鑑賞した映画は90本、うち邦画は22本。邦画をいっぱい観たな~、
という印象です。自宅でDVDを観ることはほとんどなかった(月1本くらい)ので、
旧作DVDのベストは今回はナシです。タイトルクリックで感想記事に飛びます。
1.マイケル・ジャクソンTHIS IS IT (MJ一色の2009年後半)
2.扉をたたく人 (地味ながら心に沁みる佳作)
3.ミルク (美しき俳優たちの熱演)
4.パイレーツ・ロック (ロックンロールよ永遠なれ)



5.九月に降る風 (君がいた青き永遠)
6.母なる証明 (2009年一番緊張した映画)
7.グラン・トリノ (老兵への挽歌に涙)



8.カールじいさんの空飛ぶ家 (風船! 風船!)
9.チェイサー (鷲掴み映画ナンバーワン)
10.レスラー (背中で語る男道)



次点:ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー、そして、私たちは愛に帰る
続いて邦画ベスト5+αを。
1.女の子ものがたり (ふるさとの友は遠きに在りて)
2.空気人形 (詩情を喚起する傑作)
3.ホノカアボーイ (おいしいごはん、ごちそうさま)
4.ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ (主演の二人に)
5.重力ピエロ (恋が二階から落ちてきた)
次点:僕の初恋をキミに捧ぐ
今年は、もう少し旧作DVDもフォローしたいと思っていますが、さて、どうなり
ますか・・・。
次回、栄えある(?)真紅デミー賞の発表です♪
~ 真紅的本のベスト5+α 2009 ~

毎年のことながら、年内にアップできない総括。今回は読んだ本のベストから
行きます。
2009年に読んだ本は70冊。前年から10冊以上ダウンしてしまいました(泣)。
でも感想は頑張って書いたかな。タイトルクリックで感想記事に飛びます。
1.ヘヴン 【川上未映子】 (文句なしの傑作)


2.1Q84 【村上春樹】 (大ベストセラー、社会現象も納得)
3.この世で一番大事な「カネ」の話 【西原理恵子】 (サイバラ教に入信)
4.君が降る日 【島本理生】 (魂のいちばんおいしいところ)
5.植物図鑑 【有川浩】 (究極のベタ甘ラブ・有川調全開)



次点:きのうの神様 【西川美和】 (映画もいいですが原作はもっといい!)
こうして見ると、女性作家ばっかりですね~(笑)。
2009年は「何がなんでも川上未映子」。『ヘヴン』、素晴らしかった!
『1Q84』はBOOK3が4月刊行決定で、もう今から落ち着かない。そわそわ。
今年もいっぱい、本読むゾ~~!! 目指せ、200記事♪
~ あけましておめでとうございます ~
2010-01-01 :
徒然 :