レッツダンス、ロックンローーール!!~『パイレーツ・ロック』
パイレーツ・ロック



 THE BOAT THAT ROCKED


 1966年、イングランド。世はブリティッシュ・ロック全盛期、しかしBBCラジ
オはロック&ポップを一日45分間のオンエアに制限していた。そこに、公海
上に停泊した船から音楽を流す海賊ラジオ局が現れ・・・。

 リチャード・カーティスによる、実話を基にした痛快音楽群像劇。いや~~、
これは素晴らしい、面白かった! 期待はしていたけれど、全く裏切られず。
この映画を忘れたくなくて、今年初めてサントラ「即買い」してしまった。
 上映が始まってすぐ、この映画をスクリーンで観ている自分は本当に幸せ
だと感じる。間違いなく、今年のベスト作の一本です。超オススメ。

パイレーツ・ロック2

 当時の音楽に詳しいわけがないけれども、耳に馴染むロック・クラシック
数々が心地よい。ワーキング・タイトル印のブリティッシュたちが演じる曲者
揃いの個性派DJ
に交じって、アメリカからのゲストはフィリップ・シーモア・
ホフマン
「伯爵」こと花形DJ、カウントを演じる。

 彼と敵対するも、「痛み分け」後は互いに認め合って友情を結ぶカリスマDJ
ギャヴィン
にはリス・エヴァンス。この「メタボなアメリカン VS. 変なウェール
ズ人」
が、本作のハイライトの一つ。

 高校を退学になり、更生?のためにこの海賊船に送り込まれたカール(トム
・スターリッジ)
。彼の奔放なママエマ・トンプソンだなんて、意外にもハマ
ってる! 純情ボーイ・カールの恋の行方、未だ見ぬ父への想い。じ~んと
来ます。憎まれ役の政府高官、ケネス・ブラナーがヒトラーみたいでホント、
気の毒(巧いけど)。

 そしてそして、海賊ラジオ局のキャプテン・クエンティンビル・ナイ!!
もう~~、素敵♪ グレンチェックのスーツにペイズリー柄のスカーフ、その
佇まいも何とも言えず、おしゃれなんです。。ビル・ナイって、私の理想の人
だわ。。←いつからジジ専になったんだ

パイレーツ・ロック3

 ただ、難点もあり。この映画、長いんですよ・・・。尺は135分なので特別長尺、
というわけでもないのだけど、一度大きなクライマックス(政府の妨害にDJたち
が絶対に屈しないと決意する場面)が来てから、続きがあるので拍子抜けしてし
まう。もちろん、その後も様々なエピソードが続いて決して冗長なわけではない
のだけれど、ちょっとサービス過剰な感が無きにしも非ず。しかし、レズビアンの
フェリシティ(キャサリン・パーキンソン)にまで素敵なロマンスを用意する辺りが、
Love actually is all aroundリチャード・カーティス特有のやさしさなん
だな、と良い方に解釈したいと思う。

 ロックンロールへの大いなるに包まれながら、観終わってしばらく、席を立
ちたくなかった。船は沈んでも、海賊たちは誰も死なない。もちろん、音楽も。

 (『パイレーツ・ロック』 監督・製作総指揮・脚本:リチャード・カーティス
      主演:フィリップ・シーモア・ホフマン、ビル・ナイ、リス・エヴァンス、
           トム・スターリッジ、ケネス・ブラナー
/2009・英、独、米、仏)
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【2009/10/30 00:00】 | 映画 | トラックバック(40) | コメント(14)
おいしい、ありがとう~『食堂かたつむり』
食堂かたつむり

 恋人に裏切られ、何もかも無くしてさえも失った倫子は、10年ぶりに故郷の
へ帰る。

 「たとえ素っ裸にされたとしても、私は料理を作ることならできる」

 草野マサムネが帯の惹句を書いていて、気になっていた本作。柴咲コウ主演
フードコーディネーターは飯島奈美さんで映画化されると知り、読んでみた。
一気に読了。「生きることは食べること」という生命の基本が謳われる、瑞々し
い物語。

 主人公の倫子は、バイト先から帰るとアパートがもぬけの殻になっていた・・・。
こういう話って、本当にあるんですよね。。私の知り合い(具体的に言うと義兄の
幼なじみ)も、全く同じ目に遭っているんです。その人も料理関係の仕事(パティ
シエ)
だから、なんだか似たような話だな~、と思ってしまった。

 倫子の作る料理は、本当に手がかかっていて、心がこもっていて、おいしそ
で・・・。これは映画が楽しみ。でも、不安な部分もある。

 この小説で一番印象的だったのは、倫子が無花果の木の上で髪を切る(そ
してその後ほとんど剃り落としてしまう)場面と、エルメスの「解体」場面。どち
らも演じる役者さんにとっては、かなり勇気の要るシークエンスだと思う。先日
劇場で観た予告篇では、予想通り柴咲コウの髪は長いままだった。

 そして、もっとハードだと思われる「解体」。小説では、作者が実際体験(また
は見学)したことがあるに違いないと思わせるほど、その様子が詳細に描写
されている。映像にするには難しいだろう、しかしこの場面がなければ、小説
の主題である「生命」を敬い、大切にいただくという思想が描けないのではな
いか。

 「私にとって、料理とは祈りそのものだ」 倫子のこの荘厳なまでの「覚悟」
大切に、映画化して欲しいと願う。

 (『食堂かたつむり』 小川糸・著/ポプラ社・2008)

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【2009/10/29 00:00】 | 読書 | トラックバック(2) | コメント(4)
時間飛行~『きみがぼくを見つけた日』
きみがぼくを見つけた日



 THE TIME TRAVELER'S WIFE


 クレア(レイチェル・マクアダムス)が初めてヘンリー(エリック・バナ)に出逢
ったのは、6歳の頃。彼は自ら「タイムトラベラー」だと語り、少女のクレアに忘
れ難い印象を残す。美しく成長したクレアは、ある日ヘンリーに会し・・・。

 時間飛行する男と、彼を愛し、待ち続ける女。時空を超えた純愛物語。全く
知らなかったが、ブラッド・ピットの製作会社プランB製作の作品。ブラッドって
結構、ロマンチストなんですね(笑)。予告を観る限りでは「イマイチかな」と思
いつつ、大好きなレイチェル・マクアダムスに惹かれて鑑賞。しかし。。やっぱ
イマイチでした(残念)。

きみがぼくを見つけた日2

 原作は未読だけれど、設定はかなり強引で説明不足の感あり。6歳の少女が、
何故中年男のヘンリーを生涯愛し続けるほどに惹かれたのか。運命の再会を果
たすまでに、彼らはどれほど会い、何を語り、何を共有したのか。全てがのまま、
クレアとヘンリーは結婚する。

 タイムトラベル後、ヘンリーが全裸、というのもわかるような、わからないような。。
6歳の時、交通事故によって特殊な「能力」を身に付けたヘンリーは、どんな環境
で、何を思い、成長したのか。(当たり前だが)唐突に現れるエリック・バナが、
けているのか若返ったのか
さっぱりわからない(すみません)。「クリス マス商戦」
くらい

 しかし、レイチェル・マクアダムスのなんとも魅力的なこと! 相変わらずの「でこ
っぱち」
、大きな瞳、表情豊かな口元。キュートよねぇ。。演技力も、結構あると思
うのだけど。

 途中まであまり気分は乗らなかったけれど、結局、レイチェルの魅力には抗えず、
ウルウルしてしまった。こんな風に「純粋培養」された恋愛も、いいなぁ~って。
ちょっと切ない、御伽噺

きみがぼくを見つけた日3

 (『きみがぼくを見つけた日』 監督:ロベルト・シュヴェンケ
     主演:レイチェル・マクアダムス、エリック・バナ/2009・USA)

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【2009/10/28 22:46】 | 映画 | トラックバック(39) | コメント(10)
魔女とナイスガイ~『あなたは私の婿になる』
あなたは私の婿になる




 THE PROPOSAL


 NY敏腕編集者として働くカナダ人マーガレット(サンドラ・ブロック)は、
禁止されていた海外渡航と書類不備のため、国外退去を言い渡される。キャ
リアを失いたくないマーガレットは、アシスタントアンドリュー(ライアン・レイ
ノルズ)
偽装結婚を強いるのだが・・・。

 アメリカで大ヒットしたというラブコメ。奴隷のようにコキ使っていた部下は、
実は大金持ちの跡取り息子だった。孤独に生きてきたキャリアウーマンが、
温かい家族と地域社会に触れ、人間的な感情にほだされてゆく。という、ま
さにロマコメの王道を往くストーリー。なんだけど、これがすっごく、面白かっ
た!


 美人だと思ったことがないサンドラ・ブロックだけど、45歳にしてあのスタイ
ルを維持しているのは立派! 才女なのに恋には不器用、って役柄が本当
によく似合う。マーガレット役はジュリア・ロバーツが第一候補だったらしいけ
ど、降りてくれて正解ですね。ゴシップ先行なイメージのライアン・レイノルズ
は初見。実はこの二人、ライアンがカナディアンでサンドラがアメリカン。ライ
アン、まさかスカちゃんと偽装○○、なんてことは、、ないよね(笑)。

あなたは私の婿になる2

 ラブコメのいいところは。。ハッピーエンドを信じていられるから、安心して観ら
れる。良質な作品だと、結末がわかっていてもハラハラドキドキ、ホロリとさせら
れる。深読みや時制の組み換えの必要がないから、疲れない。ヒロインの相手
役は大抵いい男だから、目の保養になる。観終わって、幸せな気分に浸れる。。
この映画は、まさにそんな感じ。

 有能だけど精一杯虚勢を張って、挨拶もロクにしないマーガレットは確かに嫌
な女。でも、アンドリューの本作りへの情熱やセンスは十分わかっている。自分
本位で進めた結婚話だけれど、次第に後ろめたさを抑えられなくなってゆく。。
そんな(自分とは全く違うキャラの)マーガレットに感情移入し、ホロホロと泣い
てしまった私なのだった。

あなたは私の婿になる3

 背が高くて、マッチョなアンドリューも素敵! ライアン・レイノルズ、これから
も活躍してくれるといいな♪ そして一番うれしかったのは、懐かしのメアリー・
スティーンバージェン
が今も変わらず美しかったこと。いい女優さんですよね。

 全体的によくまとまっていたけれど、あの意味不明な「祈祷」のシーンだけは、
ちょっといらないかも?と思ってしまった。あと男性スト○ップも、サービス過剰
ですね。ワラッタケド

 (『あなたは私の婿になる』 監督:アン・フレッチャー
         主演:サンドラ・ブロック、ライアン・レイノルズ/2009・USA)

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【2009/10/23 00:00】 | 映画 | トラックバック(47) | コメント(3)
ラララ科学の子~『ATOM』 【吹き替え版】
アトム



 ASTRO BOY


 未来の地球。ロボットが人間に仕える空中都市メトロシティ。ロボット工学
の大家テンマ博士の息子トビーは、軍事用ロボットの実験中に事故死して
しまう。嘆き悲しんだ博士は、息子そっくりの人型ロボットを完成させるのだ
が・・・。

 日本における「漫画の神様」手塚治虫氏の代表作を、ハリウッドが映画化
したCGアニメ。手塚治虫生誕80年を記念した作品らしい。

 アトムのアニメは観ていないし、思い入れもないが、豪華声優陣に惹かれ
てずっと前から観たかった。しかし、字幕版の上映は日本でたった2館のみ
の上映なんですね・・・。というわけで吹き替え版にて鑑賞。オープンングで
クレジットされるフレディ・ハイモア、ビル・ナイ、シャーリーズ・セロンらの名
前を眺めながら、つくづく残念、と思ってしまった。

アトム2

 父の愛を失い、地上世界で新しい仲間と「自分の居場所」を探して生きようと
するアトム。健気でかわいいんだけど、観ている間中、何故だかずっと違和感
がつきまとう。
 まず、アトムを創ったのは「お茶の水博士」だとばかり思っていたのだけど、
「テンマ博士」なんですね。シラナカッタ
 アトムの声を務めた女優さんは声優経験豊富な方だけれど、普通に男の声
優さんが演じるわけにはいかなかったのだろうか。大人の事情?
 キャラクターの造形はルイスと未来泥棒とか、アイアンマンを思い出さ
せる。そう、これはハリウッド映画なんだな、、って。当たり前なんですけどね。

 私が知っていたのは、谷川俊太郎によるあの有名すぎるテーマソング。あれ
は本当に、世紀の名曲ですね。アメリカでは今週末から公開だとか。私は物語
に入り込めず、イマイチ楽しめなかったのだけど、さて、あちらでは大ヒットする
のでしょうか。。要注目です。

アトム3

 (『ATOM』 監督・脚本:デヴィッド・バワーズ
     原作:手塚治虫『鉄腕アトム』/2009・香港、米、日本)

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【2009/10/22 09:25】 | 映画 | トラックバック(18) | コメント(2)
昭和の女~『ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ』
ヴィヨンの妻

 才能に溢れてはいるが大酒呑みで金にルーズ、女癖も悪い新進作家の大谷
(浅野忠信)
は、馴染みの料理屋から金を盗んでしまう。しっかり者の妻佐知(松
たか子)
は、そんな大谷を庇い、料理屋で働いて借金を返そうとする・・・。

 生誕100年を迎えた昭和の大作家・太宰治の同名小説の映画化。第33回モント
リオール世界映画祭
において、根岸吉太郎監督賞を受賞した話題作。終戦後
の昭和を再現した美術、映像はもちろん、俳優たちの確かな演技が光る力作。ち
なみにフードスタイリスト飯島奈美さん。

 文学少女の通過儀礼的作家・太宰治には、ご多分に漏れず、中高生の頃ハマ
リにハマった。今でも私の本棚には、黒い背表紙の新潮文庫がズラリと並んでい
る。いつか三鷹に行ってお墓参りがしたい、桜桃忌に行けたら一番いい・・・、など
と夢想していたものだが、正直、大人になってからはほとんど読み返すこともなか
った。(それは多分、村上春樹に出逢ったせいだと思うのだけれど)

 不思議と、今まであまり映像化されることのなかった太宰作品。浅野忠信主演
と聞けば、楽しみにしないわけがない! 思い入れが生々しいままでなく、思い
出に変わった今だったから、よかったのかもしれない。期待通りの出来栄えに、
まずは満足。

ヴィヨンの妻2

 太宰自身が投影された大谷を演じた浅野くん、素晴らしかった。「生き写し」
でも言おうか、だらしなくて嫉妬深くて自己中で狼少年で、それでも心惹かれず
にはいられない男、そのもの。「付き合ってくれますか」。あの頬杖は・・・反則
でしょう。

 そんな夫に尽くして、尽くして、裏切られて・・・。それでも離れない妻、佐知
でも彼女はただの、耐え忍ぶ女じゃない。自分という人間の美しさを知り、価値
に気づき、人生を切り開こうとしている強い女。自分に惹かれている若い男、
岡田(妻夫木聡)を拒むこともなく、初恋の男、辻(堤真一)の事務所に、口紅
一つで乗り込んで行く。「お金、無いんです」カワリニワタシヲカッテクダサイ

 互いに引け目を感じ合っている大谷と佐知は、ある意味、似た者同士なのか
もしれない。

ヴィヨンの妻3

 いつもは顔を見るとゲンナリしてしまう広末涼子が、本作ではそれほどに悪く
はなかったかな。あの、最後の勝ち誇った表情・・・。人情に厚い料理屋の夫婦、
室井滋伊武雅刀も「庶民」を体現していた。光石研新井浩文の顔がチラリと
見えたのもうれしい。そして残念ながら、妻夫木聡だけはこの映画の「色」に合
っていない気がした。

 「女には幸せも不幸もありません。男には不幸だけがあるんです」気障なセリ
フの数々は、やはり太宰が天才だったと再認識させてくれる。
憎み切れないロクでなし。しかしそのは、妻にしっかりと握られている。

 (『ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ』 監督:根岸吉太郎/
     主演:松たか子、浅野忠信、妻夫木聡、堤真一/2009・日本)

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【2009/10/18 00:00】 | 映画 | トラックバック(34) | コメント(16)
生命は~『吉野弘 詩集』
吉野弘詩集

 例えば映画空気人形を観たとき

 きっと多くの人が一番感銘を受ける場面

 ペ・ドゥナ演じる「空気人形」のぞみが

 愛する人の「息」で満たされる場面なんだろうと思う。

 しかし私があの映画で一番心揺さぶられたのは

 ペ・ドゥナがたどたどしい日本語で朗読した「生命は」だったりする。

 こんな時は、自分がつくづく「映像的な人間じゃない」

 落ち込んだりもするのだけれど

 吉野弘の詩集を読みたくてたまらなくなる自分を

 無理に抑えようとも思わない

 私に欠けているものは
 
 きっと誰かが埋めてくれる

 (『吉野弘 詩集』 吉野弘・著/ハルキ文庫・1999)

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【2009/10/17 23:15】 | 読書 | トラックバック(0) | コメント(10)
いつか、また会える~『私の中のあなた』
私の中のあなた




 MY SISTER'S KEEPER


 白血病姉ケイトドナーになるべく、遺伝子操作により生まれた「デザイナ
ーズ・ベビー」アナ(アビゲイル・ブレスリン)
。しかし彼女は11歳の夏、臓器提供
を拒否
する、と両親を訴える。

 ジョディ・ピコーによるベストセラー小説の映画化。原作を読もうと試みたことが
あったけれど、挫折して正解だったかもしれない。ケイトとアナの姉妹を、ダコタ
&エル・ファニング姉妹
が演じるとアナウンスされた後、ダコタが髪を剃り落すこ
とを拒否、降板したニュースは記憶に新しい。アナを演じるは天才子役、アビゲ
イル・ブレスリン
キャメロン・ディアスが初めての母親役を、リアルに熱演して
いる。監督ニック・カサヴェテス

 邦題は、原作小説の翻訳タイトルそのままだけれど、とてもいいと思う。微妙
なニュアンス
で、「血の繋がり」=家族、を表現しているようで。

私の中のあなた2

 確実にに向かっている最愛の我が娘。母サラ(キャメロン・ディアス)は娘の
病と闘うことに全身全霊を捧げ、絶対に「死」を受容しようとしない。もちろん、
サラにも娘が不治の病であることはわかっている。きっと誰よりも、わかり過ぎ
るほどわかっている。それでも、諦めることは彼女にはできない、絶対に。何故
なら、彼女は「母親」だから。

 サラを愚かで浅はかな人間だと思う人もいるだろう。しかし、そのことに一番
傷つき、心を痛めているのはサラかもしれない。彼女が怒っているのは、まず
何よりも病そのもの、そして自分自身に対して。それでも彼女は闘うことを止め
られない、何故なら「母親」を降りることはできないから。

 私がもしサラなら、彼女と同じことをしただろう。自分を責めながら、家族に
犠牲を強いながら、自分自身を追い詰めるだろう。この物語は、私には辛過
ぎる、苦し過ぎる・・・。

私の中のあなた3

 厳しい運命に翻弄される家族を包み込むように、この映画に差し込むのの、
なんと柔らかなこと! 彼らが向き合う現実を、少しでも明るく照らそうとするか
のように。「いい人生だった」「最高よ」死は終わりではない、死は「生」の一部
なのだ。ケイトはサラやアナ、家族の記憶の中で生き続ける。いつかまた、巡り
合うその日
まで。

 (『私の中のあなた』 監督・脚本:ニック・カサヴェテス
       主演:キャメロン・ディアス、アビゲイル・ブレスリン/2009・USA)

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【2009/10/16 00:00】 | 映画 | トラックバック(50) | コメント(8)
騙したつもりはない~『クヒオ大佐』
クヒオ大佐

 1990年、第一次湾岸戦争が勃発した頃。エリザベス女王の遠縁にしてアメリカ
空軍パイロット
を名乗る、ジョナサン・エリザベス・クヒオ大佐(堺雅人)は、ある目的
を持って女たちに近づく。女手一つで弁当屋を切り盛りするしのぶ(松雪泰子)、
自然科学館のスタッフ春(満島ひかり)、銀座のナンバーワンホステス・未知子
(中村優子)


 今日本で一番「旬」な俳優の一人、堺雅人主演作。実在の人物・事件を基に
創作された、ある「結婚詐欺師」の物語。 

 「どうせアタシを騙すなら 死ぬまで騙して欲しかった」劇中、このセリフは
                                         登場しません。アシカラズ


 この作品、特に観に行く予定はなかったのだけれど、監督があの痛快作『腑
抜けども、悲しみの愛を見せろ』
吉田大八と知り鑑賞してみる。ちなみに、
『腑抜け~』は吉田監督の長編デビュー作。最高に面白いです、まだの方は
必見!!

クヒオ大佐2

 『腑抜け~』ほどの突き抜け感はなかったけれど、なかなか面白かった。トラウ
マを抱えた孤独な男
が、一生懸命エキセントリックになって「悪いこと」をしようと
企む姿がセコくてかわいい。あの腕立て伏せは、お見事! 堺雅人が役者根性
見せてくれました。

 薄幸美人が板に付いてきた松雪泰子、クヒオ以上の「喰わせモノ」ホステス
中村優子、お綺麗でした。でもやっぱり一番「いい役者やなぁ~」と思わせてくれ
るのは新井浩文ですね。私はこの人の顔(特に目)が怖いのだけど、予告編で
彼が出演しているのを知り、「観てみようかな?」と思ってしまった。画面の隅っこ
にいても、本当に光る俳優さんだと思う。

 ただ、クヒオがしのぶ(や他の女たち)からどれくらいの金額をむしり取ったのか
がよくわからなかったし、そのせいか彼はただの「妄想の権化」にしか見えなかっ
た。「いい人」代表のようなキャラの堺雅人は、そもそも悪人には見えないのだ。

 そしてあの付け鼻(整形?)にあのカタコトしゃべり・・・。どう見ても「Mr.ベー
ター」@松本人志
、なのである。そう言えば松雪泰子の髪型、ベーターまんま
やん・・・。監督、狙ったか?! そして、安藤サクラ。あんた、ほんまにお母さ
んそっくり
やなぁ。。

クヒオ大佐3

 (『クヒオ大佐』 監督・脚本:吉田大八/2009・日本/
      主演:堺雅人、松雪泰子、満島ひかり、中村優子、新井浩文

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【2009/10/15 09:42】 | 映画 | トラックバック(34) | コメント(8)
そもそもはない~『さよなら私』
さよなら私

 映画色即ぜねれいしょんを大変面白く観たのはいいのだけれど、原作者で
あるみうらじゅん氏について、ほとんど無知な自分にある日突然気づいた。知っ
ていることといえば、「マイブーム」の人、というくらい?
 だいたい、あの映画の主人公「純」が、みうら「じゅん」であることにも、かなり
後になって気付く始末。でも「みうらじゅん」って姓・名って感じしないですよね? 
「みうらさん」じゃなくて「みうらじゅんさん」じゃないとダメ!な感じ。わかります?

 この本はそんなみうらじゅん先生の人生指南書。「自分が・・・自分は・・・」と
ガツガツすることはない、そもそも「自分」なんてない。全ては「空」だ、という
「色即是空」的則天去私な一冊。意味不明?

 ボンノウ丸出し、と言いつつも、書かれていることは物凄く悟っているような、
いないような、奇妙な浮遊感が漂う。もちろん、小難しい「人生訓」を垂れるわけ
ではなく、仏像のいらっしゃる奈良への愛、両親(特にオカン)への思いなんかも
綴られ、下ネタを語ってもお下劣にならないところはさすが、京都人!(違うか)。
 プププと笑え、ムムムと考えさせられ、後引くこともなく、それでいて確実に
人生の滋養になってそうな。みうらじゅんが人生の師匠だったら、なんだかもう
少し、に生きられそうな気がしてくるのだった。

 (『さよなら私』 みうらじゅん・著/講談社・2009)

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【2009/10/14 08:38】 | 読書 | トラックバック(0) | コメント(4)
不可思議な関係~『終の住処』
終の住処

 互いに三十歳を過ぎて結婚した、ある夫婦の二十年以上に渡る年月。夫を語
り手に、「夫婦」という摩訶不思議な関係が描かれる。第141回芥川賞受賞作

 超一流企業に勤務するサラリーマン作家の話題の作品、ということで読んでみ
る。描かれている内容も不思議だけれど、この小説そのものが不思議だった。
 全く「面白く」も何ともないのだけど、最初は苦痛に思えた文体に慣れてしまえ
ば、後は何故だかスラスラ読めてしまう。あり得ないほど奇妙な夫婦関係が、
目線
で延々描写される。夫は浮気を繰り返し、妻は11年間も口をきかず、それで
いて「離婚」という選択肢ははなから無い。同じ夫婦を女性(妻)の側から描けば、
全く違う物語になるだろう。しかし、この夫婦に共感できる読者っているのだろう
か? 「事実は小説よりも奇なり」というから、いるんだろうな。。

 「ひとりの、定められた女であればこそ、すべての時間を往き来することができる」

 何というか・・・、「形而下」の物語を(無理矢理)哲学的に描きました、という感じ。
なのに(だから?)芥川賞。。

 うーん、やっぱり不可思議

 (『終の住処』 磯崎憲一郎・著/新潮社・2009)

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【2009/10/11 23:02】 | 読書 | トラックバック(2) | コメント(2)
間に合ってます~『フリーター、家を買う。』
フリーター、家を買う

 新卒で入った会社を三ヶ月で辞めたフリーター武誠治は、ある日母親の様子
がおかしいことに気付く。彼女は重度の鬱病を患っていた。

 人気作家・有川浩さんの新作は、出遅れると予約数が大変なことになり、一体
いつ読めるかわかったもんじゃない。今回は『三匹のおっさん』より先に、こちら
が回って来た。

 文体同様、フットワークが軽い有川さん。携帯小説だった植物図鑑に続き、
本作はWeb連載だったらしい。

 一読すれば、その人気の理由もわかる。とにかくテンポがよく、文句なしに
面白い! ページを開けば、後は止まらぬ一気読み

 ヘタレで甘ちゃんだった主人公が、母親の病気を機に一念発起し、社会人と
して成長してゆく物語。タイトルはフリーター、家を買う。』が正しい。
有川さんお得意の「ベタ甘ラブ」はグっと少なめだけど、ご安心下さい、ちゃん
と出てきます。

 仕事って、お金も条件も大事だけど、結局人間関係なんだよな、って思う。
それから、我慢も大事。言い訳はご法度。「お前がシフト入ってると、みん
な楽しかっただろうなって」
。 こんなこと、言われてみたいなー。

 (『フリーター、家を買う。』 有川浩・著/2009・幻冬舎)

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【2009/10/10 22:52】 | 読書 | トラックバック(5) | コメント(6)
透明な影~『空気人形』
空気人形

 クリスマス間近の東京。ファミレスで働く独り暮らしの秀雄(板尾創路)は、性欲
処理用のラブドール(ペ・ドゥナ)
「のぞみ」と名付けていた。ある朝、のぞみに
が宿り、彼女は街に出てゆく・・・。

 是枝裕和監督が韓国の人気女優、ペ・ドゥナを主演に迎えたラブ・ファンタジー
しかし透明感に溢れた映像と、詩的で寓意に満ちた展開とは裏腹に、物語は衝撃
的な結末
を迎える。

 この映画のプロモーションを観る度、「ずっとオリジナル脚本にこだわって来た
是枝監督」
という惹句が気にかかった。監督のデビュー作幻の光を比較的最近
観て、いたく感動してしまった自分は、あの映画が監督の中で「なかったこと」に
されているのか、と酷く残念に思うのだった。しかし公式サイトの監督インタビュー
によれば、あの映画は「プロデューサーからオファーがあって」撮ったもの、らしい。

空気人形2

 この映画の素晴らしさの第一は、間違いなく主演のペ・ドゥナだろう。人形が
心を持ち、生身の世界に触れ、限りある時間を生きる人間になろうとする過程
を、完璧と思える演技で表現している。

 序盤の、いかにも「人形らしい」歩き方、首の傾げ方。橋の上ののぞみを捉え
ロングショットは、人形を映しているのか、それともペ・ドゥナが立っているの
か一瞬、混乱してしまうほど。ガラス玉のようだった瞳が表情を持ち、風や光や、
土に触れる。何故だか、『あかちゃんのうた』という絵本を思い出す。

 「歳をとらない」ことに価値がある人形から、いつかはに、「燃えないゴミ」とな
る運命を受け入れるのぞみ。たどたどしい言葉も、やがて感情を帯び始める。
そして彼女の潔い脱ぎっぷり! ベッドシーンでさえ白ブラつけているような
ハリウッド女優や、絶対に肌を見せない日本の女優たちは、本作のペ・ドゥナ
を見て、どんな風に感じるんだろう。

 のぞみが出逢う人々--レンタルビデオの店員、オーナー、その客、トウの立
った受付嬢、元代用教員
--みんながみんな、孤独を抱え、空虚な心をごまか
し、なんとか折り合いをつけて生きようとしている。自分を空っぽだと感じることは、
誰かを愛し、愛されている実感を得られない、ということなのだろうか?

 「心を持つことは 切ないことでした」

 ペ・ドゥナ以外のキャストも、皆さすがの名演技。中でも、人形師オダギリジョー
が登場した瞬間、映画の空気が高揚したように思ったのは私だけだろうか。

空気人形3

 生きるということはを引き受けることであり、愛するということは即ち、失う
ということでもある。「息」という言葉は「生き」に繋がる。「生」「性」であり、
それらがどう絡み合い、輪廻し再生産されるかは宇宙の謎だ。秀雄の部屋
にあった、惑星のバルーンプラネタリウム・・・。孤独に生きる彼、そして誰
もが無意識のうちに、その謎を解きたいと願っているのかもしれない。

 吉野弘の詩、「生命は」「I was born」が印象的に使われている。あまり
にも心揺さぶられる詩なので、全文載せてしまいたいくらい。キム・ギドクな
テイスト
を感じた終盤の展開、『さよならみどりちゃん』のユウコのその後、の
ような星野真里がつぶやくラストの一言には、賛否両論あるだろう。しかし私
は、あの言葉をのぞみが「生きた」証しだと捉えたい。

 (『空気人形』 監督・脚本・編集:是枝裕和/原作:業田良家/
           主演:ペ・ドゥナ、ARATA、板尾創路/2009・日本)

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【2009/10/08 18:08】 | 映画 | トラックバック(42) | コメント(20)
おいしい映画たち~『シネマ食堂』
シネマ食堂

 『プール』『めがね』など、数々の映画で料理制作を担当するフードスタイリスト、
飯島奈美
さん。彼女が週刊誌『アエラ』で連載した「シネマ食堂」を元に、新しく
構成されたのが本書。様々な映画に登場する料理シーンを一時停止し、紙上に
再現
した素晴らしい本です! 

 表紙はご存知、かもめ食堂シナモンロール。あの映画を観たとき、映像か
シナモンの香りが漂ってきたような気がしたものです。裏表紙はトンマッコル
へようこそ
空飛ぶポップコーン! こちらも、忘れられない映画です。

 飯島さんはフードスタイリストとして独立後、『かもめ食堂』が初めての映画作品
だったんだそうです。あの映画で小林聡美が演じた主人公・サチエさんの作る料理
の数々の、本当においしそうだったこと! その後のめがねに至っては、観なが
らほとんど怒りが込み上げて来たものです。「食わせろ!!」と(笑)。
最新作南極料理人も、お腹が空いて堪らない映画でした。

 そんな飯島さんのビジュアルは、「ああ、こういう人なんだぁ~」とうれしくなる感じ。
肝っ玉母さん風と言うか、福々しいと言うか・・・。「この人の作る料理は、絶対おい
しいだろうな」
と思える雰囲気なのです。

 紹介された映画の数々は観てきたものが多いのですが、「この映画にこんな料理、
出てきたっけ?」
と思うものもたくさんありました。おいしそうな料理を眺めながら、
大好きな映画たちに思いを馳せる至福のひととき。レシピもわかりやすく、最高に
「おいしい本」だと思います。是非手にとって、ご覧になって下さい。

 (『シネマ食堂』 飯島奈美・著/朝日新聞出版・2009)

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【2009/10/07 09:41】 | 読書 | トラックバック(0) | コメント(6)
すいっち~『しんぼる』
しんぼる

 乾いた大地に舞い上がる砂埃。轟音とともに一台のピックアップ・トラックが
やってくる。ここはメキシコの町。一方、男(松本人志)は目覚めると、真っ白な
に囲まれた部屋にいた・・・。

 お笑い界の「天才」松本人志の監督作第二弾。カラフルなパジャマを着た松
っちゃん
のメディア露出は凄いものがあった。地下鉄の吊り広告にまで登場し
てましたから・・・。大日本人はもう記憶の彼方だけれど、好奇心には抗えず
鑑賞。

しんぼる2

 う~~~ん、これは私はダメでした。93分しかない映画なのに、滅茶苦茶長く
感じてしまった(途中で一瞬、出ようかとさえ思ってしまったほど!)。テレビの
コント
でやるなら面白く観られたかもしれないけど、映画としてはテンポが良く
ない。「しんぼるーむ」でのギャグの数々には結構、笑えたけれど。

 修行して、実践して、未来はどうなる? と思わせておいてジ・エンド、という
オチにもちょっとガッカリ。映像も安っぽい。

 松っちゃんは従来の映画の枠に嵌るつもりも、囚われる気もサラサラないの
はわかる。私は彼のお笑いの才能を信じているし、ホンマに「おもろい奴」だと
思ってる。でも、この作品は「いい映画」「面白い映画」だとは思えない。ごめん
よ。


 これからも彼が映画を撮り続けるなら、「主演」ではなく、一度演じることから
離れてビハインドカメラに徹してみて欲しい。松っちゃんにとっては、自分が演
じるからこそ映画を撮る意味があるのかもしれないけど。

しんぼる3

 (『しんぼる』 監督・企画・脚本・主演:松本人志/2009・日本)

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【2009/10/05 08:25】 | 映画 | トラックバック(16) | コメント(2)
忍びの血~『カムイ外伝』
カムイ外伝

 17世紀の日本。最下層に生まれ、忍びとして生きる少年カムイ(松山ケンイチ)。
成長した彼は自由を渇望し、抜忍(ぬけにん)となる。

 「忍びを抜けるとは死ぬことだ 憶えておけ カムイ」

 一年くらい前から、シネコンに行く度に流れていた予告編。主役・カムイを演
じる松ケンのケガで撮影が中断し、ようやく本編が公開された。脚本にはクドカ
が参加、どんな突飛な時代劇になっているかと思いきや、意外と普通(クドカ
ン色は感じられず)。有名過ぎる伝説的原作漫画は未読、予告篇以上の予備
知識はゼロで鑑賞。しかし冒頭で、原作漫画と思しきイントロダクションが流れ
る。

カムイ外伝2

 に縛られ、殺生することに苦しみ、抜忍したカムイ。しかしそれは果てしな
追忍(ついにん)との闘いであり、自らの内にある猜疑心との闘いでもあった。

 というのが本作の粗筋なのだろうけれど、カムイが何故忍びを抜けようと決意
したのか、どんな葛藤が彼の中でせめぎ合っていたのか
、がほとんど描かれて
いないため、カムイの内面がよく見えてこない。(それは『カムイ伝』で描かれて
いることであって、これは『外伝』ですよ、と言われると返す言葉がないが)

 一番わからなかったのが、カムイのサヤカ(大後寿々花)に対する思い。サヤ
カは、「世話女房」と周囲に冷やかされるほどカムイへの恋心を隠さない。しかし、
カムイの方もサヤカを好きなのか、これが全くわからなかった。日月貝の下りで
そういうことかとわかるのだが・・・。(報道では松ケンと小雪がラブラブだと言
われているので、てっきりカムイはスガルを好きなのだと思い込んでしまった私)
走る松ケンは文句なしでカッコイイ。彼の身体的魅力は、十二分に堪能できる
作品なんじゃないだろうか。

カムイ外伝3

 脇役陣の中では、渡の頭・不動を演じた伊藤英明がよかった!(私は元々彼
のファンなのですが)なかなか迫力あるアクションを難なくこなし、流れ者の長
しての風格みたいなものも感じさせてくれたと思う。反対に、気の毒だったのは
城主さまを演じた佐藤浩市。あの髪型といい、バカ殿にしか見えず(実際そうな
のだが)、ラストの登場も唐突感がアリアリ。大頭と城主の関係を暗示したかっ
たのだろうけれど、不要なシーンだったように思う。

 しかしあまりにも評判が悪過ぎるCGやワイヤーアクションは、個人的には
さほど嫌悪感はなかった。それよりも流血殺生が半端ではなく、サヤカの夢
に出てくる血まみれのカムイは悪夢に出てきそうなほど残酷でショック。映倫
性描写には厳しいけれど、暴力描写に対しては甘過ぎるんじゃないだろう
か?
 せめてPG-12くらいに指定されてもいい映画なんじゃないかな、と思う。
原作は知らないけれど、無理矢理娯楽大作にされてしまったアングラ映画
という印象なのだった。

 ((『カムイ外伝』 監督・脚本:崔洋一/原作:白土三平
      主演:松山ケンイチ、小雪、伊藤英明、小林薫/2009・日本)

テーマ:邦画 - ジャンル:映画

【2009/10/01 19:16】 | 映画 | トラックバック(36) | コメント(6)
真紅のthinkingdays


いつまでも青臭い映画好きでいたい。愛おしい映画と、忘れがたき本たち。ときどきカフェとか。 記事は基本的にネタバレあり。 どうぞご贔屓に♪

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