いつの間にか・・・
岡田将生

 2月って28日までなんですね(今更)。早いなぁ。

 身の回りに急に様々なことが押し寄せて来て、すっかり余裕をなくしています。
家にいても、本を読むこともDVDをじっくり観ることもできず・・・。
おまけに体調を崩してしまい、寝込む始末。でもようやく快方に向かいつつあります。

 アカデミー賞授賞式はまだ観れてないんですが、NHKが毎年放映してくれる総集
を楽しみにしています。
 今年は日本も盛り上がりましたね~。外国語映画賞は初受賞だそうで、モックン
おめでとう♪
 『つみきのいえ』絵本をゲットしています。

 ヒースの受賞もとてもうれしかったけれど、やっぱり悲しさのほうが大きいです。
ヒース、おめでとう。ずーっと、ずーっと大好きだからね。

 トップの画像は岡田将生くん。『ハルフウェイ』観た方いらっしゃいます?
時間が取れれば観たいなぁ。岡田くんだけ観に(笑)。
あと、今週は『オーストラリア』でしょ、心斎橋で『天堂口』でしょ、『ロックンローラ』
は結局DVD待ちだなぁ。

 今が(多分)一番しんどいとき、と思って、ゆっくり、焦らず行きますね。

 はまだかいな~。皆さまもお元気で♪
                                         真紅拝
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[2009/02/28 13:56] | 徒然 | トラックバック(0) | コメント(12) |
母の愛~『チェンジリング』
チェンジリング



 CHANGELING


 1928年、ロサンゼルス。電話局で働き、女手一つで一人息子を育てるクリ
スティン・コリンズ(アンジェリーナ・ジョリー)
。やむを得ず休日出勤した3月
のある土曜日
、彼女の9歳の息子・ウォルター行方不明になる・・・。

 名匠クリント・イーストウッドアンジー主演に迎え、息子を我が手に取り
戻そうと奔走する母の強さ、美しさ
を描いた、実話に基づく社会派ドラマイー
ストウッド78歳
、ますます冴え渡る映画屋としての、もう脱帽です。素晴ら
しい映画
でした。
 イーストウッドってバリバリの共和党支持者だし、マッチョなイメージがある
けど、こんなにもフェミニストだったとは・・・。「女」が持つ弱さ、粘り強さ、母性、
勇気
。その全てに、彼が最大限の敬意を払っているのがよくわかる。アンジー
も、自身の母としての立場リンクせざるを得ない、精神的に辛かったであろう
役柄
を演じ切っていて見事! 拍手喝采です。

チェンジリング2

 この映画は実話だと最初にクレジットされる。本当に、こんなにも残酷惨い
こと
が起こったのかと背筋が凍る思い。少年の誘拐・監禁事件はもちろん、ロス
市警
によるずさんな捜査違法な取り締まりには怒り心頭「失うものはもう何も
ない」
と微笑んで、警察と対峙するクリスティンの強靭な精神力・・・。そして彼女
「戦い方」「戦う大義」を授けたコールガール、キャロルを演じたエイミー・ラ
イアン
がまた、素晴らしいの! 女だって時には、身体を張って生きるんだ。言
うべき時には言うべき言葉がある!
 精神病院を出るキャロルとクリスティンが
無言で相手を見とめ、言葉も抱擁もなく別れる場面感動的。生きる場所や暮
らす環境が違う二人は、二度と会うことはないだろう。けれど、かけがえのない
「同志」
なのだ。エイミー・ライアンって本当に、いい女優さんだと思う。得難い

チェンジリング3

 卵型の帽子グローブ、スレンダーなラインのワンピースヒールという、ア
ンジーの「モガ」ファッション素敵1920年代のロスには市電が走っていたと
いうのも面白いし、ラジオの前に椅子を出して聴き入る姿も興味深かった。
 そしてこの映画は、過去の様々な作品を想起させる映画でもあった。精神科
病棟
を描き、アンジーにオスカーをもたらした『17歳のカルテ』、『カッコーの巣
の上で』
死刑執行を描いた『デッドマン・ウォーキング』カポーティ、数々
法廷劇。。そして1935年のアカデミー作品賞受賞作『或る夜の出来事』
看板がスクリーンに登場する。しかしだからと言って散漫な印象を受けたわ
けではなく、2時間22分の長尺を、緊張感を途切れさせずに引っ張る演出はさ
すが


 観る者を煽ることなく、しかし静かに確実に心に沁み込んでくる、イーストウ
ッド自身によるスコア
。ああ、早く『グラン・トリノ』観たい、観たい!!

 (『チェンジリング』監督・製作・音楽:クリント・イーストウッド
   主演:アンジェリーナ・ジョリー、ジョン・マルコヴィッチ/2008・USA)

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[2009/02/20 22:36] | 映画 | トラックバック(51) | コメント(22) |
慈雨の言葉~『一日一生』
一日一生

 現代の「生き仏」と称される酒井雄哉・大阿闍梨(だいあじゃり)を知っています
か?

 1、2年前、新聞酒井雄哉師についての記事が連載されました(関西版だけ
かもしれません)。大阿闍梨とは、天台宗の総本山・比叡山において約7年かけ、
約4万キロ(地球一周分!)歩くなどの荒行「千日回峰行」満行した者にのみ
与えられる尊称で、記録が残る約400年の歴史上、二度満行した者は3人しか
いない
そうです。しかも、酒井師は最高齢での満行者だそう。

「千日回峰行」がいかに壮絶な荒行か。ここでは詳しくは書きませんが、想像を
絶する
、まさしく「人間離れ」したです。しかもそれを連続して二度(80年、87
年)
もやり遂げた方だなんて、どんなにか恐れ多く、神々しい方だろうと思いませ
んか? しかし、酒井師は拍子抜けするほどフランクで、やさしそうなお方なので
す。

 新聞連載の中で、こんな質問がありました。「歩いている間、何を考えているの
ですか?」
。師は応えます。「今日は阪神勝ったかなとか、そんなこと考えながら
歩いてるんだよ」
。私はこの一言で、師が大好きになりました(笑)。今でも、あの
連載どうして切り取っておかなかったんだろう、、と後悔しています。でも、この本
でまた師の言葉に出会えたからよかった。阪神のことは書いてなかったけどね。

 いつかどこかで、師にお会いしたいなー、と思っています。何かを話したいとか、
相談したいと思っているわけではないんです。ただ、お顔を見てみたい。そのとき
はきっと、自然に掌を合わせているのだろうと思います。

一日一生2

 (『一日一生』酒井雄哉・著/2008・朝日新聞出版)

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[2009/02/19 21:29] | 読書 | トラックバック(0) | コメント(6) |
卒業おめでとう!~『ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー』
ハイスクール・ミュージカル



 HIGH SCHOOL MUSICAL 3: SENIOR YEAR


 卒業を間近に控えたイースト高校の3年生たちが、恋と進路に悩みながらも有終
の美
を迎えるミュージカル。アメリカのCATV(ディズニー・チャンネル)大人気
博したシリーズ第三弾にして最終章劇場公開映画

 舞台はニューメキシコ州アルバカーキバスケットボール部主将トロイ(ザック
・エフロン)
は、地元の大学から奨学生として誘われていた。しかし、彼はスタン
フォード大
に進学するガールフレンドのガブリエラ(ヴァネッサ・ハジェンズ)のこと
気がかり。そんな時、トロイはニューヨークジュリアード音楽院奨学生となる
チャンスを得るが・・・。

 いや~、この映画子ども向けなんですか? オバサン全然楽しめましたけど、何
か?(笑)
 実は私、ザック・エフロン大好きなんです(照)。。アイドル好きなんですヨ

ハイスクール・ミュージカル2

 一曲目の「Now Or Never」からもう、心奪われました。♪Sixteen, Sixteen...
っていうあのリフレインが堪りません! トロイ~、ザック~、ワイルドキャッツ
最高!!
 もう、気分はチアリーダーよ(爆)。もちろん「The Boys Are Back」
も大好き☆ サントラ欲しい♪

 「卒業」って、やっぱり切ないよね・・・。ステディな彼氏や彼女がいたら尚更。
チャド(コービン・ブルー)が言うように「卒業したら大抵は別れるさ」っていうのも
事実だけど、いや、私たちだけは違う!絶対離れない!!って、思いたいよねぇ。。

 親友が望むように、バスケを続けて地元の大学に進むのか。彼女をとる
のか。それとも演劇の道模索するのか・・・。トロイの選択ラストのお楽しみ。
でも私は、このエンディング好きだなぁ~

 実はTV映画だった1、2ともに未見。何の予備知識もなく観たのだけど、お話は
ちゃんとわかりましたよ。バスケ部のコーチがトロイのお父さんだとか、シャーペ
イとライアンが双子
だとか、そういう設定はもちろんシリーズを観ていたほうがス
っと入れると思うけど、観てなくても何の問題もありません。ただ、「思い入れ」
あっただろうな~、シリーズ観てたら・・・。キャストも本当に雰囲気がよくて、皆
演技というよりは実際に笑っていたり、肩を組んでいる感じ

ハイスクール・ミュージカル3

 ザックと実生活でもカップルというヴァネッサ・ハジェンズは、黒い髪
黒い瞳、浅黒い肌の持ち主でなんとも個性的むちむちの肢体がもう、若~い!
という感じ。ザック「普通の男の子」と言われればそうなのだけど、まだ21歳
ハリウッドで大成するか、否か?! 見届けたいと思います。

 (『ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー』
       監督・製作総指揮・振付:ケニー・オルテガ
            主演:ザック・エフロン、ヴァネッサ・ハジェンズ/2008・USA)

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[2009/02/14 17:31] | 映画 | トラックバック(20) | コメント(16) |
蝶を追う~『悲夢』
悲夢




 SAD DREAM


 別れた恋人の車を追って交通事故を起こすを見た男ジン(オダギリジョー)は、
その夢の余りにリアルな感触不吉な予感を憶える。事故は実際に起こっていた
が、車を運転していたのはジンの見知らぬ女、ラン(イ・ナヨン)だった・・・。

 韓国映画界の鬼才、キム・ギドクの記念すべき15番目の作品(ギドクの映画は、
エンドロールかラストに「キム・ギドク○番目の作品」とクレジットされるので要チェ
ック)。前作ブレスが私的には「ムムム?」な出来だったのだが、今回は我らが
オダギリジョー主演に迎えていることで、随分前から楽しみに公開を待っていた。
相変わらず過激なギドク節が満載の本作。監督の映画魂に呼応するかのように、
オダギリジョーも思い切った演技を見せてくれている。ギドクの「胡蝶の夢」、もしく
「夢分析」。

「何処へ行っていたんですか?」 「蝶を追っていたの」

悲夢2

 別れた恋人を忘れられない男と、別れた恋人を憎む女夢で繋がる二人の意識
が、面識のない彼らを結びつける。恋人が二人に残したは深く、無意識の中で
彼らを操ろうとする。光と影のように、白と黒の衣装を纏い、彼らは「二人で一つ」 
存在に変わってゆく。ランを演じたイ・ナヨンは初めて見た女優さん。のような
漆黒の髪が印象的。意志的な表情は観ようによっては猟奇的でもある。
『ブレス』歌姫パク・チアは、チャン・チェンくんに続いて今回オダギリジョーとも
あんなことを・・・。ゆ、許せん。。

 を彫るジンの仕事場には掌の形のオブジェが置かれ、絶対の愛彫刻の
を思い出した。韓国の伝統家屋寺院の映像も美しい。曼荼羅が描かれた壁
積み石が暗示的。寝具に使われた水色は、現から夢、生から死へと誘う
よう・・・。

悲夢3

 オダギリジョーは全編日本語のセリフで通すが、韓国語をしゃべる他の演者と
何の問題もなくコミュニュケーションがなされてゆく。導入部では強烈だった
違和感は次第に薄れてゆくのだが、オダギリジョーのセリフが全体的に過剰で、
説明的
だったのが少し残念。そしてセリフが多いためかクローズアップの切り返
が多く、落ち着きのない画になってしまっている気がする。問答無用の力技
ストーリーを収束させるのがギドクの真骨頂なのだから、長回しでじっくり撮って
みて欲しいと思ったり。

 被虐と加虐紙一重で、現実と夢、真実と妄想境界を曖昧にするギドク。
彼にはこれからも、もっともっと過激に自由に飛んで、大いに私たちの度肝を抜
いて欲しい


 (『悲夢』監督・脚本:キム・ギドク
              主演:オダギリジョー、イ・ナヨン/2008・韓国)

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[2009/02/13 15:18] | 映画 | トラックバック(14) | コメント(12) |
永遠と一日~『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』
ベンジャミン・バトン



 THE CURIOUS CASE OF BENJAMIN BUTTON


 第一次世界大戦終結の夜、80代の肉体を持って生まれたベンジャミン・バトン
(ブラッド・ピット)。
成長するにつれて若返ってゆく彼が辿った「数奇な」人生を、
アメリカの現代史を織り込みながら描くドラマ。監督は、ブラピと三度目のタッグ
を組むデヴィッド・フィンチャー。共演はバベルでも夫婦役を演じたケイト・ブラ
ンシェット
と、ティルダ・スウィントンという両オスカー女優ブラピとアンジーの
愛娘シャイロ
ワンシーンに出演していることでも話題の本作は、アカデミー賞
にも13部門でノミネートされている。シネコンのタイムスケジュールは3時間
いう長尺。何度も書いていますが、長い映画は大好物です(笑)。

ベンジャミン・バトン2

 ハリケーンが近づくある日、瀕死の老女が病院のベッドに横たわっている。彼女
をベッドサイドに呼び、古い日記朗読するように言う・・・。

 幼い日、ベンジャミンと出逢い、人生を共にしたデイジー(ケイト・ブランシェット)
過去を回想する形を取りながら、物語は動いてゆく。主人公はあくまでベンジャ
ミン
だけれど、私は同性であるデイジーに感情移入しながら映画を観ていた。

 どんなに離れていても、夜眠りにつく前には必ず思い出す名前。その人と人生
交錯するのはほんの一瞬で、自分が年老いてゆくに従い、相手は若返ってゆ
く・・・
スコット・フィッツジェラルドの短編を原作とするこの物語は、なんと悲しく
残酷
なのだろうと思う。「かわいそうに、あなたは多くの死を見るでしょう」。

 誰もが「死」という終着点に向かう定めと知りながら、出逢い、愛し合い、共に
寄り添って生きたいと願う
はず。しかし、ベンジャミンとデイジーに与えられた
時間は、あまりに短いものだった。若く美しいダンサーだったデイジーが、背中
に贅肉がついた中年女性
になっていたとき、ベンジャミン輝くばかりに美しい
青年
「成長」している。何とも痛々しく、悲しすぎる場面。。本作では、ケイトの
演技
が全く評価されていないようなのが不思議。20代前半から臨終までを演じ
切った彼女は最高に美しかった初老の場面では、キャサリン・ヘップバーン
っくりに見えて驚く。そして逆に、ブラピのオスカーノミネートには疑問を感じる。
彼の若々しい姿には、十分ときめいたけれど・・・。レオのほうがいい演技だったような?

ベンジャミン・バトン3

 肉体老い、やがてに至る。しかしベンジャミンとデイジーの間にあった
の交流
永遠であると信じたい。海に出る男たちに対し、家を守り、帰ってきた
者を温かく迎える女たちの包容力も印象的だった。特に、ベンジャミンの育ての
母、クイニー(タラジ・P・ヘンソン)
敬虔さ献身的な愛情には頭が下がる思い。
「私は何もしていない」とつぶやくティルダ・スウィントンでさえ、最後にサプライズ
をくれる。

 近頃、つくづく思う。老いて「お迎え」が来てこの世を去る時には、宝石もお金も
持っては行けない
のだと。肉体は衰えるばかりだから、結局最後に残るのは自分
精神性だけ。だからなるべくたくさんの本を読んで、映画を観て人と話して、心
にたくさんの引き出しを作りたい
。心だけは、最後まで自分のものだと思うから。

 (『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』監督:デヴィッド・フィンチャー
          主演:ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット/2008・USA)

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[2009/02/12 17:59] | 映画 | トラックバック(43) | コメント(12) |
思索の深い森~『第3の人生の始まり つれづれノート15』
第3の人生の始まり

 昨年のクリスマス発売となった、銀色夏生のつれづれノートシリーズ最新刊
前回の終息宣言は本当に残念だったけれど、遂に完全復活待ちわびたファン
多いと思う。かく言う私も、発売日書店へダッシュしてGET。読み終わったの
は一ヵ月後だったけど・・・。
 緑溢れる宮崎の一戸建てから、東京のド真ん中(港区、最寄り駅は表参道!)
マンションへ。銀色さん、カーカ、さくちゃん親子三人が、新しい一歩を踏み
出した。

 つれづれ休止中の銀色さんは、自分の考えを文章にして発表することが増え
たと思う。この15にもその傾向が強く、長文はちょっと説教臭くて斜め読み。しか
し、高校受験ってあんなに勉強しなくても大丈夫なものなんですね。。ある意味、
衝撃だった。15歳で門限が11時っていうのも。。ソンナンデイイノカシラ
 引越しや、自分の写真が作品に使われることに、泣きながらも健気に耐えてる
さくちゃん
いい子だなぁって思う、いつも・・・。そして、やよいちゃんの消息がわ
かったのが今回一番うれしかった。つれづれに登場する銀色さんの友人では、
やよいちゃんが一番好きなキャラだったから。食べ妖会、私も入りたい!

「ますます深く心の森に分け入ります」 う~ん、深くてもなるべく「詩人」らしい、
簡潔な文章を希望します(笑)。このシリーズ、長く読み続けた人はもう銀色さ
んの大きな家族って感じじゃないだろうか。16が出ても、また買ってしまうんだ
ろうなぁ。。発売日に。ダッシュで

 (『第3の人生の始まり つれづれノート15』銀色夏生・著/2008・角川文庫)

テーマ:エッセイ/随筆 - ジャンル:本・雑誌

[2009/02/11 15:10] | 読書 | トラックバック(0) | コメント(4) |
目には見えないもの~『永遠のこどもたち』
永遠のこどもたち



 EL ORFANATO


 孤児院で育ったラウラ(ベレン・ルエダ)は、自らも孤児院を開こうと閉鎖されて
いた海辺の屋敷に戻ってくる。誰もいないはずの室内で、彼女の一人息子シモン
「お友達」がいると言い出し、突然失踪する・・・。

 スペインで大ヒットしたというサスペンス・ホラー怖い映画は滅多に劇場では
観ない私なのだが、評判のよさギレルモ・デル・トロ製作に惹かれて鑑賞。確
かに怖かったけど、ただのオカルト、ホラーではありません観てよかった! 
 ヒロインのベレン・ルエダが、全編出ずっぱりの大熱演絶対に諦めない、母の
息子への愛
執念にも、狂気にも映る。男性にはわからない感覚なのかもしれ
ないけれど、私は大いにヒロインに共感した。

永遠のこどもたち2

 大雨の日に突然屋敷に現れたベニグナ(モンセラート・カルーヤ)や、風もないの
閉まる扉。シモンに見える「お友達」も、何もかも全てラウラの妄想なんじゃない
か? と一瞬、思ったりもした。亡くなった家族を近くに感じるのはよくあることだと、
霊を呼び出す霊媒師たちを「茶番」だと心理学者ピラール(マベル・リベラ)は言う。
夫カルロス(フェルナンド・カヨ)も、もうこの屋敷にはいられないと言う(もしかして、
全てカルロスの仕組んだこと? とも考えた)。しかし、ラウラは確信していた。シモ
ンは生きている、生きてこの屋敷のどこかに居ると
。。

 たとえ自らのお腹を痛めて産んだ子でなくとも、母と子の絆は強い。夜中に子が
泣けば、ベッドに向かうのは必ず母親だし、子も(父ではなく)が来るのを望んで
いる。子は母に御伽噺をねだり、母は慈しみを込めて子の巻き毛に触れる。母と
子の蜜月の、なんと美しく儚いことか! そして、ほんの少しの感情のすれ違い
ら、終わり突然やってくる・・・

永遠のこどもたち3

 目には見えないものの存在を、信じる人もいれば、信じない人もいるだろう。
私はそういうものたちを感じられる体質ではないけれど、決して否定はしない
しかし、それは「信じる/信じない」という二者択一で括られるべきものではなく、
確かに「そこに在る」ものなのだと思う。見えないけれど、過去「確実に」存在
しているように。

 悲しいけれど、ハッピー・エンディングだと思えるラストがいい。これぞダーク・
ファンタジー! スペイン映画万歳。


 (『永遠のこどもたち』監督:フアン・アントニオ・バヨナ
    製作総指揮:ギレルモ・デル・トロ/2007・メキシコ、スペイン/
       主演:ベレン・ルエダ、フェルナンド・カヨ、ロジェール・プリンセプ

テーマ:★おすすめ映画★ - ジャンル:映画

[2009/02/10 18:28] | 映画 | トラックバック(20) | コメント(12) |
おだやかな航海を願いながら~『私の船長さん』
私の船長さん


 Me and My Captain

 by M. B. Goffstein


 絵本子どもに読み聞かせるもの、というイメージが強いと思うのです。でも、
大人にこそ読んで欲しい、大人のために存在する絵本というものもあるのですね。

 私がいつも勝手に寛いでいる獏のいる庭園の主、kohakuさんが紹介されて
いたのがこの絵本です。作者であるゴフスタインは初めて知りました。シンプル
なモノクロの画
の下に、簡潔な(ほとんどキャプション、と言えそうなくらい)短い
文章
が添えられています。小さな、小さな絵本

 でもね、これがとっても広くて、深いの。

 手に取って、表紙を眺めただけで不思議と心が凪ぐのがわかります。
 読み始めると、たちまち涙が表面張力になって、読み終わる頃には嗚咽になっ
ていました。

 いえいえ、誤解しないで欲しいのです。この絵本はいわゆる「泣ける」本ではあ
りません
。哀しい物語でもありません。でも、自分の失くしたものが静かにそこに
あるような、大切にすべきだったものがひっそりと包まれているような。 喪ってしま
ったものを嘆くこともできずに生きている、私のような大人のために描かれたような
・・・。

 
 そんな、本なのです。

 (『私の船長さん』M.B.ゴフスタイン・著/谷川俊太郎・訳/ジーシー・1996)

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[2009/02/08 21:40] | 読書 | トラックバック(1) | コメント(4) |
ある革命家の死~『チェ 39歳 別れの手紙』
チェ39歳別れの手紙

 CHE: PART TWO

 GUERRILLA


 スティーブン・ソダーバーグ監督が、20世紀最高のカリスマことエルネスト・
チェ・ゲバラ
を描いた4時間を超える大長編『チェ』後半部分フィデル・カストロ
との出会いからキューバ革命の成功まで
を描いた前半チェ 28歳の革命と同
じく、ボリビアの山中で展開されるゲリラ戦淡々と描かれる。しかし、厳しい戦闘
の最中にあっても、革命の成功へと向かう高揚感に満ちていた前半部に比べ、本作
には終焉の時へと向かう無常感が全編に漂っている。モノクロで挿入された力漲る
国連演説とは対照的に、最期の時へのカウントダウンのような日付が示される。
 主演のベニチオ・デル・トロは、喘息の発作と食糧不足に苦しむチェを熱演。彼の
窪んだ目に宿る鋭い光は、最期まで翳ることはなかった。

 「私は人間を信じている」

チェ39歳別れの手紙2

 美しい妻とまだ幼い子どもたちを残して、ゲバラが旅立たねばならなかった理由
は何なのだろう? ゲバラを捕らえたボリビア軍の大佐は言う、「フィデルはハバナ
で優雅にランチだ」
。同じく外国人であるゲバラがキューバでは成し遂げられたこと
が、何故ボリビアでは失敗に終わったのか。カストロ兄弟の不在、同じ轍を踏むわ
けにはいかないアメリカの大々的な介入。そしてあまりにも理想主義的だった、
バラ自身の誤算
。理由は数多挙げられるだろう、しかし、結局はとなり自身を滅
ぼす
ことになった彼の人間性が、40年を経た今も、世界中の人々を惹きつけて止
まない
のは皮肉だ。

 ゲバラが射殺された村には彼の石像が建ち、世界中から訪れる人が絶えないと
いう。愛と正義を胸に抱き、理想を追い求めて革命に散った一人の男。私利私欲を
捨て、他国の貧しい人々の為に命を捧げる。彼の生き方は、40年前でも既に「時代
遅れ」
だったのかもしれない。彼は結局、世界を救うことはできなかった。けれど、
ゲバラという名の一人のアルゼンチン人39歳でこの世を去ったことを、世界は決
して忘れない
だろう。そして、彼の再来を願い、彼の眠る村をいつまでも訪れる。。

チェ39歳別れの手紙3

 娯楽性を排し、あくまで写実的に描かれたこの映画は、観る人を選び、賛否を
分け
るだろう。21世紀の今、前世紀のカリスマの成功と挫折、生と死を敢えて
トレート
に描こうとしたソダーバーグの意図や、映画としてこの作品が優れたもの
であるのかどうか
、私にはわからない。しかし、この長い長い映画から伝わって
くる確かなエネルギー満身創痍で、敢えて茨の道を行く理想主義者の生き様
に、感銘を受けずにはいられない。

 (『チェ 39歳 別れの手紙』監督:スティーブン・ソダーバーグ
      主演:ベニチオ・デル・トロ/2008・スペイン、フランス、アメリカ)

テーマ:チェ/39歳別れの手紙 - ジャンル:映画

[2009/02/06 09:11] | 映画 | トラックバック(16) | コメント(8) |
♪You can Dance♪~『マンマ・ミーア!』
マンマ・ミーア


 MAMMA MIA!

 ギリシャカロカイリ島は、エメラルドグリーンの海に囲まれた美しいリゾー
。そこで小さなホテルを経営するシングルマザードナ(メリル・ストリープ)
彼女の娘ソフィ(アマンダ・セイフライド)は二十歳。明日の結婚式に、どうして
まだ見ぬ父とバージンロードを歩きたい・・・。

 ABBAの名曲の数々をモチーフに、大ヒットしたミュージカル映画化。日本
でも劇団四季がロングラン公演しているが、そちらは未見。映画版もヨーロッパ
をはじめ世界で大ヒットし、特に英国では『タイタニック』が持っていた興行記録
を抜くメガヒット
だとか。満を持しての日本公開、初日の初回に鑑賞。楽しかった
けど、う~ん、ちょっと期待し過ぎたかな。日本でも大ヒットとなりますか。

マンマ・ミーア2

 母親・ドナ役メリル・ストリープは、意外なことにミュージカルは初挑戦
そう。いや~、歌と踊りだけじゃなく、あの跳躍! 参りました。娘・ソフィ役
アマンダ・セイフライド小柄でチャーミング、そして歌も抜群に巧い! 結婚
式直前、母娘が二人きりで過ごす場面
涙、涙・・・。ちなみに、この映画の
テレビCMって聖子・沙也加母娘が出演しているんですね。。
 メリル・ストリープってお子さん4人いるそうで。ケイト・ブランシェット3人
アンジー6人!(実子と養子3人ずつ)。エイプリル「大女優は子沢山よ!」
って教えてあげたいですね。

 父親候補(?)の三人は、建築家のサム(ピアース・ブロスナン)、銀行員の
ハリー(コリン・ファース)、冒険家のビル(ステラン・スカルスガルド)
という豪華
な面々。ビルのクルーザーにはスウェーデン国旗が掲げられ、スウェーデンが
生んだ世界的グループ:ABBAへの敬意
を感じる。しかし、ステランの役名
「ビル」ってのに笑った。しかも海の男なんだから・・・。

 そして、ドナの旧友、バンド仲間ロージー(ジュリー・ウォルターズ)ターニャ
(クリスティーン・バランスキー)
強烈・・・。おばさんパワー炸裂で、もう唖然。
この二人のキャラにちょっと引いてしまったところがあったかも。

マンマ・ミーア3

 ソフィの持つ「私のパパは誰?」という根源的な問いが、結婚式を控えた一日に
大騒動を引き起こす
、というシンプルなストーリー。でもオチは意外でした。特に、
ハリー:コリン・ファースのキャラクター、う~~ん、そう来たか・・・(笑)。 

 ABBAの歌には特に思い出も思い入れもないけど、彼らの音楽って不思議な
高揚感
をもたらしてくれる。ナチュラル・ハイって言うのかな? 聴いていると、い
つの間にか笑顔になっているような。世界のスタンダードですね。『ダンシング・ク
ィーン』
が一番好きです。私も島の女たちと一緒に、ラインダンス(?)に参加した
かった~。

 細かいことは考えず、笑って楽しめるミュージカル映画かな。劇場で観ましょ
う!

 (『マンマ・ミーア!』監督・フィリダ・ロイド/2008・英、米、独/
              主演:メリル・ストリープ、アマンダ・セイフライド

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[2009/02/05 09:29] | 映画 | トラックバック(27) | コメント(8) |
大阪で生まれた男~『戸村飯店青春100連発』
戸村飯店青春

 大阪の下町。小さな中華料理屋、戸村飯店には一つ違いの兄弟がいた。クール
な兄ヘイスケ
と、いちびりの弟、コウスケ。外見も性格も正反対の二人は、高校
を卒業したヘイスケが東京の専門学校に進学し、離れ離れになったが・・・。

 現代が舞台の物語なのに、メールケータイも出てこない、どこか昭和の香り
がするバリバリの青春小説。作者は瀬尾まいこさん。第24回坪田譲治文学賞
受賞したのも納得

 実は作者が吉川英治文学新人賞を受賞した『幸福な食卓』は、自分としては
いまいちピンと来なかった。だから「瀬尾まいこ」という名前は、私の「読みたい
作家リスト」
には入っていなかった。しかし、本好きのブロガーさん何人かがこの
作品を昨年のベストに挙げていらっしゃたので、手に取ってみる。
 ブログをやっていて本当にうれしいと思うのは、こういう時。自分には縁がない
と思っていた作品が最高に面白かったのだから。。感謝、感謝です。

 大阪出身らしい作者の、柔らかな関西弁が心地良い。大阪では「ボン」と呼ば
れ、異端だったヘイスケが関西弁をしゃべるだけで東京でウケてしまう、というの
リアル大阪を礼賛しているわけでも、東京を持ち上げているわけでもなく、
ちらにもそれぞれよいところがある
、という当たり前のことが素直に表現されてい
る。ただ、心から懐かしく思える「Home」がある人間は幸せやね。
 季節のうつろいを、自然かつ的確に表現している文章が好きだった。夏の夕暮
れの空
とか。

 カナ表記ヘイスケコウスケ平行な、交わらない二人。でもそれはネガティ
ブな意味ではなくて、どこまでも並行して生きていく、という意味なのだろう。
戸村飯店の、¥680のA定食が食べてみたい。オススメ

 (『戸村飯店青春100連発』瀬尾まいこ・著/理論社・2008)

テーマ:オススメの本の紹介 - ジャンル:本・雑誌

[2009/02/03 08:07] | 読書 | トラックバック(4) | コメント(8) |
あなたに自由をあげたい~『007/慰めの報酬』
007慰めの報酬



 QUANTUM OF SOLACE


 イアン・フレミング原作による、ご存知英国諜報員「ジェームズ・ボンド」シリーズ
最新作
。前作『カジノ・ロワイヤル』続編ということで、ずっと楽しみにしていた・・、
というのはウソで、私、前作を観ていません(どうして観なかったのかも全く記憶に
なし)。レンタルに行ってもDVD貸し出し中だし(当然か)、予備知識ゼロ状態
鑑賞。そもそも、007シリーズの作品をマトモに観たこともない気がする私・・。でも
期待しなかった分、楽しめました

 トム・フォードのスーツに身を包み、アストン・マーチンを駆るボンドに扮するは、
金髪碧眼ダニエル・クレイグ上司M(ジュディ・デンチ)から「復讐しようなん
て考えずに、職務を全うしなさい」
と諭されている。回想シーンもボンドの述懐
ないから、前作で一体何があったのかはわからないまま。舞台はイタリア・シエナ
から南米ボリビアへ・・・。

007慰めの報酬2

 「女は誰でもあなたの意のままね」と言われるボンドだけど、寡黙な彼は色男
言うよりもむしろ堅実な紳士という印象だった。何より凄いのはアクション! 身体
ごと預けるようにガラスの天井に突っ込み、迷路のような住宅街を駆け抜ける姿
まるでジェイソン・ボーンのよう(こちらが元祖なのに)。殺しを厭わず、を流すこと
もなく。セスナを狙撃されて墜落しても、怪我一つない不死身ぶりジョン・マクレー
顔負け。砂漠のホテルは、撮影の為だけに建設したのかな~、なんて思ったり。
かなりお金かけてますね。

 ボンドと同じく、復讐を心に誓う「ボンドガール」カミーユ(オルガ・キュリレンコ)。
彼女とボンドとの間にが芽生えるかな、と思ったけれどそこは肩透かし。オルガ
・キュリレンコ
って初めて観た女優さんだけど、本当に綺麗でスタイルがいい

 ボンドが追う、環境保護に名を借りた「グリーン・プラネット」という悪徳企業
ボスマチュー・アマルリック漆黒の瞳が怖いんです。彼も身体を張って、アク
ション
頑張っていました。

007慰めの報酬3

 諜報部員たちがのことを呼ぶのに「マム」と言っていたような気がするのは
空耳? でも確かに彼女はボンドの母親のような存在。英国首脳たちに脅され
ても、部下を信じて護ろうとする彼女はカッコよかったな~。ボンドに「ガセネタ」
を提供する、ジェフリー・ライトの役どころだけがよくわからなかった。彼の相棒、
CIA南米局長を「レオ&ケイトのお隣のキャンベルさんだー」と思って観ていた
せいかもしれないけど。

 耳に馴染みのある、ジェームズ・ボンドのテーマは最後に流れてくる。
「JAMES BOND WILL RETURN」だって! 待ってますよ♪

 (『007/慰めの報酬』監督:マーク・フォースター/2008・英、米/
    主演:ダニエル・クレイグ、オルガ・キュリレンコ、マチュー・アマルリック

テーマ:007/慰めの報酬 - ジャンル:映画

[2009/02/02 09:12] | 映画 | トラックバック(32) | コメント(6) |
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いつまでも青臭い映画好きでいたい。愛おしい映画と、忘れがたき本たち。ときどきカフェとか。 記事は基本的にネタバレあり。 どうぞご贔屓に♪

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