一緒に帰ろう~『アフタースクール』
アフタースクール

「公務員なめんな、って感じですかね(笑)」

 一流企業に勤務するサラリーマン木村(堺雅人)と、母校の教師を務める神野
(大泉洋)
は中学の同級生。ある日木村が行方不明となり、同級生の島崎を名
乗る探偵・北沢(佐々木蔵之介)が、神野の元を訪れる・・・。大人の放課後に、
彼らを待っていたものとは?!

 キャッチコピーは「甘く見てるとダマされちゃいますよ」。封切り前は、どの媒体
を見てもネタバレが徹底的に避けられとにかくまっさらで観て下さい、という映画
のよう。この情報化時代に全くの予備知識ナシで映画を観ることなど不可能に
近いのに、幸運にも予告を数回観ただけで鑑賞することができた。そして何故
「私は絶対、騙されへんぞ!」闘志満々(笑)で臨む。劇場、とっても混んで
ました。面白い映画だから、クチコミかな~。

 以下、ネタバレします、いつものことですが・・・。

アフタースクール2

 冒頭から、身重の美紀(常盤貴子)と同じ団地に居る木村と、美紀の父にも見える
男(山本圭)
との関係を説明するセリフが全くない。これは絶対、何かあると思わせ
る。逆に神野が北沢に「警察官の妹」紹介しようとするシーンはやたら説明が多い
だから、写真の女(田畑智子)神野の妹なんだなと察しがついた。しかし私がわか
ったのはこれだけ(笑)。ある時点から次々に種明かしがされるのだけれど、うまい
なぁと感心
してしまう。特にビデオルームでの切り返し、あれにはやられた!

 主人公三人はそれぞれに適役大泉洋は演技しているところを初めて観たけれ
ど、とぼけているようで狡猾にも見える演技が巧いのに驚き。さすが、北海道から
全国区に進出した人気者
なわけだ。彼の髪って本当に天パーなんですか?
堺雅人は、宮崎あおい相手に「うつけのふりをされている公方さま」を演じている
だけに、絶対、絶対何かある!と思わせておいて実は・・・。切ない初恋のお話です。
そして個人的に一番よかったのが佐々木蔵之介いい役者だな~、と感心した。
やさぐれて、世を拗ねている雰囲気を自然に醸し出している。常盤貴子は、ほぼ
スッピン?なのにさすがの美しさ!「売り上げナンバーワン」キャバ嬢にはちょっと、
トウが立ち過ぎているような気もするのだけど・・・。

アフタースクール3

 いい気分でエンドロールを眺めつつ、「あの江藤議員だけがフリだったのか?」と
考えていたら、最後の最後にまた種明かし。中学時代の思いを抱えながら、神野は
ず~っと同じ場所で、美紀だけを待っていたんだなぁ。。やっと言えたあの一言に、
胸が熱くなったりしたのでした。脚本の構成もうまいけれど、わざとらしさが全く無い、
30代半ばの男たちの心情を表すセリフ
も秀逸だった。

 監督・脚本内田けんじ作品は初見。名作の誉れ高い『運命じゃない人』を、是非
観たいと思う。  

 (『アフタースクール』監督・脚本:内田けんじ/2008・日本/
      主演:大泉洋、佐々木蔵之介、堺雅人、田畑智子、常盤貴子
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【2008/05/29 11:17】 | 映画 | トラックバック(43) | コメント(34)
『贖罪』の前に~『最初の恋、最後の儀式』
最初の恋、最後の儀式


 First Love, Last Rites

 by Ian McEwan


 英国のブッカー賞受賞作家、イアン・マキューアン処女短編集。1975年、著者
27歳の時の作品。有望な新人に与えられるサマセット・モーム賞受賞作
 マキューアンは言うまでもなく映画つぐない原作者である。『贖罪』を読む前
に、現代最高と言われる英国人作家の原点に触れてみる。

 表題作をはじめ、本作は8編からなる短編集。幼児性愛近親相姦、服装倒錯
ど、過激ともいえるテーマを静謐で巧みな筆致で読ませる。正直、これが処女作で
あるとは信じ難いほど完成されている印象
。一気に読めるタイプの小説ではないが、 
興味のある方は是非手に取っていただきたいと思う。ちなみに私が一番面白く読ん
だのは『押入れ男は語る』。ちょっと「ハルキ・ムラカミ」テイストを感じてしまった。

「訳者あとがき」によると、マキューアンはイースト・アングリア大学で学び、後に
カズオ・イシグロも彼と同じ教授の指導を受けたのだという。映画の脚本を手がけ
ているところ、ブッカー賞受賞作家であるところも二人の共通点だ。

 早く『贖罪』も読みたいけれど、『Jの悲劇』も観たい!

 (『最初の恋、最後の儀式』イアン・マキューアン・著、宮脇孝雄・訳/
                            早川書房・1999)

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【2008/05/28 09:18】 | 読書 | トラックバック(0) | コメント(0)
~訃報~ シドニー・ポラック
シドニー・ポラック1

 OUT OF AFRICA   by Sydney Pollack (1934-2008)

 ・・・。

 三月のアンソニー・ミンゲラの訃報に続き、彼の盟友が逝ってしまいました。
 シドニー・ポラック。癌だったそうです。享年73

 ・・・。ショックです・・・。

 近年は監督としてよりも俳優やプロデューサーとして活躍されていて、つい
先月フィクサーでそのお姿を拝見したばかりでした。今思えば、ちょっと痩せ
たな
、と感じたような気もします。残念です。。。

シドニー・ポラック2

 一枚目の画像はオスカー受賞作『愛と哀しみの果て』名場面。私は名作の誉れ
高い『追憶』を観ていません。近いうちに観て、偉大な映画人を偲びたいと思います。

 改めて、ご冥福をお祈りします。合掌・・・

 それにしても、、今年は訃報が重なりますね(涙)。

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【2008/05/27 14:21】 | 映画雑談 | トラックバック(0) | コメント(6)
峠の彼方に~『山のあなた 徳市の恋』
山のあなた

 新緑の山道。まばゆい木漏れ日の中を、をついた二人の男が歩いている。
冬場を海辺の温泉町で過ごし、春になると山間の温泉へとやってくる按摩徳市
(草なぎ剛)
福市(加瀬亮)。「目明き」を追い越す健脚自慢の二人を、「東京から
来た女」
を乗せた馬車が追い越してゆく・・・。

「きれいだな、目に見えるようだ」

 清水宏監督モノクロで製作した1938年の映画『按摩と女』を、石井克人監督
が音楽と天然色で「リメイク」でなく「リカヴァー」した作品。堤真一さん目当てで、
「どなたも千円でご覧いただける」ことに惹かれて鑑賞。しかしこれは、、素晴らし
い!
 徳市を演じた草なぎ剛の演技と、映画初出演とは思えない美女・マイコ
すっかり魅了されてしまった。クライマックスではもう、涙、涙・・・。帰宅してから
もまだ、涙ぐんでしまう。これは珠玉の佳編ではないでしょうか。

「私はとても辛かったんです」

山のあなた2

 勘が鋭く、プライドも高い徳市と、おっとりタイプの福市とのコンビが微笑ましい。
謎の女に魅せられ、ズルズルと温泉町での滞在を延ばしてしまう「コブつき」男
(堤真一)。
物憂げな表情で浮世離れした女(マイコ)の、なんとも美しい所作
黒髪、うなじに溜め息が出そう。温泉旅館『鯨屋』番傘手拭い、日本間の襖
廊下日本情緒満点昭和初期の衣装や街並みを、忠実に再現した美術
素晴らしい。画面が「合成」だとわかってしまった場面があったことだけが何とも
惜しい。

 正直、草なぎ剛の演技にこれほど心揺さぶられるとは思いもしなかった。女の
「ワケあり」な不安や哀しみ、心惹かれる男について行くこともできない、自分の
境遇に対する諦め。徳市はそれらを痛いほど感じ取り、恋するが故の勘違い
生んでしまう。

「あなたの姿が、見えない私の目に刻み付けられるんです」

山のあなた3

 謎の女を演じたマイコも素晴らしい。古風にも現代風にも見える不思議な容貌、
低めで穏やかな落ち着いた声
、徳市を待ち伏せするときのいたずらっぽい表情
彼女を「発見」したことが、監督の最大の功労かもしれない。スクリーンの彼女を
見るうちに、「映画女優誕生の瞬間」に立ち会ったかのような喜びを感じてしまっ
た。

 ラストシーン、カメラは見えないはずの徳市の視線で動く。峠の向こうに去っ
てゆく馬車。淡く短い、恋、とさえ呼べないほどの、切ない思い・・・。

 どこまでもささやかに、静かに流れるピアノの調べ。心に沁み入る。

 (『山のあなた 徳市の恋』監督・編集・脚色:石井克人/2008・日本/
              主演:草なぎ剛、加瀬亮、マイコ、堤真一
              オリジナル作品:清水宏監督『按摩と女』1938)

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【2008/05/27 09:53】 | 映画 | トラックバック(11) | コメント(12)
塞翁が馬~『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』
チャーリー・ウィルソンズ・ウォー


 CHARLIE WILSON'S WAR


 1980年代、東西冷戦の最中。ソビエトの侵攻により荒廃したアフガニスタン
救うべく、一人のテキサス男が立ち上がった。冷戦終結の真の立役者とされる
下院議員チャーリー・ウィルソン(トム・ハンクス)の、実話に基づくストーリー。
予告ではコミカルタッチで描かれるチャーリーの英雄譚なのかと思わせるが、
そこは「皮肉屋」マイク・ニコルズ、そんなはずはないと思っていたらやはり・・・。
軽くて甘いお話ではなかった。後味はちょっと苦くて、やるせない。

 製作も兼ねるトム・ハンクス酒と女遊びが大好きな気のいい田舎議員を演じ
ハマリ役。さすが、自分のセールスポイントがよくわかっている人だなと思う。
CIAの「実は」敏腕諜報員ガストを演じるは、大好きなクセモノ俳優フィリップ・シー
モア・ホフマン
。トム・ハンクスは彼においしいところを全てさらわれそうだけれど
(さらわれていると言えなくもないけど)、何とか持ちこたえて主役の面目躍如!
テキサスで6番目の金持ちで、かつチャーリーの愛人ジョアンにはジュリア・ロバ
ーツ
ディズニー・プリンセスでブレイクしたエイミー・アダムスも、チャーリーの
補佐官を活き活きと演じていて好感度大。エミリー・ブラントまでチョイ役で出演
しているのには驚いた。彼女、とってもスタイルがいいんですね。

チャーリー・ウィルソンズ・ウォー2

 しかしこの映画、トム・ハンクスの軽妙な演技を、ポップコーン片手に笑って
観ていられるような代物ではない。冷戦の内幕を暴きつつ歴史の盲点にも触れ、
展開は早いしセリフは多い
。チャーリーが早口で言う「アフガニスタン、パキスタン、
イラン、イスラエル、エジプト」etc
の国々の歴史や宗教について、ある程度の知識
がないと「付いていくのに必死」状態になること間違いなし。私も字幕を読むのに
精一杯
で、物語を楽しむまでには至らなかった、残念! 軽くて楽しい、懐かしの
80年代が舞台
なのに、気楽に観られる娯楽作品では決してないのだ。

 かと言って重厚で深遠な物語というわけでもなく、尺も100分少々と短めで、
驚くほどテンポよく、ユーモラスなシーンも交えながらストーリーが進んで行く。
そのせいか、チャーリーはきっと「信じられないほど凄いこと」をやっているのだ
ろうけれど、悲しいかなそれがどれ位凄いことなのかが伝わって来ない。そこが
監督の狙いで、あくまで軽妙に歴史の裏を語ろうという趣旨なのはわかるのだ
けれど・・・。

チャーリー・ウィルソンズ・ウォー3

 ガストが語る「塞翁が馬」故事意味深。人生も社会も国も、目先の事柄に一喜
一憂するのではなく、本当に大切なことを見失わない深くて広い視野が必要なんだな。
「再選したことが唯一の功労」と自虐的に語るお気楽議員だったチャーリーが、アフガン
難民キャンプ
の状況を目の当たりにし、反共主義者になってしまった事は仕方がない
と思う、あれは彼なりの義憤に駆られたわけで。。だから「議員チャーリーがしたこと」
は決して悪いことでも、責められることでもないはずなのだ、けれど・・・。彼にはもう
少し、老獪なブレーンが必要だったのかもしれない。

 アメリカの人々は、この映画をどう観たのだろう。そしてアフガニスタンの人たち
も。。それが一番気になる。

 (『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』監督:マイク・ニコルズ/2007・USA/
   主演:トム・ハンクス、ジュリア・ロバーツ、フィリップ・シーモア・ホフマン

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【2008/05/26 11:06】 | 映画 | トラックバック(21) | コメント(6)
人間が一番怖い~『ミスト』
ミスト


 THE MIST


 の畔の家で暮らす画家のデヴィッド(トーマス・ジェーン)は、記録的な
翌朝、が立ち込め始める中を息子と買い物に出かける。霧はすぐに濃霧とな
り、デヴィッドや他の買い物客たちはスーパーマーケットの中に閉じ込められ
てしまう・・・。


 スティーヴン・キング原作、フランク・ダラボン監督・脚本密室パニック・ホラ
。恐怖映画は観ないし、恐怖小説も読まないけれど、20世紀の記念碑的
傑作
『ショーシャンクの空に』原作・監督コンビに敬意を表して鑑賞。恐怖度
はさほど高くないと思ったが、ラストの衝撃度、落ち込ませ度は半端じゃない
ただのホラーではない、考えさせられる映画です。

 スティーヴン・キング原作の映画って、観ている限りでは駄作はない気がする。
『シャイニング』『ミザリー』スタンド・バイ・ミー『ゴールデンボーイ』等など。
最近では『シークレット・ウィンドウ』も悪くは無かった。それはやはり、キング
想像(創造)力並外れているからなんだろうか。

ミスト2

 軍の極秘計画によって生み出された濃霧触手を持つ怪物や巨大昆虫、毒蜘蛛
などのクリーチャーよりも、よっぽど怖いのが人間だとつくづく思う。密室の中では
状況によって支配、被支配の主従関係が生まれ、時間の経過に沿って集団の
力関係が変化
してゆく。閉じ込められた人々の不安を煽り、「神」の名の下に服従
を迫る狂信的ミセス・カーモディを演じたマーシャ・ゲイ・ハーデン鬼気迫る
怪演
。怖いです。お近づきになりたくない!
「人間は元々善良よ」と言うアマンダ(ローリー・ホールデン)に対し、「人間が二人
いたら最後は殺し合う、そうならないために政治と宗教があるんだ」
というマーケット
店員のセリフが印象的だった。

 そして本作も『贖罪』についての映画であったことに驚き。"ATONEMENT"
ではなくて"Expiation"だったけれど・・・。

ミスト3

 しかしこの救いのない、絶望的なラストはどうなんだろう? デヴィッドは息子
との約束--「あの怪物に僕を殺させないで」--を守るためにそうしたのだ
ろうけれど、そこに至る彼の絶望(薬局とマーケットでの犠牲、迫り来る怪物、
妻の死、空になったガソリン)
と、その後の更なる地獄はどうだ?
「地獄に堕ちろ!」と言い捨て、最初にマーケットを後にした女性の冷たい視線
晴れてゆく霧、青い空、しかしそこには一筋の希望も無い。いや、希望を自ら
捨てたのはデヴィッドなのだろうか?


 彼こそがミセス・カーモディが求めた「生贄の羊」なのかもしれない。彼がこれ
から生きていけるとしたら、それは「贖罪」の人生そのもの・・・。ヘリコプターの
爆音が響くエンドロール、観客の誰も席を立たなかった。打ちのめされた。

 (『ミスト』監督・脚本・製作兼:フランク・ダラボン/原作:スティーヴン・キング
       /主演:トーマス・ジェーン、マーシャ・ゲイ・ハーデン/2007・USA)

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【2008/05/23 12:46】 | 映画 | トラックバック(26) | コメント(20)
棺桶リスト~『最高の人生の見つけ方』
最高の人生の見つけ方


 THE BUCKET LIST


 余命6ヶ月の宣告を受けた大富豪エドワード(ジャック・ニコルソン)と、自動
車整備工
カーター(モーガン・フリーマン)。エドワードの経営する病院で偶然、
同室になった二人は意気投合、「死ぬまでにしておきたいこと」のリストを作り、
旅に出る・・・。

 ジャック・ニコルソンモーガン・フリーマン。共に1937年生まれのアメリカを
代表する名優の初共演作。この二人の共演と知って「観たい!」と思い、期待
して劇場に向かった方が多いのでは? 私ももちろんその一人。うまくまとめて
いるな、と言う印象の佳作だった。監督は彼らより10歳年下のロブ・ライナー

最高の人生の見つけ方2

 ニコルソンもフリーマンも誰もが認める名優だけに、その演技は安心して観て
いられる心地良いもの。白人と黒人、資産家と労働者、無神論者と敬虔な信者、
4回の離婚経験者と浮気ゼロの愛妻家
・・・、と何もかも正反対な二人に、たった
一つ共通する「残りの人生の長さ」。お金はあっても孤独なエドワードと、家族が
いてもどこか満たされないカーターは、案外似たもの同志だったのかもしれない。

 スカイダイビングレーシングカーを無邪気に楽しむ二人は、演技でなくて「素」
のようにも見える。長年連れ添った妻に「情熱が消えた」と言うカーターには女性
として納得行かない部分もあったけれど、最期は妻の元へ帰ってくれて安堵
しかし、モーガン・フリーマンはこういう「知的な市井の人」が似合うなぁ

 我がままで自己中心的なエドワードの、完璧に有能で忠実な秘書トマス、又は
トミー、マシュー、etc(ショーン・ヘイズ)が、実は重要な役どころ。二人の会話
ウィットに富み、ビジネスライクな中にも信頼と愛情を感じさせる。81歳で
生涯を閉じたというエドワードに、彼は生涯寄り添ったのだろう。エドワードの
死後も彼は忠実な部下であり、友人で在り続けた。

最高の人生の見つけ方3

 こういう作品に接すると、映画の出来・不出来よりも、誰もが自らの生き方
について、考えずにはいられないだろう。エドワードが「心臓麻痺で死ぬ奴が
羨ましい」
とつぶやくシーンがあるけれども、私はもし死ぬなら(と言うかいつか
必ず死にますけども)、突然でなく余命を報せて欲しいと思う。そして、お世話に
なった友人家族に、しっかりお礼を言って逝きたい。謝らなければいけない人
もいるかもしれない。行っておかなければならない場所もあるかもしれない。そ
して身の回りの整理も、きちんとしてから逝きたいと願う。

「目を閉じて、心を開いた」。そんな最期が迎えられたら最高--メメント・モリ。

 (『最高の人生の見つけ方』監督・製作兼:ロブ・ライナー
     主演:ジャック・ニコルソン、モーガン・フリーマン/2007・USA)

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【2008/05/20 14:45】 | 映画 | トラックバック(23) | コメント(18)
キツネを生け捕れ!~『ハンティング・パーティ』
ハンティング・パーティ



 THE HUNTING PARTY


 花形戦場レポーターだったサイモン・ハント(リチャード・ギア)は生中継で失態
を演じ、キャリアを失う。彼とコンビを組んでいた戦場カメラマンダック(テレン
ス・ハワード)
は局内で出世、コネ入社の新人ベン(ジェシー・アイゼンバーグ)
連れ、戦後5年が経過したボスニアに入る。そこで彼を待っていたのは、特ダネ
を握るサイモンだった・・・。

 戦場ジャーナリスト三人(現役、元、新人)が、500万ドルの賞金が懸けられた
極悪戦争犯罪人を生け捕ろうと奮闘する社会派?サスペンス。クエスチョンを付
けたのは、巨悪を告発する骨太の社会派作品と言うよりも、娯楽面を強調した
ハリウッドらしさ
を感じたから。鋭さや深みは無いけれど、気楽に観ようと思え
悪くない映画なんじゃないだろうか。こういう題材を「気楽」に観ていいのか?
という話はさて置き・・・。

ハンティング・パーティ2

 でこぼこジャーナリスト・トリオの三人がとってもいい味。ご本人も人権活動家
としての顔も持つリチャード・ギアは、ロマンスグレー(死語!)が似合ってやっ
ぱり素敵に見えてしまう。「外科手術で二人の身体を縫いつけよう」なんてロマン
ちっくで、実は切ないセリフ
もあったり。テレンス・ハワードはいつ見てもスタイル
抜群
でカッコよくて、でも目の周りだけなら赤ちゃんみたいだと思う。カーリーヘア
(これも死語?)
ジェシー・アイゼンバーグも、ハーバード卒の使えない奴かと
思いきや、さすがの頭のキレを見せてくれてかわいいじゃないか!
映画って役者が大事だなぁとぼんやり思ってしまった。

「この映画は信じられない部分が真実」だと映画冒頭にクレジットされ、エンディン
グで種明かし
がされる。人類史上最悪の「民族浄化」という蛮行が行われた地では、
戦争は見かけ上終わっても、人々の胸に火種はくすぶり続ける。戦争犯罪人フォ
ックス
をいまだ「指導者」だと崇拝し、匿う人々を黙認し、「何もしない」NATO
そして大国間のパワーバランスと呼ばれるもの。本当に「悪い奴ら」は誰なのか。

ハンティング・パーティ3

 テンポよく観ることができた本作だけれど、終盤に差し掛かるにつれグダグダ
があったのが残念。ラスト辺りは、蛇足と言ってもいいくらいじゃないかな。
弾痕が生々しく残る建物、廃墟のようなスキー場、活気のない街並み。胸が
痛む映像
だけれど、観なければいけないのだとも思う。新聞やテレビが報道
しない「真実」を、自らも傷つきながら追い続けるサイモンのようなジャーナリスト
たち。彼らの志や夢が、挫けないことを願っている。

 (『ハンティング・パーティ』監督・脚本:リチャード・シェパード
   主演:リチャード・ギア、テレンス・ハワード、ジェシー・アイゼンバーグ
               2007・米、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ)

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【2008/05/18 23:26】 | 映画 | トラックバック(12) | コメント(10)
贖罪の人生~『つぐない』
つぐない



 ATONEMENT


 1935年の夏。英国上流階級タリス家の令嬢セシーリア(キーラ・ナイトレイ)は、
使用人の息子ロビー(ジェームズ・マカヴォイ)を交わす。しかしその愛は、
セシーリアの多感な妹ブライオニー(シアーシャ・ローナン)がついた一つの
よって引き裂かれ、戦争という時代の大きな波に翻弄される。

 「戻ってきて。私のところへ」

 監督ジョー・ライト、主演キーラ・ナイトレイプライドと偏見コンビが再タッグ。
ジョー・ライトの冴え渡る映像感覚と印象的な音楽、豪華な英国俳優の競演
よる、スケール感のある悲恋メロドラマの秀作。ゴールデングローブ賞では作品
賞(ドラマ部門)
を受賞、アカデミー賞では7部門の候補となり、作曲賞を受賞
ラスト近く、インタビュアー役でアンソニー・ミンゲラがカメオ出演している。
 大阪では4月26日からの上映で、既に三週目に突入しているのにほぼ満席!
で驚いた。クチコミかな? 確かにこの映画、英国映画好きには垂涎ものの、
素晴らしく魅力的な作品だと思う。

つぐない2

 英国の短く美しい夏の光を捉えた映像も美しいが、この映画で特筆すべきは
「音」ではないだろうか。暗いスクリーンにタイプライターの音が響くオープニン
グからエンドロールのピアノ曲まで、音の使い方が非常に印象的だった。ブラ
イオニーがロビーの秘め事を知る時には蜂の羽音。タイプの音はブライオニー
の内に物語を刻印する。息子が連行される車に向かって、ロビーの母(ブレンダ
・ブレシン)
が傘で殴打する音、繰り返される「うそつき!」という言葉。

 冒頭、邸宅の広い廊下を歩くブライオニーの姿に、観るものは彼女の資質
知る。宝塚音楽学校の生徒のような歩き方に、彼女の生真面目さ、幼さの殻を
脱皮しようとする危うさ
が見える。美しく情熱的な姉への憧れと妬み、純粋で
包容力のあるロビーへの恋心。人生の負の側面を知らないその無垢さが、一つ
の愛と二つの人生を転落させる
とは、まだ誰も知る由も無い。

つぐない3

 物語の真の主役であるブライオニーを、三人の女優が演じている。鮮烈な印象
を残す13歳のシアーシャ・ローナン、つぐないを果たそうと告解する老年のヴァ
ネッサ・レッドグレーヴ
に対し、ロモーラ・ガライ「もっさり感」が残念。
エリザベス:ゴールデンエイジ出演のためキャストできなかったというアビー・
コーニッシュ
で観たかった。

 光輝くタリス家の一日が、視点を変えながら丁寧に描写される前半と、ロビー
が送られた北フランスの戦場との対比が凄まじい。特に、ダンケルク海岸での
長回し映像は圧巻
。身体の不調から精神が蝕まれてゆくロビーの姿は正視で
きないほど辛く、痛々しい。野に散る少女たちの亡骸に涙し、戯れに川に飛び
込むブライオニーを回想するロビーにとって、彼女への遺恨は既に、遠い日の
記憶
だったのではないだろうか。

「隣のお兄さん」的印象で、親近感溢れるジェームズ・マカヴォイが好演。そして
キーラ・ナイトレイの、まさに「輝くばかりの」美しさ! 韻も装飾もなくても、ただ
ただ美しく、そして官能的でもある。明確な意志と情熱を持って抱き合ったあの夜
と、同じ緑色の衣装で濁流に消えたセシーリア。許しを乞うこともできず、書くこと
で自らの罪を刻印し続けたであろうブライオニー
。彼女の「つぐない」の人生を、
あなたはどう受け止めますか?

 (『つぐない』監督:ジョー・ライト/原作:イアン・マキューアン『贖罪』
      主演:キーラ・ナイトレイ、ジェームズ・マカヴォイ/2007・英、仏)

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【2008/05/16 14:12】 | 映画 | トラックバック(29) | コメント(18)
悪人正機~『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』
ゼア・ウィル・ビー・ブラッド

 THERE WILL BE BLOOD

 "I drink your milkshake!
  I drink it up!"



 ポール・トーマス・アンダーソン監督5年ぶりの新作。ご存知、英国の名優ダニエル
・デイ=ルイス
が20世紀初頭の石油採掘王に扮し、主演男優賞を文字通り「総なめ」
にした作品。158分の長尺を全く感じさせない、濃厚でパワフルな傑作。観終わった
後、いい映画だけが残してくれる確かな手応えと高揚感に、全身が満たされていた。

 アカデミー賞では本作とノーカントリーが8部門の候補となり、作品賞と監督賞
コーエン兄弟の頭上に輝いた。しかし私がもしアカデミー会員なら断然、この作品
に投票したと思う
。掛け値なしの力作。観て下さい!

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド3

 この映画に関しては、後付けの解釈はしたくない気分。PTAの映画は、どこか
寂寥感が漂う作風を感じるのだけれど、本作もその印象は変わらなかった。音楽
「鳴らしたい」人なんだなぁ、というのも相変わらず。

 欲望の権化、金の亡者、自己中で孤独な怪物・・・。ダニエル・プレインビュー
(ダニエル・デイ=ルイス)
を形容するとしたら、そんな言葉が並ぶのだろう。しか
し私はこの、どの角度から見ても感情移入し難い異形の主人公に、最高に魅了
されてしまった。それはもちろん、稀代の名優ダニエル・デイ=ルイス!に魅了
されたということなのだろうけれど。

 この映画の予告を観たとき、ダニエルの「声」に驚かされた。いくつか観た彼
の過去作品の声とは全く違う。ジョン・ヒューストンの声を基にしたという話も
あるが、彼はプレインビューの役作りに一年をかけたという。ずっと足を引き摺
っていたのも、まさか本当に役作りで骨折してたりして・・・。

 不協和音のような音楽が示す通り、プレインビューは誰とも馴染まない、自分
の成功のためには手段を問わない人物だ。しかし、どうしても彼を根っからの
悪人として見ることはできなかった。それは息子H.W.(ディロン・フレイジャー、
名演技!)
に対する彼の愛情が、プライオリティゼロではないにしろ、本物だ
と感じたから。

 キャンプのとき、少し後ろを歩く息子を振り返る姿、汽車の中に置き去りに
した後、黙々と歩く姿、息子の部屋の広さを気にかける様子。もちろん、彼が
息子を連れ歩いたのは商売上の策略だというのはわかる。しかし家を出、人
を遠ざけ、孤独に生きようとするプレインビューも、息子との絆だけは信じてい
たような気がする。いや、「信じたかった」と言うべきか。だから後年、息子が
独立しようとしたときののような怒りは、たった一つ信じようとしたものに
去られる辛さを誤魔化そうとしたようにも見えるし、「You're a bastard
from a basket.」
という言葉は聴こえるはずのない息子に向けてでなく、
自分自身に対して繰り返し絶叫していたように感じたのだ。

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド2

 プレインビューよりもむしろ、身の毛がよだつほど嫌悪感を抱いてしまった
のがイーライ(ポール・ダノ)のキャラクター。芝居がかった説教、金の無心、
聖者の顔をして振るう暴力
。プレインビューにとっての石油がイーライにとって
信徒だというだけで、二人は正反対のようで合わせ鏡に映る一人の人物
のようだ。言い換えれば、それは欲望や猜疑心、暴力性だけが肥大した
「アメリカ」という国そのものなのかもしれない。

 準備期間が僅か4日しかなかったとは信じ難いほど、ポール・ダノも好演
ていたと思う。しかし、プレインビューの洗礼場面でのビンタは、ちょっと腰
が引けていたのではないかな。そして本来「ポール」だけを演じるはずだった
彼がイーライをも演じたことで、ポール/イーライは双子という設定になったら
しい。ここは観ていて少し混乱してしまったので、字幕で「双子の弟」とセリフ
に入れるなど、何か工夫ができなかったものだろうか、松浦美奈さん?

 そして圧巻は、やはり「ミルクシェイク」の場面。狂気と暴力衝動が炸裂し、
ダニエル・デイ=ルイス「青筋」破裂寸前、最高潮に達している。あの
シーンを観た後では、もう誰も彼以外に主演男優賞を授けようとは思えない
だろう。助演男優賞ノーカントリーハビエル・バルデムともども、「笑って
しまうほど怖い」狂気の役どころ
なのが奇妙な符丁だ。役への理解とか、
説得力とか、物語さえ超越している。演技の神様と言うよりも、悪魔と取引
したかのようなギラギラ感。荒野を吹き上がる原油よりも濃い、役者魂を
振り切った超絶技巧を堪能すべし!
 ロバート・アルトマンも思わず苦笑い
しながら、天国で拍手喝采してるんじゃないだろうか。

 (『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』監督・脚色・製作兼:ポール・トーマス・
   アンダーソン
/主演:ダニエル・デイ=ルイス、ポール・ダノ/2007・USA)

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【2008/05/15 00:23】 | 映画 | トラックバック(14) | コメント(22)
いつかまた、ギラギラした日~『ショーケン』
ショーケン

「ショーケン」こと萩原健一の自伝。個性的でキレッキレな俳優、歌手として認知
され、一世を風靡しながらも、彼は何故全てを失ったのか?
 映画、ドラマ、歌、酒、麻薬、女、出家、結婚、離婚、家族の死。57歳の彼が
半生を振り返り、その生い立ちから現在までの全てを語った話題の本。

「です・ます」体が混在し、主観に基づいた自分勝手な論を張っている部分も無き
にしも非ずだけれど、その破天荒なジェットコースター人生は一気に読ませる
面白さ。身も心も、ギリギリの状態で生きてきたんだなぁと思わせる。

 特に面白かったのは、黒澤明監督『影武者』撮影秘話世界の巨匠クロサワ
に、カメラ越しとはいえ「バカヤロー!」と叫び、怒った巨匠に追いかけられたの
はショーケンくらいじゃないだろうか。歌に対する姿勢は、沢田研二に敵わない
と認めているのも印象的。

 作品よりも、ワイドショー的な部分で話題になることが多い彼だけれど、才能
ある努力家
でもあるのだと思った。役に成り切る、憑依型の役者であることも。
そういえば、私は彼の作品をほとんど観たことがないんじゃないかな。。

 ところで、どうして彼が「ショーケン」って呼ばれてるのか知ってます? 彼
は本名は「敬三」だけど、友人からは何故か「ケンちゃん」と呼ばれていたそう。
不良少年時代、名前にケンが付く「ダイケン」「チューケン」が既にいて、彼が
その下の「ショーケン」になり、愛称に合わせて芸名「健一」にしたらしい。
「70へえ」くらいかな? じゃあ、沢田研二はどうして「ジュリー」なんだろう?
岸部一徳「サリー」も謎(笑)。

 (『ショーケン』萩原健一・著/講談社・2008)

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【2008/05/14 23:29】 | 読書 | トラックバック(1) | コメント(10)
He is there.~『アイム・ノット・ゼア』
アイム・ノット・ゼア


 I'M NOT THERE


 音楽界の生ける伝説、ボブ・ディランの半生を、6人の俳優によるアンサンブル
独創的かつ多面的に、時間も空間も飛び越えて自由に描いたユニークな映画
「ボブ・ディランを同時に6人の俳優が演じる」という破天荒なアイデアだけでも、
既にこの映画に惹きつけられるし、演じる俳優たちの豪華さ!がまた凄い。
ボブ・ディランを演じるは、クリスチャン・ベイル、ケイト・ブランシェット、リチャード
・ギア、マーカス・カール・フランクリン、ベン・ウィショー
、そして亡きヒース・レジ
ャー
。中でもケイト・ブランシェットの演技は絶賛され、ヴェネチア映画祭、ゴール
デングローブ賞で最優秀女優賞を受賞
アカデミー賞にもノミネートされた。
ジェンダーを軽々と超越する彼女の演技は、オスカーを受賞しても誰も文句は
言わなかったに違いない
監督・原案トッド・ヘインズ。今までの監督作品は
未見なので、是非観てみたいと思った。

アイム・ノット・ゼア2

 覚え書きを兼ねて、6つのパートの概略を。

・クリスチャン・ベイル:ジャック/ジョン牧師
 プロテスト・フォークを唄う革命家。後にキリスト教に傾倒し、ペンテコステ
 派の牧師
となる。ノー・ディレクション・ホーム風の擬似ドキュメンタリー
 形式で撮られ、ここにもジェームズ・ボールドウィンが登場。同志であり恋人
 でもあったジョーン・バエズがモデルであるアーティストにジュリアン・ムー
 ア
が扮する。

・ケイト・ブランシェット:ジュード
 フォークと決別したことで、ファンから批判されるロックスター。彼と関わる
 ニューヨークのモデル、ココ役にミシェル・ウィリアムズ。ケイトのカメレオン
 ぶりが圧巻
。ビートルズが「サヨナラ」と言っていたように聞こえたけど??

・マーカス・カール・フランクリン:ウディ・ガスリー
 ギターを抱え、自らの音楽を探して放浪する、幼き吟遊詩人。黒人の少年が
 演じて強い印象を残すパート。

・ベン・ウィショー:アルチュール・ランボー
 アルチュール・ランボーを名乗る詩人「聖書の予言」のように、詩的な言葉で
 観るものを翻弄する。

・ヒース・レジャー:ロビー
 新進映画俳優。フランス人の妻モリー(シャルロット・ゲンズブール)との出逢い
 から結婚、離婚に至る日々
に、背景として在るヴェトナム戦争

・リチャード・ギア:ビリー・ザ・キッド
 田舎町で隠遁生活を送るアウトロー「古き良きアメリカ」精神を象徴する彼
 の キャラクターが、ちょっとわかりにくかったのが残念。このパートが長く感じ
 られ、全体の流れから浮いている印象も受けた。しかし、ラストで冒頭のウディ
 に繋がるシーン
感動モノ。

 映画は時系列もエピソードもバラバラにして、事実をほんの少しずらしながら、
カラー、モノクロと自在に進んでゆく。手を伸ばしても届かない、掴まえようと
しても逃げてゆく、正体を見せない主人公。そして最後に「本物」ボブ・ディラン
の姿
が少しだけ映し出され、エンドロールでは『ライク・ア・ローリングストーン』
『ノッキン・オン・ヘヴンズドア』
が流れる。

アイム・ノット・ゼア3

 この映画のコンセプト自体にも惹かれたけれど、やっぱり私にとっては「ヒース
の出演作」
という部分が大きかった。だから観る前は少し、ちゃんと作品と向き
合えるのかな、自分?っていう不安もあった。

 ヒースの声が聞こえてきた時、ああ・・・。やっぱりが出たけど、ウェットな気分
は幸い、長くは続かなかった。と言うか、「こんな場面で泣くな!」と自分に喝を入
れたのかも。でも物凄く魅力的なミシェルも登場するし、かわいい娘を得ても崩壊
してしまう夫婦
なんて、ヒースはどんな気分で完成したこの映画を観たんだろう?
なんてことを考えもした。

 ロビーのパートは苦悩するディランを描いている。しかし監督はシャルロットの
ファンなのか
、と思ってしまったくらい、ロビーよりも妻中心に描かれていたよう
な気がして不満だった。ヴェトナム戦争への怒りと、夫への絶望感。このパートは
「ディラン」視点でなく、妻の目線二人の関係と時代が描かれている。
(シャルロットじゃなくてヒースを映して!っていう潜在意識がそう思わせたのか?)

 型に嵌められるのを極端に嫌った「生ける伝説」を、型破りのキャスティングと
構成
で描いてみせた『アイム・ノット・ゼア』。そこには確かに「ボブ・ディラン」
いないかもしれない。しかし、夭折してしまったヒースはそこにいる。

 He IS there...

 (『アイム・ノット・ゼア』監督・脚本兼:トッド・ヘインズ/2007・米、独/
   主演:クリスチャン・ベイル、ケイト・ブランシェット、ヒース・レジャー、
       リチャード・ギア、マーカス・カール・フランクリン、ベン・ウィショー

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【2008/05/12 12:04】 | 映画 | トラックバック(20) | コメント(22)
贖罪とは~『手紙』
手紙

 強盗殺人の罪で服役中の兄、その兄から届く手紙によって、「強盗殺人犯の弟」
という自らの運命を刻印させられ続ける加害者家族の立場から、現代社会
人ののうちに在る「偏見」「差別」を描き出した作品。未見だが映画化されたこと
も記憶に新しい。文庫にて読了。

 東野圭吾の小説を久しぶりに読んだ。分厚いミステリーを書く人気作家という
イメージが強い東野圭吾だけれど、人間の情や心の機微を描きながら、社会的
な問題にも言及
する本作のような作品もいいと思う。新聞連載小説だったらしく、
難解な表現は皆無で、非常に読み易い。あまりにもガッツリとした手応えの本は
キツイけれど、今読む本がなくて退屈しているという方に是非、読んでみていた
だきたい
と思う。

 文庫の帯に書かれた重い言葉に、誰もが考え込んでしまうのではないだろうか。
一人の人間が犯した罪は、肉親も同様に背負わなければならないのだろうか、と。

 限りなく重い罪と罰、そして失われた一つの命。人間に、犯した罪を償うこと
はできるのか。何をどう償えば許されるのか。許すと決めるのは法なのか、それ
とも被害者(とその家族)なのか・・・。
簡単に答えは出ない。しかし、考え続けな
ければならない問い
なのだと思う。 

 (『手紙』東野圭吾・著/2006・文藝春秋)

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【2008/05/11 11:24】 | 読書 | トラックバック(3) | コメント(8)
余りに理不尽な~『残虐記』
残虐記

 少女拉致監禁事件の被害者だった作家が、手記を残して失踪した。そこには、
事件の真実が綴られているのか? 実在の事件に触発されて書かれた、直木賞
作家桐野夏生による長編。柴田練三郎賞受賞作

 桐野夏生の小説は、生々しい描写、湿度の高い文章という印象がある。その
湿度を生むのは、血や汗という人間の体液だ。心の闇に分け入り、人間の行動
や感情、悪意や衝動
を形作るものの正体を暴き、描き切ろうとする作家・桐野
夏生の意欲覚悟戦慄さえ覚える。人間の「関係性」という迷宮に挑むその
姿勢は、孤高な戦士のようでもある。

 望まないままに極限状態に置かれた人間が、生きる希望として残されるはず
「想像力」「記憶」潜水服は蝶の夢を見るの中で、ロックトイン・シンド
ローム
に陥った主人公ジャン=ドミニク・ボビーはそれらを蝶の羽根として、
自由に羽ばたいた。しかし本作の主人公は彼とは逆に、「想像力」「記憶」
囚われ人となり、自由とも希望ともどんどん遠ざかってゆくかのようだ

 子どもであったり、女性であったりする「存在」それ自体が「欲望」標的
なり、悪意と邪念の中で汚される不条理残虐と言うには余りにも理不尽な
弱者の運命
に、読後しばし、言葉を失くす。

 (『残虐記』桐野夏生・著/2007・新潮社)

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【2008/05/09 09:11】 | 読書 | トラックバック(0) | コメント(0)
~傷心(ウソ、でもちょっと本音)~
 ・・・。 あ~あ・・・。
  
    みんな幸せそうだなァ・・・。
   
        しょぼ~~~~~ん。。


あ~あ1



あ~あ2


 ウソウソ(笑)。どちらもお似合いだし、幸せそうであたしゃウレシイですわ!
  (強がりじゃない!泣いてなんかないよぉ~)

 これからも、いい恋愛していい役者になってネ♪

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【2008/05/08 18:13】 | 徒然 | トラックバック(0) | コメント(2)
転がり続ける~『ボブ・ディラン ノー・ディレクション・ホーム』
ノー・ディレクション・ホーム


 NO DIRECTION HOME: BOB DYLAN


「ユダ!」 「信じないぞ、嘘つきめ」

 マーティン・スコセッシ監督による、ボブ・ディランの音楽ドキュメンタリー。
生い立ちからデビュー、1966年のヨーロッパ・ツアーまで、「生ける伝説」初期
の映像
ケネディ、冷戦、公民権運動、ベトナム反戦運動に至る当時の記録映像
そしてディラン本人と友人たちへの膨大なインタビューで構成されている。
DVDは二枚組み、3時間半一気に見せる力を湛えた作品。元々はテレビ番組
して放映されたもので、製作にはNHKも関わっている。

 私はフォーク世代でもディランのファンでもなく、『風に吹かれて』『ライク・ア・
ローリングストーン』
などの代表曲を聴いたことがある程度。実は彼がアメリカ人
であることさえ知らなかった。『アイム・ノット・ゼア』を観る前に、この世界的アー
ティスト
に触れておきたい気持ちから鑑賞。ちなみに作品タイトルの『ノー・ディレ
クション・ホーム』
とは、『ライク・ア・ローリングストーン』歌詞の一節から採られ
ている。

ノー・ディレクション・ホーム2

 まず、若い頃のディランの中性的な美しさに驚く。『アイム・ノット・ゼア』では
女性であるケイト・ブランシェットがディランを演じると聞いて耳を疑ったけれど、
この映像を観れば誰もがそのキャスティングに納得するだろう。60年代の
ニューヨーク
が舞台の『ファクトリー・ガール』ではヘイデン・クリステンセン
ディランらしき人物を演じているらしく、これものキャスティングだと思って
いた。しかしディランの「三白眼」を見て、なんとなく納得

「違う両親の元に生まれた」と感じ、「家を探しに」今もをしているようだと語る
ディラン。彼の詩は「聖書の預言」だと言われ、まさしく現代の吟遊詩人であるが、
その姿は哲学者のようにも、求道者のようにも見える。声を変え、姿を変え、その
生き方は一定の姿かたちに留まることはない。
まさに『アイム・ノット・ゼア』
体現している。

「愚かでなければ恋などしない」 「やさしさが時には人を殺すこともある」

 様々なディランを巡るインタビューの中で、公私共にパートナーであったジョー
ン・バエズ
の言葉が一番印象的だった。「貧者や弱者の気持ちがわかっていて
プロテストソングは作るけれど、デモや座り込みには決して行かない。中心的
存在になりたがらない複雑な人」


ノー・ディレクション・ホーム3

 60年代の記録映像では、ジェームズ・ボールドウィンもう一つの国)が映し
出されて驚いた。ジョニー・キャッシュウォーク・ザ・ライン)は映画で彼を
熱演したホアキンよりもイイ男! 一人の人物にフォーカスしたドキュメンタリー
と言えば、その人物を礼賛する余り逆に真実が見えてこない、もどかしさの残る
作品
もある。しかし本作は、記録映像とインタビュー、ライヴ映像の絶妙なバラ
ンス
により、60年代という激動の時代に生まれるべくして生まれた稀代のアー
ティスト
魅力と時代性が十二分に伝わってくる。そして60年代以降のディラン
の姿
も見てみたいと思わせる、優れたドキュメンタリーフィルムと成り得ている
のではないだろうか。

 (『ボブ・ディラン ノー・ディレクション・ホーム』/2005・英、米、日本/
         監督・製作兼:マーティン・スコセッシ/出演:ボブ・ディラン

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【2008/05/08 11:19】 | DVD | トラックバック(4) | コメント(8)
二度とハネケは観たくない?~『ファニーゲーム』
 ゴールデン・ウィークも終わり・・・。皆さんどんな休日を過ごされましたか?
私は「こんな休日は、絶対、絶対、イヤだ~~~~!」と叫び出したくなるよう
映画を観てしまいました。。

ファニーゲーム


 FUNNY GAMES


 夏のバカンスに、湖の畔の別荘にやってきた裕福そうな一家。しかし、突然の
訪問者
が、穏やかに過ごすはずだった彼らの休日を崩壊させてゆく・・・。

 人間の心のダークサイドを描き出し、その作品が持つ「底意地の悪さ」「後味の
悪さ」
では他の追随を許さない映像作家、ミヒャエル・ハネケ。本作を観た後では
もはや彼を「悪魔」とさえ感じてしまう。「怖い」と言うよりはあまりの不快さ、不気
味さ、不愉快さ
身震いする。人間が、ここまで感情を排した残酷な映画を撮れ
るものなのか。そしてタイトルを「FUNNY GAMES」としてしまうその感覚!
・・・。もう、絶句・・・。

 しかし、気分が悪くなりながらも結局途中で止めることなく、最後まで観てし
まった。そこがまたハネケ先生「チカラワザ」なんだと思ったりもする。

ファニーゲーム3

 ディンギーを牽引しながらドライヴする車を空撮の俯瞰で捉え、オペラを流す
オープニングの画からして、既に不気味「ハネケ」している。平穏で耳にやさ
しいクラシック音楽とともに、カメラは徐々に登場人物に近付き、音楽は突然、
神経を逆撫でするようなパンクに変わる。長回し対象を大きく切り取る構図の
多様
、冷たくて無機質ハネケの世界がそこにある。巻戻しや、観るものへ語
りかけるセリフ「これは映画ですよ」と断りつつ、観るものをこの陰惨「ゲーム」
参加させようという監督の意図もまた、腹立たしさ倍増。ラストのストップモー
ション
は、目を逸らさずにいられない。

 美しく、お高く留まってさえいたアナ(スザンヌ・ロタール)の、崩壊寸前の体当
たり演技
凄い! 最初は彼だとわからなかった、夫役の若きウルリッヒ・ミュ
ーエ
も、理不尽な暴力と屈辱に苛まれる壮絶演技。彼らの一人息子役の少年に
とって、この演技体験トラウマになっていないか心配になるほどだ。

ファニーゲーム2

 そして驚くべきことに、この作品、ハリウッドハネケ自身が英語版をセルフ
リメイク
し、この三月から世界各地で公開されているのだ! オリジナルに忠実
に撮られた作品らしく、それならわざわざリメイクしなくても・・・、と思わないでも
ないのだけれど。。

 主演はナオミ・ワッツティム・ロス。ナオミは製作総指揮も務めているようだか
ら、アナ役をやる気満々だったのだろうか。謎・・・。そして悪魔の化身、ポール
にはマイケル・ピット! う~ん、無茶苦茶ハマッてそう(笑)。日本での公開
予定は無いのだろうか? 二度とハネケは観たくないと言いつつ、公開されたら
観に行ってしまいそうな自分が怖い・・・。

ファニーゲーム4

 (『ファニーゲーム』監督・脚本:ミヒャエル・ハネケ/1997・オーストリア/
      主演:スザンヌ・ロタール、ウルリッヒ・ミューエ、アルノ・フリッシュ

テーマ:この映画がすごい!! - ジャンル:映画

【2008/05/07 10:05】 | DVD | トラックバック(2) | コメント(10)
~五月の病、または「鬼の霍乱」~
 GWもそろそろ終盤。皆さん、お元気ですか? ちょっと聞いて下さいよ・・・
(読んで下さい、と言うべきか)。

 1日の朝、起きると「ん? なんか喉の調子がおかしいぞ・・」 どうやら風邪
引いてしまったようです。風薫る五月になんとも不似合いな「風邪」を。

 ここ数年、バカになったのかストレスがないのか(んなワケないのですが)、
風邪を引いて寝込むなんてことはなかったんです。むちゃくちゃ久しぶりの、
この体調の悪さ! 喉は痛い、頭はガンッガン、くしゃみ連発、洟水ダラダラ。
洟をかみすぎて、鼻の周りの皮膚がヒリヒリして痛いよ~。。ずっとマスク
しているので、耳まで痛い!! こういうのって、「鬼の霍乱」って言うんです
よね。そうか、私ってバカじゃなくて、鬼だったんだ・・・。ハッハッハ。

 というわけで、全然映画を観に行けてません
『アイム・ノット・ゼア』『つぐない』『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』・・・。
観逃したら後悔しそうな作品ばっかりですよね~。

 う~ん、復活したらすぐに映画館に飛んで行きたいです! 映画のためなら、
鬼も空を飛ぶゾ。

テーマ:今日のつぶやき。 - ジャンル:日記

【2008/05/06 10:57】 | 徒然 | トラックバック(0) | コメント(10)
『人セク』の呪縛~『論理と感性は相反しない』
論理と感性は相反しない

「作家は、処女作に向かって成熟する」という言葉を聞いたことがある。

 第一作に書き手のエッセンス凝縮されるものだし、如何にデビュー作を
超える作品を生み出すか
苦闘している作家は多いだろうと思う。

 本作は、山崎ナオコーラ氏初の書き下ろし短編集。全体に一貫したテーマ
があるわけではなく、人が出てこない話だったり、年表形式だったり、著者本人
としか思えない人物が登場
したり。かなり実験的な試みをしつつ、各編がどこ
かで繋がりを持つ手法を採る、なかなかの覚悟を持って書かれた労作だと
感じた。

 しかし。同時に、文藝賞を受賞し、芥川賞候補にもなった人のセックスを
笑うな
華々しくデビューした著者にとっても、デビュー作にして傑作である
処女作の呪縛
は相当、大きいのだろうとも感じてしまった。身を削るように、
書くことしかできないと腹を括ったような著者の姿勢には、痛々しささえ感じ
てしまう。

 映画化され、大ヒットしたことも記憶に新しい『人セク』は、本当にいい小説
だと思う。カツラ美容室別室にはガッカリしたけれど、あの処女作とこの
短編集を書いた山崎さんなら、これからも読み続けたいし、応援しようと思
った。

 次は長編に期待してます。 

 (『論理と感性は相反しない』山崎ナオコーラ・著/講談社・2008)

テーマ:短編小説 - ジャンル:小説・文学

【2008/05/02 11:50】 | 読書 | トラックバック(2) | コメント(2)
若き日のマスター・デップ~『クライ・ベイビー』
クライベイビー


 CRY-BABY


 カルト映画監督の雄、ジョン・ウォーターズヘアスプレーに続いて故郷ボル
チモア
を舞台に撮ったミュージカル映画。50年代のボルチモアで、山の手に住む
女の子
下町のワルが恋に落ち、周囲を巻き込んだ大騒動を巻き起こす青春活劇
「差別」がテーマだった『ヘアスプレー』に対し、本作は「階級差」がテーマ。監督
自伝的要素がふんだんに織り込まれた作品であり、ジョニー・デップの記念す
べき映画初主演作
でもある。

 実は『へアスプレー』オリジナルが観たくて、ずっと探しているのに見つから
ず・・・。目に付いたのがこの作品と『ピンク・フラミンゴ』でした。

 ジョニー・デップは当時『21ジャンプ・ストリート』というTVシリーズに主演、刑事
で大人気を博し、アメリカ中のティーンのアイドルだったらしい。同じ年に主演
したティム・バートン『シザーハンズ』名作として誉れ高く(もちろん私も大好
き)、この作品はジョニーのフィルモグラフィーの中でもあまり重視されてない感
がある。が、しかし!若くてお肌ツルツルな美しいジョニーが歌って踊る、ファン
必見の作品!と言うか、ファンの方で観ていらっしゃらない方がいるのかどうか・・・。
ちなみに、歌は吹き替えでジョニー本人の歌声ではないそうだけれど、「ジョニー
が唄っている」
と言われてもおかしくないくらい、歌と踊りがマッチしている。

クライベイビー3

 ジョニー演じるクライ・ベイビーは、アルファベット爆弾の実行犯だった両親を
亡くし(電気椅子で処刑された!)、祖父母に育てられた少年。復讐に燃えて
いるところが、少しだけスウィーニー・トッドを連想させる(ミュージカルだし)。
クライ・ベイビーの妹は『ヘアスプレー』トレイシーみたいに太った女の子なの
だけれど、ただ太っているのではなく、なんと妊娠しているの! しかも既に
二人の子持ち!! 一体何歳で産んだんだ(爆笑)。その他、牛も逃げだす
容貌
の女友達とか、もうハチャメチャ。そして映画以上に笑えるのがジョン・
ウォーターズのコメンタリ
だったりする。下ネタ満載、脱線しまくり。でもジョニー
のことを「才能豊かな俳優」だと、ちゃんと称賛していたのが印象的だった。

クライベイビー4

 ジョニーの他に、あのイギー・ポップや元ポルノ女優トレイシー・ローズなども
出演してる。特に、イギーの初登場シーンはもう、目がテンに・・・。監督も、凄い
ことをやらせるものだなぁ(笑)。

 こういう、監督が思い入れタップリに、好き放題自分の世界観を貫く映画って
「おバカ映画」だと思いつつ嫌いになれない。もっともっと、こういう映画が観たい
くらい。ジョニーも出演したことを、決して後悔してない、と思いたい・・・。たとえ
白ブリーフ姿を晒していようと、ね。

 (『クライ・ベイビー』監督・脚本:ジョン・ウォーターズ/1990・USA/
       主演:ジョニー・デップ、エイミー・ロケイン、イギー・ポップ)

テーマ:ジョニー・デップ - ジャンル:映画

【2008/05/01 09:56】 | DVD | トラックバック(0) | コメント(0)
真紅のthinkingdays


いつまでも青臭い映画好きでいたい。愛おしい映画と、忘れがたき本たち。ときどきカフェとか。 記事は基本的にネタバレあり。 どうぞご贔屓に♪

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