おじさん、頑張る~『ダイ・ハード4.0』

LIVE FREE OR DIE HARD
ブルース・ウィリスをスターダムにのし上げた『ダイ・ハード』から19年、「世界
一不運な男」が「不死身の超人」になって帰って来た!NY市警のジョン・マクレーン
刑事(ブルース・ウィリス)が、身ひとつで強敵に立ち向かう人気シリーズ第4弾。
今回の敵はアメリカの中枢部コンピュータをハッキングするサイバーテロ集団。
アドレナリン全開、超ド級のアクションが楽しめる快作。そう、こういう映画は
ひたすら楽しむに限る!
一作目、二作目は間違いなく劇場鑑賞したのだけれど、三作目は記憶にない。と
いうことは約17年ぶりのジョン・マクレーンだったわけだけれど、相変わらずタフ
ですね~。実は私、つい最近まで「ブルース・ウィルス」だと思い込んでいたのです、
「ウィリス」なんですね・・(恥)。先日「アクターズ・スタジオ・インタビュー」
を観たら、2001年にはすでに彼はスキンヘッド。劇場で、ちょうど前の席の男性
がスキンヘッドで、ちょっと気になってしまいました。

映画は物凄く面白かった。ジョン・マクレーンは妻と離婚し、独り暮らしは寂し
いと愚痴るような中年刑事になっているのだけれど、その正義感とNYPD魂みたい
なものは衰えていない。アナログなジョン・マクレーンとデジタル世代の対決って
いうのが作劇のメインで、そこにオタクで天才ハッカーの相棒マット(ジャスティン
・ロング)との擬似親子のような絆や、娘ルーシー(メアリー・エリザベス・ウィン
ステッド)との愛情物語も絡んでくる展開。
アクションは、正直「ここまでやるか~」の世界。車は壊しまくり、銃は撃ちまくり、
しかも絶対マクレーンには弾が当たらないんですから(笑)。特に後半、F35戦闘機と
の対決は凄い!高速道路を破壊し、トレーラーから戦闘機の翼に乗り移るマクレーン、
キミは未来少年コナンか!(爆笑)。しかも飛び降りたあと、普通に歩いてますから・・。
ブルース・ウィリスの身体を張ったアクションは見応え十分。
弱々しかったマットがマクレーンに触発されて成長していくところもよかった。
「血糖値が下がったからスナックちょうだい」とか言ってたのに、結局飲まず食わずで
走っていたし。悪役ガブリエル(ティモシー・オリファント)には第一作のアラン・リ
ックマンのような存在感はなかったけれども、冷血非道な役には合っていたと思う。
彼の片腕トレイ(ジョナサン・サドウスキー)も眼鏡がかわいい。無駄にセクシーなマ
ギー・Qも美しかった!チャリエン3があるなら、ルーシー・リューに変わってマギ
ー・Qの出演希望!彼女が出ていた『M:I:Ⅲ』よりも、本作のほうが私は好きだ。
アクションやストーリーに大差はないけど、イーサン・ハントよりもジョン・マクレ
ーンのほうに、より人間味を感じるからかな。
(『ダイ・ハード4.0』監督:レン・ワイズマン/2007・USA/
主演:ブルース・ウィリス、ジャスティン・ロング、ティモシー・オリファント)
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ハードボイルド・ワンダーランド~『ロング・グッドバイ』

THE LONG GOODBYE
ロスに住む私立探偵フィリップ・マーロウは、ある日テリー・レノックスと出会い、
不思議な縁と友情で結ばれる。しかし、テリーの妻である億万長者の娘・シルヴィア
が惨殺され、テリーは妻殺しの告白をしたためた手紙をマーロウに遺し、メキシコで
自殺する。事件の裏に隠された複雑な人間関係と真実を追い、マーロウは一人、巨悪
と立ち向かうとする・・・。
アメリカを代表するハードボイルド作家レイモンド・チャンドラーの代表作『長いお別れ』
を、村上春樹が新たに訳出した話題作。3月の発売日翌日に購入したままだった本書、
ようやく読了。フィリップ・マーロウに完全にノックアウトされました。痺れた。
村上春樹のこの小説(とフィリップ・マーロウ)への偏愛ぶりはつとに有名であるが、
それは長い長い「訳者あとがき」に十分すぎるほど表れている。どれほどこの小説が素晴
らしいか、どれほどこの小説を読み込んできたかを言葉を尽くして村上春樹は語る。
しかし、同じく昨秋訳出されたスコット・フィッツジェラルド著『グレート・ギャツビー』
と比べ、随分楽しんで訳しているな、という雰囲気も伺える作品となっている。村上
春樹の『ギャツビー』に対する思い入れの強さ、深さゆえか、あの作品は「楽しんで読む」
類の小説ではなかった気がするが、本作は素晴らしく面白い。久々に「早く続きが読みた
いけれど、読み終わるのはもったいない!」という気持ちを味わえた。残りのページ
数を確認しながら、ラストに向かうに連れ、わざとゆっくり読み進む。
この小説の優れたところは語り尽くされているのかもしれないけれど、私にとって
本作の最大にして最高の魅力はフィリップ・マーロウという主人公だ。以前「カッコイイ
とは、こういうことさ」というコピーがあったけれど、まさしく世界一カッコイイ男、
マーロウ。タフで一匹狼で、信条を曲げず公平で悲観的にも楽観的にもならず、決し
てブレも媚びもしない。女を抱いても執着しない。彼が永遠のアイコンとして、今迄
もこれからも光り輝く存在であり続けることは間違いないだろう。
しかし、意外にもこの小説は「読み始めたが最後、ラストまで止まらない」わけではな
かった。スロースタートと言っていいくらいの(しかし非常に印象的ではある)序盤を経
て、本当に面白くなるのは三分の一を過ぎてから。チャンドラーの真骨頂であるとい
う会話が弾み、マーロウ節も全開、名セリフ、名場面に暇がない。ラストのどんでん
返しも、最初からうっすら感じられていたとはいえ、やはりあの名セリフ「ギムレットを
飲むには少し早すぎるね」と相まって感動的だ。この部分を読んで『テロリストのパラソル』
(藤原伊織・著)を思い出す。あの見事な傑作も、この小説の影響を受けていたんだなぁ
としみじみ思え、感慨深かった。合掌。
訳者あとがきにも、帯にも「ハードボイルド」という言葉は見当たらず、「準古典小説」と
呼ばれている。理由はどうあれ、意図的に「ハードボイルド」という言葉が排除されたことは
明白だ。けれども、本作は私にとっては十分「ハードボイルド」な小説であり、「ワンダーラ
ンド」的面白さに溢れていた。名訳とされる清水俊二氏の『長いお別れ』も読んでみたいし、
村上春樹訳で他のチャンドラー作品も、是非読んでみたい。
最後に恒例(?)の「勝手にキャスティング」を。本当に勝手ですのでご容赦下さい。
(近々マーロウをクライヴ・オーウェンが演じるそうですし・・)
フィリップ・マーロウ :ヒース・レジャー(若過ぎるけど是非!)
テリー・レノックス :ジュード・ロウ/ヴィゴ・モーテンセン
アイリーン・ウェイド :ニコール・キッドマン
ロジャー・ウェイド :アーロン・エッカート
リンダ・ローリング :キャサリン・ゼタ=ジョーンズ
エドワード・ローリング:ウィリアム・ハート
ハーラン・ポッター :ブライアン・コックス
グリーン刑事 :ハーヴェイ・カイテル
バーニー・オールズ :マイケル・ケイン
シルヴィア・レノックス:キャメロン・ディアス
(『ロング・グッドバイ』レイモンド・チャンドラー・著/村上春樹・訳/
早川書房・2007/
"THE LONG GOODBYE" by Raymond Chandler/1953・USA)
~Happy birthday dear Tony!!~
愛が越えるべきもの~『やさしくキスをして』

AE FOND KISS...
スコットランド・グラスゴーの高校。パキスタン移民二世のタハラは「文化のミックス」
である自分に誇りを持って生きている。音楽の臨時教員であるアイルランド系移民
のロシーン(エヴァ・バーシッスル)は、タハラの兄カシム(アッタ・ヤクブ)と出会
い、恋に落ちる。しかし、カシムには敬虔なイスラム教徒である両親の決めた許婚
がいた。国と人種、宗教と慣習、家族と恋人の間で揺れ動く二人。この愛は成就す
るのか? 9・11後、寛容さを失くしてしまった世界に英国の名匠ケン・ローチが
届ける、少し苦い愛の物語。
愛と宗教の問題について描いた作品といえば、エドワード・ノートン監督作『僕たち
のアナ・バナナ(原題:KEEPING THE FAITH)』が思い浮かぶ。この映画ではユダヤ
教のラビと恋に落ちた女性が改宗するハッピー・エンディングだったが、ベン・ス
ティーラー主演だけに宗教問題はあくまでコミカルに描かれていた。本作では、家族
と宗教(神)、恋人との間で揺れ動くカシムの心情がリアルに伝わってくる。

カシムの両親が、どんな思いでパキスタンから海を越えてきたか。父の心の傷、
「カシム」という名に込められた一人息子への思い。小さな雑貨店を商い、三人の子ども
たちに教育を受けさせ、イスラムの戒律を忠実に守り、異教徒と結婚することなど
夢にも考えたことのない両親。カシムを許婚と結婚させることも、タハラを地元の
大学に進ませることも、子を思う親としての思いからなのだということは十分理解
できる。だけど、だけども。。子どもだって一人の人間。好きな場所で、好きな人
と、好きなように生きてもいいじゃないか。そう思ってしまう私は、世間知らずで
信仰心のない親不孝ものなのかもしれない。
揺れ動くカシムの心情もわかる。ロシーンを愛している、離れたくない、しかし
親や姉、親戚のことはどうでもいいのか? ロシーンの愛は永遠なのか。25年後、
自分が年老いたとき、病に倒れたとき、彼女は傍にいてくれるだろうか? 異教徒
との結婚は許されるのか、彼女は改宗してくれるのか?
法律で、教師の信仰心を問う国。異教徒と婚前交渉(!)すると罵倒される、カソリ
ック教会というところ。「私の人生よ!」と叫んでも、職場に理解者がいても、他所か
らの圧力で結局は学校を追われるロシーン。「ミサに長い間出席していない」ことから、
彼女は敬虔とはいえない信者のようだ。神父の描かれ方に、教会への批判的な目線
が伺える。生徒たちにビリー・ホリデイの『奇妙な果実』を聴かせるロシーン。それで
も、愛する人の為であっても、改宗はできないと彼女は言う。
ロシーンを演じたエヴァ・バーシッスルは、『プルートで朝食を』でキトゥンの母、
ファントム・レディを演じている。カシムを演じたアッタ・ヤクブはダルビッシュ
くんのような野生的な風貌が印象的。保守的な両親と姉、自立心旺盛な末娘、両者
の間で揺れる長男。どこの国、どの時代でも繰り返されてきた家族の物語に、ケン・
ローチは英国における移民社会と人種差別の問題を加えてみせる。
ラストシーンで描かれた甘い時間は、そう長くは続かないだろう。現実の厳しさ
をわかってはいても、ロシーンとカシムがずっとずっと年老いても、共に生きてい
て欲しいと願わずにはいられない。
(『やさしくキスをして』監督:ケン・ローチ/脚本:ポール・ラヴァーティ/
主演:アッタ・ヤクブ、エヴァ・バーシッスル/
2004・UK、ベルギー、独、伊、スペイン)
あなたの10本~『韓国映画ベスト100~「JSA」から「グエムル」まで』

映画評論家というよりは「ミスター文科省」「ゆとり教育の旗振り役」として著名だ
った寺脇研氏による、韓国映画ガイド。100本の映画が、八つの章にジャンル分け
され詳しく紹介されている。教育畑の人だとばかり思っていた著者が、文化庁文化
部長として日韓文化交流に尽力したとは本書を読んで初めて知った。映画評論家と
してのキャリアも長く、高校時代から『キネマ旬報』に寄稿していたというのだから凄
い!ちなみに著者が選んだ韓国映画ベスト10は以下の通り。
1.ペパーミント・キャンディ
2.殺人の追憶
3.オアシス
4.悪い男
5.グエムル-漢江の怪物
6.復讐者に憐れみを
7.初恋のアルバム~人魚姫のいた島~
8.力道山
9.トンマッコルへようこそ
10.もし、あなたなら2 5つの視線
私は10位だけ未見。。『シュリ』や『JSA』といった大作は選ばれておらず、地味だけ
れど多くの人に観てほしい良作を紹介したい、との願いがこもった選択のような気
がする(もちろん、著者の好みも少なからず反映されているとは思うけれど)。パク・
チャヌクの復讐三部作の中で、カンヌでグランプリを受賞した『オールド・ボーイ』で
はなく『復讐者に憐れみを』がチョイスされていることに注目。また、私を含めた多く
の人が韓国映画に注目するきっかけとなった作品『八月のクリスマス』が選外なのも私
としては意外。ホ・ジノ作品はどれもランクインしていないので、著者の好みでは
ないのだろう。
巻末にはポン・ジュノ監督との対談も収録されており、ファンの方は必読かも。
「今度は是非、あなたの10本を選んでほしい」という著者の言葉に応えて、最後に私の
ベストテンを挙げておきます。あなたの10本と比べてみて下さい。
★真紅的韓国映画ベスト10(2007年6月時点)★
1.八月のクリスマス
2.オアシス
3.ペパーミント・キャンディ
4.春の日は過ぎゆく
5.弓
6.悪い男
7.オールド・ボーイ
8.ラブストーリー
9.殺人の追憶
10.風の丘を越えて~西便制
次点:おばあちゃんの家
(『韓国映画ベスト100~「JSA」から「グエムル」まで』寺脇研・著/朝日新聞社/2007)
どこまでもハイテンション~『舞妓 Haaaan!!!』

修学旅行で舞妓と出会い、寝ても醒めても舞妓一筋、夢は舞妓との野球拳という
サラリーマン鬼塚公彦(阿部サダヲ)。京都支社へ転勤となり、念願のお茶屋デビュー
が果たせると意気込む。公彦に振られた富士子(柴咲コウ)は彼を追って京都は夢川町
の置屋に住み込み花街に身を置くが、そこは独特の文化が息づく特別な世界だった。
公彦の夢は叶うのか?富士子の恋の行方は?
お茶屋遊びの常連であり、後に公彦のライバルとなるプロ野球選手内藤貴一郎に
堤真一、公彦の勤務する会社社長に伊東四朗、上司に生瀬勝久、同僚に大倉孝二、
Mr.オクレ(笑)。その他豪華キャストテンコ盛りのドタバタ・コメディ、愛すべき
おバカ映画。
クドカン脚本、阿部サダヲ主演と知って物凄く楽しみにしていたけれど、監督が
水田伸生というのもちょっとうれしかった。水田さんは4、5年前に放映されてい
たテレビドラマ『ぼくの魔法使い』の演出をされていた人。脚本はもちろんクドカン、
主演は伊藤英明と篠原涼子。もちろん阿部サダヲも出ていて、奇想天外なプロット
と小ネタ満載の最高に面白いドラマだった。今をときめく速水もこみちくんも出て
いたんですよ~!(なんと公式サイトが残っていました、こちら⇒)
もう、毎週楽しみで堪らなかった。このドラマがきっかけでクドカンワールドの
住人となった・・わけではないのだが。。

さて本作。特異なハイテンションで観るものを唖然とさせるアベサダ・ワールド
全開。弾ける舞妓愛、炸裂し迷走する公彦の成功への道のりと、貴一郎への敵対心。
もう、2時間ずうっとあの調子だから、付いていけない人は全くついていけないと
思う(笑)。阿部サダヲって、素は一体どんな人なんだろう?お子さんもいらっしゃる
らしいけど、同じ顔してるのかなぁぁ。
かっこいいのに、二枚目俳優でオファーも山ほどあるだろうに、エネルギー全開
でギャグをかまし、エッチな酔っ払いを嬉々として演じる堤さん、あなたのそのサ
ービス精神が大好きです!堤さんファンとして、出演作はなるべく劇場に足を運び
たいと思っています。舞台に行けない分、映画は必ず観ますから!!最新作は
『山猿』ね?絶対観るから(違うって)。
柴咲コウちゃんはじめ、舞妓さん方は皆かわいらしい!舞妓独特の白塗りメイク
は、ぽってりとした和風顔に似合うと思った。駒子さん姉さんの小出早織ちゃん、
めちゃくちゃかわいいじゃないか・・、惚れそう。その他チョイ役の皆さん、全員
褒めたい!そして悲しいことに、この映画は日本を代表する名コメディアン、植木
等さんの遺作でもある。エンドロールの最後に映し出される感謝の言葉が切ない。
植木さん、後はクドカンとアベサダが引き継ぎますから、ゆっくりお休み下さい。
合掌。
(『舞妓 Haaaan!!!』監督:水田伸生/脚本:宮藤官九郎/
主演:阿部サダヲ、堤真一、柴咲コウ/2007・日本)
テーマ : 舞妓Haaaan!!!
ジャンル : 映画
取り憑かれた男たち~『ゾディアック』

ZODIAC
1969年7月4日、独立記念日の夜にカリフォルニアで始まった連続殺人事件。
犯人とされる自称「ゾディアック」によってサンフランシスコの新聞社に送りつけられ
た犯行声明文は、アメリカ中を震撼させた。いまだに捜査中であり、未解決のこの
事件に魅入られ、執着し、自らの人生を狂わせてゆく男たち。史上初の劇場型犯罪
として耳目を集め、後に様々な模倣犯を生んだ事件の顛末を丹念に追いながら、謎
に翻弄され、取り憑かれた男たちの運命を描く。監督はデヴィッド・フィンチャー、
主演は我らがジェイク・ジレンホール!158分の長尺ながら、決して冗長ではない
クライム・サスペンスの秀作。大満足でした!
デヴィッド・フィンチャーの映画といえば『セヴン』。後味が悪く、決して好きな映画
ではないけれど、傑作であることは疑いようがない。賛否両論、毀誉褒貶の激しか
った『ファイト・クラブ』も私は支持する(エドワート・ノートンが好きだったんです)。
そんな監督が迎える主演俳優がジェイクとくれば、怖がりながらも楽しみでないわ
けがない。

お目当てのジェイクはと言えば、腰が低くてオタク気質、やもめで子持ちな風刺
漫画家ロバート・グレイスミスをすっごくナチュラルに演じていたと思う。ジェイク
が演技派なのはわかっているけれど、グレイスミスのようなキャラがジェイク本来
の姿なのでは・・などと邪推してしまうほど成り切っていた。初登場シーンは驚く
ほど若く、事件に嵌っていくに連れて目の下にできる隈や無精髭、狂気を帯びる瞳
が実にリアル!
★以下、ややネタバレ★
ゾディアック事件に絡め獲られたのはグレイスミスだけではない。犯行声明文が
送られてきた新聞社の敏腕記者ポール、サンフランシスコ市警の刑事トースキーを
それぞれロバート・ダウニーJr、マーク・ラファロという実力ある中堅俳優が演じ、
全体としてグレイスミスを含めた群像劇の形をとっている。それぞれが自分に可能
なアプローチで、ある者は家庭を顧みず、ある者はアルコールとドラッグに溺れ、
ある者は容疑者の疑いをかけられながらも、事件の小さな欠片を繋ぎ合わせようと
もがく。そして遂に真犯人に辿り着いたのは、人生を事件と暗号の解読に費やした
一人の男だった・・・。
事件発生から40年近く経過しているわけだけれど、当時の捜査の原始的極まりな
いことには驚いてしまった。FAXもコピー機もないのは当たり前かもしれないけれ
ど、筆跡鑑定は鑑定士の熟練度に頼りきり。管轄外だと言っては情報の共有もなさ
れず(これは現代でも?)プロファイリングもなく、そして一番驚いたのは事件発生か
ら何十年も経って、被害者に容疑者の顔写真を見せていること!これはドラマの
構成上なのか、それともこれが事実なのか・・。
さぞかし怖い映画だろうと身構えていたのだが、楽しめる範囲のハラハラドキド
キなので大丈夫。『セヴン』のように陰惨でもないが、多少被る雰囲気はあったと
思う。連続殺人、雨、そして最後の「状況証拠はクロ、DNA判定でシロ」とくれば、やは
り思い出してしまうのはポン・ジュノの傑作『殺人の追憶』。映画の中で捜査する者も
観る者も、そして製作者も犯人だと確信しながら立ち塞がるDNA鑑定の壁。これら
未解決事件のパズルが解ける日は来るのだろうか。
(『ゾディアック』監督:デヴィッド・フィンチャー/2007・USA/
主演:ジェイク・ジレンホール、マーク・ラファロ、ロバート・ダウニーJr)
テーマ : ★ゾディアック★ZODIAC★
ジャンル : 映画
ちょっと辛口~『あるスキャンダルの覚え書き』

NOTES ON A SCANDAL
(このポスター、『TALK TO HER』とそっくりですね)
定年間近な歴史教師バーバラ(ジュディ・デンチ)は、労働者階級の子弟が通う学校
に勤務する孤独な女性。同僚からも疎まれ、飼い猫と長年綴っている日記だけが
日々の慰めだった。新任の美しい美術教師シーバ(ケイト・ブランシェット)に近づい
たバーバラは彼女の秘密を知り、友情という名の元に彼女を支配しようとするのだ
が・・。
ともにオスカー女優であるジュディ・デンチVS.ケイト・ブランシェットの競演
作。演技力では当代随一のベテランと中堅女優のガチンコ演技合戦が凄まじい。
本作の演技により、ジュディ、ケイトともにアカデミー賞主演・助演女優賞にノミ
ネートされた。共演はビル・ナイ、監督は『アイリス』のリチャード・エアー。
今年のアカデミー賞授賞式を観て、一番心惹かれたのが本作。上映館が限られる中
(私の母からも「近くでやらないから観られないよ~」という嘆きのメールが入って
いた)、なんとか映画館にて鑑賞。

この二人の演技力については、今更私がどうこう言うレベルでは最早なく、圧巻
の一言。特にジュディ・デンチ。とにかく恐い・・。思い込みと妄想で膨らんだ彼女
の期待が裏切られたとき、一瞬で表出する悪意。孤独な彼女は誰よりも温もりを求
め、それが得られなければまた同じ日記を買い、同じ日常を繰り返す。入浴シーン
まで披露(?)しているのには驚いた。
大好きな女優であるケイト・ブランシェットは、今作では珍しく衝動と欲望が理性
を打ち負かす、弱い女性の役どころ。美しい金髪、モデルのような体型、所在なげ
に後れ毛をいじくる仕草がなんとも「隙のある女」を表現していて巧い!しかし、残念
ながらシーバという女性に対してはほとんど同情の余地なしだった。
「10年間、子育てしかできなかったから社会に出て何かしたかった」ブランクをものと
もせず、教師として社会復帰できた彼女は、一体何を求めていたのだろう? 自分
の人生を生きていないと感じて、どうしても欲しかったものがあれでは、ちょっと
情けないんじゃないかな。「しっかりしなさい!」って肩を叩きたい気分。
夫リチャード(ビル・ナイ)とシーバが罵り合う場面では、「自分がしたことは、結局
自分自身に還ってくるのだ」と感じさせられる。

中産階級であるシーバ一家、労働者階級であるバーバラや同僚教師たちを描き分
け、住む世界が生まれながらに違う人間への憧れや羨望、嫉妬や悪意を巧みに表現
していて、ラストまで引き込まれる。しかし私にはどうも音楽が扇情的過ぎる気が
してしまった。ジョーズでも出てくるんじゃないかと思わせる大仰さに、思わず失笑
してしまったほど。あそこまで音楽で煽り立てなくても、ジュディとケイトの二人
ならばもっと抑えた音楽と、その演技だけで十分スリルは伝わったのではないだろ
うか。
地味なドラマながら、二大女優の演技だけでも一見の価値は絶対にある。主人公
たちを好意的に見るか否か、感情移入できるかできないかは別として、綺麗事でな
い人生の側面や心の裏側を考えさせられ、見応えある一作であることは間違いない
だろう。
(『あるスキャンダルの覚え書き』監督:リチャード・エアー/2006・UK/
主演:ジュディ・デンチ、ケイト・ブランシェット、ビル・ナイ)
お見事!~『プレステージ』

The Prestige
19世紀末のロンドン。駆け出しの奇術師アンジャー(ヒュー・ジャックマン)と
ボーデン(クリスチャン・ベール)は、互いに切磋琢磨し合うよきライバル。そんな
ある日、水中脱出マジックの失敗により、舞台上でアンジャーの妻ジュリアが溺死
してしまう。ジュリアのロープを縛ったのはボーデンであったことからアンジャー
は彼を憎み、袂を分かつ。名声を高める二人の間に復讐と憎悪が連鎖し、遂には
「瞬間移動」のマジックとトリックを巡り、命懸けの攻防が始まる--。
『メメント』『バットマン ビギンズ』のクリストファー・ノーランが、クリストファー
・プリーストの原作を実弟のジョナサンとともに脚色、監督した異色作。
公開を物凄く楽しみにしていた本作、事前にほとんど情報を入れず、「映画自体がトリ
ックだ!」「結末は決して口外しないで下さい」という宣伝文句だけを信じて鑑賞。
予想通り惹き込まれました。
まず、冒頭。山高帽が森の中に無数にある映像に、クリスチャン・ベールの「よく観て
おいて」というナレーションが一瞬被さる。あとは巧妙にずらされた時間軸を追いなが
ら、「グレート・ダントン」アンジャーと「プロフェッサー」ボーデンの騙し合いに巧く
乗れるかが肝心。奇術という「偉業(Prestige)」に取り憑かれた二人の男が人生
に仕掛けた「トリック」とは何なのか。アンジャーの仕掛けはかなりSF色が強かったけ
れど、私はすんなり受け入れることができた。対するボーデンの仕掛けは古典的では
あるが、だからこそ巧妙に張り巡らされた伏線がラストで収束する作劇はお見事!
この映画における一番のマジシャンはクリストファー・ノーランだと最後に気付かさ
れる。

この映画を物凄く楽しみにしていた理由の一つは、もちろん豪華なキャスト。
「もう一人のヒュー様」ヒュー・ジャックマンのカッコよさに惚れ惚れ、気品あるショー
マンシップが素敵でうっとり。クリスチャン・ベールは『太陽の帝国』の頃から瞳の翳り
が変わらず、キャラ自体が天才ゆえの強迫観念に苛まれるボーデンと重なる。彼らを
見守るマジック考案師カッターには、いつだって安心して観ていられるサー・ケイン
爺や。大好きです!売れっ子スカーレット・ヨハンソンは「一番の目眩まし」としての美
しい助手に適役。『ブラック・ダリア』に続いてクラシカルな髪形・衣装がはまっている。
そして御大、デヴィッド・ボウイ!実在した天才発明家テスラのカリスマ性は、彼が
演じることで説得力を持ったと思う。
鑑賞後、あのセリフも、あの表情も伏線だったのだと考えれば考えるほど面白い。
ダークな色調、映像や美術にも瑕疵はなく、19世紀末ロンドンの雰囲気や英国紳士の
美しい出で立ちなど見所十分。もう一度観たら、もっともっと楽しめる映画のような
気がする。取り憑かれないようご用心!
★ 余談 ★
アンケートに答えて「プレステージ/マジックトランプトランプ」を貰いました。でも
これ、箱は『プレステージ』だけど中のカードは『イリュージョンVS』で、ちょっと笑え
ます。

見えるかな?
(『プレステージ』監督・製作:クリストファー・ノーラン/2006・UK、USA/
脚本:ジョナサン&クリストファー・ノーラン/主演:ヒュー・ジャックマン、
クリスチャン・ベール、マイケル・ケイン、スカーレット・ヨハンソン)
もういくつ寝ると・・・~『Zodiac』

Robert
Graysmith
『Zodiac』
いよいよ16日から公開の『Zodiac』。ジェイクファンの皆さま待望の、本当に
待ちに待った新作ですね~。。皆さま、初日の初回に行かれるのでしょうか?
私は19日以降になりそうです。。
デイヴィッド・フィンチャーのスリラーですから、相当覚悟して、体調も整え
て臨みましょうね。なんだかドキドキ、楽しみだなぁぁ。。
皆さまの感想も楽しみにしております♪ またお話しましょうね~。
テーマ : ★☆今から見たい映画☆★
ジャンル : 映画
熱く美しい戦士たち~『300<スリーハンドレッド>』

紀元前480年、古代ギリシアの都市国家スパルタ。大国ペルシアから服従を迫ら
れたレオニダス王(ジェラルド・バトラー)は「土地と水を差し出せ」という要求を
拒否し、戦うことを決意する。王の親衛軍として300人の精鋭が集められ、ペル
シアとの戦いに挑むが・・。
フランク・ミラーのグラフィック・ノヴェルを映像化し、本国アメリカをはじめ
世界各国で大ヒットを記録した話題作。鑑賞したシネコンでは2館拡大上映され
ており、入りもまずまず。観たことのない映像、激しく無骨なアクション、あっ
と言う間の117分。

主演のジェラルド・バトラーを筆頭に、男たちの鍛え上げられた身体が凄い!
腹筋を観るのにかまけて字幕を読み飛ばしてしまうほどの美しさ。身も心も戦い
に捧げたスパルタ戦士たちを体現するには、相当ハードなトレーニングを要した
だろうことは想像に難くない。全編ブルーバックで撮影したというざらついたセ
ピア色がかった映像、スペクタクルな戦闘シーンは大きなスクリーンで観る価値
十分のド迫力!リアルな戦争映画で描かれる流血場面は苦手な私でも、生首や腕
が飛び、矢が刺さり夥しい血が流されるこの映画には不思議と嫌悪感も恐怖も抱
かなかった。
ジェラルド・バトラーは、300人の兵士たちに命を捧げられるに足るカリスマ
性は十分。この無骨なレオニダス王と、ゴールドの装飾品で飾り立てたペルシア
王クセルクセス(ロドリゴ・サントロ)との対比も面白い。

男たちの激烈な戦闘シーンの中、紅一点、輝くばかりの美貌で印象的なのが
レナ・ヘディ演じる王妃ゴルゴ。レオニダスを愛し、息子を愛し、国を愛するが
故に裏切り者の策略に嵌りながらも、強靭な意志で我が身と夫の尊厳を守ろうと
する勇姿がまぶしい。

そして圧巻は、力尽きたスパルタ兵たちの骸が、無数の矢とともに横たわる
シーン。宗教画と見まがうほどの荘厳さは、国と王に全てを捧げ、戦い抜いた
男たちの最期にふさわしい。エンドロールの赤い文字、スパルタ兵たちの血のよ
うに赤いマントが強い印象を残す。必見!
★ おまけ ★

Rodrigo Santoro
(『300<スリーハンドレッド>』監督・脚本:ザック・スナイダー/
製作総指揮・原作:フランク・ミラー/主演:ジェラルド・バトラー、
レナ・ヘディ、ロドリゴ・サントロ/2007・USA)
テーマ : 300<スリーハンドレッド>
ジャンル : 映画
まだ始まってもいないよ~『SWEET SIXTEEN』

Happy birthday,Liam
スコットランドの田舎町に住む15歳の少年リアム(マーティン・コムストン)は学校
をドロップアウトし、兄弟同然の親友ピンボール(ウィリアム・ルアン)と共にタバコ
を売り歩く日々。16歳の誕生日前日に出所する服役中の母親と暮らしたい一心で、
彼は危ない商売に手を染めてゆく。英国労働者階級の貧困層に生まれ、過酷な環境
でもがきながら成長してゆく少年を描いた秀作。監督は英国の巨匠ケン・ローチ。
2002年度カンヌ国際映画祭脚本賞受賞作。
観ながら思い出していたのは北野武監督の『キッズ・リターン』。二人の少年の挫折
を描いたこの佳作と、どこか通じるものを感じてしまった。突き放されるようなラ
スト、心が引き裂かれ、重い衝撃を受けたように感じる内容は『麦の穂をゆらす風』と
重なる。流れ落ちる涙は、観終わってもしばらく止まることはない。

厳しすぎる環境の中で、這い上がろうとすればするほど堕ちてゆくリアム。麻薬
に手を染めた親に育てられ、何が善で何が悪か、混乱しているピンボール。若くし
てシングルマザーとなり、我が子を自分たちのようにはさせないと気丈に生き、弟
を気遣うリアムの姉シャンテル。麻薬の売人である恋人の身代わりに収監されてい
る母親。誰もが傷つき、守られることもなく、「SWEET」なものなど何もない現実
の中で、リアムが母を恋うその思いだけが純粋な、たった一つの希望のように映る。
しかしその思いが純粋であればあるほど、砕かれるときの痛みも並大抵ではない。
リアムの母親の行動は私の理解の範疇を超えていて全く共感はできないけれど、
彼女は母性よりも「女」としての部分が勝っている人なのだろう。『誰も知らない』で
YOUが演じた母親のように罪の意識のかけらも無いようには見えないけれど、子ど
もたちへの愛情や責任よりも恋人スタンと生きる道を選んでしまう、共依存のよう
な状態なのかもしれない。「大丈夫?いじめられてない?」刑務所での面会時、この
言葉を母親ではなく、リアムが母親にかけるのだ。母親が持つべき当たり前の母性
を15歳の少年が口にする苦さ。その切なすぎる思いは彼の人生を捻ってしまう。
リアムを演じたマーティン・コムストンが素晴らしい。プロサッカー選手であっ
た彼をオーディションで発掘したケン・ローチの慧眼!本作が初めての演技だとは
にわかには信じ難いほど、リアムの憔悴や緊張、悲しみ、渇望が痛いほど伝わって
くる。髭を剃るリアムをからかう姉にとって、彼はまだ幼い15歳の少年。そして
一人の「愛を乞うひと」であることが、リアムの背伸びした肩から滲み出ている。

ケン・ローチは社会の底辺に生きる彼らを誇張も貶めもせず、あくまで淡々と描
いていく。しかしそのまなざしは決して冷徹ではなく、どこか「やさしさ」を感じてし
まうのは私だけだろうか?「福祉クラスは?」「母さんが出所するまでは申請できない」
富は輪廻し、貧困は再生産される。本当に守られるべき弱者に公的な救いの手は届
かないことがさり気ない会話に込められ、太陽の覗かないスコトランドの曇った空
が、彼らの灰色の人生を象徴しているかのようだ。
ラストシーン、一人湖畔に佇むリアム。彼を自転車で迎えに行き、後ろに乗せて
言ってあげたい。「まだ始まってもいないよ」
(『SWEET SIXTEEN』監督:ケン・ローチ/脚本:ポール・ラヴァーティ/
主演:マーティン・コムストン、ウィリアム・ルアン/2002・英、独、スペイン)
ご挨拶~DVDカテゴリ記事が100を超えました~

FOUR
WEDDINGS
AND
A FUNERAL
皆様、こんにちは。前回エントリした『ノッティングヒルの恋人』で、DVDカテゴリ
の記事が100を超えました。映画館で観た映画と、DVD(またはビデオ)で観た映画と
は区別しています。映画カテゴリも今月中には50記事を超えると思います。こんな
細々とした過疎ブログでも、塵も積もればなんとやら。一応、一区切りということ
でご挨拶を。。
いつもコメントやTBを下さる皆様、本当にありがとうございます。励みややり
がいを感じています。コメントやTBはしたことがない、でも読んでいる、という
方、いらっしゃいますでしょうか? ありがとうございます! いつかお話でき
ることを楽しみにしています。
読書の記事はなかなかアップできません、反省。。活字よりも映像のほうが、
感じたことを形にし易いようです。しかし形にできたからと言って、活字よりも
映像のほうが心に長く残るか、というとそうでもないように思います。真に深く
心に響いた感情は、なかなか簡単には言葉に出来ないものなのかもしれません。
本や映画から受け取った「何か」を心に留め、考え続けることこそが大切なのだと
思います。
最近、大好きだったブロガーさんがブログの休止を経て、閉鎖されました。
大変お世話になった方なのでとても残念に思いましたが、私自身もブログの存続
や方向性については常に試行錯誤していますので、決断を尊重したいと思いまし
た。いつか再会できる日を楽しみにしています。
「真紅のthinkingdays」は、これからもしばらく、できる限り続けていきたい
と思っています。コメントやTBは本当に励みになります。FC2で「拍手」という
サービスが始まり、コメントを残すほどではないけれど・・という時にはお気軽
にクリックしていただければ幸いです。今後ともよろしくお願いいたします。
ではでは、また近いうちに。
真紅拝
最高のラブストーリー~『ノッティングヒルの恋人』その2

物凄く感動したり、心動かされた映画でも、再見するのに躊躇する作品もあれば
何度でも観たくなる作品もあります。『ノッティングヒルの恋人』は私にとって、そし
多くの方にとって後者であると思います。
前回の記事はミーハーモードをなるべく抑えて書いたのですが、気持ちが収まら
ないので続きを。よろしければお付き合い下さい。
この映画、ツボはいくつかあります。ノッティングヒルの美しい街並み、ジュリ
ア・ロバーツの驚異的な顔の小ささ、音楽の素晴らしさ。これらももちろんなので
すが、私は観ている途中であることを発見し、ちょっとした興奮状態でした。その
「あること」とは・・・。
『やまとなでしこ』のネタ元って、この映画だったんだ・・。
っていうことです(笑)。
ご存知かと思いますが、『やまなで』は松嶋菜々子・堤真一主演、2001年に
フジテレビの月9枠で放映されたロマコメです。放映当時かなり話題になっては
いましたが、私は再放送で観てハマり、今でも日本のドラマではこの作品が一番
好きです(まぁ他のドラマそんなに観てないんですけど、汗)。

ヒロインの桜子(松嶋菜々子)の「世の中、お金が全てよ、愛は年収!」っていう
価値観(これってホリエ○ンですね、彼って桜子のパクリ?)とキャラクターはアナ
からかなりデフォルメされているのですが、堤さん演じる欧介さんのキャラは、
も~うウィリアムそのもの!人がよくて、押しが弱くて、潰れかけの店を経営し
てる独身男。髪型や衣装もかなり似通っています。
映画では、ウィリアムと友人たちとの温かい交流が印象的でしたが、ドラマで
もそこが一番の見せ場だったと思います。筧利夫、西村雅彦、堤真一の「舞台トリオ」
の競演が最高だったのです。
変てこな同居人スパイクは筧利夫。ウィリアムがアナを振ったとき、たった一人
スパイクが「お前は大馬鹿野郎だ」と言いますが、ドラマでも桜子を振った欧介に同
じことを言うのは彼でした。親友マックスは西村雅彦(髪型まで似ている!)、その
妻ベラは森口瑤子。彼女と欧介は昔好き合っていたけれど、親友と結婚したとこ
ろも同じ。桜子を忘れられない欧介に友人たちが合コンをセッティングするとこ
ろも、アナを忘れられないウィリアムに友人たちが女性を紹介する場面と重なり
ます。

その他、夜道を歩く二人が柵を乗り越えて私有地の庭に入り込む幻想的な場面
や、ラストシーンで二人がベンチに座り、ウィリアム=欧介が本を読んでいると
ころも同じです。別世界の住人である桜子に欧介がどうしようもなく惹かれてし
まうのもウィリアムと同じ。そしてアナも桜子も、最後に本当の愛を見つけます。
もう、全てが私のツボです!どうしてくれるんだ~(笑)
『やまなで』も『ノッティングヒルの恋人』も、どうして観た後、こんなにも幸せな
気分にさせてくれるのでしょうか? 登場人物が善人ばかりに設定されて悪人が
出てこないこと、お約束なハッピー・エンディングであること・・。理由はたく
さんあると思います。いずれにしろ、どちらも私の中では「最高のラブストーリー」
であることだけは間違いないようです。
超現実的だけど素敵~『ノッティングヒルの恋人』

ロンドン西部の町ノッティングヒルで小さな旅行書専門店を営むウィリアム(ヒュー・
グラント)は、ある日店を訪れたハリウッドの大女優アナ・スコット(ジュリア・ロバーツ)
と恋に落ちる。大女優とさえないバツイチ男の、おとぎ話のような運命の恋。
藤原紀香のエッセイ『紀香魂』によると、陣内智則は「この映画のヒュー・グラント
の気持ちがよくわかる」と言ったそうな。自分とは別世界にいる憧れの女性が目の前に
いる。でも、これが本当に「運命の恋」だと信じていいのか・・? そんなごくごく普通
の男の逡巡が、この映画のメインテーマだと言っていいと思う。演じるはご存知「生涯一
ラブコメ職人」、人が良くてちょっとさえない二枚目半を演じさせたら右に出るもの無
し、のヒュー・グラント!この映画、ほんっとヒュー様が最高なんですよ・・。
レオナルド・ディカプリオも知らないような芸能オンチのウィリアム。ヒュー様
の出世作『フォー・ウェディング』を彷彿させるような髪型と押しの弱さ。似たような
役柄が気になったと本人も認める文字通りの「タイプキャスト」ではあるけれど、脚本
のリチャード・カーティス、プロデューサーのダンカン・ケンワーシーへの信頼と、
企画の素晴らしさが彼にこの作品への出演を決意させたという。

同じラブストーリーでも、ヒロインに自己投影できる作品とは違い、この映画は
ジュリア・ロバーツ演じるアナ・スコットには全く感情移入できない。時々覗かせ
る「普通の女性」の顔も、あくまで女優としての素顔。だからこそ本当に「普通の男」
であるウィリアムに観るものは寄り添い、どうしようもなく応援したくなる。彼の
友人たちと同じように。
この友人たちが皆個性派揃いで、厚い熱い友情とさりげない絆が素晴らしい。同居
人の変テコ男スパイク(リス・エヴァンス最高!)、元恋人ベラと親友マックスのカップ
ル、強烈な個性の妹ハニー。ベラとマックス、ウィリアムの間に流れる、お互いの
全てを許容し、全てを理解している穏やかな空気。彼らは決して幸せの絶頂にいる
わけではない。けれど深い愛情に支えられ、友がいれば人は人生のどんな運命も受
け入れられることを教えてくれる。It's a Wonderful Life!
『アイリス』のヒュー・ボネヴィルや『マッチ・ポイント』のエミリー・モーティマー
ら、英国の渋い俳優たちが多数出演しているのも楽しい。そしてもう一人、リッツ・
ホテルのコンシェルジュ。彼がアナとウィリアムのキューピッドとして、「天使」の
役回りを果たしているのも見逃せない。
そしてこの映画の一番光る脇役は、なんと言っても音楽!オープニングとエンディ
ングに流れる♪SHE~、このメロディが頭の中で鳴り続け、アナとウィリアムがいつ
までも、いつまでも幸せでいられますようにと願わずにいられない。降り注ぐ日差し
と、幸福感に満ち溢れたラストシーンに涙が滲む。観るものをこんなにも幸福な気分
にさせてくれるハッピー・エンディング。「超現実的だけど素敵」な、これは最高のラブ
ストーリーだ。と、言い切ってもいいんじゃないだろうか。
★追記:書き足りないのでその2もアップしました⇒こちら!
(『ノッティングヒルの恋人』監督:ロジャー・ミッチェル/
製作:ダンカン・ケンワーシー/製作総指揮・脚本:リチャード・カーティス/
主演:ジュリア・ロバーツ、ヒュー・グラント/1999・UK、USA)
生涯一お笑い芸人宣言~『大日本人』

ダウンタウンの松本人志が満を持して完成させた初監督作品。日本を獣から救う
ヒーロー「大日本人」こと大佐藤大(松本人志)を主人公に、シニカルでシュールと思
いきや意外とベタでわかりやすい笑いが満載の一作。
近頃はご無沙汰しているけれど昔は「ごっつ」が大好きで、あのマラソン中継の日も
私は「とかげのおっさん」観てたよ、松っちゃん! あの松本の初監督作だ、カンヌ
招待だ、事前に情報は一切なし、一体どんな映画なんだ・・と騒がしい中、行って
きました。劇場は意外にも(?)大入りでビックリ(土地柄?)。私の後ろの列の中学
生くらいの集団は、「お茶の間か」っていうくらい大ウケしていた。私も彼らの大
笑いが伝染してか、結構爆笑してしまった。

「以下、ネタバレ」
画面が揺れるな、と思ったら、あれはドキュメンタリーを撮影しているっていう
演出なんですね。主人公の大佐藤は、野良猫と二人暮らしの哀愁漂う中年男。別居
している子どもと会うときのうれしそうな顔や、折り畳み傘や「ふえるわかめ」に自分
自身を投影している感じがなんとも孤独で哀しい。世襲制度や死生観、「数字(視聴率)」
にこだわるテレビ界への批判なども散りばめられてはいるけれど、そこら辺りはちょ
っと中途半端な描写になっていたのは否めない。
「映画を撮る」とは言っても、それはあくまで「お笑い芸人として」映画を撮る、という
ことだったのだなと改めて感じた。まぁ、松っちゃんがいきなり芸術映画を撮るわ
けがないのかもしれないし、芸人としての彼が好きな私にとってその「志」は嬉しい。
しかし、映画としてはどうなんだろう?
チャンネルをつけたら観ることができるテレビと違って、映画は観客がお金を払
って、劇場まで足を運んで観るもの。テレビとは違うものが求められて当然だと思
う。この作品がテレビとは違う「新しいお笑い」を見せてくれたかというと、ちょ
っと疑問。「大日本人」のキャラは大きなスクリーンでこそ映えるとは思うものの、
ラストでいきなり「実写」ときたのは面食らった。しばし呆然。しかもいきなり「おし
まい」って、後ろの中学生「ええっ、もう終わり?!」って叫んでたし(笑)。オチの
「反省会」をエンドロールに持ってきて、最後までサービス精神発揮してはくれたけど、
ちょっとテレビ的になってしまったかな、という感じは残ったかも。
「賛否両論ないと、お笑いは残らない」「たけしさんを意識していないと言ったら嘘に
なるし、だからこそ勝ちたい」これからも叩かれたり、批判はされるだろう。けれど、
そう言い切れる松っちゃんには、それも先刻承知のはず。これからも茨の「お笑い映画
道」を歩み続けて欲しい。応援していますよ。
(『大日本人』監督・企画・脚本・主演:松本人志/2007・日本)
旅は道連れ、世は情け~『明日へのチケット』

TICKETS
カンヌ映画祭でパルムドール受賞経験のある三人の巨匠による、オムニバスでな
く「共同演出」という形の長編。オーストリア・インスブルックからミラノを経てローマ
に終着する、ヨーロッパを横断する一本の列車を舞台に、そこに乗合わせた様々な
国の様々な階層の人々を巡る物語。3人の監督それぞれが3つのパートを演出して
いる形ではあるけれど、物語は全体で一つの大きな流れに沿っている。列車が線路
を走るように。
エルマンノ・オルミ監督の作品は未見。アッバス・キアロスタミ監督は『友だちの
うちはどこ?』は印象深いが、パルムドール受賞作『桜桃の味』は途中リアタイアとい
う苦い経験あり。そんな私がこの映画に興味を持ったのは、『麦の穂をゆらす風』の
ケン・ローチが監督の一人であるということと、予告を観てセルティックサポの話
だと知ったから。スコットランド・グラスゴーのセルティックは、我らが「天才」中村
俊輔の所属チーム。日本の至宝を熱くサポートしてくれる彼らを、ケン・ローチが
どう映画に焼き付けてくれているのか観てみたかったから。

★以下、ネタバレあります★
エルマンノ・オルミによる一つめのエピソードは、国外出張したイタリア人の老
教授が、帰路の世話をしてくれた秘書に抱いた淡い恋心を描く。孫との約束を果た
すためどうしても家に帰りたい彼が、秘書の思いやりに触れ「列車が引き返してくれ
たなら・・」と彼女との逢瀬を夢想する。秘書役のヴァレリア・ブルーニ・テデスキは
どこかで観たと思えば、『ぼくを葬る』の「依頼人」の彼女ではないか!やさしく思い
やりある眼差しが美しい。社内に流れる(乗客のCDプレーヤーからこぼれた)ショパン
の調べも彩りを添え、老教授が一杯のミルクを難民の子どもに差し出すラストが温
かい。この難民一家が、実はラストまで物語の鍵となる。
キアロスタミによる二つめのエピソードは、傲慢で傍若無人の未亡人が世話役の
青年に逃げられ、途方に暮れるストーリー。ヴィトンのトランクを持ちながら二等
切符しか買わず、他人の席を横どる図々しさ、厚かましさは観ていられない!車窓
に流れる美しいトスカーナの風景とは対照的に、その醜悪さは徹底しており、観て
いて嫌悪感しか抱けないキャラクターだ。携帯電話のエピソードは、自分も思い込
みで人を判断していると思い知らされたけれど・・。
そして真打、ケン・ローチ。スーパー店員でセルティックサポーターであるメガ
ネの太めくん、赤毛のフランク、陽気なジェムジーの三人は、チャンピオンズ・リ
ーグ観戦のため、スコットランドからローマへ向かっている。列車で旅する理由が
「飛行機嫌い」というのがまた、ベルカンプみたいで笑える。マンチェスター・ユナイ
テッドの7番ユニを着た少年に「ベッカム!」と話しかけ、たちまち意気投合するとこ
ろも、フットボールは世界の共通語、みたいで微笑ましい。
この少年がアルバニアから来た難民一家の一人だったことから、事態は思わぬ方
向へ走り出す。ジェムジーのチケットを少年が盗んだのだ。いきり立つ三人に、涙
ながらに事情を話す少年の姉。難民の問題は自分たちの手には負えない、自分たち
には関係ない、政治に任せておけばよい。チケットがなくて警察に留置されれば、
セルティックの試合は見られない、何のために金を貯め、旅してきたのだ・・?
それでも、彼らはチケットを少女に差し出す、それも一番熱く怒っていたフランク
が、だ。「ケン・ローチって、なんてやさしい人なんだろう・・」そう思うと熱いもの
が胸からせり上がって来て、頬が涙で濡れていた。
終着駅で難民一家は父と無事再会し、三人組は逃げのびる。未亡人の下から自由
を得た青年の表情は晴れ晴れとしていて、テルミニ駅にたむろするローマサポータ
ーは歓声を上げている。ラストの大団円に泣き笑いしながらも、いい映画を観た感慨
と満足感に、長い間浸っていた。
(『明日へのチケット』2005・伊、英、イラン
監督:エルマンノ・オルミ、アッバス・キアロスタミ、ケン・ローチ/
脚本:エルマンノ・オルミ、アッバス・キアロスタミ、ポール・ラヴァーティ/
主演:カルロ・デッレ・ピアーネ、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、
シルヴァーナ・ドゥ・サンティス、フィリッポ・トロジャーノ、
マーティン・コムストン、ウィリアム・ルアン)
永遠を切り撮る~『アンリ・カルティエ=ブレッソン 瞬間の記憶』

HENRI CARTIER-BRESSON:
THE IMPASSIONED EYE
2004年に亡くなった「20世紀最大の写真家」アンリ・カルティエ=ブレッソンの
ドキュメンタリー。死の前年、当時93歳だったブレッソンが、自らの作品と人生に
ついて語ったインタビューと、被写体であり友人であった作家、女優、写真家たち
のコメントで綴られる72分間。モノクロの写真、パリの街並み、老いてなお盛んな
創作意欲。生きることの歓びと芸術への尊厳が溢れ、その青い瞳はキラキラ輝いて
いる、眩しいほどに。
「決定的瞬間」といえば、最近では梅佳代さんの写真集『うめめ』なども注目され受賞
し話題になったけれど、こちらは本家本元。世界を旅し、激動の時代を記録し続け
た写真家が捉えた「歴史的瞬間」の一端を垣間見ることができる。

一年前、天保山サントリーミュージアムで行われた写真展に出向かなかったこと
が、返す返すも悔やまれる・・。万難を排してでも駆けつけるべきだった、と改め
て思う。このドキュメンタリーも劇場鑑賞は叶わなかったわけで、大きなスクリー
ンで観たかった。
「自分の内面が写し出されている」と語るイザベル・ユペール。被写体との関係性が
写真の写し取る「真」ならば、彼女は写真家に自らを委ねていたのだろう。最も印象的
な『荒馬と女』撮影直前のマリリン・モンローのポートレイトには、時代のセックス・
シンボルだった彼女ではなく、知的で物憂げな、ひとりの思慮深い女優が写し取ら
れている。
報道写真が芸術に高められたとき、写真は被写体の向こう側にあるものについて
の想像力を見るものに喚起させる。天才によって切り撮られた「一瞬」が「永遠」の
記憶として拡がり、写真として見られることで日々、新しい命を授かっているかの
ようだ。
(『アンリ・カルティエ=ブレッソン 瞬間の記憶』
監督:ハインツ・バトラー/2003・フランス、スイス)
闇からの谺~『ブラック・ダリア』

THE BLACK DAHLIA
1940年代、LAで起きた殺人事件を基にしたジェームズ・エルロイの小説を原作と
するノワール劇。互いに元ボクサーの経歴を持ち、「アイス&ファイア」として名コン
ビを組んでいたLA市警の刑事、バッキー(ジョシュ・ハートネット)とリー(アーロン
・エッカート)。ある日、ハリウッド女優の卵、「ブラック・ダリア」ことエリザベス
・ショート(ミア・カーシュナー)の惨殺死体が発見された。リーはこの事件にの
めり込み、バッキーや同棲相手のケイ(スカーレット・ヨハンソン)との関係にも微妙
な影が落ちる。犯人は誰で、その目的は?
DVDにて鑑賞、観終わって激しく後悔。。「映画館で観ればよかった~~!」
公開当時、新聞広告で見るミア・カーシュナーの狂気じみた表情に「恐そう」と思って
尻込みしてしまったのだが、ビビるほどのことはない。「わかりにくい」と聞いていた
ストーリーも、カリブの海賊@ワールドエンドを観た後では全くそんなことはない。
恐るべしパイレーツ!ブライアン・デ・パルマの新作と聞いて、我先に劇場に駆け
つけた方々も多いのだろう、私はと言えば片手くらいしか彼の作品は観ていないし、
ジェームズ・エルロイも読んだことがない!ああ、この映像を、この暗黒な世界を
大きなスクリーンの闇の中で堪能したかったよ・・。

俯瞰ショット、モノクロの劇中劇、琥珀がかった色調の映像、『アンタッチャブル』
な階段落ち、畳み掛ける謎解き、スローモーション。監督の趣味とこだわり、世界
観をとことん突き詰めながらも、2時間の尺でエンタメ性も失わず、スタイリッシュ
にまとめ上げる手腕が素晴らしい。「アイス」ジョシュ・ハートネット、「ファイア」
アーロン・エッカートともに好演。「BD」の刻印も痛ましいスカーレット・ヨハンソン
嬢も、クラシックな衣装にブロンドがマッチして、相変わらず光り輝いている。
圧巻は、「ブラック・ダリア」の悲哀と薄幸を演じたミア・カーシュナーと、文字
通り狂気を体現したフィオナ・ショウ。迷宮と闇の中に葬られた二人の女の生と
性と死が、頭の中に焼きついてしまった。
しかし、この映画最大の瑕はファム・ファアールのキャスティング。ヒラリー・
スワンク・・、どうしても富豪令嬢にも絶世の美女にも見えない!これはどうして
もミス・キャストだと思う。彼女が物凄い努力家で、ハリウッドを代表するオスカー
女優であることはわかっているけれど、悲しいかな全くはまっていない。ブラック
・ダリア事件に異常なほどのめり込んでいくリーの心情も謎のまま残されるし、ケイ
のセリフ「私たち寝てないのよ」これも不可解。ノワールな雰囲気と美しい映像に耽溺
しながらも、どこか消化不良感も残る作品でもある。
(『ブラック・ダリア』監督:ブライアン・デ・パルマ/原作:ジェームズ・エルロイ/
主演:ジョシュ・ハートネット、アーロン・エッカート、スカーレット・ヨハンソン、
ヒラリー・スワンク、ミア・カーシュナー/2006・USA、独)
~sabunoriさま♪バトン!~
「題名に名前がある人がびっくりして受け取るバトン・・・ 」なんだそうです。
龍眼日記のsabunoriさま、驚かせて申し訳ありませんでした!いつもお世話に
なっております。ちなみに、「龍眼」とは「ライチ」のことなのでしょうか?
では、早速sabunoriさまに受け取っていただきたいバトンのご紹介です。
このバトン、偶然にも同じ日に「映画を観よう」のDさまと、「Sweet Days」の
nonさまよりいただきました!ありがとうございます!
■バトンの内容■
1.回ってきた5文字を携帯の記憶している変換機能で一文字ずつ変換
2.その変換候補に出てくる上位5つを惜し気もなくさらす
3.そして次に回す人に新たな5文字を指定
最近携帯が壊れかけで、あまりメールしてないのですが・・。どんな言葉が出て
くることやら(汗)
Dさまのご指定は「え・い・が・か・ん」、nonさまは「た・ま・ご・や・き」です!
え: 偉い え、エアロ 影響 駅前
い: いつ 一日 いのだけど いないかな 行くわ
が: が 眼科 がんばってね 学校 学級
か: 帰って 館 変わり ~ かけてね。
ん: んかな んだけどね。 ん? んやけど んで
「が」に生活が垣間見られるような・・。眼科、通ってるんですよ(泣)
「ん」なんて無いんじゃ?と思ったのですが、結構あるもんですね~。
た: 体 楽しみに たらさ た。 タクシー
ま: 待ってるわ また まぁ、 まだ 前も
ご: ご無沙汰 御用 午前 ごめんね ございます。
や: やっぱり やね やもんね やっと やった
き: 昨日 来てるね 今日 聞かせて 気を付けて
なんか、面白くもなんともないですね(汗)すみません~。。
①回してくれた方の印象をどうぞ
Dさまは・・。もう、憧れの方ですよ~。三姉妹のお母様で、私が四女になりたい
くらい大好きです♪ すごく映画好きな方、しかもお忙しい中でも幅広く、様々
なジャンル・地域の映画をご覧になっているな・・と感じております。
明るく輝く、沖縄の太陽のような女性です!
nonさまは・・。お付き合い(?)が始まったのはつい最近なのですけど、同世代
ということを知り、勝手に親近感を持ってしまってます。映画だけでなく、音楽や
芸術全般に関心があって、幅広い知識を持っておられる方、という印象です。
内面は、繊細で傷つきやすい方なのでは・・とも感じます。
②大好きな人にバトンタッチ
冒頭にも書きましたが「龍眼日記」のsabunoriさまに!sabunoriさまも、
お付き合いさせていただき始めたのはわりと最近なのですが、すぐに懐いてしまい
ました(笑)。映画や、香港に対する愛情がとても温かくて大好きです。
私も以前は海外旅行やホテルステイが大好きでしたので、関連記事はとても楽しく
拝読しております♪ いつもありがとうございます!
③新たな5文字を指定
6月に入りました、もうすぐ雨の季節です。ユーミンの名曲『雨のステイション』より
お題をいただきたいと思います。
「あ・め・の・え・き」でお願いします! ではでは。。
龍眼日記のsabunoriさま、驚かせて申し訳ありませんでした!いつもお世話に
なっております。ちなみに、「龍眼」とは「ライチ」のことなのでしょうか?
では、早速sabunoriさまに受け取っていただきたいバトンのご紹介です。
このバトン、偶然にも同じ日に「映画を観よう」のDさまと、「Sweet Days」の
nonさまよりいただきました!ありがとうございます!
■バトンの内容■
1.回ってきた5文字を携帯の記憶している変換機能で一文字ずつ変換
2.その変換候補に出てくる上位5つを惜し気もなくさらす
3.そして次に回す人に新たな5文字を指定
最近携帯が壊れかけで、あまりメールしてないのですが・・。どんな言葉が出て
くることやら(汗)
Dさまのご指定は「え・い・が・か・ん」、nonさまは「た・ま・ご・や・き」です!
え: 偉い え、エアロ 影響 駅前
い: いつ 一日 いのだけど いないかな 行くわ
が: が 眼科 がんばってね 学校 学級
か: 帰って 館 変わり ~ かけてね。
ん: んかな んだけどね。 ん? んやけど んで
「が」に生活が垣間見られるような・・。眼科、通ってるんですよ(泣)
「ん」なんて無いんじゃ?と思ったのですが、結構あるもんですね~。
た: 体 楽しみに たらさ た。 タクシー
ま: 待ってるわ また まぁ、 まだ 前も
ご: ご無沙汰 御用 午前 ごめんね ございます。
や: やっぱり やね やもんね やっと やった
き: 昨日 来てるね 今日 聞かせて 気を付けて
なんか、面白くもなんともないですね(汗)すみません~。。
①回してくれた方の印象をどうぞ
Dさまは・・。もう、憧れの方ですよ~。三姉妹のお母様で、私が四女になりたい
くらい大好きです♪ すごく映画好きな方、しかもお忙しい中でも幅広く、様々
なジャンル・地域の映画をご覧になっているな・・と感じております。
明るく輝く、沖縄の太陽のような女性です!
nonさまは・・。お付き合い(?)が始まったのはつい最近なのですけど、同世代
ということを知り、勝手に親近感を持ってしまってます。映画だけでなく、音楽や
芸術全般に関心があって、幅広い知識を持っておられる方、という印象です。
内面は、繊細で傷つきやすい方なのでは・・とも感じます。
②大好きな人にバトンタッチ
冒頭にも書きましたが「龍眼日記」のsabunoriさまに!sabunoriさまも、
お付き合いさせていただき始めたのはわりと最近なのですが、すぐに懐いてしまい
ました(笑)。映画や、香港に対する愛情がとても温かくて大好きです。
私も以前は海外旅行やホテルステイが大好きでしたので、関連記事はとても楽しく
拝読しております♪ いつもありがとうございます!
③新たな5文字を指定
6月に入りました、もうすぐ雨の季節です。ユーミンの名曲『雨のステイション』より
お題をいただきたいと思います。
「あ・め・の・え・き」でお願いします! ではでは。。