『Little Women/若草物語』 49年版、94年版

刊行以来150年、一度も絶版になったことがなく何度も何度も映像化されているルイーザ・メイ・オルコットの小説 『Little Women/若草物語』。
2019年のグレタ・ガーウィグ版を観る前に、49年版と94年版の映画化作品を観た。
94年版は25年位前に観た記憶がうっすらとあるくらい。49年版は初見。
94年版では四女エイミーを幼少期と成人後で別の女優が演じている。
幼少期のキルスティン・ダンストが圧倒的に(いい意味でも悪い意味でも)印象に残る。
この94年版はウィノナ・ライダー=次女ジョーが限りなく 「かわいい」。(ウィノナの映画だからね)
そして「美人」のはずの長女メグとエイミーの影が薄すぎる。(ウィノナの映画だから)
三女ベスのクレア・デインズも病弱なイメージではないし、クリスチャン・ベイル=ローリー、スーザン・サランドン=マーミーもちょっと違う(当社比)。
いい映画なんだけどキャストが合っていないと感じてしまった。
まぁ(ウィノナの映画だから)いいんですけど。
49年版は刺繍の絵で構成されたオープニングタイトルが美しく、物語が始まる前から心を鷲掴みされてしまう。
オーバーアクトと感じてしまうほどおてんばでガサツなジョーはジューン・アリソン。
なんと彼女は32歳でこの役を演じたのだとか。。とてもジョーらしいけれど、がらっぱちな声に年齢が出てしまっていたかも。
この49年版の特徴は三女ベス、四女エイミーの年齢をひっくり返していること。
リズ・テイラーのエイミー、もう美し過ぎてハマり過ぎて眼福。
小さな末っ子ベスがおとなしくて儚げでかわいくて、この設定変更も悪くないなぁと思う。(原作ファンがどう思うかはわからないけれど)
そして長女メグはなんとジャネット・リー様ですよ! お美しい~♪
キャストがいいなぁ、ブルック先生もローリーも。私は94年版よりこちらのほうが好き。
エイミーと結婚したローリーに 「これからもずっと変わらないでいられるよね?」 と言われたジョーが
「いいえ。男と女ですもの」 と返すのがいい。
少女時代に自ら別れを告げるジョー。ジーーーンとして思わず涙してしまった。
そしてもう一つ、この映画を観て驚いたのはエイミー=リズが洗濯バサミで鼻をつまんだまま眠るシーン(鼻つまみ者という自虐ネタなのか?)。
このビジュアルだけは憶えている。映像ではなく、子どもの頃雑誌か何かのモノクロ写真で観た記憶がある。
何故って、私も真似して洗濯バサミで鼻をつまんでいたから。
典型的な東洋人顔のわたし。ちいさな頃から鼻が低くて、祖母によく 「鼻筋をつまみなさい、高くなるように」 と言われていたほど(涙)。
懐かしく少し痛い記憶が甦ったのも、この映画が愛おしい理由なのだった。
キャサリン・ヘップバーン=ジョーの33年版も、いつか必ず観たい。
ちなみにシアーシャ・ローナン=ジョーのグレタ版は金曜日の初日から三日連続で鑑賞。
泣きすぎて月曜日は使い物にならなかった私。
ハマり映画のお約束でスクリプトもDLしてプリントアウト。
感想はまたゆっくりと(書けたら)。
スポンサーサイト
Finally!~『Little Women/若草物語』

6月12日劇場公開決定、との公式アナウンスです。
(なんと息子がLINEしてきてくれて知ったという...)
5月24日現在、大阪でも一部の映画館が再開していますが、これは 「その日までには全国の映画館がオープンしている」 という明確なメッセージでもあると受け取っています。
原作は「続」の途中でイライラして投げ出し、ペーパーバックを積読中。
94年のウィノナ版を再見し、(今観るとベイルさんに違和感)、リズがエイミー役の49年版を録画(NHKBSシネマさんありがとう)。
あとは有休を取るのみ、やな。
2020-05-24 :
Little Women :
コメント : 4 :
まさかの公開延期~『Little Women/若草物語』

(シネコンで撮ったポスター。邦題がよくないよね)
皆様お変わりございませんか?
私は 『アビエイター』 のレオ並みに手洗いしてるので大丈夫ですよ!
しかし世の中大変なことになっておりますね。。新型コロナ。
私ももちろん、仕事に影響出まくりです(溜息)。
新作映画の公開延期も続々と発表されていますが、とうとう 『Little Women/若草物語』 も延期
が発表されました。
3月27日から 「初夏」 に延期だそう。
初夏っていつ? 何月? はっきりしてくれー(絶叫)。
「3月27日に 『Little Women/若草物語』 を観るためならどんな辛い仕事にも耐えます!」 と
映画の神様にお祈りしていたのですが。。。(マジで)
仕方ないですね。但し、絶対に公開してくださいよソニピクさん!!!
そしてなんと 『NNTD』 まで公開延期。これはなんと4月から11月、7ヶ月もの世界公開延期です。
この報を受けて私の頭に浮かんだのは 「IMAXシアターが空くやん、ダンケルク再上映してくれ」
でした(爆)。
いやマジでノーラン特集組んで欲しい。通います。
てか映画館の営業も最早風前の灯ですよね。。中国、イタリアに続いて日本も映画館が閉鎖されかね
ない状況。
観られる限りは一本でも多く観たいと思っていますが。
ああ、早く夏になれ~。
そして皆さま、どうかご無事で。
2020-03-08 :
Little Women :
コメント : 8 :
まさかのダサ邦題事案発生~『Little Women』

う~ん、なんでこうなるかなぁ。。
ルイザ・メイ・オルコット原作、グレタ・ガーウィグ版 『Little Women』(若草物語)の邦題が
『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』 に決定したそうです。
・・・目を疑いましたね。「は?」 という感じ。ワン・ダイレクションかよ!?
以前も書きましたが、なぜ 『Little Women』 のままではダメなのでしょうか。
今や小学生から英語は必修科目であるはずなのに、なぜわざわざ原題とはかけ離れたカタカナ邦題と余計な副題つけるかなぁ。映画を観る人の知性感性なめ過ぎじゃない? 一体誰をターゲットにしているのでしょうね。
そしてこの邦題、ダサいだけでなく原作へのリスペクトが感じられない。どうして 「マイライフ/わたしの」 なのでしょう?
『Little Women』 は四姉妹の物語なんですけど。。まさか邦題つけた人、若草物語を知らないとか?
このままでは 「ダサ邦題オブ・ザ・イヤー2020」 候補入り間違いなしですよ。いや候補どころか決定でしょう。トレイラー何百回とリピートして泣くほど楽しみにしてる作品なのに残念過ぎるわ。
まぁ来年3月に観られることには感謝しかないのですが。何とかならないのかなぁ。
2019-12-12 :
Little Women :
コメント : 2 :
『Little Women』

『レディ・バード』 のグレタ・ガーウィグ×シアーシャ・ローナン×ティモシー・シャラメのリユニオン、それが世界的ベストセラー 『若草物語』 の映画化だと知ってから、もう楽しみで楽しみで、早く観たくて観たくて。
ファーストルックから何枚かスチールはリリースされたけれどティーザーは未だ。全米公開は12月、待ち切れなくて落ち着かないので100年ぶり(?)くらいに原作を読み返すことにした。
何度も映画化されたこの古典を、才人グレタがどう現代にアップデートしてみせてくれるのか興味津々。エマ・ワトソンのメグ、シァーシャ・ローナンのジョー、フローレンス・ピューのエミリーに 「彼女たちはもうリトルじゃない」 という批判があるのはごもっとも。「りっぱな男の人に愛され、妻として選ばれるということは、女としていちばんしあわせなうれしいことなのです」 というマーチ夫人の価値観は錆びついているし、“I could never love anyone as I love my sisters.” という原作者ルイザ・メイ・オルコットの言葉も今や骨董品のように感じてしまう。ハードルは相当、高いだろう。
しかし黒い瞳に巻き毛の、フランス語を話しピアノを弾く少年ローリーは、150年前に 「当て書き」 されたと感じるほどティモシー・シャラメそのもの。いや、ティミーというか(call me by your nameにおける)エリオなのだ。
「世界中を旅して音楽家になりたい」 というローリーの夢は、エリオが叶えているだろう。「あなたは世界中で一番幸福な少年よ」 というジョーの言葉は、 “You’re the luckiest kid in the world.” とエリオに言ったオリヴァーのセリフと同じ。アンドレ・アシマン、、、まさかね(笑)。
最速レビューを横目で見ると、シァーシャは4度目のアカデミー賞ノミニーをロックオン、とあった。『ブルックリン』 以来、彼女は一番好きな女優さんの一人。ジョーが髪を切る場面、わかっているのにどうしても泣いてしまうあの場面を彼女がどう表現するのか。期待しています。
そして願わくば、タイトルは 『若草物語』 でなく 『Little Women』 のままであってほしい。新しい時代の、新しい映画として。
