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映画が大好きです。いつまでも青臭い映画好きでいたい。 記事は基本的にネタバレありです by 真紅 (言葉を探す人)   ★劇場鑑賞した映画は Instagram にアップしています @ruby_red66 ★Stay Blue

『August My Heaven』 そしてここ最近のわたし

MyAugustHeaven.jpg

間もなく開幕する今年のベルリン国際映画祭
ベルリナーレ・スペシャル部門に 「日本映画界の宝©️真紅」 こと工藤梨穂監督の新作 『August My Heaven』 が正式招待されております!(拍手)

ベルリンってコンペの他にも部門が多くて(パノラマ、ジェネレーション、フォーラムなどなど)よくわからないのですが、スペシャル部門には日本から工藤監督の他に(大御所)黒沢清監督、石井岳龍監督作品が選ばれています
工藤監督、凄いわ〜
今年は中東情勢を鑑みてボイコットの動きなどもあるようですし、工藤監督も複雑な思いでいらっしゃるようですが参加する限りは楽しんで欲しい
健闘を祈ります

あらすじを読むにロードムービーのようですね
ポスターには我らが槙こと諏訪珠理くんの姿も見えます
音楽は前作に引き続きsoma、うれしいね〜最高!
配信オンリーで公開されるらしく、プラットフォームがどうなるのか不明ですが早く観たいな♪
楽しみに待ちたいと思います


さて。

みなさんお元気ですか?

ワタクシはですね、、、
今年はもう元日から心沈むこと(災害、事故、事件)が多く、ニュースを見聞きするのが辛くて、、、
特に先月末からの数日間はほぼ心ここに在らずのショック状態
はぁ〜、、つれ〜

そんな私が今密かに待っているのがこの映画 『成功したオタク』 (2021・韓国)
3月30日から全国順次公開です

成功したオタク

「推しが性加害で逮捕された--韓国震撼のスキャンダルをファンが見つめたドキュメンタリー」

なんだそうですよ奥さん!

推しが事件を起こしたり、告訴したりされたりした経験ってありますか?
わたしはあります

わたしは見る目がなかったのか?
わたしが彼を推していたことは加害に加担したことになるのか?
あの楽しかった時間、彼を推していた時間そのものも否定しなければならないのか


様々な思いが頭の中でグルグル回るばかりで答えは出ません
仮に「彼」と書きましたが、個人に限らず団体やクラブチームでもあり得る話ですよね
この胸の内を語り合いたい、誰かと共有したい!
そんな気持ちに寄り添ってくれる映画だとよいのですが。
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2024-02-13 : 映画雑談 : コメント : 2 :
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『もっと遠くへ行こう。』 シアーシャ・ローナンとポール・メスカルの新作など

ianfoe.jpg

2065年、気候変動による住環境の悪化に伴い地球外移住計画が進行している近未来
アメリカ中西部の田舎町に住むヘンとジュニア夫妻のもとに、ある晩見知らぬ男が訪れる

シアーシャ・ローナン×ポール・メスカルのアイリッシュコンビが初共演し夫婦を演じたSF
AmazonPrimeVideoにて

シアーシャはポール・メスカルとの共演を望んでいたようだし(同じエージェントなのだとか)、
私もふたりのファンとして楽しみに待っていた作品
しかし、原作が 『もう終わりにしよう』 のイアン・リードと知った時点で 「あまり期待はできないなぁ、、」 
と思ってもいた

その予想通り面白くはない作品
正直主演がこの二人じゃなかったら途中リタイアしていたと思う
原作は未読、なんでも発売前に映画化権が買われたほど期待の作品だったらしい
なのにこの二人が主演でこのつまらなさ、、、いくら低予算とはいえ、、、
観終わって 「なるほど~」 とは思えるのでプロットは悪くないと思うんですよね
監督の責任ってことにしていいですか?(すみません)

SFではあるのだけど、カップルセラピーみたいな話だなぁ、と
近未来であろうと人間の悩みは変わらないのですね

さて気を取り直して。
シアーシャの新作は彼女の初プロデュースかつ主演作 『The Outrun』
パートナーのジャック・ロウデンとともに設立した製作会社Arcade Pictures の第一作です
サンダンスでワールドプレミアが終わったばかり、いくつかレビューを読むとシアーシャの演技は絶賛されている模様
ベルリン(パノラマ部門)でも上映らしく、低予算なインディペンド映画だけどどんな作品になっているか楽しみ♪
(ていうか日本でも観られるようにしてよね)

ポール・メスカルは 『グラディエーター2』 が撮影終了、山田太一原作 『異人たちとの夏』 のリメイク 『異人たち』 は4月日本公開! 
めちゃくちゃ高評価なのでオスカーに絡むのか? 注目ですよ♪

The outrun

( 『もっと遠くへ行こう。』 原題:Foe/監督・共同脚本:ガース・デイヴィス/
                  主演:シアーシャ・ローナン、ポール・メスカル/2023・米、英、豪)

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2024-01-22 : BD/DVD/WOWOW/Streaming : コメント : 4 : トラックバック : 1
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謹賀新年~2024

2024謹賀新年

旧年中はお付き合いくださりありがとうございました。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

甲辰・いい年にしましょう!

真紅拝 xxx

テーマ : 年末年始のご挨拶
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2024-01-04 : 徒然 :
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2023 真紅のthinkingdays Best 10(+10) of the movies

       20231.jpg

       20232.jpg

2023年に劇場鑑賞した新作映画149本からベスト10(+10)を選びました。
#2023年映画ベスト10

①帰れない山
②枯れ葉
③ファーストカウ
④TAR/ター
⑤フェイブルマンズ
⑥aftersun/アフターサン
⑦CLOSE/クロース
⑧大いなる自由
⑨コンパートメントNo.6
⑩ウォンカとチョコレート工場のはじまり

11.イニシェリン島の精霊
12.AIR/エアー
13.イノセンツ
14.理想郷
15.バビロン
16.すべてうまくいきますように
17.Pearl
18.君たちはどう生きるか
19.マエストロ:その音楽と愛と
20.ザ・ホエール
次点:BLUE GIANT

2023年の新作映画劇場鑑賞は149本(前年と同数)
内訳は洋画123本(82.6%)、邦画26本(17.4%)
旧作映画劇場鑑賞は16本で全劇場鑑賞は165本でした
自宅鑑賞は92本(リピートは含めず)
劇場新作(149)、劇場旧作(16)、自宅(92)、全部で257本鑑賞(前年比+13本)
ちなみに配信された新作は20本鑑賞、ベスト3は

① 赤と白とロイヤルブルー(AmazonPrimeVideo)
② ナイアド~その決意は海を越える~(Netflix)
③ Saltburn(AmazonPrimeVideo)

今年は旧作のインパクトが大きかった
それについてはまた改めて書きたいと思います

今年もたくさん映画観られて幸せでした
お付き合いいただいた皆様、ありがとうございました
年末年始のご挨拶は皆様のベスト作を楽しみにまた年明けに伺います
来年もたくさん映画観ましょう!
よいお年をお迎えください。
真紅拝 xxx

テーマ : ★おすすめ映画★
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2023-12-31 : 年間ベスト : コメント : 20 : トラックバック : 0
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2023(下半期) 真紅のthinkingdays Best 10 of the movies

#2023年下半期映画ベスト10

①ウォンカとチョコレート工場のはじまり
②枯れ葉
③ファースト・カウ
④大いなる自由
⑤CLOSE/クロース
⑥イノセンツ
⑦理想郷
⑧Pearl
⑨ポトフ美食家と料理人
⑩君たちはどう生きるか

*劇場鑑賞新作72本中の個人的順位です

テーマ : ★おすすめ映画★
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2023-12-31 : 年間ベスト :
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少し早いクリスマスプレゼント

 
 ラテンビート映画祭 『ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ』 の開場を待っていると、肩をポンと叩かれた。
振り向くと、今年の誕生日にプレゼントしたアニエスベーの白いカットソーを着た息子が立っている。

「あれ~、どうしたん?」
「これ観に来た。あっちでやってないねん、ここでも上映1回だけやろ」 
「そうなんや。観終わったらどうすんの?」 
「今日はこれで終わり」 
「じゃあ晩ご飯食べて帰ろうか」 
「了解」

31分の短編 『ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ』 は、ペドロ・アルモドバルが 『ブロークバック・マウンテン』 への彼なりのアンサー、としている作品(だから私はどうしても観たかった)

「一瞬で終わったな」 
ブロークバック・マウンテンは観たの?」 
「いや、観てない」 
「ええ~、あかんやん。。観てな~、絶対」

会話はいつものように直近で観た映画の話へと移っていく。
ウォンカ、よかったよね」 
「うん、よかった。面白いし音楽もいいしいい映画やった」 
「ポール・キング天才よね。パディントン2は観たの?」
「いや、観てない」 
「ええ~、あかんやん。。観てな~、絶対」(2回目)

VORTEX観たよ。あの夫みたいに断捨離せずに死ぬまで好きなものに囲まれていたいと思った」 
「いいんじゃない? 掃除しとけば断捨離はしなくていいやろ」 
よしよし、ゴミ屋敷にはしないから遺品整理は(一人っ子の)君に任せたぞ!(笑)

ポトフもよかったよね~」
「よかった! ビノシュとブノワ・マジメルって元パートナーらしいね」
「そうやねんな~、すごいよねちゃんと共演して。
うちは余裕がなかったから食器とか適当やったけど、あの映画みたいに器にもこだわる人になってほしい」
「え~? 今部屋にコップとラーメン鉢くらいしかないけど(笑)」
「今じゃなくて、将来。これからのことよ」

食事を終えて外に出ると、梅田スカイビル名物の大きなクリスマスツリーが輝いている。
今日のこの出来事は、神様からの少し早いクリスマスプレゼントだったんだな。

息子は阪急電車に乗って、一人暮らす街へと帰ってゆく。
「じゃあ、また年末に。年間ベスト考えといてな」
「うん、もちろんよ! 来週は寒くなるみたいやから、気を付けてね」

イルミネーションが煌めく中、駅に向かう息子の背中が雑踏に消えるまで見送った。
神様、ありがとう。
メリークリスマス!

クリスマスプレゼント

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2023-12-20 : 映画雑談 : コメント : 6 :
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『ナイアド〜その決意は海を越える〜』

ナイアド













  NYAD


キューバからフロリダ・キーウエストまで約180キロの外洋を泳いで渡ったダイアナ・ナイアドと、その仲間たちの実話の映画化
主人公ナイアドをアネット・ベニング、その相棒バニーをジョディ・フォスターが演じています

これ10月に一週間かな? 限定劇場公開されていたんですけどスルーしてしまって
アワードシーズンが始まり、アネットとジョディがノミネートされ始め慌てて観たのですが、、、
ああ〜、もうめちゃくちゃ感動しました(涙涙)
映画館で観たかった、残念(後悔先に立たず)
Netflixの配信作品で先行劇場公開される映画って、やはりちゃんと理由があるのですよね

物語はダイアナの60歳の誕生日から始まります
彼女は30歳で挑戦し失敗したフロリダ海峡横断を60歳にして再チャレンジしようと決意する
還暦って(アメリカでそういう考え方があるのかは知りませんが)人生一周、誰もが今までとこれからの生き方について思いを馳せる時期だと思う
亡き母の遺品を整理しながら、「一度きりの人生、やるべきことをやったのか?」 と自問自答するダイアナの気持ち、よくわかります

正直、途中までダイアナのことを 「狂人」 だと呆れながら観ていました
クラゲに刺されサメに狙われ、命の危険を冒し周囲を破滅寸前にまで追い込みながら

何故?

なぜここまでやるのか
その理由はダイアナの過去がフラッシュバックする中で語られます
彼女は 「闘えなかった14歳の自分」 と決別しなければならなかった
あの日から自分を鼓舞し、必要以上に我儘に横柄に振る舞わなければ生きていけなかったのでしょう

彼女を支えた周囲もまた凄い
特に家を抵当に入れ、身も心も捧げるバニーは並大抵の献身ではない
この2人が 「バディ」 であり、恋愛関係ではないところがまた最高なのです
性愛を超えた、もっともっと深い愛と絆が2人の間にはある
「もうデートはいいの」 と言うバニーにめちゃ共感する私なのでした

とにかくアネットとジョディが素晴らしすぎるんですよ
シワもシミもタルミも隠さず、ありのままの姿を見せながら本当にカッコいい
2人とも美人女優の代名詞的存在だったのに、加齢を否定せず受け入れる姿は天晴れ!
これはアンチ・アンチエイジング映画ですね
そして航海士リス・エヴァンス!
「砂に目が入った」 キャリア最高の名演ではないでしょうか

 「言いたいことが3つある。
 ひとつは決して諦めてはいけないということ。
 2つ目は、年を取っても夢を追うのに遅すぎたりはしない。
 3つ目は、孤独な競技のように見えてもこれはチームプレーだということ」


朦朧とするダイアナを励まし導くバニーに、私は涙が止まらないのでした

観終わって、監督はアカデミー賞を受賞したドキュメンタリー 『フリーソロ』 の方と知り大いに納得
私もあきらめずに、他の誰のものでもない自分の人生を歩いていきたい
自分らしく
そんな風に思わせてくれる作品でした

( 『ナイアド ~その決意は海を越える~』 監督:エリザベス・チャイ・ヴァサルヘリィ、ジミー・チン/
                   主演:アネット・ベニング、ジョディ・フォスター/2023・USA/Netflix)

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2023-12-18 : BD/DVD/WOWOW/Streaming : コメント : 0 : トラックバック : 0
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『ファースト・カウ』 公開記念 「ケリー・ライカートの映画たち 漂流のアメリカ」

ケリー・ライカート

いよいよ12月22日から 『ファースト・カウ(2019)』 が(やっと、や〜っと)公開されます

先日劇場で予告編を観ました
スタンダードの画角に開拓時代のアメリカ中西部が拡がり、その温かみのある映像にトビー・ジョーンズがいてなんだかワクワクした

ケリー・ライカートは現代アメリカ映画の最重要作家と(一部で)言われながら、日本ではほとんど無名だったのではないでしょうか
かく言う私も昨年息子に教えてもらうまで寡聞にして知らず
↑画像は昨年特集上映に出かけた息子に買ってきてもらったパンフレットです
(ちなみに彼は上映された作品全て劇場鑑賞したらしいのですが意外とハマらなかったとか)

「ケリー・ライカートの映画たち 漂流のアメリカ」
上映されたのはこの初期四作品

『リバー・オブ・グラス』
『オールド・ジョイ』
『ウェンディ&ルーシー』
『ミークス・カットオフ』


私は上映館には行けなかったので昨年8月U-NEXTにて鑑賞(今はアマプラにもきています)

記録を残したいと思いつつ一年以上が経ってしまいましたが、どの作品も地味ながら忘れ難い
「淡々と美しいロードムービー」 と形容されていますがそれだけではない
「痛み」 を描きながら感情に流されない視点が胸に残る
甲乙つけ難いですが一番好きなのは 『ミークス・カットオフ』、しかしこれはタランティーノが公開年の最低映画に選んだ作品でもあります(笑)

12月22日からはA24特集で 『ショーイング・アップ』 も限定公開されるそう
ミシェル・ウィリアムズが監督と四度目のタッグを組んだ作品です
年の瀬の慌しい時期だけど、『ファースト・カウ』 と合わせてなんとか観たい!

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2023-12-06 : 映画雑談 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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担降りした話

さようなら










 Farewell, my fallen angel.


久しぶりの更新なので、もっと明るい話題にしたかったのですが。

今やレオの後継者的な位置づけで 「プリンス・オブ・ハリウッド」 として君臨するティモシー・シャラメ
大好きでずっと応援してきましたが、少し前に 「担降り」 しました。

きっかけは9月のビヨンセのライヴ
別に彼が誰と付き合おうが公然といちゃつこうが全然オッケーですが、私が幻滅したのはVIP席でタバコを吸い、灰を落とす姿でした。
あの振る舞いには心底ガッカリでしたね。。(別に喫煙はいいけど灰を落とすな)
それ以来好き度は急降下していたのですが、先日のSNLにはドン引き、わが目を疑いました。

彼が何系の生まれであろうと、どんな思想信条を持っていようと関係ないです。
今まさに中東で起こっていること、それに対し世界中で湧き上がるプロテスト。
それらを知りながら、何の疑問も抱かず彼はあのジョークを口にできたのでしょうか?
そのことでどんな反応が起こるのか、想像すらしなかったということ?

もちろん、あのジョークを書いたのは彼ではありません。
しかし、それを口にすることはできないと拒否することはできたはず。
たとえアメリカであのジョークが許容範囲内だったとしても。。
本当に悲しく残念です。

個人的にキャンセルカルチャーには与しないので、今後も彼の出演作品は(観たいと思うものは)観続けます。
もちろん応援する方はご自由に、というスタンスです。

あ~あ、人類はいつまで憎み合い傷つけ合うのでしょう?



さようなら、私の堕天使。

テーマ : 俳優・女優
ジャンル : 映画

2023-11-13 : YOU GUYS ARE KILLING ME : コメント : 4 :
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FOE



カッコいいポスターよね~
日本でも公開して欲しい!
せめて配信には来ますように、、、よろしくお願いします♪

テーマ : 映画
ジャンル : 映画

2023-09-13 : 映画雑談 : コメント : 4 :
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50th Anniversary 松任谷由実コンサートツアー「The Journey」@大阪城ホール

ユーミン1+ユーミン2+

ユーミン、50周年おめでとうございます!
7月2日 大阪城ホール
年齢を感じさせない、時空を超越したようなステージを堪能しました
(詳細は IG に上げています) 

ユーミンを聴き始めたのは中学の終わり頃だったと思う
その頃の私はまだ愛を知らず
恋すらよくわからなかった
要するに世間知らずの子どもだったのです
そんな私にユーミンの作品世界は新鮮で、、
今思えば少し背伸びして聴いていたと思う

音楽を聴くと記憶がフラッシュバックする経験は誰にもあるでしょう
幼い私にとって、ユーミンの描く世界はまさに 「フラッシュフォワード」 だった
作品世界が未来の記憶となって、答え合わせをするかのように生きてきたような気がする

フロントグラスを染めて広がる黄昏
写真立ての中のおどけるふたり
ドーナツ屋の薄いコーヒー
胸のアルバムの日光写真
恋人がサンタクロース
霧雨の水銀灯

それらは全部ユーミンの歌の中にあって、私は一つひとつ履修しながら大人になった
そう、ユーミンは私の人生に責任があるのです(あはは)

松任谷正隆プロデュースだから山の手サウンド(シティポップ)なのは当然として、ユーミンの曲にはどこか懐かしさというか親しみやすさがある
ブリティッシュロックの影響は彼女自身も公言しているけれど、歌謡曲っぽさ、もっと言えば突然演歌みたいなフレーズが出てきたり
当たり前だけど 「日本のメロディ」 なんだと思う 
ジブリが使ったことも大きいのかな

最初に 「年齢を感じさせない」 と書いたけれど、来年早々には古希(!)を迎えるユーミン
願わくばいつまでも元気でパワフルな姿を見せていてほしい
私(たち)の人生の伴走者として

「The Journey」 そして旅は続く。。

ユーミン3

  (手を伸ばしてiPhoneをかざしているのが私。何を撮っているのだろう?笑)
2023-08-10 : 舞台・ライブ : コメント : 6 : トラックバック : 0
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『逢びき』 グレタ・ガーウィグのお気に入り映画12本

逢びき

初見
言わずと知れた恋愛映画の古典
邦題よりも 「Brief Encounter」 という原題のほうが素敵(有名?)ですね
86分の尺、大作イメージのデヴィッド・リーンってこんなメロドラマも撮っていたのかと驚きました
グレタ・ガーウィグのお気に入り12本の一作ということで気になって鑑賞
もちろんU-NEXT(無双)にて

いや〜、よかった〜
セリフがめちゃくちゃ好き!
スクリプト読みたい! と思った
私、映画内恋愛エピソードにイラッとくる 「恋愛要素いらんねん」 派閥なんですけど、こういう純然たる100%の恋愛映画は大好物です

木曜日ごとの逢瀬、これ秋公開のニノの主演作 『アナログ』 の元ネタですね?
お互いに家庭のある、分別ある大人の純愛
そしてラストシーンの素晴らしさよ(涙)
この映画超ハッピーエンディングですよね
いや〜、夫の人最高では?
ローラもそのことは充分過ぎるほどわかっている
だからこそ深く悩み苦しんだ
でもね〜、恋って落ちるものだから
仕方ないのよ(完)

しかしこの映画第二次大戦のさなか、(1945年)製作って、、
そりゃうちら負けるはずだわ(汗)

(おまけ)
グレタ・ガーウィグのお気に入り、見てほしい映画12本(IndieWire 2023/6/5)

ジャンヌ・ディエルマン、ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地
雨に唄えば
リオ・ブラボー
赤い河
三十九夜
逢びき
キング・オブ・コメディ
家族の庭
ニコール・キッドマンの恋愛天国
プリティ・イン・ピンク
赤い影
ワーキング・ガール


グレタの最高傑作と絶賛に染まる新作 『バービー』 は8月11日公開!
楽しみスギル♪

( 『逢びき』 監督・共同脚本:デヴィッド・リーン/原題:BRIEF ENCOUNTER/
             主演:セリア・ジョンソン、トレヴァー・ハワード/1945・UK)

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2023-07-14 : BD/DVD/WOWOW/Streaming : コメント : 4 : トラックバック : 0
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2023(上半期) 真紅のthinkingdays Best 10 of the movie

My Favorite Movies of 2023 so far...

#2023年上半期映画ベスト10

①フェイブルマンズ
②帰れない山
③イニシェリン島の精霊
④TAR/ター
⑤aftersun/アフターサン
⑥Air/エアー
⑦ザ・ホエール
⑧コンパートメントNo.6
⑨バビロン
⑩BLUE GIANT
劇場鑑賞新作77本より

上半期は旧作4本と合わせて81本劇場鑑賞
(リピートはなし)
自宅鑑賞は49本で合計130本

いやその劇場鑑賞した旧作4本がすばらしかったのなんの
オールタイムベストに入れてしまいそうな勢いですよ

・裸足で鳴らしてみせろ
・ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地
・はなればなれに
・無法松の一生

リマスター上映やレトロスペクティヴが多くてうれしくも悩ましい今日この頃
今月はとりあえずトリアーとカサヴェテスは外せないよね
と言いつつ上映スケジュール見て頭抱えてるけど(時間が合わねえ)
下半期も頑張っていっぱい映画観るぞ〜!

2023上ベスト12023上ベスト2

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2023-07-07 : 年間ベスト : コメント : 4 : トラックバック : 0
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『山の焚火』

焚火

スイスアルプスの人里離れた場所で、ある一家が暮らしている
年老いた両親と姉は聾唖の弟を「坊や」と呼び、愛情深く育てていた
思春期を迎えた弟は度々癇癪を起こし、遂に父の逆鱗に触れ家を出てしまう

スイスの巨匠フレディ・M・ムーラー監督、1985年の作品
ロカルノ国際映画祭で金豹賞(グランプリ)を獲得した本作は、スイス映画アカデミーよりスイス映画史上最高の一作に選定されたのだそう
2020年には監督の作品3作が「マウンテン・トリロジー」特集として35年ぶりに日本でリバイバル公開されている
U-NEXTにて鑑賞(しかしU-NEXTは無双してるよね、もう無しでは生きていけないかも笑)

山登りに興味はないのですが、山の映画や登山家には何故か惹かれます
しかし寡聞にして本作は知らず
きっかけはグラフィックデザイナー・大島依提亜さんのツィート
『LAMB/ラム』 を観て真っ先にこの映画を想起したと(個人的には 『LAMB/ラム』 は特に好きな映画というわけではないのですが)
5月に観た 『帰れない山』 がとても好きで、山の映画をまた観たいと思ったときこのツィートを思い出した
何故か心に引っかかっていたのです

いやぁ、、凄い映画を観ました
こんな作品があったのか、、としばし呆然

スイスアルプスと言えば 『ハイジ』 のおかげで日本人の心のふるさと的な場所ですよね
山肌の緑や雲、湧き水などはアニメそのままの風景です
そこで暮らす一家の、静謐かつ激烈な物語でした

幸い私は核心(ネタバレ)に触れることなく鑑賞できたのですが、あらすじ紹介にもそこははっきりと書いてありますのでなるべくググらずに観ることをお勧めします

※ 以下、やんわりとネタバレ


時代背景は1980年代、しかし一家はテレビも車も所有していない
両親は耳の聞こえない弟を 「下」 の施設にはやらず、山仕事を教えている
教師を目指し一度は 「下」 の学校に通った姉も中退して山に戻り、両親とともに弟の面倒を見ている

自然に抱かれて暮らすということ
描かれていることはタブーですが、何故か 「自然」 に 「そうなるだろうな」 という感覚だった
確かに衝撃ではあるのですが、、、高所には 「下」 の民である自分には計り知れない 「時間(時の流れ)」 や生命の営みがある気がした

人はみな命の炎を燃やし生きているはず
しかし 「下」 にいるとそのことを忘れてしまう
ゆらゆらと揺れる山の焚火を見ながら、姉弟はただ 「自然」 に、シンプルに生きただけなのだろう
息をするように
眠るように

叶わない母の祈り
それでも娘に告げるのは否定の言葉ではない
(自分にはこの母の台詞が一番の衝撃だった)
私に娘がいたら、こんな言葉をかけられるだろうか?
「下」 を最も拒絶していたはずの父の怒りが、「下」 の倫理観に最も近いのもまた皮肉な話

セリフは少なく、余白が多い作品です
悲痛でもあるけれど、どこか神々しくもあり不思議な余韻が残る
観る者に委ねるナラティブは直近で観た 『aftersun/アフターサン』 に近いと感じた(もちろん全く違うストーリーですが)

映画って、いや人間ってほんとうに計り知れない存在ですね
ちっぽけな自分の想像の範疇をはるかに超えていて畏怖さえ覚える

「マウンテン・トリロジー」 の他の作品も観たいと思います

( 『山の焚火』 監督・脚本:フレディ・M・ムーラー/
                          原題:HOHENFEUER・ALPINE FIRE/1985・スイス)

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2023-06-15 : BD/DVD/WOWOW/Streaming : コメント : 2 : トラックバック : 0
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第95回アカデミー賞作品賞候補作 好きな順

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6月2日公開 『ウーマン・トーキング 私たちの選択』 鑑賞をもって第95回アカデミー賞作品賞候補10作をコンプリート
以下、好きな順です

1.フェイブルマンズ
1.TAR/ター
3.トップガン マーヴェリック
4.イニシェリン島の精霊
5.ウーマン・トーキング 私たちの選択
6.西部戦線異状なし(劇場未公開・Netflix)
7.エルヴィス
8.逆転のトライアングル
9.エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
10.アバター:ウェイ・オブ・ウォーター

1位が決められませんでした(汗)
3位と4位もほぼ差はないです
6位はNetflix 鑑賞だったので、劇場で観ることができていたら順位は入れ替わっていたかも?しれません

7位以下は個人的にはハマれなかった作品
9位は超期待していたのですが寝てしまった、、、無念
作品賞はじめ総なめ状態でしたが、主演女優賞は 『TAR/ター』 のケイト・ブランシェットが獲るべきだったと思います(ケイト様はミシェル・ヨーに獲らせるためにオスカーキャンペーンをしなかった、みたいな話も聞きましたけど)
10位は世界中で大ヒットして5部作になるそうですが、、
今後はもう観ないかな
パフォーマンス・キャプチャーの映像ってあまり好みではないです
今回HFRが売りでしたけど通常版で観たからなぁ
でもまた続編が公開されたら映画館に走ってるかも(笑)

テーマ : アカデミー賞
ジャンル : 映画

2023-06-13 : 年間ベスト : コメント : 4 :
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ダルデンヌ兄弟 『イゴールの約束』 『息子のまなざし』 『ロゼッタ』

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ダルデンヌ兄弟の新作 『トリとロキタ』 を観逃してしまった。

ちょっと無理をすれば時間を作れないこともなかったのだけど、彼らの作品は 『サンドラの週末』 くらいしか観たことがなくて
「どうしても観たい!」 という気持ちになれず結局スルー
そこでU-NEXTで観られるダルデンヌ兄弟の監督作品を観てみることに
以下、とりあえず3作品観たところで観た順に感想をメモ

◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ 

『イゴールの約束』 (原題:LA PROMESSE/1996)
父とともに不法移民の就労に手を染めている少年イゴールの物語
アニエス・ヴァルダやグザヴィエ・ドランがフェイバリットに挙げている作品なのだそう
イゴールを演じた少年、かわいい、、どこかで観たことある、、、と思っていたらなんと 『2重螺旋の恋人』 のジェレミー・レニエじゃない!
彼が 「人として」 の善性に目覚める過程がとてもリアル
ラストは 「ここで言うか!」 というタイミングなのだけれど、彼なりにギリギリまで逡巡したのだろうな、、、と思う

『息子のまなざし』 (原題:LE FILS/2002)
職業訓練校で木工を教えているオリヴィエのクラスに、ある少年がやってくる
手一杯だと一度は少年を拒否したオリヴィエだったが、少年の挙動が気になり結局は彼を受け入れるのだが、、
カンヌ映画祭男優賞受賞作

予備知識なく鑑賞したので、少年がオリヴィエの(生き別れた)息子なのか? と思いながら観ていた
これは邦題のミスリードですね
少年とオリヴィエの関係が明かされてからはサスペンスの様相
少年が 「名前で呼んでいい?」 「後見人になって」 と距離を詰めてくるに連れて大きくなるオリヴィエの戸惑い(葛藤)が伝わってくる
言葉少なく、感情をほとんど表に出さないオリヴィエゆえに緊張感が半端ない
最悪の事態を予想させながら、希望を感じるラストシーンに安堵
いや~この映画は凄い! 

『ロゼッタ』 (原題:ROSETTA/1999)
酒浸りの母とキャンプ場のトレーラーで暮らす少女ロゼッタが、理不尽な仕打ちを受けながらも懸命に生きようとする物語
カンヌ映画祭パルムドール&女優賞受賞作

う~ん、、これは観るのが辛い作品だった
同性として、あまりにも過酷なロゼッタの境遇が苦し過ぎる
「生活保護を申請して」 と言われても頑なに拒否し、仕事を探して生きるのだと突っ張る
「どうしてそこまで意地を張るの?」 と思う自分がいた
あの母と二人、今までどうやって生きてきたのだろう、、、とロゼッタの来し方に思いを馳せてしまう
救いがない、、しかし最後の最後にロゼッタは変われたのです
そう思いたい

◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ 

3作ともにオリヴィエ・グルメが出演
彼は2021年のマイベスト作の一本 『私は確信する』 が印象深かったのですがダルデンヌ兄弟作品の常連俳優さんだったのですね
『サンドラの週末』 はオスカー女優マリオン・コティヤールの映画、という印象が強かったのだけれど、ダルデンヌ兄弟は社会的弱者に目を向け、常に問題提起する映画作家なのだとわかった
被写界深度が浅く主人公の視線に観るものを極力近づけるような映像表現と、シンプルなタイトル、最小限の登場人物、セリフ、劇伴、短めなランタイムで主題を明確に描く作風が貫かれている
ケン・ローチに近いものを感じます(尊敬)
彼らを評価し、世界に紹介してきたカンヌ映画祭はやはり凄いなと改めて思う(運営にいろいろ文句はあるにしても)
遅すぎるけどサブスクにあるダルデンヌ兄弟作品は全て観たいし、今後も公開作は観続けたいと思う

彼らはベルギー出身ですがアニエス・ヴァルダ、シャンタル・アケルマン、新作 『クロース』 がもうすぐ公開(超期待♪ ロゼッタ役の女優さんが出演するらしいと知りますます楽しみよ)のルーカス・ドンもそう
いい映画作家が多い印象なのは大国に挟まれた国の成り立ち(歴史)と無関係ではないのかもしれないと思う
ポーランドもそうですよね

そんなことを考えていると、映画を娯楽として観るだけでなく映画史的に勉強してみたいな、、と思ったり
ああ~、人生
時間が足りねぇ

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2023-05-30 : BD/DVD/WOWOW/Streaming : コメント : 4 : トラックバック : 1
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舞台挨拶付き上映~『裸足で鳴らしてみせろ』 #3

裸足#3-1-2裸足#3-1-1

承前

昨年観逃して一番残念だった本作を映画館で鑑賞することができました!
しかも場所は京都みなみ会館、ずっと憧れていた映画館です
大好きなぼくは明日、昨日のきみとデートする にも登場する 「みなみ会館」 ですよ〜
そしてなんと、工藤梨穂監督の舞台挨拶付き上映です

WOWOW放映分を録画して繰り返し観ているのですが、やはり映画館で観るのは格別です
特に本作は 「音」 に関する映画でもあるので、自宅鑑賞で拾いきれていなかった音が聞こえて感無量

舞台挨拶に続いてQ&Aもあり、監督のお話をたくさん聞くことができました
工藤監督はネットに上がっているインタビュー動画などで拝見していた通り、素朴な雰囲気の小柄な方
小さな身体にすごい才能と映画愛が宿っているなと
彼女は日本映画界の宝ですよ!
「クィアな愛を捉えたい、これは自分が一生背負っていくテーマ」 とおっしゃっていたのが印象的でした

以下、Q&A 備忘録(記憶が曖昧な部分もあり)

☆ネタバレ☆

裸足#3ー2

質問 「ラストシーンを観て、彼女(朔ちゃん)は幸せになれるのかと感じましたが」

監督 「朔子役の伊藤歌歩とも話し合いましたが、朔子は直巳の中に触れられない秘密があるとは感じていて、それでも直巳と生きていくことを選択しているよね、という感じです」

・う~ん、これは 「朔ちゃん蚊帳の外」 問題ですね。あの内気な直巳が罪を犯したことについては仲間内でも相当な衝撃だったとは思いますが…。詳細は聞けないよね。てか聞くべきでもないと思うし。誰にだって色々あるよね、人生。

質問 「(いくつかのシーンを挙げて)反復が多いですが、その意図は?」

監督 「ラストでまた会う、再会するという部分を表現するために、敢えてシーンやセリフで反復を多く取り入れて「繰り返す」ということを表現しました」(大意)

・ここはもう少し 「記憶」 についても言及されていたかも?しれません。反復については私も観ていて気になる部分だったので納得でした。

質問 「①直巳と朔ちゃんが映画館を出た後、誰もいないシートが長めに映っていますが何か意図があるのですか? ②パスタのシーンは ゴッズ・オウン・カントリー へのオマージュですか?」 (僭越ながらこれは私が質問しました)

監督 「①撮影の佐々木(靖之)さんとも話をして、直巳の隣(左隣)にいた槙はもういないんだ、ということを表現したくて(誰もいない)シートを映すあの画にしました」
「②オマージュではないです。ゴーグルに残る塩を使いたくて、何の料理があるかなと考えパスタが思い浮かびました」

・①は初見のときから引っかかったので、やはり意図があったのかとわかってスッキリ! ②はなんと偶然の一致なのですね〜、ビックリ!

質問 「タイトルはどう決められたのですか?」

監督 「脚本を書きながらもなかなかいいタイトルが思い浮かばなくて、ずっと仮タイトルでした。命令形のタイトルがいいなとある時思って、音に関する物語でもあるので 「鳴らす」 がいいなと」 (以下、裸足については忘れてしまいましたすみません)

・とってもいいタイトルですよね~。素晴らしいです!

質問 「直巳と槙は格闘でしか愛を確かめられなかったのに、直巳と彼女は簡単に触れ合えているように見えましたが、この解釈は?」(大意)

監督 「男同士でも男女間でも、性愛だけに向かわない愛の形というものもある、ということを表現したくて格闘という形をとりました。一緒では苦しすぎるが、1人では生きていけない、という愛の矛盾というものを表現したかった」(大意)

・この 「性愛(キスとかSEXとか)に向かわない愛もある」 という事が、監督が一番表現したかった部分なのかな、と個人的には感じました。

質問 「愚問かもしれませんが、直巳と槙が一緒にいられる、というラストは考えられなかったのでしょうか」 (私、このストレートな質問に感動しました。愚問なんてとんでもないです!)

監督 「考えたことはないです(キッパリ)。人は生きていく中で、辛いことだったり大切な人と離ればなれにならざるを得なかったり、誰にでもあると思うのですが、それでも人生は続いていくんだ、ということをこの映画で描きたかったんです」

・監督のこの答えに思わず泣いてしまいました…。「それでも人生は続いていく」 というのはまさにラストシーンで私が感じたことだったから。わかります。監督の思い、しかと受け止めましたよ!

一つひとつの質問に、誠実に(一生懸命)言葉を探すように答えてくれる工藤梨穂監督
とても好感しました
舞台挨拶って滅多に行けないですけど、本当にいい経験、思い出になりました
京都みなみ会館さんにも、監督にも感謝ですね
ありがとうございました(ぺこり)。

裸足#3-3-2裸足#3-3-1

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2023-04-21 : LET ME HEAR IT BAREFOOT : コメント : 0 :
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Stay Blue.〜『裸足で鳴らしてみせろ』 #2

青

承前

劇伴を担当したsoma(藤井草馬)の音楽が素晴らしいのですが、主題歌 『Primula Julian』 はサクラソウ科の花の名前
花言葉は 「青春の喜びと悲しみ」 なんだそう
この映画のために書かれたわけではない既成曲なのに、驚くほど作品世界にマッチしていますよね
リピートしてずっと聴いています

☆以下、引き続きネタバレ☆


どん底だった直巳と再会し、直巳と生きていく朔ちゃん(伊藤歌歩)
彼女の人物造形がリアルでとても好感しました
男性二人が主人公の物語に登場する女性は、恋敵だったり浮気相手だったりして 「憎まれ役」 なことが多いけど、本作の朔ちゃんは憎めないどころか救世主なのです

朔ちゃんは直巳のことをずっと思っていたのだろうけど、(自信のなさゆえに)煮え切らない直巳の元を去り、カナダへと旅立ちます
大好きで、(多分)生きがいだったギターも断ち切って
だから海辺で直巳が言ってくれた 「朔ちゃんの曲が一番好きだった」 「カナダでいい曲書けたら、また聴かせてよ」 という言葉が本当にうれしかったんだと思う
でも、砂山で朔ちゃんが差し出した手に直巳は触れられない

時が流れて、直巳は槙と再会するのか?と思いきや物語は予想外の方向へ進んでいく
カナダ帰りの朔ちゃんがコンビニでアルバイトしているのもすごくリアル
(ワーホリから帰ってきて、そのスキルや英語力を活かせずになんとなくバイトや派遣を続けている人を何人も見てきました)
朔ちゃんの背中にやさしく触れる直巳の手に安堵している私がいた
ラストシーンで彼女は 「蚊帳の外」 だけれど、それもまたリアルな描写だった

もう一人の主要な女性登場人物・美鳥ちゃん(風吹ジュン)もとっても素敵でした
夢見るように旅を語る美鳥ちゃんを見つめるふたりのまなざしのやさしさ
看取れなかったことを槙は悔やんでいたけれど、人生の最期に彼女は安らぎを得ていたよね

暴力や犯罪も内包しながら、この映画はとてもとてもやさしいのです
ゆるやかな円環構造のようにもみえる反復の多さは監督の作風なのかな
今年のマイベスト作の一本
Stay Blue.

☆トリビア(工藤梨穂監督インタビューより)☆
① 直巳は23歳、槙は20歳の設定
② 直巳と朔ちゃんが映画館で観ているのは監督の前作オーファンズ・ブルース(音声だけフランス語をかぶせたのか?)
③ 直巳と朔ちゃんは中・高の同級生

つづく

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2023-04-17 : LET ME HEAR IT BAREFOOT : コメント : 0 :
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青のままで〜『裸足で鳴らしてみせろ』 #1

裸足で鳴らしてみせろ














 LET ME HEAR IT BAREFOOT 


実家の不用品回収会社で働く直巳(佐々木詩音)は、目の不自由な養母・美鳥(風吹ジュン)と暮らす槙(諏訪珠理)と出逢う

 「どこへ行こう?」 「どこへでも行ける」

オーファンズ・ブルース でPFFグランプリを受賞した工藤梨穂監督の商業映画デビュー作
何処にも行けないふたりの青年が世界の 「音」 を探して彷徨うロードムービー
(青年と言うよりは Boy meets Boy が正しいかな)
PFFスカラシップ作品です
昨年劇場公開を観逃して一番残念だった映画をWOWOWにて鑑賞

粗削りで万人受けする作品ではない(多分)ですが、私は愛おしくて堪らない
しばらくはこの映画のことしか考えられない状態でした
なぜこんなにも心奪われ、涙が止まらないのか?
この映画には、私が創作に求める 「切実さ」 が溢れているからだと思う
誠実で、真摯でひたむきで青臭くて
このポスター見てくださいよ
「部屋に飾りたい」 と久々に思った

☆以下、内容に言及(ネタバレ)します☆


直巳の避難所の光がブエノスアイレスだなと思ったら 『天使の涙』 が置いてある
ビデオ、レコード、カセットテープ、ブラウン管テレビ
スマホが出てこず、家電が鳴る現代劇を久しぶりに観た気がする

直巳(ナオミ)と槙(マキ)って名前がいい(ふたりのセリフに同感)
語感だけだと男女どちらでも通る名前なのは敢えてそうしたのかな
もちろん美鳥(ミドリ)も素敵
役名と俳優名が併記してあるエンドロールで初めて音と漢字がリンクして、とても好感しました

直巳の所在なげでオドオドした感じを、佐々木詩音が繊細に表現していた
典型的なモラハラ気質の父(甲本雅裕)と向き合う時の上目遣いとか
直巳の母は、そんな夫から逃げるために家を出たのではないかな
残された直巳が 「触れるものしか信じない」 と言うのもわかるような気がする
その 「触れること」 についての映画でもありました

直巳も槙も、首に触れる仕草が癖
でも、お互いには触れられない

「抱きしめられる人がいるって、どんな感じ?」 「どうしてみんな、触れられる人を見つけられるんだろう」
孤児だったのだろう槙の孤独が痛いほど伝わってくる
それは直巳も同じ
ゴーグルのシーンでは私のほうが泣いていた

ふたりで食べるパスタは ゴッズ・オウン・カントリー へのオマージュ?と思わず前のめりになった
幸せなひととき
束の間の世界旅行
「一緒に居たかったから、止められなかった」

同じ磁場を持つふたり
だから強い力で反発しあう
甘噛みのようなじゃれ合いから始まった格闘が、互いを傷つける暴力にエスカレートしてしまう展開は観ていて辛かった(同時に、このバトルが少し長いとも感じた)

「俺に触れよ!」 「できないよ」

ああいう形でしか愛情を表現できない彼らに共感はできないのに、私まで胸を抉られるようで

何処へも行けないから、「今しかない」 と焦る直巳
「何処にも行けなくても」 一緒にいられればいい、と願う槙
(特に直巳の)爆発しそうな激情は滅びへと一直線に堕ちてゆく
お金持ちの佐渡さんの登場で 「そうなる」 ことは予想がついたけれど、「そうなってほしくない」 と願いながら観ていたのに

そして何度も何度も観てしまうラストシークエンス
投げ出された裸足
見上げる直巳
見下ろす槙
青いままのふたり
そこに言葉はない、でも

槙はずっとカセットをトラックに乗せて、ひとりで聴いていたのかな
直己は髪型も雰囲気も変わったけれど、槙はなんにも変わっていない
忘れてないよ
今までも
今も
これからもずっと

こんな愛の告白ってある?(号泣)
「愛してる」 でも 「好き」 でもない
言葉にしなくても、それはふたりだけにはわかる
永遠の約束

こういうシチュエーションってありますよね?
心を残して離れた相手と何年も経って偶然再会して、しこりが溶けてゆく感覚
一番好きな人とずっと一緒にはいられない
すぐ傍にいる相手とは別の場所に心がある

 「一緒では苦しすぎるが、ひとりでは生きていけない」

未来を信じて、記憶に残ればそれでいいと言った槙
今しか信じられず、触れるものしか信じないと言った直巳

やさしい嘘、苦しい嘘
夕日の先のそれぞれの道
それでも人生は続いてゆく

つづく

( 『裸足で鳴らしてみせろ』 監督・脚本:工藤梨穂/主演:佐々木詩音、諏訪珠里/2021)

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「裸足」の前に~『オーファンズ・ブルース』

オーファンズ・ブルース

記憶障害を抱えたエマは幼馴染のヤンから届いた絵の消印を頼りに、彼を探す旅に出る

昨年観逃して一番残念だった映画 『裸足で鳴らしてみせろ』 を観ました(WOWOWありがとう)
週末に二回観て、それから何度もリピートしています

本作は「裸足」の監督・脚本を担った工藤梨穂(28歳)の京都芸大映画学科卒業制作作品
失われゆく記憶とともに漂う若者たちのひと夏のロードムービー
商業デビュー作である「裸足」の前の作品であり、PFFグランプリ受賞作
学生の卒業制作(自主映画ですよね)でこのクオリティ、小規模ながら全国公開もされたとは凄い!
才能、天賦の才ってやっぱりあるんだなぁと思う
U-NEXTにて鑑賞(アマプラにもあります)

「処女作にはその作家の全てがある」 と言いますが、本作にも「裸足」に繋がるモチーフがたくさんある

タイトルでもある孤児
日本なのにどこか異国のような風景
カセットテープ、レコーダー
多用されるバックショット
その背中に触れようとして触れられない指
そして何より携帯電話、スマホが出てこない
鳴るのは家電、かけるのは公衆電話!
時代設定が気になるところ

「裸足」の主人公のひとり、佐々木詩音が全く違う印象を受けることに驚きます
何この半端ない色気は?
彼が演じるアキみたいな人が現実にいたら伝説的モテ男でしょうよ
やっぱり役者さんって凄いなぁ
彼が独り踊るタンゴ、イエローがかった色調は ブエノスアイレス を彷彿させる
監督のTwitter、トプ画がまさにブエノなのです)
その後の疾走は 『汚れた血』 ですね

セリフでも映像でも多くを語らず、想像の余地の中に物語を託した作劇は賛否分かれるところかもしれません
私はとても好きでした
何もかもわかろうとしなくてもいいんじゃないかな
映画も人生も

象が好きなヤンに、もういないフー・ボーを重ねてしまった
ロードムービーだしね(あちらは冬でこちらは夏だけど)

工藤梨穂監督、ずっと撮り続けてください
「裸足」も必ず言葉にします

( 『オーファンズ・ブルース』 監督・脚本:工藤梨穂/
                     主演:村上由規乃、上川拓郎、佐々木詩音、窪瀬環、辻凪子/2018)

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