The shape of voice 『聲の形』
          聲の形

 アニメばかり観ているわけではないのですが・・・。ちなみに京アニ初めて観ました。

 これも必見の作品です。原作は未読、しかし昨年の漫画賞受賞のニュースはチェックしていました。


 友だちとは?

 自己顕示欲と自己嫌悪。

 トラウマ。

 贖罪。



 学校という場所にいたことがある人、つまり全てのひとに刺さる部分がある作品だと思います。

 公開週の全国週末興行成績は、君の名は。とワンツー。

 安易には描けない、重いテーマの作品です。そしてそういう作品に、多くの若い人たちが詰め掛けたことに、希望を感じました。


 ちなみに、私の左隣は小学生(低学年)の女の子がひとりで観に来ていました。
 同じくひとりで来て、泣きじゃくっている 「隣のおばさん」 に、何度も視線を寄越していました(笑)。
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[2016/09/21 00:13] | 映画 | トラックバック(0) | コメント(0) |
Who's next? "NEW" James bond
newボンド

 うっとり・・・❤ どなたでもOKよ♪

 ん??? 私の"T"がいないじゃないか!? Tom Hardy も混ぜて~。。

テーマ:007シリーズ - ジャンル:映画

[2016/09/05 08:22] | 映画雑談 |
【恭喜】 舒淇&馮徳倫、結婚了!
 女優さんの結婚は素直に祝福できるわ(笑)。

スー・チー

 スー・チーももう40歳なんですね。。Twitterに上がっていた結婚写真(&動画)が
あまりにも可愛くて。とても長い交際期間だったようで、よかったよかった。

 これからもますますいい女優さんでいてね! 活躍を祈念しておりますよ~☆

テーマ:☆.。.:*・゚中国・香港・台湾映画゚・*:.。.☆ - ジャンル:映画

[2016/09/04 09:35] | 映画雑談 |
YOUR NAME.
君の名は

 忘れたくなかった人

 忘れたくない人

 忘れちゃダメな人。


 『君の名は。』



 必見です。

テーマ:★おすすめ映画★ - ジャンル:映画

[2016/08/31 00:00] | 映画 |
JASONBOURNE
じぇいそんぼーん2

 I know your name...and i can hardly wait!!!

テーマ:気になる映画 - ジャンル:映画

[2016/08/04 06:30] | 映画雑談 |
暑中お見舞い申し上げます~2016
暑中お見舞い2016

                        This is maybe my best film in this year.
                                                July,2016
                                                    真紅拝

テーマ:日々あれこれ - ジャンル:ブログ

[2016/07/24 11:46] | 徒然 |
Brexit--英国EU離脱
離脱

 彼もきっと、母国の未来を憂いていることでしょう。多分。

 どうなるのかな~、これからの世界。

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[2016/06/27 07:30] | 徒然 |
【業務連絡】 少しお休みします。
 こんにちは。真紅です^^

 今月は一回しか更新できていなくて今更なのですが、ブログ更新を少しお休み
することにしました。映画は変わらず観ているのですが・・・。

 再開時期は未定ですが、また近いうちにお会いしましょう♪ 再見。


留守番

テーマ:お知らせ - ジャンル:ブログ

[2016/06/18 13:51] | 徒然 |
破壊の申し子~『ディストラクション・ベイビーズ』
ディストラクション・ベイビーズ

 松山市西部の港町・三津浜。そこでケンカに明け暮れていた泰良(柳楽優弥)
は、ある日突然姿を消す。弟の将太(村上虹郎)は兄を探して、松山の繁華街
と向かう。

 「楽しければええけん」

 街を彷徨い、とり憑かれたように殴り殴られ、血を流しても、倒れても何度で
も喧嘩を吹っ掛ける
。そこには大義名分どころか、言葉も理由もない。ただ殴り、
ただ殴られるだけ
。そんな怪物のような男と、その男に魅入られた少年。理解を
超えた 「暴力」 の凄まじさと、人間の業について否応なく考えさせられる作品。
過激で不気味な主人公を、ほとんどセリフのない柳楽優弥怪演し、その主人
公の威を借って粗暴な行動をエスカレートさせてゆく高校生・裕也菅田将暉
演じている。彼らの犯罪に巻き込まれるキャバ嬢・那奈小松菜奈女優開眼
かな。身寄りのない兄弟を引き取り、住まわせていた男を演じたでんでんも貫禄
たっぷり。他に池松壮亮の顔も。豪華キャストを束ねた監督真利子哲也

 「あんた、スゲエな! 俺と面白いことしようや」

ディストラクション・ベイビーズ2

 不協和音とともに始まるオープニングは、不快で不穏な物語を予感させる。
『ブラタモリ』 にも登場した渡しが今も残る、田舎の小さな港町。松山は、四国
の中でも瀬戸内側の温暖な風土で、太平洋に面した高知や徳島よりも穏やか
な印象
がある。どちらかと言えば、小説 『坊ちゃん』 や 『坂の上の雲』俳句
甲子園
など、文学的なイメージが強い。その街で、真利子監督が強烈なバイオ
レンス
を感じ取り、この映画を全編オールロケで撮った、というのはとても興味
深い。もしかしたら、私が感じている 「イメージ」 とは、対外的に 「造られた」 
もの
なのかもしれない。

 本作を語る評の多くが、「衝動」 という言葉を使っていることに、私は違和感
を覚える。衝動? 登場人物たちは、全くの本能のみで動いているように見え
た。理解不能な、破壊の申し子たち。彼らを肯定はできないけれど、この映画
を否定することはできない


ディストラクション・ベイビーズ3

 むき出しの暴力を描きながら、性的な暴力表現は避けているところに、監督
の青さ
善性があるようで、私は好感する。観る人を選ぶ映画ではあるけれど、
観る価値のある映画だと、私は思う。

 ( 『ディストラクション・ベイビーズ』 監督・共同脚本:真利子哲也
        主演:柳楽優弥、菅田将暉、小松菜奈、村上虹郎/2016・日本)

テーマ:この映画がすごい!! - ジャンル:映画

[2016/06/01 07:52] | 映画 | トラックバック(9) | コメント(6) |
予言~『マクベス』
マクベス




 MACBETH


 中世スコットランドグラミスの領主マクベス(マイケル・ファスベンダー)
内戦に勝利し、魔女から 「スコットランドの王になる」 と予言を授けられ
る。マクベス夫人(マリオン・コティヤール)は夫の王位獲得のため、ダンカン
王暗殺
を夫に迫る。

 四大悲劇のひとつ、ウィリアム・シェイクスピアの同名戯曲の映画化。マイ
ケル・ファスベンダー&マリオン・コティヤール
がマクベス夫妻を演じると知
り、ずっと楽しみにしていた作品。しかし、公開日前日に演出家・蜷川幸雄氏
が亡くなり、悲しい気持ちを引きずっての鑑賞となってしまった。氏のご冥福
をお祈りします


マクベス2

 この世とあの世の境目があいまいで、亡霊や魔女の存在が当たり前に描か
れるシェイクスピアの幻想的世界荒涼たるスコットランドの大地に描き出され
た映像が素晴らしい。あまりにも有名な、文学的なセリフを語るファッシーとマ
リオンにゾクゾクする。フランス人であるマリオン・コティヤールの英語ってどう
なんだろう? 完璧なんだろうな。マクベスの戦友バンクォーを演じたのはパデ
ィ・コンシダイン
。大好きな映画 思秋期 の監督でもある彼には、また映画
を撮ってほしいと思う。

 予言にとり憑かれ、狂気に苛まれるマクベスと、常軌を逸してゆく夫に為す
すべもない妻。血の色の赤に染まる大地と空、頂点に上り詰めた瞬間、二人
の終わりは始まっていた。

マクベス3

 ところでこの映画の監督ジャスティン・カーゼルと、主演の二人は 『アサ
シン クリード』
 で再タッグを組むらしい! ゲームの実写映画化ってなか
なかのチャレンジだと思うけど、期待しています♪ 

 ( 『マクベス』 監督:ジャスティン・カーゼル/2015・英、仏、米/
              主演:マイケル・ファスベンダー、マリオン・コティヤール

テーマ:イギリス映画 - ジャンル:映画

[2016/05/30 07:55] | 映画 | トラックバック(9) | コメント(4) |
映画万歳!~『ヘイル、シーザー!』
ヘイル・シーザー






 HAIL, CAESAR


 1950年代のハリウッドエディ・マニックス(ジョシュ・ブローリン)は、映画撮影
スタジオ
で起こる様々な揉め事や困り事を調停するフィクサーとして、多忙な日
々を送っていた。ある日、大作映画 「ヘイル、シーザー!」 の撮影中、主演
俳優のベアード・ウィットロック(ジョージ・クルーニー)誘拐される。早速解決
に乗り出すマニックスだったが、彼はそのマネジメント能力を買われ、ロッキード
社にヘッドハンティング
されていた。

 今やハリウッドを代表する巨匠となり、撮りたい映画を潤沢な予算で撮ること
ができるコーエン兄弟
が、その映画愛を爆発させている 「だけ」 に見える映画。
だからこそ素晴らしい。原題は、映画内映画のタイトルのひとつ。光で綴られた
永遠の物語
について。

ヘイル・シーザー2

 煌めくスターたち--ジョシュ・ブローリン、ジョージ・クルーニー、レイフ・ファ
インズ、ジョナ・ヒル、スカーレット・ヨハンソン、フランシス・マクドーマンド、ティ
ルダ・スウィント
ン--を観ているだけで楽しい。SWのスピンオフで若き日の
ハン・ソロを演じるらしいオールデン・エアエンライクの身体能力には注目だし、
マジック・マイクでポパイみたいなセイラーマン、チャニング・テイタムも最高に
楽しい! みんな、コーエン兄弟に声を掛けられたらもう、二つ返事で出演OK
するんだろうな、なんて思いながら。ウディ・アレンの映画で印象に残っていた
アリソン・ピルも出ていたな~、彼女がジョシュ・ブローリンの妻、ってちょっと
年下過ぎるでしょとは思ったけど(笑)。

ヘイル・シーザー3

 お金や安定のためだけじゃなく、苦労は多くても映画にまつわる仕事に魅せら
れているマニックス
が素敵。彼の秘書になりたい私なのだった。

ヘイル・シーザー5

ヘイル・シーザー6

ヘイル・シーザー4

 ( 『ヘイル、シーザー!』 2016・英、米、日本/
     監督・製作・脚本・編集:ジョエル&イーサン・コーエン
       主演:ジョシュ・ブローリン、ジョージ・クルーニー、オールデン・エアエンライク

テーマ:アメリカ映画 - ジャンル:映画

[2016/05/23 20:31] | 映画 | トラックバック(17) | コメント(2) |
キャプテン VS.社長~『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』
シビル・ウォー







 CAPTAIN AMERICA: CIVIL WAR


 「地球最強軍団」 としてスーパーヒーローたちが結集していたアベンジャー
。しかし彼らは人類の危機を救う反面、闘いの中で多大な被害を出してい
ことが問題視され始める。

 前作 キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー が自分としては今ひ
とつだったので、アベンジャーズとは決別しようと 『アベンジャーズ/エイジ・
オブ・ウルトロン』
 は観ていない。しかし、本作(タイトル、何故キャプテン・ア
メリカがシビル・ウォーの後ろなんだろう?)はやたら評判がいいので、結局
観てしまった。いやこれ、今までのシリーズ、もちろんアベンジャーズも含め
の中で、一番わかりやすくて面白かったんじゃないだろうか? AOUを観て
いないので、ヴィジョン(ポール・ベタニー)が何者かとか、細かい部分はわか
らなかったけども。

シビル・ウォー2

 「街を救うはずが、逆に街を破壊している」 っていう矛盾は、バットマン vs
スーパーマン ジャスティスの誕生
 と同じ。これはスーパーヒーローが抱え
宿業ですね。国連の監視下に置かれることを受け入れるトニー/アイアン
マン(ロバート・ダウニー・Jr)
と、拒むスティーブ/キャプテン・アメリカ(クリス
・エヴァンス)
。それぞれ、スパイダーマン(トム・ホランド!)アントマン(ポー
ル・ラッド)
という助っ人を得ての大バトル。ソーとハルクがいないのは、やっぱ
りちょっと寂しいかな。ウィンター・ソルジャー(セバスチャン・スタン)、最近観
た、何かで観た、、と思ったら、幸せをつかむ歌 でメリルの長男を演じてい
た彼だった。

シビル・ウォー3

 しかし、これはまだまだシリーズ続くよね。まずは 『スパイダーマン』 です
か。アンドリュー・ガーフィールドのアメイジング版が打ち切られたのはブー
イングだったけど、トム・ホランド君は大歓迎若返ったメイおばさん(マリサ・
トメイ)
に期待(笑)。

 ( 『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』 監督:アンソニー&ジョー・ルッソ
            主演:クリス・エヴァンス、ロバート・ダウニー・Jr/2016・米、独)

テーマ:アメリカ映画 - ジャンル:映画

[2016/05/22 00:00] | 映画 | トラックバック(28) | コメント(0) |
動物たちの国~『ズートピア』 【字幕版】
ズートピア






 ZOOTOPIA


 頑張り屋のウサギのジュディは、動物たちの楽園 「ズートピア」 で警察官
になるという夢を叶える。しかし彼女にあてがわれたのは駐車違反の切符切
り係。街に出た彼女は詐欺師のキツネ、ニック・ワイルドと出逢う。

 本国でも日本でも大ヒット中のディズニーの新作。なんとかチケットを取り、
字幕版で鑑賞。アニメ映画を吹替えで観ることにあまり抵抗はないが、それ
選択肢がほぼ無いから。選べるならオリジナル音声で観たいですよね? 
上映館も上映時間(一日一回とか)も限られているため、GWは満席続出
なんとかチケットを入手して劇場へ!

 併映短編がなく、いきなり本編が始まるので 「あれ?」 と思ってしまった
けれど、これは 「ディズニー」 映画なんですね。ピクサーじゃないんだなぁ。

ズートピア3

 もう、本当に心から 「素晴らしい! オススメ!」 って言える映画でした。
アニメは子ども向け、と考えて観ない方も多いと思うけど、下手したら実写映
画より断然クオリティも高いし、感情移入できるし、心揺さぶられる作品
にな
っていると思う。監督が、大・大・大好きだった 塔の上のラプンツェル の
バイロン・ハワードと、 シュガー・ラッシュ のリッチ・ムーアのコンビなの
ですね。それは納得です。

 ボイスキャストは、キツネのニック・ワイルドを演じたジェイソン・ベイトマン
が巧い! 巧過ぎる! 日本で言うと故・山田康雄さんや、山寺さんレベル
ですよ! 声でわかったのはJ・K・シモンズだけだったけど、変にハリウッド
スターが吹き替えてないほうがいいのかも。エンドロールがちょっと愛想が
なかったことだけが心残り。

ズートピア2

 ナマケモノの言動に大笑いしつつ、人間の 「DNAに刻まれている」 差別心
や偏見、共存
について考えさせられもする映画。必見ですね。

 ( 『ズートピア』 監督:バイロン・ハワード&リッチ・ムーア/2016・USA)

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[2016/05/20 07:34] | 映画 | トラックバック(21) | コメント(2) |
大暴走~『COP CAR/コップ・カー』
コップ・カー





 COP CAR


 コロラドの大平原家出した二人の少年、やんちゃなトラヴィス(ジェームズ・
フリードソン=ジャクソン)
と慎重なハリソン(ヘイズ・ウェルフォード)は、放置
されたCOP CAR、パトカーを見つける。それが悪徳保安官(ケヴィン・ベーコ
ン)
の車だとも知らず、キーを見つけ走らせてしまう二人だったが・・・。

 「悪いほう」 のケヴィン・ベーコンと、悪ガキ二人が大暴走するサスペンス・
カーアクション
。製作総指揮も兼ねた主演のケヴィン以外はスターもいない、
低予算のB級映画。しかし90分弱という尺で、ハラハラドキドキが駆け抜ける
演出は見事。保安官と無線で応答する女性が、ケヴィンの妻キーラ・セジウィ
ック
とは! ホントに素敵なご夫婦だな~。

コップ・カー2

 しかし、ケヴィン・ベーコンの若々しさよ・・・。50代後半とは思えない、引き締ま
った肉体。昔から彼の印象がほとんど変わらないのは、体型が変わらないせい
だと思う(顔も変わらないけど)。演じる役の幅も大きいし、コンスタントに出演作
が続くのは本人の努力のたまものだろう。素晴らしい俳優さんです。

 子役二人も巧いやんちゃで小憎らしいトラヴィスが、後半本気でビビって泣
きそうな表情
なんて、もう最高。非常食を隠し持つような慎重なハリソンと彼が、
後半は立場が逆転するのも面白い。運転は 「マリオカートで憶えた」 なんて、
任天堂、やるな!

コップ・カー3

 軽い気持ちで起こした行動が、とんでもない事態を招くことだってある。自由
には責任と、時には代償を伴うこと
。悪ガキふたりは十分、思い知らされたと
思うから、間に合うといいけれど。

 あの空と雲、あの平原、どこまでも続く道路アメリカ中西部の風景だなぁ、
としみじみ思う。トラヴィスって名前で、思わず パリ、テキイサス を連想
したり。

 ( 『COP CAR/コップ・カー』 
     監督・製作・共同脚本:ジョン・ワッツ/主演:ケヴィン・ベーコン/2015・USA)

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[2016/05/18 12:50] | 映画 | トラックバック(5) | コメント(2) |
受難/寛容/再生~『孤独のススメ』
孤独のススメ






 MATTERHORN


 オランダの小さな村で独り暮らすフレッド(トン・カス)は、バッハを聴き、毎日
定刻に食事し、日曜には教会に行く。いかにも厳格堅物な彼のところに、
テオ(ルネ・ファント・ホフ)という謎の男がやってくる・・・。

 「演奏は難しくはない。しかるべき時に、しかるべき鍵盤を叩きさえすればいいのだ」
  (ヨハン・ゼバスティアン・バッハ)  いやいやバッハさん、そんな簡単に言われても・・・。

 合作でないオランダ映画、って初めて観たかもしれない。劇場で見かけた
(カウリスマキっぽい)フライヤーは気になっていたが、ある方のTwitter
のオススメを読んでGWに鑑賞。原題は「マッターホルン」邦題とは真逆の、
人生における受難と寛容、再生の物語。オススメ!

孤独のススメ2

 食事の前には必ず祈りを捧げ、壁の写真を見上げるフレッド。そこには、
美しい妻とまだ幼い息子がいる。妻は事故死し、息子は家を出たらしい。
椅子にきちんと腰かけ、マタイ受難曲を再生しているテープには 「ヨハン 
8歳」 
という文字が読みとれる。 「息子は天使の声を持っていた」

 氏素性はおろか、言葉もろくに発しないテオを家に招き入れたフレッドは、
寂しかったのだろうか。テオの身なりを整えてやり、「善きサマリア人だな」 
嫌味を言われながらも、教会に連れて行く。テオにサッカーを教え、テー
ブルマナー
を教え、エコバッグ(かわいい!)を持ってバスに乗り、スーパー
マーケットへお買い物に行く。子どもたちを前に余興を披露するふたり。

 しかし、小さく閉鎖的な村で、人々は二人を好奇の眼差しで見ていた。「ソ
ドムとゴモラ」


孤独のススメ3

 フレッドとテオ、それぞれの事情が徐々に明らかになり、フレッドが抱え
ていた苦しみは 「This is My Life」 の歌声と共に解放される。テオは
天使ではない。しかし彼と出逢い、フレッドは宗教世間体も超えて、人を
愛することを理解
したのだ。ありのままに、心に従えばいいのだと。これも
また、父と息子の物語だといえるだろう。

 しかしこの邦題は一体・・・。意味不明。酷過ぎる

 ( 『孤独のススメ』 監督・脚本:ディーデリク・エビンゲ
           主演:トン・カス、ルネ・ファント・ホフ/2013・オランダ)

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[2016/05/13 08:04] | 映画 | トラックバック(6) | コメント(2) |
青木ヶ原樹海~『追憶の森』
追憶の森








 THE SEA OF TREES


 アメリカから片道切符で日本にやってきたアーサー(マシュー・マコノヒー)
は、富士山麓の青木ヶ原樹海にやってくる。そこで彼は、満身創痍で道に迷
い、助けを求めるナカムラ・タクミ
と名乗る男(渡辺謙)と出逢い、森の出口
探して行動を共にするのだが・・・。

 カンヌ映画祭で悪評が立ち、本国アメリカでは公開日が未定だという本作。
しかしガス・ヴァン・サントは好きな監督だし、主演がマシュー・マコノヒーなら
ばそんなに酷い代物にはなるはずがない、と信じて鑑賞。う~ん、私は観た
映画の点数は付けないけれど、10点満点で5点という感じかな。嫌いではな
いけどオススメもしない。敢えて言うなら、ちょっと 「弱い」 作品ですね。

追憶の森2

 樹海で彷徨うアーサーは、過ぎた日々を回想する。アルコール依存症の妻
ジョーン(ナオミ・ワッツ)
は、酔っては夫を罵倒していた。大学教師のアーサー
に対し、稼ぎが悪い、アカデミックな仕事? 年収2万ドルのくせにふざけんな
よ、と。何この奥さん? と眉をひそめて観ていると、実は彼女の怒りはお金
の問題ではなく、アーサーの過去の浮気が元凶なのだとわかってくる。

 私がこの作品を 「弱い」 と感じた理由はいろいろある。ジョーンの病気が
発覚した途端、瞬く間に修復する夫婦関係。生徒たちに慕われ、やりがいの
ある仕事を放棄してまで、アーサーは死のうとするだろうか?
 妻の好きな季
節や、好きな色を知らなかったというだけの理由
で? しかもネットでたまたま
見つけた、遥か遠くの日本まで来て。更に困ったことに、アーサーは樹海でナ
カムラ・タクミに出逢った瞬間、死ぬ気が失せているように見える。登場人物
行動の動機が弱く、観ていてあまり居心地がよくないのだ。

追憶の森3

 ナカムラ・タクミが 「煉獄」 だと言う青木ヶ原樹海。自殺が多いとは知っ
ていたけれど、あんな風に遺体が放置されている様はショッキングだった。
人は死んでも、愛する人の側にいる--。映画で伝えたいメッセージと、
自死を選んだ人々とのギャップを感じて、少しやるせない。

 ( 『追憶の森』 監督:ガス・ヴァン・サント/2015・USA/
              主演:マシュー・マコノヒー、渡辺謙、ナオミ・ワッツ

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[2016/05/12 08:31] | 映画 | トラックバック(15) | コメント(0) |
闇にさす光~『スポットライト 世紀のスクープ』
スポットライト





 SPOTLIGHT


 2001年。ウォルター・ロビー(マイケル・キートン)をリーダーとするボストン
・グローブ紙の調査報道特集「スポットライト」チーム
は、新任の編集局長マ
ーティ・バロン(リーヴ・シュレイバー)
から、カソリック神父による少年らへの
性的虐待事件
を追うよう命ぜられる。

 第88回アカデミー賞において、作品賞と脚本賞を受賞した実話ドラマ。
聞記者
が主人公のこの地味な作品がオスカーを受賞したことは驚きであり、
また素晴らしくもある。トム・マッカーシー監督の、誠実に真実を描こうとする
姿勢、適材適所のアンサンブルキャスト。隠匿されてきた悲劇を地道に調査
し、伝えようとしたこのチームそのもののような佳作

スポットライト2

 キャストが物凄くよかった。特にマイケル・キートンオスカー寸前まで行っ
た バードマン よりいい演技だったんじゃないかなぁ。有名人の成り切
りじゃなく、こういった市井の人の演技がもうちょっと評価されてもいいので
は、と個人的には思う。ロビーの表情の奥に、ずっと隠されていた 「事実」 
が明かされる終幕の、なんとも言えない苦味。ただの成功譚に終わらせな
いところが好感度大

 ユダヤ人の新参者を演じたリーヴ・シュレイバーも、今まで観てきた作品
の中では一番印象的だったかも。彼はどうしても 「ナオミ・ワッツの旦那」 
っていうイメージがあるのだが、本作では観たことのない貌をしていた。虐
待を暴く記事が掲載された日曜の朝、オフィスに向かうロビーとマイク(マ
ーク・ラファロ)
の先に、既に出勤している局長が遠景で映し出されている
場面
は感動モノ。紅一点のレイチェル・マクアダムスと、チーム内で恋愛要
素が正真正銘ゼロ、なのもイイ!


スポットライト3

 カソリック教会全体を 「システム」 と呼ぶ記者たち。小説 『ノルウェイの森』 
永沢の言ったシステムという言葉の意味が、この映画を観てやっと腑に落ち
た気がした。

 それが正しいことなのかわからないまま、の中を歩いていると突然がさす。
仕事っていいな、と改めて思う。ジャーナリズムという仕事が大好きな新聞記者
たち。働きマン万歳! 私もがんばろう、と思うのだった。

 ( 『スポットライト 世紀のスクープ』 監督・共同脚本:トム・マッカーシー
     主演:マーク・ラファロ、マイケル・キートン、レイチェル・マクアダムス/2015・米、加)

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[2016/05/11 07:33] | 映画 | トラックバック(33) | コメント(6) |
若さ~『グランドフィナーレ』
グランドフィナーレ





 YOUTH


 世界的な英国人音楽家フレッド・バリンジャー(マイケル・ケイン)は、表舞台
から引退し、スイスアルプスの高級リゾート悠々自適な日々を送っていた。
そんな彼のもとに、英国女王の使者が訪れる。代表曲指揮して欲しいという
女王たっての依頼を、フレッドは頑なに固辞するのだったが・・・。

 パオロ・ソレンティーノ監督の前作 『グレート・ビューティー/追憶のローマ』 
は評判がよかったにも関わらず観逃してしまったので、この映画は是非とも観
たかった。スイスアルプスのリゾートホテルを舞台に、肉体は老いても枯れない、
「若さ」 についての物語
。マイケル・ケインが見事なハマり役

グランドフィナーレ2

 マイケル・ケインとハーヴェイ・カイテルの2ショットは初めて観た気がするが、
意外としっくり来ていたと思う。引退を公言し、表舞台から退こうとしているフレ
ッドに対し、ハーヴェイ・カイテル演じる脚本家ミック・ボイル現役にこだわり、
若い弟子たちを従えて新作の執筆に集中している。その創作意欲は衰えるこ
とが無いように映る。対照的な生き方を選んでいるふたり。

 彼らと同宿しているハリウッド俳優ジミーを演じるポール・ダノがまた、全く引
かずに自分の演技を展開している。いい役者なのは知っての通りだけど、彼
なかなかやりますね。

 フレッドとミックの 「夢の女」 ブレンダ・モレルにはジェーン・フォンダ。ワー
クアウトな日々は遠く、鳥ガラのように痩せた彼女が少し、哀しかった。

グランドフィナーレ3

 「左利き」 だと 「世界中が知っている」 あのサッカー選手(のそっくりさん)
や、超現実的なスタイルのミス・ユニバースなど、濃淡のくっきりとした映像は
観ていて全く飽きることがない。生きてるうちが花なのさ、死んだらそれまで
映像と音楽と、大自然と美女に酔いしれましょう、な映画だった。しかしラスト
近く、ミックが取った行動は衝動なのか、それとも彼の 「若さゆえ」 なのか。
それだけは、少し考えあぐねている。

 ( 『グランドフィナーレ』 監督・脚本:パオロ・ソレンティーノ
      主演:マイケル・ケイン、ハーヴェイ・カイテル/2015・伊、仏、英、スイス)

テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

[2016/05/10 21:27] | 映画 | トラックバック(10) | コメント(3) |
神の手~『レヴェナント:蘇えりし者』
レヴェナント





 THE REVENANT


 19世紀、雪深いアメリカ北西部ヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)
原住民の妻との間にもうけた息子ホーク(フォレスト・グッドラッグ)と共に、狩猟
の一員として原野を旅していた。

 レオが6度目のノミネートにして、遂にオスカーを手にした話題作。監督のア
レハンドロ・G・イニャリトゥは2年連続、撮影のエマニュエル・ルベツキも3年
連続のオスカー
に輝いている。この、おそらく完璧主義者なのであろう三人の、
作品に賭ける執念(いやむしろ怨念)、美意識、理想が渾然一体となって作品
に乗り移ったかのような、スピリチュアルな吸引力を感じさせる傑作。間違いな
今年のベスト作の一本。必見

レヴェナント2

 レオは演技と言うより、最早サバイバル。クマに襲われ、生き埋めにされ、崖
から落ち、川に流され素手で魚を獲り、馬の内臓を取り出して代わりに裸で入
り、暖を取る。こう書いているだけで呆れるほどのダメージだが、ヒュー・グラス
無口な男で、ほとんどセリフはない。彼の息子を殺し、瀕死の彼を置き去り
にした敵役フィッツジェラルド(トム・ハーディ)のほうがはるかにしゃべっている。
この二人に関して、「レオがトムに喰われている」 という意地悪な観方や色々
も耳にしたが、そんなことは全くどうでもよく、意味がない(ただ聞く分には
面白いけど)。子役から常に第一線で主役を張り続ける天才・レオと、マッドマ
ックスな旬のトム・ハーディ
。この二人の再共演、ガチバトルが観られるだけで
も、この映画最高、と言い切ってもいい。

 そして、演技以上に素晴らしいとしか言いようがないのが、名手エマニュエル
・ルベツキによる驚異の映像美
。私は2D版で観たのだが、それでも没入感
半端なかった。IMAX版だと一体、どんな体感になるのか? 想像するだけで
震える。

レヴェナント3

 ヒュー・グラスを捉えていたカメラがパンして彼の視点になり、再び彼の表情
を捉える。流れるようでいて、実は超絶技巧なカメラワークだ。フィッツジェラル
ドに息子を殺され、瀕死で動けないヒュー・グラスの怒りが森の木々を震わせ
る場面は鳥肌が立った。太陽の明りだけで大自然を映し出し、演技よりも、音
楽よりも雄弁なカメラ
。これからも、撮影監督がエマニュエル・ルベツキならば、
どんな映画でも観たい
と思う。

 息子を殺された男の復讐劇ではある。登場人物たちは 「神」 という言葉を
多用するが、自然の中に身を置くとき、そこに神の存在を感じるのは当たり前
の感覚だと思える。復讐だけでなく、生きることも、死ぬことも、全ては神の手
に委ねられている。そして、この映画もまた神の領域にある。

 ( 『レヴェナント:蘇えりし者』 監督・共同脚本:アレハンドロ・G・イニャリトゥ
      主演:レオナルド・ディカプリオ、トム・ハーディ/2015・米、香港、台湾、加)

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[2016/05/06 07:57] | 映画 | トラックバック(37) | コメント(8) |
煙が目にしみる~『さざなみ』
さざなみ





 45 YEARS


 英国の田舎町に暮らすケイト(シャーロット・ランプリング)ジェフ(トム・コー
トネイ)
は、次の土曜日に結婚45周年のパーティを控えたおしどり夫婦。しかし
月曜の朝、ジェフ宛てに一通の手紙が届く。それは、50年前の山岳事故で亡
くなったジェフの元恋人・カチャの遺体が発見されたという、スイス警察からの
報せだった。

 予告だけでも、シャーロット・ランプリングの震えるような演技は伝わってきて
いた。セリフは少ないが、表情とその立ち姿だけで内面を表現する様はまさに 
「ザ・映画女優」。なんとも苦く、残酷でリアルな映画だった。必見

 ★ 以下、ネタバレ。ラストに触れています。★

さざなみ2

 極めて繊細な内容を孕んだ映画なので、感想を書くのを少し、躊躇してしまっ
たほど。ここまで冷徹に夫婦というもの、男と女について描き切るアンドリュー・
ヘイ監督
、厳しいなと正直思う。

 ケイトは夫の元恋人に 「嫉妬」 しているのではなく、夫に対して 「怒り」 を
感じているのだと思う。「僕のカチャ」 という一言、元恋人と 「結婚するつもり
だった」
 と即答する無神経さ。枕を並べる妻に、元恋人について語る厚顔。あ
まりにも酷い振舞いではないか。夫婦であれ親子であれ、どんな関係において
も 「言ってはいけないこと」 ってあると思う。そしてケイトを更に打ちのめした
のは、カチャが妊娠していた、という事実。

  映画の冒頭、ケイトは散歩の途中で元教え子と出会い、産まれたばかりの彼
の赤ん坊
について話をする。娘のいる友人と会い、「私たちに写真が少ないの
は、子どもがいないからね」
 と言う。夫は、妻である自分の写真を撮らなかった
それなのに元恋人の写真は、屋根裏に大切に保管している。45年間、自分は
元恋人の 「代用品」 だったのか?


 ケイトがジェフとの間に、子どもを望んでいたのか、そうでないかはわからな
い。あるのは、元恋人は身ごもっていた、という事実だけ。それがケイトの心に
さざなみを立て、夫によるパーティのスピーチで荒波に変わる。

さざなみ3


 夫とのダンスを拒否するケイトの表情で、この映画は断ち切るように終わる。
この夫婦は、この後どうなったのだろう? それはエンドロールに流れる曲を
聞けば明らかだ。Go Now.

 ( 『さざなみ』 監督・脚本:アンドリュー・ヘイ/2015・UK/
                  主演:シャーロット・ランプリング、トム・コートネイ

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[2016/05/02 14:34] | 映画 | トラックバック(14) | コメント(8) |
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いつまでも青臭い映画好きでいたい。愛おしい映画と、忘れがたき本たち。ときどきカフェとか。 記事は基本的にネタバレあり。 どうぞご贔屓に♪

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