『否定と肯定』
否定と肯定




 DENIAL


 ホロコースト否定論者に名誉毀損で訴えられたユダヤ系アメリカ人大学教授デボラ(レイチェル・ワイズ)。彼女は弁護団から、一切のコメント、意見表明を禁じられる。それが法廷戦術とはいえ、人並み以上に意志的な彼女が 「良心を委ねる」 ことに耐えられるのか。

 面白かった! これ超オススメです。実話の映画化。脚本がデヴィッド・ヘアなんですね。

 20年前に、既にこういった 「歴史修正主義者」 による裁判が行われていたとは。常識や社会通念、史実とされていることを改めて 「証明」 することの難しさ。ホロコーストの生存者だけでなく、死者の代弁者でもあろうとする主人公の、沈黙を強いられる苦痛。いや~、考えさせられます。

 ケンブリッジ卒、才媛の代名詞的な英国人女優レイチェル・ワイズ。彼女がアメリカンってキャスティングはちと気になったけれど、主人公を弁護する役どころの英国人俳優たちがもう、素敵素敵ステキ~~な面々。重鎮トム・ウィルキンソン、ツンデレ「アンソニー」アンドリュー・スコット、そして昨年のベスト台詞賞 "ミスターAfternoon" ことジャック・ロウデン!

 私は瞬間湯沸かし器なので、熱い志はあれど、頭と態度は常にso coooolな彼らに学ぶこと多し。沈黙を貫くこととか、批判するときは相手の顔を見ない、とか。「私はアメリカ人よ!」 と頭を下げることを拒否していたデボラも、判決を読み上げられる時には思わずお辞儀をしている。強気で勝気な彼女も、我を忘れるほど追い詰められていたことがよくわかる。

 この作品、私は昨年の12月に観たのだが、まだ上映中だったり、これから始まる地域もある。未見の方には、機会があれば是非観ていただきたい。今、この時代に生きる我々にとって必見作だと思う。

 誠実で勇敢な者たち、真実のために闘う者たちに勝利を!

否定と肯定2

 ( 『否定と肯定』 監督:ミック・ジャクソン/2016・UK、USA/
     主演:レイチェル・ワイズ、トム・ウィルキンソン、ティモシー・スポール)
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[2018/02/02 17:41] | 映画 | トラックバック(0) | コメント(0) |
弟とランチを
 初めて弟と二人でランチした。私の仕事がぱつぱつで、ヘルプをお願いしたところ二つ返事で引き受けてくれて。私の職場まで納品に来てくれたお礼だった。

 弟と言っても、血が繋がっているわけではない。義理の関係でもない。初めて会ったとき、三つ歳下で私の実の弟と同い年だったから 「そんなら弟やん」 と言って、それ以来ずっと弟と呼び続けている。初めて会った時、彼はまだ十代(!)だったのに、あれからもう30年近く経っているのだ。

 飲み会なんかでは隅っこに座ってニコニコしている弟キャラなのに、することは大胆。会社を辞めてアフリカやインドを放浪したり、電車の中で読み終わった本はホームのゴミ箱に何のためらいもなく捨てたり(もったいない!)。そんな自由人だが有能な彼は今は起業して、なんと社長なのである。レトロなビルにオフィスを構え、「掃除のおばさんで雇って~」 という姉(私のことね)の言葉を笑ってスルーする。

 お願いした仕事は、さすがに完璧な仕上がりだった。ありがとう、ホンマに頼れる弟だよ。

 でも、ふと思う。彼にとって、私はどんな姉なんだろう? 「不肖の姉」 じゃなかったらいいんだけど。

弟とランチ

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[2018/02/01 22:01] | 徒然 | コメント(3) |
2017 真紅デミー賞発表♪
     2017真紅デミー賞

 作品賞: 牯嶺街少年殺人事件

 監督賞: アレハンドロ・ホドロフスキー

 主演男優賞: 張震チャン・チェン、ジェイク・ジレンホール

 主演女優賞: エル・ファニング

 新人賞:アダム・ドライバー


 前記事でも書きましたが、クーリンチェ。昨年はこの映画が観られたことが最大の事件でした。オールタイムベストの1作です。

 ホドロフスキー監督は、私に真の人生賛歌をみせてくれました。なんと御年88歳、ますますお元気で、これからもいい映画バンバン撮って欲しい!

 男優賞は、デビュー作からよくぞここまで真っ直ぐに、いい男に育ってくれたことよ、、。感涙ものの張震と、主演作が目白押しだけど、何故か賞には縁遠い無冠の帝王・マイジェイクに^^

 エルちゃんは今年も主演作が続々待機中でうれしい♪

 そして新人賞なのですが・・・。正直、『フォースの覚醒』 で彼がマスクを外した時は 「誰やねん」 状態だった私です(すみません)。しかし 『パターソン』 でちょっと素敵だな、と思い、WOWOWで 『ハングリー・ハーツ』 っていう作品を観たのですよ。ヴェネツィアで男女優賞を獲った作品らしいのですが、まぁ~凄かった。今後も期待ですね^^

 
◇◆◇ ◆◇◆ ◇◆◇ ◆◇◆ ◇◆◇ ◆◇◆ ◇◆◇ ◆◇◆ ◇◆◇ ◆◇◆ ◇◆◇

 GG賞が発表されて、いよいよ賞レースも本番ですね♪ というわけで、今年もいっぱい、いい映画観ましょう!

 May the Force Be with You,Always.
                                                 真紅拝

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[2018/01/08 17:43] | 年間ベスト | コメント(0) |
2017 真紅のthinkingdays Best 10 of the movie
 昨年の劇場鑑賞は132回6回リピート鑑賞し、旧作を4本鑑賞しました。
新作は122本観ています(前年比108.9%)洋画102本(83.6%)、邦画20本(16.4%)
前年に比べて邦画が減っています。2016年は邦画が大豊作だったからな~。
自宅では38本(再見含む)。全部で170本(前年比123.2%)鑑賞です^^

 2017年に劇場鑑賞した新作映画からベスト10を選びました。

◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇   

2017年映画ベスト10

① ラ・ラ・ランド
② マンチェスター・バイ・ザ・シー
③ あゝ、荒野(前・後篇)
④ わたしは、ダニエル・ブレイク
⑤ 彼女がその名を知らない鳥たち
⑥ エンドレス・ポエトリー
⑦ 20センチュリー・ウーマン
⑧ メッセージ
⑨ パターソン
⑩ ダンケルク


次点:雨の日は会えない、晴れた日は君を想う
   KUBO/クボ 二本の弦の秘密


ワースト:特になし

特別賞: 牯嶺街少年殺人事件


◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ ◆◇ 


①三回観たので自動的に一位です(笑)。冗談はさておき、この一年、私の心はこの映画とともにありました。

②癒えない悲しみを抱えながら生きるということ。人生には乗り越えられない痛みがある。

③ヤン・イクチュンをキャスティングしてくれてありがとう。ユースケもよかったよ^^

④この世界には、追い風なしでは進めない人々がいる。実名で声を上げる主人公に、ケン・ローチが重なる。

⑤究極の愛を観た。

⑥この映画を観て、初めて 「すべての命、生きることを肯定する」 意味がわかった気がする。凄い映画です。

⑦自分が死んでから、一人息子にこんな風に回想してもらえたら最高だよね。

⑧感動に打ち震えた。それでも人生にYESと言う。

⑨日常に詩がある素晴らしさ。嫁に頭が上がらな過ぎな主人公が可笑しく、愛おしい。

⑩時間と空間を自在に操るノーラン節が炸裂。英国俳優たちがカッコよすぎ! Afternoon!

次点、まだまだ 「再生途上」 であった自分にジェイクが重なり、沁みました。涙。
Presented by NIKE、KUBOは大傑作です。まだの方は急いで劇場に走ってください! 
吹替で観たので、私も字幕で再見したいのですが・・・。上映館が少な過ぎる(>_<)


特別賞は、リバイバル上映されたことが奇跡であり、事件だったこれを。オールタイムベストの一作となりました^^


さらに続きます。

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[2018/01/07 11:00] | 年間ベスト | トラックバック(7) | コメント(23) |
2017(下半期) 真紅のthinkingdays Best 10 of the movie
 改めまして本年もよろしくお願いします^^

 さて。年間ベストを上げる前に下半期ベストを。上半期ベストはこちら⇒

①あゝ、荒野(前・後篇)
②彼女がその名を知らない鳥たち
③エンドレス・ポエトリー
④パターソン
⑤ダンケルク
⑥KUBO/クボ 二本の弦の秘密
⑦ブレンダンとケルズの秘密
⑧ドリーム
⑨否定と肯定
⑩ベイビードライバー


 う~ん、これあまり順位に意味はないかもです。どの映画も素晴らしい! 大好きです。
ブレランはね、、一回目寝てしまって(仕事終わりのレイトだったことは言い訳です)、
二回観ました。素晴らしいとは思ったけれど、リドスコの 「傑作だけど、スロー。長い」
って意見に同意するかな。
 ジェイクの 『ノクターナル・アニマルズ』 も凄かったけど、観た後の気分がちょっと
アレだったので。。
 
 そして下半期も韓国映画がない! どれも面白くてハイレベルな作品ばっかりで、外れが
なかった
んだけど。。選べなかったってことで許して下さい(笑)。


 続きます。

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[2018/01/06 13:37] | 年間ベスト | コメント(0) |
愛をこめて花束を
愛を込めて花束を

                                            R.I.P

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[2018/01/04 21:17] | 徒然 |
2018年の始まりです。
 皆さまよいお年をお迎えのことと思います。
 本年もどうぞよろしくお願いいたします。


2018その1

■□ ■□ ■□ ■□ ■□ ■□ ■□ ■□ ■□ ■□ ■□ ■□ ■□ ■□ ■□

 初詣は奈良・東大寺さんへ。
 とてもいいお天気に恵まれ、寒いですがいい日和でした。

 大仏殿。
2018その3

2018その4

 鹿さんたち。

2018その5

 今日(元日)はスーパームーンだったし、夕方映画も観られたし(SWやっと行けました)、
なんだか今年は幸先いいぞ~^^

 昨年のベストはまた後日アップします。もう決めてるんですけどね^^ 一位はもちろん
アレですよ! お付き合いいただけるとうれしいです♪

 真紅拝

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[2018/01/01 23:59] | 徒然 |
『星空』
星空






 STARRY STARRY NIGHT


 両親の不仲に悩む少女シンメイ謝欣美(シュー・チャオ徐嬌)は、どこか影のある転校生チョウ・ユージエ周宇傑(リン・フイミン林暉閔)に惹かれる。

 版権が行方不明になっていたとかで、大阪アジアン映画祭での上映以来なんと5年ぶりに劇場公開された本作。観ている間の感情の振り幅は、さほど大きくはない。しかし駅までの帰り道、じんわりと涙が溢れる。

 『銀河鉄道の夜』 を彷彿させるファンタジックな作品世界は、絵本が原作と知り納得。そして主人公があの ミラクル7号 の子役だったとは! 光陰矢のごとし。
 グイ・ルンメイの登場に思わず目を見張る。ラストシーン、彼女の泣き顔の先には 「ずっと探していた」 その人がいたと信じたい。

 外れなしの台湾産青春映画。この作品はそれよりも少しだけ幼い、思春期の少年少女を描いた佳作。大好きな台湾映画がまた一つ増えてうれしい。しかし今年はクーリンチェに、タレンタイムに本作と、「アジアの逸品」 再発見の年ですね。

星空2

( 『星空』 監督・脚本:トム・リン林書宇/2011・台湾、中国、香港/
      主演:シュー・チャオ徐嬌、リン・フイミン林暉閔、グイ・ルンメイ桂綸鎂)

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[2017/12/12 21:46] | 映画 | トラックバック(1) | コメント(2) |
『八月のクリスマス』
 記憶の中の写真のように

 愛もいつかは 思い出に変わるものだと思っていました

 でも、君への想いだけは思い出ではありません

 愛を胸に秘めて 旅立たせてくれた君に

 「ありがとう」 の言葉を贈ります


■□ ■□ ■□ ■□ ■□ ■□ ■□ ■□ ■□ ■□ ■□ ■□ 

 『八月のクリスマス』 は、私が初めて観た韓国映画であり、韓国映画を好きになるきっかけをくれた映画であり、一番好きな韓国映画のひとつです。

 (一見)淡々としてセリフも少なく、観る人によっては 「退屈」 と感じられる作品かもしれません。
 しかし、私にとってはいつまでも胸に残る、小さな宝石のような作品です。

 最近、友人が大切な方を亡くされて、私もとても悲しかったのですが・・・亡くなった方はきっとその友人に、感謝を伝えたかったのではないかと思いました。
 『八月のクリスマス』 の主人公、ジョンウォンのように。

 もうすぐ今年も終わりですね。

八月のクリスマス

 ( 『八月のクリスマス』 
        監督・共同脚本:ホ・ジノ/主演:ハン・ソッキュ、シム・ウナ/1998・韓国)

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[2017/12/10 21:25] | DVD/WOWOW | トラックバック(0) | コメント(2) |
期待と不安 “Lady Bird” “River’s Edge”
ladybird.jpg

 アメリカの映画批評サイトRottentomatoesで100%Freshの新記録を打ち立てたという、各方面大絶賛、向かうところ敵なし状態の本作。主演は昨年のマイベスト作の一本 『ブルックリン』 のシアーシャ・ローナンだし、もちろん期待大! なのだけれど若干の不安要素もあり。
 監督のグレタ・ガーウィグ主演・脚本作 フランシス・ハ が私は全然ダメだったんだよね。。本作も彼女の半自伝的作品だそうで、ちょっと心配。でも絶対観ます!

リバーズエッジ

 こちらも話題の作品。原作は岡崎京子の代表作。もちろん私も読んでいる。遂に映画化か、、、と感慨深い。オザケンが主題歌を書き下ろしたとかで、またまた期待値が上がりそうだけど。。不安要素は監督だな、私の場合。『ナラタージュ』 も観なかったし。
 まぁ様子見だけど、二階堂ふみがどこまで本気出してるか、にかかってるね。原作へのリスペクトは当然としても、中途半端な表現はだけは止めてほしい。期待しています。

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[2017/12/04 07:46] | 映画雑談 | コメント(0) |
Call Me by Your Name
callme.jpg

 今一番楽しみにしている映画。どうか変な邦題や副題が付きませんように(祈)。
 2018年春公開。震えて待つ。

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[2017/11/28 22:25] | 映画雑談 | コメント(0) |
フローズン・ショルダー
 肩が痛い。

 と言ってもビール瓶で殴ったり殴られたりしたわけではなく(当たり前)、いわゆる○十肩というヤツだ(○の数字は四か五です)。
 英語ではFrozen Shoulder(凍結肩)と言うらしい、、、言い得て妙。だがちょっとコワイ。

 痛みを感じ始めたのは先月かな。NHK大阪ホールで両手を上げたら、左が 「イタ!!」 テンションダダ下がり(笑)。 先日、同年代の女ばかり9人が集まったとき、2人は経験済、私ともう1人が現在進行形だった。「痛いよね~」 「イタ~い!」 こんな会話。トホホ。
 どうしようもないよ、とか一年くらいでいつの間にか治るよ、と言われるのだけど、病院行った方がいいのかな~、と思案中。

 そういえば、小さい頃はよく 「肩が抜ける」 子どもだった。アイロン台の上で寝ころんでふざけていると、祖母(このブログの最初の記事のおばあちゃん)に 「お行儀が悪い。起きなさい」 と左腕を引っ張られて抜けたことがある(笑)。
 ブラブラの左腕をそ~っとコートに入れて、バスで接骨院に行って治してもらったのだった。

 今、左腕を先に入れないとコートが着られない。かぶりのワンピースとか、脱ぐときに必死。これって、認めたくないけど 「老い」ってやつなんだなぁ。と、シミジミする霜月。

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[2017/11/23 13:13] | 徒然 | コメント(2) |
『南瓜とマヨネーズ』
南瓜とマヨネーズ

 ライブハウスで働くツチダ(臼田あさ美)は、売れないミュージシャンで無職のせいいち(太賀)と同棲中。ある日、彼女は昔の恋人ハギオ(オダギリジョー)と再会する。

 年に一度くらい、全くノーマークだったのに劇場予告で  「これ、観たい! 絶対!」 と思う映画がある。何故かいつも邦画なのだけれど、今年はこの作品だった。冨永昌敬監督の作品は初見。初日に鑑賞。スチールが川島小鳥、っていうのがいいよね。特別感がある。そして原作を読んでみたいと思う。

 音楽の夢に破れかけてくすぶる男と女。陳腐で小さい話で。男も女もどうしようもないんだけど、「女は過去の恋を引きずらない、なんてウソ。」 っていう惹句には共感できる。好き、っていう感情は、たったひとつじゃない。誰でも心の中に、無自覚にだけどたくさん持っているものだと思う。

 臼田あさ美は好きな女優さん。オダジョーは言わずもがな、ほとんど悪魔。そして最後に、全部持っていく太賀。音楽を生業とする話なのに、劇伴がほとんどなく、とても静かな映画だったことも憶えておきたい。音楽は静寂から始まる、ってこと、監督はわかっているんだね。

 ツチダは一度も音楽を聴かない。イヤホンを耳に差しもせず、彼女はずっと待っている。音楽が生まれるその時を。待って、待って、待ち続けて・・・。結局待てずに、恋は終わる。静寂の中にあるはずの音楽のカケラを、彼女は探し当てられなかった。

 ツチダは泣いた。アタシも、泣いた。泣くしかなかった。

 ( 『南瓜とマヨネーズ』 監督・脚本:冨永昌敬/2017・日本/
                  主演:臼田あさ美、太賀、オダギリジョー)

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[2017/11/14 05:53] | 映画 | トラックバック(2) | コメント(0) |
『彼女がその名を知らない鳥たち』
かの鳥

 自堕落な生活を送る十和子(蒼井優)は、15歳年上の陣治(阿部サダヲ)を不潔で下品だと毛嫌いしながらも同居していた。十和子には、8年前に別れた黒崎(竹野内豊)という忘れられない人がいたのだ。ある日、クレームの電話をした百貨店の担当・水島(松坂桃李)と会った十和子は、彼に黒崎の面影を見る。

 究極の愛を観た。これは 『あゝ、荒野』 と並んで今年の邦画のベストではないだろうか? 昨年のマイベスト映画 『湯を沸かすほどの熱い愛』 を観た後と、少し似た感覚。『凶悪』 の白石和彌監督、大傑作を撮りましたね。必見!

※以下、ややネタバレ

 原作は読んでいるはずなのだが、読み進むのが苦痛なほどの嫌悪感(主に陣治への)でいっぱいだった記憶しかない。しかし、その 「忘却」 にこそ意味があったとは・・・。常識的に観れば嫌な女で、人間のクズかもしれない十和子。そんな彼女に感情移入しまくり、あんな風になるのも仕方ないと思う自分は、原作を読み終わった瞬間から十和子に憑依していたのかもしれない。十和子が記憶を取り戻した辺りから、ラストまで涙滂沱、ほぼ嗚咽でもう、顔が大変なことになってしまった。暗転してからのあのセリフ・・・決め台詞というか、殺し文句というか・・・。間違いなく私は殺られてしまった。

 十和子と陣治の関係を、「反抗期の子と親みたい」 と思いながら観ていた。不貞腐れて文句ばかり垂れ流す十和子、何を言われてもどんな態度を取られても、ひたすら十和子に 「美味いもの」 を食べさせようとする陣治。そしてどんな罵詈雑言を浴びせた後でも、一緒に食卓を囲む。二人の関係に在る、理屈や損得を超えた 「繋がり」。謎めいてさえ見えるそれが、陣治の最後のセリフで腑に落ちるのだ。

 売れ過ぎの松坂桃李(同じく沼田まほかる原作 『ユリゴコロ』 にも出演していた)は、よく受けたと思うくらいの嫌な役。そして黒崎、この役に説得力がないとこの作品そのものが成り立たない重要な役、演じた竹野内豊が素晴らしい! 声、声よ~あの声! 黒崎に出会ったら、迷いなく私も、十和子と同じことをするだろう。

 阪堺電車、近鉄の駅、夕陽ヶ丘、あべ地下、既視感ある商店街。ロケ地が自分の生活空間とリンクしていて、少しドキドキする。

 それにしても、蒼井優は凄い女優だな~。肝の据わり方が違う。ラストシーンのクローズアップは、主演女優賞に値する表情だった。

 ( 『彼女がその名を知らない鳥たち』 
        監督:白石和彌/主演:蒼井優、阿部サダヲ、松坂桃李、竹野内豊/2017・日本)

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[2017/11/06 20:45] | 映画 | トラックバック(5) | コメント(4) |
『あゝ、荒野 後篇』
後篇

 (承前) 『あゝ、荒野 前篇

 「新宿新次」 「バリカン建二」 としてプロデビューした新次(菅田将暉)と建二(ヤン・
イクチュン)は、相変わらずトレーニング漬けの日々を過ごしていた。そして遂に、新次
は復讐を誓った裕二(山田裕貴)との対戦が決まる。 「新次、殺してもいいぞ」

 後篇を待ちに待った二週間。初日の初回に観て来ました。前篇は157分、こちらも
147分の長尺。しかし前篇と同じく長さは感じない。

※以下、ネタバレします

 ボクシング映画に外れなし、と言うけれど、ボクシングって本当に素晴らしい・・・
殴り合いなのに。「一番汚くて、一番美しい」 ものが白い四角いマットの上にある。
それはこの世界そのもの。人生そのもの。この国のかたち。

 でも、そこはあくまでも 「男たちの居場所」 なんだ。新次のもとを去る芳子(木下
あかり)の疎外感が、痛いほどわかる。拳に万感の思いを込めて、新次と繋がろう
とするバリカン。父の死の真相を知ってなおバリカンを 「兄貴」 「親友」 と呼び、
その思いを受けて立つ新次。宿命が絡み合い、孤独な魂はただゴングを待つ。燃
え尽きるまで。

 バリカンが恵子(今野杏南)に 「あなたとは繋がれない」 と言うシーン。あれは
やはり、そういう意味なのだろうか? バリカンを引き抜く二代目は 「いかにも」 
な人物に描かれているし、高級マンションに住まわせる、というのも 「囲う」 とい
う意味だろう。新次の血がついた包帯を、後生大事に持っている、というのも意味
深だし。

 キャストは皆演技賞もの。誰がどんな賞を受けても驚かない。高橋和也、本当に
いい役者になったなぁ。彼がまだ瑞々しかった 『ハッシュ!』 が懐かしい。木村
多江の 「殺せ!」 も凄い。でんでんとユースケも、味があるいいコンビ。ヤン・
イクチュンは言わずもがな、だけれど、やはりこの作品は日本の宝・菅田将暉あっ
てこそ! 演技者としてだけでなく、「いきもの」 としての彼に惹かれるのだ。

 「背負う」 シーンが何度かあるのが印象的。人は皆、何かを背負って生きていく
ものだから。

 しかしあの結末はモヤるなぁ。バリカ~~~~ン!!

 ( 『あゝ、荒野 後篇』 監督・共同脚本:岸善幸/2017・日本/
            主演:菅田将暉、ヤン・イクチュン、ユースケ・サンタマリア、でんでん)

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[2017/10/23 00:00] | 映画 | トラックバック(5) | コメント(0) |
先導せよ。
And reason, said to her, "Silence. What do you hear?"
And she said, "I hear the sound of feet. A thousand times,
ten thousands of thousands of thousands and they beat this way."
They are the feet of those that shall follow you.

Lead on.


先導せよ

テーマ:選挙 - ジャンル:政治・経済

[2017/10/22 00:18] | 徒然 |
「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」SPECIAL SHOW@NHK大阪ホール
ヘドウィグ1

 一番好きな(そう 『ラ・ラ・ランド』 より!)ミュージカル映画、オールタイムベストの
一作 『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』。

 ゼロ年代ベストにももちろん入れているこの作品を生み出したジョン・キャメロン・ミッ
チェル本人が来日公演する! 先行でチケットGETしました。なんだか開演前から涙
が出そうでヤバい。ドキドキ。

ヘドウィグ2

 ヘドジョンが登場、いきなり背中に 「Hello OSAKA」 のロゴ!! 感涙です
よ~。前から5列目、何度もジョンと目が合った(と思いたい、笑)。

 何百回、いや何千回聴いたかわからないほど大好きなスコアの数々。改めて
聴くと、歌詞も本当に素晴らしいんですよね。韻を踏んでいるのは当然だけど、
一語一句に意味があって。

 公演はミュージカルというよりは、中村中さんを語り部にしたshow、という感じ
だった。中村中さん、さすがでしたよ。ジョンに 「My other half goth girl」 と
か言ってもらってチョーうらやましい! 二人とも細身なんだよね。ジョンはホント、
あの(どの?)まんま!

 ウィッグとド派手なメイク&コスチュームでシャウトしていたヘドウィグが、全て
を脱ぎ捨て、素のままの姿で歌い上げるラストに心が震えます。映画と同じ。皆
がジョンへと手を伸ばす。

 ヘドウィグは私の人生観を変えた映画のひとつだけれど(好きな映画は全て、
私の人生に影響を与えているけれど、もちろん)、同じように感じて、ここでこう
してジョンを求めている人がこんなにいたんだ、っていうのも感動だった。

 やっぱり、ミッドナイト・レイディオが一番好きだな~。しかし、まぁ名曲揃いで。
この作品間違いなくクラシックになる、と改めて思いました。

 ああ~、夢だけど、夢じゃなかった。ありがとうジョン! 新作映画、必ず観に
行くからね!

ヘドウィグ3

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[2017/10/19 20:01] | 舞台・ライブ | トラックバック(0) | コメント(2) |
『あゝ、荒野 前篇』
前篇

 東京オリンピックの翌年、震災から10年後の東京・新宿。少年院から出所したばかりの
新次(菅田将暉)は、自分を裏切った元仲間を襲い、返り討ちに遭う。そこに居合わせた
理髪師の建二(ヤン・イクチュン)とともに、新次は元ボクサーの堀口(ユースケ・サンタ
マリア)が営む歌舞伎町のボクシングジムでトレーニングを始める。

 寺山修二が遺した唯一の長編小説(未読です)を、今を時めく菅田将暉×息もできない
ヤン・イクチュンで映画化、しかも前・後篇で5時間超の長尺作品! 昔寺山修二の詩集
にドハマリした元・文学少女(笑)としては、観に行かずにいられよーか! それなのに、
全国で37館でしか上映していないとは何事? 大阪市内の上映は一館のみという。。目
を疑いましたよ、なんと勿体無い! もちろんムビチケを買って劇場鑑賞。

 でも、先行配信もしてるし円盤が来月1日には出るし、製作サイドは 「劇場で観て欲し
い」 などとは思ってないのですね・・・。しくしく(配信や映画の上映形態について、思う
ところは書き出すと長くなるのでまた改めて)。

 で、作品はと言うと・・・最高でした。エンドロール後に後篇の予告が流れるんだけど、
もう頭抱えましたよ、 「早く観せてくれ!(絶叫)」 って。私はこれ前後篇、5時間ぶっ
通しでも全然オッケーです。いやむしろ観たい。

 狂ったように饒舌で荒々しい新次と、吃音ゆえにか寡黙で引っ込み思案な建二。母
のないふたり。彼らの関係は対ではなく、友情とも呼べない。新次は建二を 「兄貴」 と
呼ぶけれど、兄弟のようでもない。同志でもない。敢えて定義はしないけれど、建二の
新次への強烈な思慕だけははっきりと感じ取れる。 『藍宇』 のオマージュ(?)かと見
まがうようなシーンもある! 多分新次は、建二にとって初めての 「ともだち」 だったの
かもしれない。

 鑑賞前は菅田将暉に目が釘付け、かと思っていたが、すっかり建二=ヤン・イクチュン
に魅了されてしまった。虐待されて父を 「捨て」 ながら、給料袋すべて父の枕元に置き、
手描きのノートにだけ本当の気持ちを吐露する、心優しい建二に。彼らとは真逆に母を
捨て、捨てた母と同じく春をひさぐ芳子(木下あかり)もまた、新次に惹かれ愛し合うよう
になる。

 今から数年後の近未来を描きながら、タブーに正面から斬り込んでいる脚本が潔く、作
り手の覚悟を感じる。奨学金返済という名目の経済的徴兵、原発事故と被災の問題、少子
高齢化による介護人材不足。登場人物は全て高潔とは言い難い、社会の底辺で蠢く人々
だが、彼らを決して悪者には描かない温かさも感じる。新次と建二を 「スカウト」 し、育て
ようとする堀口=ユースケ・サンタマリアの飄々とした存在感も得難い。彼が通うバー 「楕
円」 のシーンで、観ている私もほっと息がつけるようだった。あゝ、後篇が待ち遠しい!

 ( 『あゝ、荒野 前篇』 監督・共同脚本:岸善幸/2017・日本/
                  主演:菅田将暉、ヤン・イクチュン、ユースケ・サンタマリア)

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[2017/10/10 15:49] | 映画 | トラックバック(4) | コメント(2) |
フランケンシュタイン(の怪物)
 「実は今日、お父さんが手術したのよ」

 つい先日の午後、職場にいたら母からLINE。「帰宅して落ち着いたら電話ください」
え~。。何があったんだろう? すぐ返信しても、「夜落ち着いてから電話して」 の一点張り。
そんなこと言われて落ち着くわけないやん、と思いつつ電話したら冒頭の言葉。

 父はとにかく病院嫌いで、健康診断なんて一度も受けたことが無い。好きなように生きて
来たからストレスも溜まらず、病気を寄せ付けないんだと本人も周りも思い込んでいただけ
に、ショックは大きい。

 実家に帰って病院に見舞うと、父はフランケンシュタインみたいになっていた(ゴメンお父
さん、笑)。今、手術の縫合ってホッチキス(?)でするんですね。もう痛々しくて。
「ソイアナ~」って言おうかと思ったけど通じるわけないから止めた(笑)。
割と元気そうだったけれど、病人特有のわがまま放題なので、母のストレスが心配。

 あー、無理だとわかってはいるけれど、永遠に生きていて欲しい。お父さんお母さん!

テーマ:こんなことがありました - ジャンル:ブログ

[2017/09/25 21:44] | 徒然 | コメント(2) |
Happy birthday My "T" !!
HBTH.jpg

 私の 「T」 ことトム・ハーディ、40歳ですおめでとう~♪

  『ダンケルク』 でスピットファイアを操るフィリアはもちろん、近年大活躍な彼なの
で好きな作品は山ほどありますが・・・。

 私が惚れたのは
 欲望のバージニア のフォレスト。最高ですから^^

テーマ:俳優・男優 - ジャンル:映画

[2017/09/15 12:31] | 映画雑談 | コメント(8) |
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真紅のthinkingdays


いつまでも青臭い映画好きでいたい。愛おしい映画と、忘れがたき本たち。ときどきカフェとか。 記事は基本的にネタバレあり。 どうぞご贔屓に♪

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