ああ〜、今年も早、このリストを目にする時期ですね〜。。
米People誌が選ぶ「最もセクシーな男」、今年はジョニー・デップ! ![]() う〜ん、やっぱりカッコイイ! キャプテン・ジャック・スパロウことジョニー・ デップは、日本でも最も有名な(そして人気のある)ハリウッドスターですから ね♪ 「暴れん坊」だった彼も今や46歳、すっかり「良きパパ」。幸せな家庭を築い てキャリアも順調、年末公開の『パブリック・エネミーズ』期待してますよん♪ ジョニーの他にも、ライアン・レイノルズやロバート・パティソンらが選ばれて いますが、何といってもリストの三番目にジェイク・ジレンホールの名前(とフォ ト)が出てきて、も〜お、ビックリ!! 最近「熊」化したジェイクしか目にしてなかったので、なんか意外な気もしつ つ、ファンとしてはうれしいな〜♪ 新作『Brothers』がようやく来月公開、 露出が増えることを願って。。 ![]() ![]() |
![]() MOONWALKER 『THIS IS IT』を観て不満だったこと。「ビリー・ジーン」でマイケルがムーン ウォークしなかったこと。「スムーズ・クリミナル」で「斜め45度(ゼロ・グラヴィ ティ)」見せてくれなかったこと! う〜ん、残念。。と思っていたら、マイケルが 製作総指揮・原案・主演を務めた映画『ムーンウォーカー』が劇場リバイバル されるというではないか。。あの映画の中で、「スムーズ・クリミナル」の超ド級 ダンスパフォーマンスが観られるらしい!というのを思い出した。DLPでもいい から大きなスクリーンで観たくて、劇場に駆け付ける。 ![]() ← これです 『THIS IS IT』のラストシーン(黒のローファー、白く輝くレッグウォーマーの アップ)から映画は始まる。J5時代の映像やグラミー賞受賞時の映像など、こ れはPVか? と思わせるような前半部。映画撮影中のマイケルがファンに囲 まれそうになり、バイクで逃げる・・・というクレイアニメと実写を融合した中盤。 この部分はかなりイタイ。マイケル、君は一体何がやりたかったの? と言い たくなる(笑)。 そして、3人の子どもたちを守るべく、マイケルがサイボーグ(?)に変身して 悪と闘う後半部分。ジョー・ペシが麻薬王に扮し、マイケルに魔の手が・・・と いうストーリーの中に、「スムーズ・クリミナル」が挿入される。 ![]() Annie, are you okay? Are you okay? Are you okay, Annie? いや〜、ホントに凄いですね! 一番クラクラ来たのはあのターン。。両足を軸 に、流れるように回転するマイケル。機械のような精巧さというか、人間離れした 技術というべきか・・・。いや、マイケルって、実は宇宙人だったんじゃない? 死 んだなんてウソで、実は宇宙に帰っただけなのかも、なんて妄想してみる。 3人の子どもたち、男の子(ショーン・レノンなんだそうな!)、女の子、男の子 の3人が、マイケルの本当の子どもたち(プリンス、パリス、ブランケット)に見え てきてしまう。マイケルって、根っから子どもが好きだったんだなぁ。。というか、 マイケル自身が精神的には子どものままだったのだろう。 マイケル熱が高じて、『ライブ・イン・ブカレスト』のDVDまで購入してしまった。 いいんです。人類の至宝、一家に一枚! (『ムーンウォーカー』 監督:ジェリー・クレイマー、コリン・シルヴァース/ 製作総指揮・原案・主演:マイケル・ジャクソン/1988・USA) ![]() |
![]() THE TEXTBOOK OF ”MICHAEL JACKSON” 「彼はバッハやモーツァルトのように、未来の教科書に載るような、本当に偉大 な音楽家なんです」 (著者あとがきより) ロック・バンド「ノーナ・リーヴス」の西寺郷太氏による、マイケル・ジャクソンの 「ヒストリー」。題名に「教科書」と冠されているように、マイケルの誕生からその 死までが丹念にドキュメントされています。特に『スリラー』以前のマイケルにつ いては詳しく知らなかったので、興味深く読みました。語りかけてくるようなやさ しい文体で、著者の「マイケル愛」の大きさが感じられる本です。 中西部の工業都市で、ワーキング・クラスの子どもとして育ったマイケル。兄弟 で結成したジャクソン5。ソロデビュー、クインシー・ジョーンズとの出会い。彼に とって、『スリラー』がいかに怪物的な成功だったか。ジーン・ケリーやフレッド・ アステアをも唸らせた『モータウン25』でのパフォーマンス。初めて披露された ムーンウォーク。それは彼を育てたモータウン・レコードとの決別だったこと。 完璧主義が高じて周囲から孤立し、次第に長くなってゆくブランク。マスコミが 彼にしたこと、彼から搾取しようと群がった人々。しかし恋愛や結婚、離婚など、 私生活についての記述よりもマイケルの音楽活動を中心に書かれているため、 ワイドショー的な興味からこの本を手にすると肩すかしを喰らうかもしれません。 マイケル・ジャクソンとは、何だったのか・・・。それは『THIS IS IT』を観れ ばわかること。彼がいかに優れたミュージシャンであり、パフォーマーであり、 愛に溢れた謙虚な人物だったか。映像は雄弁です。そしてあの映画を観て 彼についてもう少し知りたい、彼が人生の節目に誰と出会い、どんな音楽を 生み、世界を変えて行ったのかを知りたいと思ったとき、少しでも多くの方に この本を手にとっていただけたら、と思います。 ![]() (『新しい「マイケル・ジャクソン」の教科書』 西寺郷太・著/ビジネス社・2009) ![]() |
![]() クラスでいじめの標的となっている14歳の「僕」は、ある日短い手紙を受け取 る。 「わたしたちは仲間です」 それは「僕」と同じようにクラスで疎外され、虐げられているコジマからのメッ セージだった。 『乳と卵』で芥川賞を受賞した、川上未映子の受賞後第一作。90年代初めの 地方都市の中学校を舞台に、陰惨で絶望的ないじめの渦中で育まれる友情、 思春期の戸惑い、別離の「向こう側」にある希望が描かれる。吐き気を催すほ どの壮絶ないじめの描写に嫌悪感を覚え、涙しながらも、本を閉じることがで きなかった。 読み進みながら、この小説の中に「村上春樹」的な何かを感じていた。彼の 唯一のリアリズム小説『ノルウェイの森』に似たものを。 孤独で内向的な、一人称で語る「僕」。何故かカタカナの「キズキ」と「コジマ」。 「僕」がコジマといるときの心の揺れはワタナベくんと直子の逢瀬を思い出させ るし、百瀬の詭弁としか思えない言葉の数々は、永沢が語る「システム」のよう だ。そして、直子とワタナベくんも「文通」をしていたのだった。 私の中学時代は校内暴力の嵐が吹き荒れていたけれども、その暴力の矛先 は自分たちの「外側」の教師や、学校そのものであって、ここに書かれているよ うな「同級生」たちへの内にこもるいじめは存在しなかった(と思う)。今は大人に なった90年代の中学生たちにとって、この小説は悪夢のような記憶を呼び覚ま す忌まわしきもの、なのかもしれない。 女子のほうが精神的に大人で、男子はリードされる側、という思春期の男女の 立ち位置が巧く描かれている。苛めに苦しみ、追い詰められながらも、コジマから の手紙と共に過ごすひとときに微かな光明を見出す「僕」。悶々としながらも彼が コジマを想う心は、間違いなく純粋な「恋」だったのだと思う。 しかし、「僕」よりも少し大人びたコジマの言葉は、やや独善的に聞こえる。君 の目がすきだよ・・・。わたしにとってのいちばんは、君なんだよ・・・。そのささや きは「僕」の心の中に波紋を描くけれど、「美しい弱さ」という言葉には自己陶酔 の匂いがする。コジマは確かに強く、やさしく、弱い存在だ。「僕」が傷つける側 に回ろうとしたとき、彼女は身を挺して「僕」を守ったのだと思う。それでも、彼女 は「僕」が変わろうとする気持ちを変えることはできないんだ。私は「僕」が逃げ たのでも、負けたのでもないと思う。私は信じている、彼はそうすべきだったのだ と。その「世界」の美しさが、束の間の幻影だったとしても。。人間は、天国にはいら れないんだよ 「僕」を巡る大人たち、「母さん」と総合病院の先生が強く印象に残る。思春期 の子どもたちには、「親」でない大人の存在が必要なんだと。痛みや悲しみをくぐ り抜け、生き延びている「大人」が。コジマにも、そんな誰かがいてくれればよか ったのに。。。 川上未映子さんは、映画女優になれるくらい美人で、歌手でもあり、(もう結婚 はされているけれども)望めばどんな玉の輿にだって乗れただろう。セレブタレン トになって、奥様雑誌の表紙を飾ることだってできたと思う。しかし彼女は華やか さとは対極にあるような「文学」の道を選び、(恐らく)苦しんで苦しみぬいて、こん なにも私の心を揺さぶる「つくりもの」を産み出した。「僕」を苛めぬく主犯・二ノ宮 は、小説を「正真正銘の嘘」で「圧倒的につまらない」と言い放つ。しかし、小説が 「本物の魔法」になり得ることを、本作は証明している。この力強い傑作と「作家」 川上未映子に、私は拍手とエールを送りたい。 (『ヘヴン』 川上未映子・著/講談社・2009) ![]() |
![]() MOTHER 韓国の田舎町で小さな漢方薬局を営む母(キム・ヘジャ)は、殺人事件の容疑 者となった最愛の一人息子・トジュン(ウォンビン)を救うべく奔走する。 韓国の若き天才、ポン・ジュノ監督の長編第4作。濃厚過ぎる母と子の愛情、 断ち難い絆、狂気をまとう母性を描くサスペンス。兵役を経たウォンビンの映画 復帰作でもあり、ウォンビンは「コンミナム返上」とばかりに、難しい役柄に挑戦 している。 監督の演出には、観る者に対してこの親子に対する安易な感情移入を許さな い、複雑さと厳しさを感じる。母と子のストレートな愛情を描いた凡百の映画とは 一線を画す、一瞬たりとも目が離せない秀作。不気味で不穏なオープニングか ら、息をするのも忘れてしまうほど引き込まれた。涙も出ない。 ![]() 細く暗い路地を行く少女の白いふくらはぎに、傑作『殺人の追憶』がダブる。こ の作品もまた、血と暴力、狂気と紙一重のほとばしる激情を描く、韓国映画の王 道を往く作品だと言える。しかし、敢えて自分の代表作と似た背景を持つ題材を 選んだ、監督の意図はどこにあるのだろう。 その答えは、タイトルロールである母を演じたキム・ヘジャの表情に、見開かれ た大きな瞳に宿っている。過去に自分が犯した罪への呵責から、息子に対して 盲目的な愛情を捧げる母。「血を分ける」などという生易しい表現では到底、表し ようがないほど、この母の息子への思いは狂気に苛まれている。血の巡りが悪 い息子・トジュンは、5歳の時に自ら成長を止めてしまったかのような青年。彼の ことを「純粋」だとか「無垢」だとか、私は表現したくない。彼は「パポ野郎」と言わ れることが何よりも嫌いな、プライドを持った一人の人間なのだ。 ![]() 何があっても子どもの無実を信じる−−これは母親であるならば、ごく当たり 前な感覚だろう。しかし彼女は行き過ぎてしまった。情動は極限を超え、新たな 悲劇を生む。母と子だけが知る真実、決して許されない罪が明かされるスリリン グな展開に、息を呑む。 全て意味のある完璧なショットの数々は、もう一度観ればさらに深みを感じら れそうな気がする。イ・ビョンウによる哀愁を帯びたギターがまた、素晴らしい。 踊る母の姿とともに、あのテーマ曲が耳に残って離れない。 ただ、ポン・ジュノの過去作品は、傑作、良作と思いこそすれ「好きな映画」だ とは思ったことがない。本作も、まさに、まさしく、そういうタイプの作品だった、と 思うのだった。 (『母なる証明』 監督・原案・脚本:ポン・ジュノ/ 主演:キム・ヘジャ、ウォンビン/2009・韓国) テーマ:この映画がすごい!! - ジャンル:映画 ![]() |
![]() Michael Jackson's This Is It 2009年6月25日、目前に控えたロンドン公演のリハーサルを重ねながら50歳 で逝った天才アーティスト、マイケル・ジャクソン。舞台演出を担当したケニー・オ ルテガによってそのリハーサル映像が映画となり、2週間限定で公開されてい る。チケット発売日に指定席はゲット。シネコンの一番大きいシアターは満席。 感無量です。 「怒ってないよ、愛”L-O-V-E”なんだ」 ![]() マイケルと踊るために世界中から集まった若いダンサーたちのコメントから、 もうウルウルモード。彼らが幼い日、歌い踊るマイケルを観てどれほどの衝撃 を受けたか。彼らはマイケルのファミリーであり、一番熱狂的なファンでもある ことが、映像から強く深く伝わってくる。 10年ぶりのツアー(リハーサル)でありながら、マイケルの歌とダンスが全く 錆びついてないことに驚かされる。フロアに吸いつきながら、柔らかく自在に 動く長い脚。軸がぶれない上半身、能弁な腕。一度観たら、決して忘れられ ないそのパフォーマンス。凄い、凄過ぎる。『ビリー・ジーン』で着る予定だった という電飾の付いた衣装、見てみたかった。 完璧主義者であり、挑戦者だったマイケル。そしてそれ以上に、謙虚さと思 いやりに溢れていたマイケル。若いギタリストをサポートする、やさしいマイケ ル。そして一番印象的だったのが、監督であるケニー・オルテガへ向けられ た愛と信頼だった。ケニー・オルテガはマイケルの死後「彼は天使だった」と 語っている。 ![]() しかし、10年というのは決して短いブランクでないこともまた、現実。イヤホン の音に慣れず、「歌えない、耳に拳を突っ込まれているみたいだ」と訴えるマイ ケルは痛々しかった。そして、その直後に流れるのは『I'll be there』。 この映画の中でジャクソン5時代の歌、とりわけ私が一番好きなあの曲をマイ ケルが唄うとは、思ってもみなかった。兄弟と両親への愛と感謝を口にするマ イケルに、この人は本当にピュアな魂を持っていると感じる。涙、涙・・・。 スキャンダルにまみれ、表舞台から遠ざかっていた彼を、迷子のように感じ ていた。しかし、真実が見えていなかったのは私の方だったのだ。マイケルは、 ずっと変わらずそこにいたのに。彼を理解しようとしていなかったのは、私の 方だったのだ・・・。 「地球を守ろう」というメッセージとともに、映画は幕を閉じる。そしてその 瞬間、力強い拍手がシアター内に鳴り響いた。ファイナル・カーテンコール。 魅せてくれて、ありがとう。 (『THIS IS IT』 監督:ケニー・オルテガ/ 主演:マイケル・ジャクソン/2009・USA) テーマ:この映画がすごい!! - ジャンル:映画 ![]() |
![]() CLEAN 売れない歌手エミリー(マギー・チャン)は、カナダでの巡業中、ドラッグの過剰 摂取で元スターだった夫リーを亡くす。麻薬所持で服役したエミリーは、かつて 働いていたパリで再出発を期すのだが・・・。 元祖「アジアの小顔ちゃん」であり、カンヌ映画祭で主演女優賞を獲得したこの 作品を最後に半引退状態が続いている張曼玉マギー・チャン。久々に出演する のでは?と期待していたタランティーノの新作にも登場しないようで、この機会を 逃すともう二度とマギーをスクリーンで拝めないかも。。そんな思いで劇場へ。 彼女の元夫でもあるオリヴィエ・アサイヤス監督作品は初見。 しかし、マギーといいイ・ヨンエといい、脂の乗り切ったアジアを代表する大女優 の新作が観られないというのは寂しい限り。映画って、いい男が出ていればそれ でいいってものでもない。いつかまた、スクリーンに大輪の花を咲かせて欲しい。 ![]() 落ちぶれた女が子どもとの触れ合いを求め、結局「自分の居場所」に帰ってゆく。 マギーの背中を追うカメラを観ながら、『レスラー』みたいな話だな、と思っていた。 ミッキー・ロークにはいたく感動させられた私だけれど、残念ながら本作は、さほど 心に沁みる作品というわけでもなく。。前夜の夜更かしも祟って、ひたすら「眠い」 映画だった。 エミリーが夫のリーや、息子のジェイや、自らの歌に対してどれほどの「思い入 れ」を持っていたのかが、全然伝わってこなかった。だから、ラストシーンの涙も、 私の心には響いて来なかったんだと思う。4年越しで観たい、観たいと願い続け てきた作品だっただけに、残念。しかし、エミリーの義父アルブレヒトを演じたニッ ク・ノルティはよかったと思う。息子を亡くし、孫を愛し育てても、結局「おじいちゃ ん」でしかない彼。子どもは、母親を求めるものだから・・・。 ![]() 心斎橋にあるミニシアターは、大好きな映画館の一つ。単館上映作品が多く、 みなさん本当に、映画がお好きなんだろうな〜、という感じのお客さんが多い気 がする。そしてこの作品を観た日は、なんとベビーカーを押した若い女性が鑑賞 していた。 赤ちゃんは、推定1歳未満児。場内が暗くなって、怖がって泣き出すんじゃな いか、と私は気が気でない。案の定、ぐずって泣きだす。あやすお母さん。泣き やまない、立ち上がってあやし始める。 子どもが生まれてしばらく、本当に長い年月、映画館に行けなかった。だから 私は『千と千尋の神隠し』を映画館で観ていない。『ダンサー・イン・ザ・ダーク』 も観ていない。でも、当時はそれが当たり前のことだと思っていた。 エミリーは、ジェイ(ジェームズ・デニス)を義両親に預けて、夫と夢に賭けて いた。あのままずっとリーが生きていたら、エミリーはジェイをどうしていたのだ ろう。誰もが母親である前に、一人の人間である、それはわかっているのだけ れど・・・。英語、フランス語、広東語を自在に操るマギーを見つめながら、どう してもエミリーに感情移入できない私がいるのだった。 (『クリーン』 監督・脚本:オリヴィエ・アサイヤス/ 主演:張曼玉マギー・チャン、ニック・ノルティ/2004・加、仏、英) ![]() |
![]() THE BOAT THAT ROCKED 1966年、イングランド。世はブリティッシュ・ロック全盛期、しかしBBCラジ オはロック&ポップを一日45分間のオンエアに制限していた。そこに、公海 上に停泊した船から音楽を流す海賊ラジオ局が現れ・・・。 リチャード・カーティスによる、実話を基にした痛快音楽群像劇。いや〜〜、 これは素晴らしい、面白かった! 期待はしていたけれど、全く裏切られず。 この映画を忘れたくなくて、今年初めてサントラを「即買い」してしまった。 上映が始まってすぐ、この映画をスクリーンで観ている自分は本当に幸せ 者だと感じる。間違いなく、今年のベスト作の一本です。超オススメ。 ![]() 当時の音楽に詳しいわけがないけれども、耳に馴染むロック・クラシックの 数々が心地よい。ワーキング・タイトル印のブリティッシュたちが演じる曲者 揃いの個性派DJに交じって、アメリカからのゲストはフィリップ・シーモア・ ホフマン。「伯爵」こと花形DJ、カウントを演じる。 彼と敵対するも、「痛み分け」後は互いに認め合って友情を結ぶカリスマDJ ギャヴィンにはリス・エヴァンス。この「メタボなアメリカン VS. 変なウェール ズ人」が、本作のハイライトの一つ。 高校を退学になり、更生?のためにこの海賊船に送り込まれたカール(トム ・スターリッジ)。彼の奔放なママがエマ・トンプソンだなんて、意外にもハマ ってる! 純情ボーイ・カールの恋の行方、未だ見ぬ父への想い。じ〜んと 来ます。憎まれ役の政府高官、ケネス・ブラナーがヒトラーみたいでホント、 気の毒(巧いけど)。 そしてそして、海賊ラジオ局のキャプテン・クエンティンのビル・ナイ!! もう〜〜、素敵♪ グレンチェックのスーツにペイズリー柄のスカーフ、その 佇まいも何とも言えず、おしゃれなんです。。ビル・ナイって、私の理想の人 だわ。。←いつからジジ専になったんだ ![]() ただ、難点もあり。この映画、長いんですよ・・・。尺は135分なので特別長尺、 というわけでもないのだけど、一度大きなクライマックス(政府の妨害にDJたち が絶対に屈しないと決意する場面)が来てから、続きがあるので拍子抜けしてし まう。もちろん、その後も様々なエピソードが続いて決して冗長なわけではない のだけれど、ちょっとサービス過剰な感が無きにしも非ず。しかし、レズビアンの フェリシティ(キャサリン・パーキンソン)にまで素敵なロマンスを用意する辺りが、 「Love actually is all around」なリチャード・カーティス特有のやさしさなん だな、と良い方に解釈したいと思う。 ロックンロールへの大いなる愛に包まれながら、観終わってしばらく、席を立 ちたくなかった。船は沈んでも、海賊たちは誰も死なない。もちろん、音楽も。 (『パイレーツ・ロック』 監督・製作総指揮・脚本:リチャード・カーティス/ 主演:フィリップ・シーモア・ホフマン、ビル・ナイ、リス・エヴァンス、 トム・スターリッジ、ケネス・ブラナー/2009・英、独、米、仏) ![]() |
![]() 恋人に裏切られ、何もかも無くして声さえも失った倫子は、10年ぶりに故郷の 村へ帰る。 「たとえ素っ裸にされたとしても、私は料理を作ることならできる」 草野マサムネが帯の惹句を書いていて、気になっていた本作。柴咲コウ主演、 フードコーディネーターは飯島奈美さんで映画化されると知り、読んでみた。 一気に読了。「生きることは食べること」という生命の基本が謳われる、瑞々し い物語。 主人公の倫子は、バイト先から帰るとアパートがもぬけの殻になっていた・・・。 こういう話って、本当にあるんですよね。。私の知り合い(具体的に言うと義兄の 幼なじみ)も、全く同じ目に遭っているんです。その人も料理関係の仕事(パティ シエ)だから、なんだか似たような話だな〜、と思ってしまった。 倫子の作る料理は、本当に手がかかっていて、心がこもっていて、おいしそ うで・・・。これは映画が楽しみ。でも、不安な部分もある。 この小説で一番印象的だったのは、倫子が無花果の木の上で髪を切る(そ してその後ほとんど剃り落としてしまう)場面と、エルメスの「解体」場面。どち らも演じる役者さんにとっては、かなり勇気の要るシークエンスだと思う。先日 劇場で観た予告篇では、予想通り柴咲コウの髪は長いままだった。 そして、もっとハードだと思われる「解体」。小説では、作者が実際体験(また は見学)したことがあるに違いないと思わせるほど、その様子が詳細に描写 されている。映像にするには難しいだろう、しかしこの場面がなければ、小説 の主題である「生命」を敬い、大切にいただくという思想が描けないのではな いか。 「私にとって、料理とは祈りそのものだ」 倫子のこの荘厳なまでの「覚悟」を 大切に、映画化して欲しいと願う。 (『食堂かたつむり』 小川糸・著/ポプラ社・2008) ![]() |
![]() ASTRO BOY 未来の地球。ロボットが人間に仕える空中都市メトロシティ。ロボット工学 の大家テンマ博士の息子トビーは、軍事用ロボットの実験中に事故死して しまう。嘆き悲しんだ博士は、息子そっくりの人型ロボットを完成させるのだ が・・・。 日本における「漫画の神様」手塚治虫氏の代表作を、ハリウッドが映画化 したCGアニメ。手塚治虫生誕80年を記念した作品らしい。 アトムのアニメは観ていないし、思い入れもないが、豪華声優陣に惹かれ てずっと前から観たかった。しかし、字幕版の上映は日本でたった2館のみ の上映なんですね・・・。というわけで吹き替え版にて鑑賞。オープンングで クレジットされるフレディ・ハイモア、ビル・ナイ、シャーリーズ・セロンらの名 前を眺めながら、つくづく残念、と思ってしまった。 ![]() 父の愛を失い、地上世界で新しい仲間と「自分の居場所」を探して生きようと するアトム。健気でかわいいんだけど、観ている間中、何故だかずっと違和感 がつきまとう。 まず、アトムを創ったのは「お茶の水博士」だとばかり思っていたのだけど、 「テンマ博士」なんですね。シラナカッタ アトムの声を務めた女優さんは声優経験豊富な方だけれど、普通に男の声 優さんが演じるわけにはいかなかったのだろうか。大人の事情? キャラクターの造形は『ルイスと未来泥棒』とか、『アイアンマン』を思い出さ せる。そう、これはハリウッド映画なんだな、、って。当たり前なんですけどね。 私が知っていたのは、谷川俊太郎によるあの有名すぎるテーマソング。あれ は本当に、世紀の名曲ですね。アメリカでは今週末から公開だとか。私は物語 に入り込めず、イマイチ楽しめなかったのだけど、さて、あちらでは大ヒットする のでしょうか。。要注目です。 ![]() (『ATOM』 監督・脚本:デヴィッド・バワーズ/ 原作:手塚治虫『鉄腕アトム』/2009・香港、米、日本) ![]() |
![]() 才能に溢れてはいるが大酒呑みで金にルーズ、女癖も悪い新進作家の大谷 (浅野忠信)は、馴染みの料理屋から金を盗んでしまう。しっかり者の妻佐知(松 たか子)は、そんな大谷を庇い、料理屋で働いて借金を返そうとする・・・。 生誕100年を迎えた昭和の大作家・太宰治の同名小説の映画化。第33回モント リオール世界映画祭において、根岸吉太郎が監督賞を受賞した話題作。終戦後 の昭和を再現した美術、映像はもちろん、俳優たちの確かな演技が光る力作。ち なみにフードスタイリストは飯島奈美さん。 文学少女の通過儀礼的作家・太宰治には、ご多分に漏れず、中高生の頃ハマ リにハマった。今でも私の本棚には、黒い背表紙の新潮文庫がズラリと並んでい る。いつか三鷹に行ってお墓参りがしたい、桜桃忌に行けたら一番いい・・・、など と夢想していたものだが、正直、大人になってからはほとんど読み返すこともなか った。(それは多分、村上春樹に出逢ったせいだと思うのだけれど) 不思議と、今まであまり映像化されることのなかった太宰作品。浅野忠信主演 と聞けば、楽しみにしないわけがない! 思い入れが生々しいままでなく、思い 出に変わった今だったから、よかったのかもしれない。期待通りの出来栄えに、 まずは満足。 ![]() 太宰自身が投影された大谷を演じた浅野くん、素晴らしかった。「生き写し」と でも言おうか、だらしなくて嫉妬深くて自己中で狼少年で、それでも心惹かれず にはいられない男、そのもの。「付き合ってくれますか」。あの頬杖は・・・反則 でしょう。 そんな夫に尽くして、尽くして、裏切られて・・・。それでも離れない妻、佐知。 でも彼女はただの、耐え忍ぶ女じゃない。自分という人間の美しさを知り、価値 に気づき、人生を切り開こうとしている強い女。自分に惹かれている若い男、 岡田(妻夫木聡)を拒むこともなく、初恋の男、辻(堤真一)の事務所に、口紅 一つで乗り込んで行く。「お金、無いんです」。カワリニワタシヲカッテクダサイ 互いに引け目を感じ合っている大谷と佐知は、ある意味、似た者同士なのか もしれない。 ![]() いつもは顔を見るとゲンナリしてしまう広末涼子が、本作ではそれほどに悪く はなかったかな。あの、最後の勝ち誇った表情・・・。人情に厚い料理屋の夫婦、 室井滋と伊武雅刀も「庶民」を体現していた。光石研や新井浩文の顔がチラリと 見えたのもうれしい。そして残念ながら、妻夫木聡だけはこの映画の「色」に合 っていない気がした。 「女には幸せも不幸もありません。男には不幸だけがあるんです」気障なセリ フの数々は、やはり太宰が天才だったと再認識させてくれる。 憎み切れないロクでなし。しかしその手は、妻にしっかりと握られている。 (『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ』 監督:根岸吉太郎/ 主演:松たか子、浅野忠信、妻夫木聡、堤真一/2009・日本) ![]() |
![]() 例えば映画『空気人形』を観たとき きっと多くの人が一番感銘を受ける場面は ペ・ドゥナ演じる「空気人形」のぞみが 愛する人の「息」で満たされる場面なんだろうと思う。 しかし私があの映画で一番心揺さぶられたのは ペ・ドゥナがたどたどしい日本語で朗読した「生命は」だったりする。 こんな時は、自分がつくづく「映像的な人間じゃない」と 落ち込んだりもするのだけれど 吉野弘の詩集を読みたくてたまらなくなる自分を 無理に抑えようとも思わない 私に欠けているものは きっと誰かが埋めてくれる (『吉野弘 詩集』 吉野弘・著/ハルキ文庫・1999) ![]() |
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真紅のthinkingdays |
いつまでも青臭い映画好きでいたいのです(名前は紅いんですが)。 観た映画と読んだ本の覚え書き。 記事は基本的にネタバレありです。 どうぞご贔屓に♪
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