50th Anniversary 松任谷由実コンサートツアー「The Journey」@大阪城ホール


ユーミン、50周年おめでとうございます!
7月2日 大阪城ホール
年齢を感じさせない、時空を超越したようなステージを堪能しました
(詳細は IG に上げています)
ユーミンを聴き始めたのは中学の終わり頃だったと思う
その頃の私はまだ愛を知らず
恋すらよくわからなかった
要するに世間知らずの子どもだったのです
そんな私にユーミンの作品世界は新鮮で、、
今思えば少し背伸びして聴いていたと思う
音楽を聴くと記憶がフラッシュバックする経験は誰にもあるでしょう
幼い私にとって、ユーミンの描く世界はまさに 「フラッシュフォワード」 だった
作品世界が未来の記憶となって、答え合わせをするかのように生きてきたような気がする
フロントグラスを染めて広がる黄昏
写真立ての中のおどけるふたり
ドーナツ屋の薄いコーヒー
胸のアルバムの日光写真
恋人がサンタクロース
霧雨の水銀灯
それらは全部ユーミンの歌の中にあって、私は一つひとつ履修しながら大人になった
そう、ユーミンは私の人生に責任があるのです(あはは)
松任谷正隆プロデュースだから山の手サウンド(シティポップ)なのは当然として、ユーミンの曲にはどこか懐かしさというか親しみやすさがある
ブリティッシュロックの影響は彼女自身も公言しているけれど、歌謡曲っぽさ、もっと言えば突然演歌みたいなフレーズが出てきたり
当たり前だけど 「日本のメロディ」 なんだと思う
ジブリが使ったことも大きいのかな
最初に 「年齢を感じさせない」 と書いたけれど、来年早々には古希(!)を迎えるユーミン
願わくばいつまでも元気でパワフルな姿を見せていてほしい
私(たち)の人生の伴走者として
「The Journey」 そして旅は続く。。

(手を伸ばしてiPhoneをかざしているのが私。何を撮っているのだろう?笑)
『逢びき』 グレタ・ガーウィグのお気に入り映画12本

初見
言わずと知れた恋愛映画の古典
邦題よりも 「Brief Encounter」 という原題のほうが素敵(有名?)ですね
86分の尺、大作イメージのデヴィッド・リーンってこんなメロドラマも撮っていたのかと驚きました
グレタ・ガーウィグのお気に入り12本の一作ということで気になって鑑賞
もちろんU-NEXT(無双)にて
いや〜、よかった〜
セリフがめちゃくちゃ好き!
スクリプト読みたい! と思った
私、映画内恋愛エピソードにイラッとくる 「恋愛要素いらんねん」 派閥なんですけど、こういう純然たる100%の恋愛映画は大好物です
木曜日ごとの逢瀬、これ秋公開のニノの主演作 『アナログ』 の元ネタですね?
お互いに家庭のある、分別ある大人の純愛
そしてラストシーンの素晴らしさよ(涙)
この映画超ハッピーエンディングですよね
いや〜、夫の人最高では?
ローラもそのことは充分過ぎるほどわかっている
だからこそ深く悩み苦しんだ
でもね〜、恋って落ちるものだから
仕方ないのよ(完)
しかしこの映画第二次大戦のさなか、(1945年)製作って、、
そりゃうちら負けるはずだわ(汗)
(おまけ)
グレタ・ガーウィグのお気に入り、見てほしい映画12本(IndieWire 2023/6/5)
ジャンヌ・ディエルマン、ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地
雨に唄えば
リオ・ブラボー
赤い河
三十九夜
逢びき
キング・オブ・コメディ
家族の庭
ニコール・キッドマンの恋愛天国
プリティ・イン・ピンク
赤い影
ワーキング・ガール
グレタの最高傑作と絶賛に染まる新作 『バービー』 は8月11日公開!
楽しみスギル♪
( 『逢びき』 監督・共同脚本:デヴィッド・リーン/原題:BRIEF ENCOUNTER/
主演:セリア・ジョンソン、トレヴァー・ハワード/1945・UK)
2023(上半期) 真紅のthinkingdays Best 10 of the movie
My Favorite Movies of 2023 so far...
#2023年上半期映画ベスト10
①フェイブルマンズ
②帰れない山
③イニシェリン島の精霊
④TAR/ター
⑤aftersun/アフターサン
⑥Air/エアー
⑦ザ・ホエール
⑧コンパートメントNo.6
⑨バビロン
⑩BLUE GIANT
劇場鑑賞新作77本より
上半期は旧作4本と合わせて81本劇場鑑賞
(リピートはなし)
自宅鑑賞は49本で合計130本
いやその劇場鑑賞した旧作4本がすばらしかったのなんの
オールタイムベストに入れてしまいそうな勢いですよ
・裸足で鳴らしてみせろ
・ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地
・はなればなれに
・無法松の一生
リマスター上映やレトロスペクティヴが多くてうれしくも悩ましい今日この頃
今月はとりあえずトリアーとカサヴェテスは外せないよね
と言いつつ上映スケジュール見て頭抱えてるけど(時間が合わねえ)
下半期も頑張っていっぱい映画観るぞ〜!

#2023年上半期映画ベスト10
①フェイブルマンズ
②帰れない山
③イニシェリン島の精霊
④TAR/ター
⑤aftersun/アフターサン
⑥Air/エアー
⑦ザ・ホエール
⑧コンパートメントNo.6
⑨バビロン
⑩BLUE GIANT
劇場鑑賞新作77本より
上半期は旧作4本と合わせて81本劇場鑑賞
(リピートはなし)
自宅鑑賞は49本で合計130本
いやその劇場鑑賞した旧作4本がすばらしかったのなんの
オールタイムベストに入れてしまいそうな勢いですよ
・裸足で鳴らしてみせろ
・ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地
・はなればなれに
・無法松の一生
リマスター上映やレトロスペクティヴが多くてうれしくも悩ましい今日この頃
今月はとりあえずトリアーとカサヴェテスは外せないよね
と言いつつ上映スケジュール見て頭抱えてるけど(時間が合わねえ)
下半期も頑張っていっぱい映画観るぞ〜!


『山の焚火』

スイスアルプスの人里離れた場所で、ある一家が暮らしている
年老いた両親と姉は聾唖の弟を「坊や」と呼び、愛情深く育てていた
思春期を迎えた弟は度々癇癪を起こし、遂に父の逆鱗に触れ家を出てしまう
スイスの巨匠フレディ・M・ムーラー監督、1985年の作品
ロカルノ国際映画祭で金豹賞(グランプリ)を獲得した本作は、スイス映画アカデミーよりスイス映画史上最高の一作に選定されたのだそう
2020年には監督の作品3作が「マウンテン・トリロジー」特集として35年ぶりに日本でリバイバル公開されている
U-NEXTにて鑑賞(しかしU-NEXTは無双してるよね、もう無しでは生きていけないかも笑)
山登りに興味はないのですが、山の映画や登山家には何故か惹かれます
しかし寡聞にして本作は知らず
きっかけはグラフィックデザイナー・大島依提亜さんのツィート
『LAMB/ラム』 を観て真っ先にこの映画を想起したと(個人的には 『LAMB/ラム』 は特に好きな映画というわけではないのですが)
5月に観た 『帰れない山』 がとても好きで、山の映画をまた観たいと思ったときこのツィートを思い出した
何故か心に引っかかっていたのです
いやぁ、、凄い映画を観ました
こんな作品があったのか、、としばし呆然
スイスアルプスと言えば 『ハイジ』 のおかげで日本人の心のふるさと的な場所ですよね
山肌の緑や雲、湧き水などはアニメそのままの風景です
そこで暮らす一家の、静謐かつ激烈な物語でした
幸い私は核心(ネタバレ)に触れることなく鑑賞できたのですが、あらすじ紹介にもそこははっきりと書いてありますのでなるべくググらずに観ることをお勧めします
※ 以下、やんわりとネタバレ
時代背景は1980年代、しかし一家はテレビも車も所有していない
両親は耳の聞こえない弟を 「下」 の施設にはやらず、山仕事を教えている
教師を目指し一度は 「下」 の学校に通った姉も中退して山に戻り、両親とともに弟の面倒を見ている
自然に抱かれて暮らすということ
描かれていることはタブーですが、何故か 「自然」 に 「そうなるだろうな」 という感覚だった
確かに衝撃ではあるのですが、、、高所には 「下」 の民である自分には計り知れない 「時間(時の流れ)」 や生命の営みがある気がした
人はみな命の炎を燃やし生きているはず
しかし 「下」 にいるとそのことを忘れてしまう
ゆらゆらと揺れる山の焚火を見ながら、姉弟はただ 「自然」 に、シンプルに生きただけなのだろう
息をするように
眠るように
叶わない母の祈り
それでも娘に告げるのは否定の言葉ではない
(自分にはこの母の台詞が一番の衝撃だった)
私に娘がいたら、こんな言葉をかけられるだろうか?
「下」 を最も拒絶していたはずの父の怒りが、「下」 の倫理観に最も近いのもまた皮肉な話
セリフは少なく、余白が多い作品です
悲痛でもあるけれど、どこか神々しくもあり不思議な余韻が残る
観る者に委ねるナラティブは直近で観た 『aftersun/アフターサン』 に近いと感じた(もちろん全く違うストーリーですが)
映画って、いや人間ってほんとうに計り知れない存在ですね
ちっぽけな自分の想像の範疇をはるかに超えていて畏怖さえ覚える
「マウンテン・トリロジー」 の他の作品も観たいと思います
( 『山の焚火』 監督・脚本:フレディ・M・ムーラー/
原題:HOHENFEUER・ALPINE FIRE/1985・スイス)
第95回アカデミー賞作品賞候補作 好きな順

6月2日公開 『ウーマン・トーキング 私たちの選択』 鑑賞をもって第95回アカデミー賞作品賞候補10作をコンプリート
以下、好きな順です
1.フェイブルマンズ
1.TAR/ター
3.トップガン マーヴェリック
4.イニシェリン島の精霊
5.ウーマン・トーキング 私たちの選択
6.西部戦線異状なし(劇場未公開・Netflix)
7.エルヴィス
8.逆転のトライアングル
9.エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
10.アバター:ウェイ・オブ・ウォーター
1位が決められませんでした(汗)
3位と4位もほぼ差はないです
6位はNetflix 鑑賞だったので、劇場で観ることができていたら順位は入れ替わっていたかも?しれません
7位以下は個人的にはハマれなかった作品
9位は超期待していたのですが寝てしまった、、、無念
作品賞はじめ総なめ状態でしたが、主演女優賞は 『TAR/ター』 のケイト・ブランシェットが獲るべきだったと思います(ケイト様はミシェル・ヨーに獲らせるためにオスカーキャンペーンをしなかった、みたいな話も聞きましたけど)
10位は世界中で大ヒットして5部作になるそうですが、、
今後はもう観ないかな
パフォーマンス・キャプチャーの映像ってあまり好みではないです
今回HFRが売りでしたけど通常版で観たからなぁ
でもまた続編が公開されたら映画館に走ってるかも(笑)
ダルデンヌ兄弟 『イゴールの約束』 『息子のまなざし』 『ロゼッタ』

ダルデンヌ兄弟の新作 『トリとロキタ』 を観逃してしまった。
ちょっと無理をすれば時間を作れないこともなかったのだけど、彼らの作品は 『サンドラの週末』 くらいしか観たことがなくて
「どうしても観たい!」 という気持ちになれず結局スルー
そこでU-NEXTで観られるダルデンヌ兄弟の監督作品を観てみることに
以下、とりあえず3作品観たところで観た順に感想をメモ
◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇
『イゴールの約束』 (原題:LA PROMESSE/1996)
父とともに不法移民の就労に手を染めている少年イゴールの物語
アニエス・ヴァルダやグザヴィエ・ドランがフェイバリットに挙げている作品なのだそう
イゴールを演じた少年、かわいい、、どこかで観たことある、、、と思っていたらなんと 『2重螺旋の恋人』 のジェレミー・レニエじゃない!
彼が 「人として」 の善性に目覚める過程がとてもリアル
ラストは 「ここで言うか!」 というタイミングなのだけれど、彼なりにギリギリまで逡巡したのだろうな、、、と思う
『息子のまなざし』 (原題:LE FILS/2002)
職業訓練校で木工を教えているオリヴィエのクラスに、ある少年がやってくる
手一杯だと一度は少年を拒否したオリヴィエだったが、少年の挙動が気になり結局は彼を受け入れるのだが、、
カンヌ映画祭男優賞受賞作
予備知識なく鑑賞したので、少年がオリヴィエの(生き別れた)息子なのか? と思いながら観ていた
これは邦題のミスリードですね
少年とオリヴィエの関係が明かされてからはサスペンスの様相
少年が 「名前で呼んでいい?」 「後見人になって」 と距離を詰めてくるに連れて大きくなるオリヴィエの戸惑い(葛藤)が伝わってくる
言葉少なく、感情をほとんど表に出さないオリヴィエゆえに緊張感が半端ない
最悪の事態を予想させながら、希望を感じるラストシーンに安堵
いや~この映画は凄い!
『ロゼッタ』 (原題:ROSETTA/1999)
酒浸りの母とキャンプ場のトレーラーで暮らす少女ロゼッタが、理不尽な仕打ちを受けながらも懸命に生きようとする物語
カンヌ映画祭パルムドール&女優賞受賞作
う~ん、、これは観るのが辛い作品だった
同性として、あまりにも過酷なロゼッタの境遇が苦し過ぎる
「生活保護を申請して」 と言われても頑なに拒否し、仕事を探して生きるのだと突っ張る
「どうしてそこまで意地を張るの?」 と思う自分がいた
あの母と二人、今までどうやって生きてきたのだろう、、、とロゼッタの来し方に思いを馳せてしまう
救いがない、、しかし最後の最後にロゼッタは変われたのです
そう思いたい
◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇
3作ともにオリヴィエ・グルメが出演
彼は2021年のマイベスト作の一本 『私は確信する』 が印象深かったのですがダルデンヌ兄弟作品の常連俳優さんだったのですね
『サンドラの週末』 はオスカー女優マリオン・コティヤールの映画、という印象が強かったのだけれど、ダルデンヌ兄弟は社会的弱者に目を向け、常に問題提起する映画作家なのだとわかった
被写界深度が浅く主人公の視線に観るものを極力近づけるような映像表現と、シンプルなタイトル、最小限の登場人物、セリフ、劇伴、短めなランタイムで主題を明確に描く作風が貫かれている
ケン・ローチに近いものを感じます(尊敬)
彼らを評価し、世界に紹介してきたカンヌ映画祭はやはり凄いなと改めて思う(運営にいろいろ文句はあるにしても)
遅すぎるけどサブスクにあるダルデンヌ兄弟作品は全て観たいし、今後も公開作は観続けたいと思う
彼らはベルギー出身ですがアニエス・ヴァルダ、シャンタル・アケルマン、新作 『クロース』 がもうすぐ公開(超期待♪ ロゼッタ役の女優さんが出演するらしいと知りますます楽しみよ)のルーカス・ドンもそう
いい映画作家が多い印象なのは大国に挟まれた国の成り立ち(歴史)と無関係ではないのかもしれないと思う
ポーランドもそうですよね
そんなことを考えていると、映画を娯楽として観るだけでなく映画史的に勉強してみたいな、、と思ったり
ああ~、人生
時間が足りねぇ
舞台挨拶付き上映~『裸足で鳴らしてみせろ』 #3


(承前)
昨年観逃して一番残念だった本作を映画館で鑑賞することができました!
しかも場所は京都みなみ会館、ずっと憧れていた映画館です
大好きな 『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』 にも登場する 「みなみ会館」 ですよ〜
そしてなんと、工藤梨穂監督の舞台挨拶付き上映です
WOWOW放映分を録画して繰り返し観ているのですが、やはり映画館で観るのは格別です
特に本作は 「音」 に関する映画でもあるので、自宅鑑賞で拾いきれていなかった音が聞こえて感無量
舞台挨拶に続いてQ&Aもあり、監督のお話をたくさん聞くことができました
工藤監督はネットに上がっているインタビュー動画などで拝見していた通り、素朴な雰囲気の小柄な方
小さな身体にすごい才能と映画愛が宿っているなと
彼女は日本映画界の宝ですよ!
「クィアな愛を捉えたい、これは自分が一生背負っていくテーマ」 とおっしゃっていたのが印象的でした
以下、Q&A 備忘録(記憶が曖昧な部分もあり)
☆ネタバレ☆

質問 「ラストシーンを観て、彼女(朔ちゃん)は幸せになれるのかと感じましたが」
監督 「朔子役の伊藤歌歩とも話し合いましたが、朔子は直巳の中に触れられない秘密があるとは感じていて、それでも直巳と生きていくことを選択しているよね、という感じです」
・う~ん、これは 「朔ちゃん蚊帳の外」 問題ですね。あの内気な直巳が罪を犯したことについては仲間内でも相当な衝撃だったとは思いますが…。詳細は聞けないよね。てか聞くべきでもないと思うし。誰にだって色々あるよね、人生。
質問 「(いくつかのシーンを挙げて)反復が多いですが、その意図は?」
監督 「ラストでまた会う、再会するという部分を表現するために、敢えてシーンやセリフで反復を多く取り入れて「繰り返す」ということを表現しました」(大意)
・ここはもう少し 「記憶」 についても言及されていたかも?しれません。反復については私も観ていて気になる部分だったので納得でした。
質問 「①直巳と朔ちゃんが映画館を出た後、誰もいないシートが長めに映っていますが何か意図があるのですか? ②パスタのシーンは 『ゴッズ・オウン・カントリー』 へのオマージュですか?」 (僭越ながらこれは私が質問しました)
監督 「①撮影の佐々木(靖之)さんとも話をして、直巳の隣(左隣)にいた槙はもういないんだ、ということを表現したくて(誰もいない)シートを映すあの画にしました」
「②オマージュではないです。ゴーグルに残る塩を使いたくて、何の料理があるかなと考えパスタが思い浮かびました」
・①は初見のときから引っかかったので、やはり意図があったのかとわかってスッキリ! ②はなんと偶然の一致なのですね〜、ビックリ!
質問 「タイトルはどう決められたのですか?」
監督 「脚本を書きながらもなかなかいいタイトルが思い浮かばなくて、ずっと仮タイトルでした。命令形のタイトルがいいなとある時思って、音に関する物語でもあるので 「鳴らす」 がいいなと」 (以下、裸足については忘れてしまいましたすみません)
・とってもいいタイトルですよね~。素晴らしいです!
質問 「直巳と槙は格闘でしか愛を確かめられなかったのに、直巳と彼女は簡単に触れ合えているように見えましたが、この解釈は?」(大意)
監督 「男同士でも男女間でも、性愛だけに向かわない愛の形というものもある、ということを表現したくて格闘という形をとりました。一緒では苦しすぎるが、1人では生きていけない、という愛の矛盾というものを表現したかった」(大意)
・この 「性愛(キスとかSEXとか)に向かわない愛もある」 という事が、監督が一番表現したかった部分なのかな、と個人的には感じました。
質問 「愚問かもしれませんが、直巳と槙が一緒にいられる、というラストは考えられなかったのでしょうか」 (私、このストレートな質問に感動しました。愚問なんてとんでもないです!)
監督 「考えたことはないです(キッパリ)。人は生きていく中で、辛いことだったり大切な人と離ればなれにならざるを得なかったり、誰にでもあると思うのですが、それでも人生は続いていくんだ、ということをこの映画で描きたかったんです」
・監督のこの答えに思わず泣いてしまいました…。「それでも人生は続いていく」 というのはまさにラストシーンで私が感じたことだったから。わかります。監督の思い、しかと受け止めましたよ!
一つひとつの質問に、誠実に(一生懸命)言葉を探すように答えてくれる工藤梨穂監督
とても好感しました
舞台挨拶って滅多に行けないですけど、本当にいい経験、思い出になりました
京都みなみ会館さんにも、監督にも感謝ですね
ありがとうございました(ぺこり)。


2023-04-21 :
LET ME HEAR IT BAREFOOT :
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Stay Blue.〜『裸足で鳴らしてみせろ』 #2

(承前)
劇伴を担当したsoma(藤井草馬)の音楽が素晴らしいのですが、主題歌 『Primula Julian』 はサクラソウ科の花の名前
花言葉は 「青春の喜びと悲しみ」 なんだそう
この映画のために書かれたわけではない既成曲なのに、驚くほど作品世界にマッチしていますよね
リピートしてずっと聴いています
☆以下、引き続きネタバレ☆
どん底だった直巳と再会し、直巳と生きていく朔ちゃん(伊藤歌歩)
彼女の人物造形がリアルでとても好感しました
男性二人が主人公の物語に登場する女性は、恋敵だったり浮気相手だったりして 「憎まれ役」 なことが多いけど、本作の朔ちゃんは憎めないどころか救世主なのです
朔ちゃんは直巳のことをずっと思っていたのだろうけど、(自信のなさゆえに)煮え切らない直巳の元を去り、カナダへと旅立ちます
大好きで、(多分)生きがいだったギターも断ち切って
だから海辺で直巳が言ってくれた 「朔ちゃんの曲が一番好きだった」 「カナダでいい曲書けたら、また聴かせてよ」 という言葉が本当にうれしかったんだと思う
でも、砂山で朔ちゃんが差し出した手に直巳は触れられない
時が流れて、直巳は槙と再会するのか?と思いきや物語は予想外の方向へ進んでいく
カナダ帰りの朔ちゃんがコンビニでアルバイトしているのもすごくリアル
(ワーホリから帰ってきて、そのスキルや英語力を活かせずになんとなくバイトや派遣を続けている人を何人も見てきました)
朔ちゃんの背中にやさしく触れる直巳の手に安堵している私がいた
ラストシーンで彼女は 「蚊帳の外」 だけれど、それもまたリアルな描写だった
もう一人の主要な女性登場人物・美鳥ちゃん(風吹ジュン)もとっても素敵でした
夢見るように旅を語る美鳥ちゃんを見つめるふたりのまなざしのやさしさ
看取れなかったことを槙は悔やんでいたけれど、人生の最期に彼女は安らぎを得ていたよね
暴力や犯罪も内包しながら、この映画はとてもとてもやさしいのです
ゆるやかな円環構造のようにもみえる反復の多さは監督の作風なのかな
今年のマイベスト作の一本
Stay Blue.
☆トリビア(工藤梨穂監督インタビューより)☆
① 直巳は23歳、槙は20歳の設定
② 直巳と朔ちゃんが映画館で観ているのは監督の前作『オーファンズ・ブルース』(音声だけフランス語をかぶせたのか?)
③ 直巳と朔ちゃんは中・高の同級生
(つづく)
2023-04-17 :
LET ME HEAR IT BAREFOOT :
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青のままで〜『裸足で鳴らしてみせろ』 #1

LET ME HEAR IT BAREFOOT
実家の不用品回収会社で働く直巳(佐々木詩音)は、目の不自由な養母・美鳥(風吹ジュン)と暮らす槙(諏訪珠理)と出逢う
「どこへ行こう?」 「どこへでも行ける」
『オーファンズ・ブルース』 でPFFグランプリを受賞した工藤梨穂監督の商業映画デビュー作
何処にも行けないふたりの青年が世界の 「音」 を探して彷徨うロードムービー
(青年と言うよりは Boy meets Boy が正しいかな)
PFFスカラシップ作品です
昨年劇場公開を観逃して一番残念だった映画をWOWOWにて鑑賞
粗削りで万人受けする作品ではない(多分)ですが、私は愛おしくて堪らない
しばらくはこの映画のことしか考えられない状態でした
なぜこんなにも心奪われ、涙が止まらないのか?
この映画には、私が創作に求める 「切実さ」 が溢れているからだと思う
誠実で、真摯でひたむきで青臭くて
このポスター見てくださいよ
「部屋に飾りたい」 と久々に思った
☆以下、内容に言及(ネタバレ)します☆
直巳の避難所の光がブエノスアイレスだなと思ったら 『天使の涙』 が置いてある
ビデオ、レコード、カセットテープ、ブラウン管テレビ
スマホが出てこず、家電が鳴る現代劇を久しぶりに観た気がする
直巳(ナオミ)と槙(マキ)って名前がいい(ふたりのセリフに同感)
語感だけだと男女どちらでも通る名前なのは敢えてそうしたのかな
もちろん美鳥(ミドリ)も素敵
役名と俳優名が併記してあるエンドロールで初めて音と漢字がリンクして、とても好感しました
直巳の所在なげでオドオドした感じを、佐々木詩音が繊細に表現していた
典型的なモラハラ気質の父(甲本雅裕)と向き合う時の上目遣いとか
直巳の母は、そんな夫から逃げるために家を出たのではないかな
残された直巳が 「触れるものしか信じない」 と言うのもわかるような気がする
その 「触れること」 についての映画でもありました
直巳も槙も、首に触れる仕草が癖
でも、お互いには触れられない
「抱きしめられる人がいるって、どんな感じ?」 「どうしてみんな、触れられる人を見つけられるんだろう」
孤児だったのだろう槙の孤独が痛いほど伝わってくる
それは直巳も同じ
ゴーグルのシーンでは私のほうが泣いていた
ふたりで食べるパスタは 『ゴッズ・オウン・カントリー』 へのオマージュ?と思わず前のめりになった
幸せなひととき
束の間の世界旅行
「一緒に居たかったから、止められなかった」
同じ磁場を持つふたり
だから強い力で反発しあう
甘噛みのようなじゃれ合いから始まった格闘が、互いを傷つける暴力にエスカレートしてしまう展開は観ていて辛かった(同時に、このバトルが少し長いとも感じた)
「俺に触れよ!」 「できないよ」
ああいう形でしか愛情を表現できない彼らに共感はできないのに、私まで胸を抉られるようで
何処へも行けないから、「今しかない」 と焦る直巳
「何処にも行けなくても」 一緒にいられればいい、と願う槙
(特に直巳の)爆発しそうな激情は滅びへと一直線に堕ちてゆく
お金持ちの佐渡さんの登場で 「そうなる」 ことは予想がついたけれど、「そうなってほしくない」 と願いながら観ていたのに
そして何度も何度も観てしまうラストシークエンス
投げ出された裸足
見上げる直巳
見下ろす槙
青いままのふたり
そこに言葉はない、でも
槙はずっとカセットをトラックに乗せて、ひとりで聴いていたのかな
直己は髪型も雰囲気も変わったけれど、槙はなんにも変わっていない
忘れてないよ
今までも
今も
これからもずっと
こんな愛の告白ってある?(号泣)
「愛してる」 でも 「好き」 でもない
言葉にしなくても、それはふたりだけにはわかる
永遠の約束
こういうシチュエーションってありますよね?
心を残して離れた相手と何年も経って偶然再会して、しこりが溶けてゆく感覚
一番好きな人とずっと一緒にはいられない
すぐ傍にいる相手とは別の場所に心がある
「一緒では苦しすぎるが、ひとりでは生きていけない」
未来を信じて、記憶に残ればそれでいいと言った槙
今しか信じられず、触れるものしか信じないと言った直巳
やさしい嘘、苦しい嘘
夕日の先のそれぞれの道
それでも人生は続いてゆく
(つづく)
( 『裸足で鳴らしてみせろ』 監督・脚本:工藤梨穂/主演:佐々木詩音、諏訪珠里/2021)
「裸足」の前に~『オーファンズ・ブルース』

記憶障害を抱えたエマは幼馴染のヤンから届いた絵の消印を頼りに、彼を探す旅に出る
昨年観逃して一番残念だった映画 『裸足で鳴らしてみせろ』 を観ました(WOWOWありがとう)
週末に二回観て、それから何度もリピートしています
本作は「裸足」の監督・脚本を担った工藤梨穂(28歳)の京都芸大映画学科卒業制作作品
失われゆく記憶とともに漂う若者たちのひと夏のロードムービー
商業デビュー作である「裸足」の前の作品であり、PFFグランプリ受賞作
学生の卒業制作(自主映画ですよね)でこのクオリティ、小規模ながら全国公開もされたとは凄い!
才能、天賦の才ってやっぱりあるんだなぁと思う
U-NEXTにて鑑賞(アマプラにもあります)
「処女作にはその作家の全てがある」 と言いますが、本作にも「裸足」に繋がるモチーフがたくさんある
タイトルでもある孤児
日本なのにどこか異国のような風景
カセットテープ、レコーダー
多用されるバックショット
その背中に触れようとして触れられない指
そして何より携帯電話、スマホが出てこない
鳴るのは家電、かけるのは公衆電話!
時代設定が気になるところ
「裸足」の主人公のひとり、佐々木詩音が全く違う印象を受けることに驚きます
何この半端ない色気は?
彼が演じるアキみたいな人が現実にいたら伝説的モテ男でしょうよ
やっぱり役者さんって凄いなぁ
彼が独り踊るタンゴ、イエローがかった色調は 『ブエノスアイレス』 を彷彿させる
(監督のTwitter、トプ画がまさにブエノなのです)
その後の疾走は 『汚れた血』 ですね
セリフでも映像でも多くを語らず、想像の余地の中に物語を託した作劇は賛否分かれるところかもしれません
私はとても好きでした
何もかもわかろうとしなくてもいいんじゃないかな
映画も人生も
象が好きなヤンに、もういないフー・ボーを重ねてしまった
ロードムービーだしね(あちらは冬でこちらは夏だけど)
工藤梨穂監督、ずっと撮り続けてください
「裸足」も必ず言葉にします
( 『オーファンズ・ブルース』 監督・脚本:工藤梨穂/
主演:村上由規乃、上川拓郎、佐々木詩音、窪瀬環、辻凪子/2018)
午前十時の映画祭13 『ミツバチのささやき』

「午前十時の映画祭13」 のラインナップが先日発表されました
『ミツバチのささやき』 ふたたび...! また映画館でアナに会える!!
ヴィクトル・エリセは 『ミツバチ~』 が驚きの長編デビュー作なのですよね
寡作にもほどがある映像作家ですが、何と今新作がポスプロ中ってご存じでした奥さん?!
2023年スペイン公開予定なので、カンヌかヴェネチアでお披露目ですかね?
アナ・トレントも出演していますよ~
56歳になったアナ
楽しみですね♪
一時期ほどは頻繁に足を運ばなくなった午前十時の映画祭ですが、やはり年に数本は 「これだけは!」 という作品を上映してくれる
本当にありがたい存在です
そして今回はあの 『エクソシスト/ディレクターズカット版』 もラインナップ
遂にこの超怖がりの私も 「史上一番怖い映画」 を映画館で観る日がやって来るのでしょうか!?!?
「この愛おしさを どうしたら伝えられるだろう」

『チェリまほ THE MOVIE』 がアマプラに来たぞーー!!
あ、どうも。藤崎です^^ (皆さん殴らないでください)
ドラマ版をビンジ視聴したとき、U-NEXTでの配信が数日で終了するタイミングでした
「気づくのが遅かった。。」 とひとり悲しがっていたのですが、、、
チェリまほドラマ版、Netflixにもあります! 安心してください!!
そしてやっとやっとサブスクに来たよ~、映画版が♡
ああ~、映画館で観たかった。。
( 『チェリまほ THE MOVIE ~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~』
監督:風間太樹/主演:赤楚衛二、町田啓太/2022)
2023-03-10 :
BD/DVD/WOWOW/Streaming :
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少女漫画はつよい~『思い、思われ、ふり、ふられ』

同級生の朱里(浜辺美波)と理央(北村匠海)は互いの親が再婚し、義理の姉弟となる
彼らが引っ越したマンションには由奈(福本莉子)と和臣(赤楚衛二)が住んでおり、4人は同じ高校に通う
朝ドラ 『舞いあがれ!』 にハマっております、お察しください、、、、
『チェリまほ』(ドラマ)は一日でビンジ視聴しました(当然)(最高)
本作は所謂 「少女漫画原作」 ものの青春恋愛映画
観るのをかなり躊躇しました、が、、、
そんな自分を殴りたい!(グーで)
三木孝浩監督、参りました! アオハルの巨匠と呼ばせてください!!
U-NEXTにて鑑賞
私のオールタイムベストムービーが2本、劇中で言及されます
そのうち1本は、4人の中のふたりを結びつける重要なキーアイテムとなる
「今日からこれが、俺の一番好きな映画になった」
殺し文句が過ぎるぜ、、、
しかし赤楚衛二を目当てに観たのに、北村匠海のヤバさに焦りました
色気が半端ない、、、
劇場鑑賞していたら我を忘れていたかも(自宅鑑賞でも感電しそうやったもん)
浜辺美波の尋常でない美しさにも驚愕
この二人、巷間 「キミスイ」 コンビと呼ばれているのですね
『君の膵臓を食べたい』 は(主に小栗旬が目当てで)劇場鑑賞しましたがふたりとも成長著しくて素晴らしい!
特に北村匠海は子役(『重力ピエロ』)の頃から知っているので感慨深いです
赤楚衛二はご存じ朝ドラ 「貴司くん」 で全国区やし、福本莉子はTOHOシネマズのシネマナビゲーターですっかりお馴染み
4人とも出世したねぇ
ただ、浜辺美波も福本莉子も華奢過ぎるのが気になります(骨密度、大丈夫?)
思えば、『少年の君』 もTwitterでは 「文脈が少女漫画」 と言われていました
その時は 「だから最強なんです! 少女漫画はつよい!」 とリプライした私なのに、自分の中に 「少女漫画原作映画」 を軽視する傾向があったことに改めて恥じ入る気持ちです
すみませんでした、、、(土下座)
映像美も音楽も素晴らしい作品です
特に劇伴はフィリップ・グラスかと思った()
ロケ地が神戸なのも熱々ポイント(神戸高校!)
三木孝浩監督の映画はこれからも要チェック、なるべく観ていきたいと自分に誓ったのでした
( 『思い、思われ、ふり、ふられ』 監督・共同脚本:三木孝浩/
主演:浜辺美波、北村匠海、福本莉子、赤楚衛二/2020)
Almost famous! ポール・メスカル ※2023/4/3追記あり

Paul Mescal
『aftersun/アフターサン』 で映画初主演にしてアカデミー賞主演男優賞にノミネート
ポール・メスカルの破竹っぷりが凄い!!
そもそもTVドラマデビュー作でエミー賞ノミネート、BAFTA受賞
今年度はオスカーノミニーに加えウエストエンドでの舞台 『欲望という名の電車』 でローレンス・オリヴィエ賞ノミネートって
まさに 「スター街道、ばく進中!(Almost famous)」
新作(待機作)も目白押しです
山田太一の 『異人たちとの夏』 をアンドリュー・ヘイがリメイクする作品
ジョシュ・オコナーとのW主演作
リドスコ先生の 『グラディエイター2』 の主役と 「これでもか」 状態
個人的にはシアーシャ・ローナンと夫婦役で共演するSF 『Foe』 に一番期待しているけど、これ原作が 『もう終わりにしよう。』(Netflix)の人で、、、う~ん、ちょっと難解かなぁ、という感じ
ちなみに1996年2月生まれ、27歳になったばかりのアイリッシュ
ティモシー・シャラメやアニャ・テイラー=ジョイ、トム・ホランドと同い年です(この年代本当に人材豊富ですね)
5月26日日本公開の 『aftersun/アフターサン』 は新人監督のデビュー作ですが各方面大絶賛
相当高く評価されている模様
試写で観た方が 「震撼した」 とTweetされており、一体どんな映画なんだ?! とワクワクが止まりません
文字通り 「震えて」 待ちます(笑)
おっと、その前にアカデミー賞授賞式だ! ライジングスターの雄姿を拝みましょう♪
※2023/4/3 追記 ※
ローレンス・オリヴィエ賞主演男優賞、ポール・メスカル受賞しました! おめでとう!!
2023-03-02 :
YOU GUYS ARE KILLING ME :
コメント : 4 :
「君は世界を守れ 俺は君を守る」
『少年の君』 がアマプラに来たぞーー!!
これは必見!

香港電影金像奨8冠
第 93 回アカデミー賞国際長編映画賞ノミネート
2021年 真紅のthinkingdays Best 10 第2位
エドガー・ライト(好き♡)も大絶賛
アマプラの民は是非! 見てください!! (U-NEXT にもあります♪)
( 『少年の君』 原題:少年的你/Better Days/監督:曾國祥デレク・ツァン/
主演:周冬雨チョウ・ドンユイ、易烊千璽イー・ヤンチェンシー/2019・香港)
テーマ : Amazonプライムビデオ
ジャンル : 映画
2023-02-02 :
BD/DVD/WOWOW/Streaming :
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『窓際のスパイ(Slow Horses)』 Season2

バスの中で突然死した元スパイの死の真相を探るため、「泥沼の家」 のエージェントたちが動き始める
ミック・ヘロン原作の同名スパイ小説 『死んだライオン(Dead Lions)』 を原作にApple TV+がドラマ化した 『窓際のスパイ(Slow Horses)』 シーズン2全6話
本作、2022年のベストドラマで間違いないでしょう!
RottenTomatoes でも(シーズン2は)批評家スコア100%、オーディエンススコア95%という高評価です
シーズン1も面白かったけど、シーズン2はラストが毎回クリフハンガーで数倍楽しめました
我が最推しジャクロ演じるエージェント・リバーはカッコいいのにドジっ子でかわいいのなんの
こんなキュートなスパイがかつていたでしょうか?!
「リバーが心配よ」
「リバーは囮なの?」
「リバーは無事?!」
わかる~あたしゃほとんどスタンディッシュに感情移入して観ていましたよ(笑)
なんだかんだボヤキつつ部下思いのジャクソン・ラム(ゲイリー・オールドマン)も、並みの男よりも握力の強いダイアナ(クリスティン・スコットトーマス)も最高
ダイアナがいつもワンピースなのも個人的には好感度大(ただ自分がワンピース好きというだけの理由ですが)
「新しい服」 が必要な暁にはおシャネルのスーツで登場か? と今からワクワクしております
Season3の予告を観る限り原作は 『放たれた虎(Real Tigers)』、誘拐されるのは我らがリバーのようですね、、、(泣)
その前にジョナサン・プライス(おじいちゃん)とジャクロのスピンオフが観たいわ
配信開始のアナウンス、首を長くして待っております♪
『母親になって後悔してる』~ それって本当に 「後悔」 なの?

「もし時間を巻き戻せたら、あなたは再び母になることを選びますか?」
この質問に 「ノー」 と答えた23人にイスラエルの社会学者がインタビューし、まとめた書
昨年の春頃、この本の存在を知って驚くと同時に 「読んでみたい」 と思った
もちろん一番に考えたのは 「自分は後悔しているのか?」 ということ
答えは100%NO、しかし子育てが辛かったり、孤独を感じたりしたことは数えきれないほどある
正直、自分は母親に向いていないダメ母だと思っているから
物凄く消耗する本だった
まず、書店でレジに持っていく時点でエネルギーを要する
「あ、この人、、、後悔してるんやな」 って思われるんじゃないかと(小心者なんです)
次に、買ったはいいけど息子がこの本を目にしたら嫌な気分になるんじゃないか? と心配になる
(息子は一人暮らしをしているのだけど、帰ってくると必ず私の本棚や机をチェックするのです)
「お母さんはな、100%後悔してないと断言できるからこの本買ったんやで」
「はいはい」
母の心配をよそに、息子は平熱の低いZ世代であった
読む前からそれらなんとも高い(?)ハードルを越え、やっと読み始める
疲れた、、、
23人の強烈なマイナス思考が行間に渦巻いて、呑み込まれてしまいそうな読書体験だった
後悔ってとてもネガティブな感情だから
母親になったら、二度と母親ではない自分に戻れない(わかる)
母親だという責任感に押し潰されそうになる(わかりみが深すぎる)
わかるけれど、しかしそれを 「後悔」 するという感覚は自分にはない
( 「仕方ない」 と諦めているだけなのかもしれないけど)
NHK 「クローズアップ現代」 でも本書は取り上げられ、様々な意見が紹介されていた
それらを読んで思ったのは、「それって本当に 「母親になった」 ことへの後悔なのかな?」 ということ
結婚したこと
今の夫を選んだこと
もっと言えば、女に生まれついてしまったこと
どちらかと言えばそういうことへの 「後悔」 なんじゃないかと思った
もしくは 「母親であることのしんどさ」 を大っぴらに口に出せないことへの 「不満」 なのでは?
意外だったのは、皆一様に 「子どものことは愛している」 と語っていること
読む前は 「そりゃ子どもとの関係が悪かったら後悔もするよな」 と考えていた
もし母親になったことを後悔することがあるとしたら、子どもとの関係が良くないときだけだと私は思う
いや、、、それでも、悲しくはなるけど 「後悔」 はしないのではないかな
私が常々感じているのは 「不公平」 だということ
生物学的に女体しか子どもを産めないこと
そのことが女性にもたらす負担の大きさ
母親「だけ」が背負わされる責任はどうよ?
思えば私の母も、「生まれ変わったら結婚しない」 と言っていたなぁ
専業主婦じゃなくて、働いて自分の力で生きてみたい、という思いが強かったのだろう
選ばなかった道
果たせなかった夢
それは誰にもあること
だからこそ後悔する人に 「自分が選んだこと」 だと突き放さない社会であってほしいと思う
そして 「母親になって後悔してる」 と口に出す前に、よく考えてみてほしいとも思う
それって本当に 「後悔」 なのか? と
新潮社のこちらのサイトで本書がわかりやすく(面白く)紹介されているので、興味ある方は是非行ってみてください
( 『母親になって後悔してる』 原題:Regretting Motherhood/オルナ・ドーナト:著/鹿田昌美:訳
/新潮社・2022 )
2022真紅のthinkingdays Best 10(+10) of the movie
2022年に劇場鑑賞した新作映画149本からベスト10(+10)を選びました。


①トップガン:マーヴェリック
②アフター・ヤン
③ベルファスト
④川っぺりムコリッタ
⑤ニトラム
⑥PIG/ピッグ
⑦ギレルモ・デル・トロのピノッキオ
⑧ウエスト・サイド・ストーリー
⑨ミセス・ハリス、パリへ行く
⑩スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
11 RRR
12 リコリス・ピザ
13 WANDA/ワンダ
14 GAGARINE/ガガーリン
15 犬王
16 ファイブ・デビルズ
17 ライダーズ・オブ・ジャスティス
18 ゴヤの名画と優しい泥棒
19 スパークス・ブラザーズ
20 こちらあみ子
次点:アプローズ、アプローズ!囚人たちの大舞台、ドライビング・バニー、ちょっと思い出しただけ
2022年の新作映画劇場鑑賞は149本(前年比+6本)
内訳は洋画121本(81.2%)、邦画28本(18.8%)
旧作映画劇場鑑賞は19本で劇場鑑賞は168本でした
自宅鑑賞は76本(リピートは含めず)
劇場新作(149)、劇場旧作(19)、自宅(76)、全部で244本鑑賞(前年比+24本)
2022年はやっぱりトップガンの年でしたよね~
アカデミー賞ノミネートも堅いのではないでしょうか?
その他のランクイン作品は2022年の映画として記憶にとどめたいものを自分なりに選んだつもりです
しかし劇場公開なし、配信公開のみの新作をどう位置付けるかは悩ましいところ
旧作初見&Netflix新作映画編でベストを考えたりした年もあったのですが、うーむ
コロナ禍はまだまだ続いておりますが今年もなるべく映画館に足を運びたいと思っています
ぼちぼち更新になるとは思いますが引き続きお付き合いいただけたらうれしいです
コメント大歓迎☆どうぞよろしくお願い申し上げます!
真紅拝
#2022年映画ベスト10
(おまけ)ちなみに息子のベスト10+10


①トップガン:マーヴェリック
②アフター・ヤン
③ベルファスト
④川っぺりムコリッタ
⑤ニトラム
⑥PIG/ピッグ
⑦ギレルモ・デル・トロのピノッキオ
⑧ウエスト・サイド・ストーリー
⑨ミセス・ハリス、パリへ行く
⑩スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
11 RRR
12 リコリス・ピザ
13 WANDA/ワンダ
14 GAGARINE/ガガーリン
15 犬王
16 ファイブ・デビルズ
17 ライダーズ・オブ・ジャスティス
18 ゴヤの名画と優しい泥棒
19 スパークス・ブラザーズ
20 こちらあみ子
次点:アプローズ、アプローズ!囚人たちの大舞台、ドライビング・バニー、ちょっと思い出しただけ
2022年の新作映画劇場鑑賞は149本(前年比+6本)
内訳は洋画121本(81.2%)、邦画28本(18.8%)
旧作映画劇場鑑賞は19本で劇場鑑賞は168本でした
自宅鑑賞は76本(リピートは含めず)
劇場新作(149)、劇場旧作(19)、自宅(76)、全部で244本鑑賞(前年比+24本)
2022年はやっぱりトップガンの年でしたよね~
アカデミー賞ノミネートも堅いのではないでしょうか?
その他のランクイン作品は2022年の映画として記憶にとどめたいものを自分なりに選んだつもりです
しかし劇場公開なし、配信公開のみの新作をどう位置付けるかは悩ましいところ
旧作初見&Netflix新作映画編でベストを考えたりした年もあったのですが、うーむ
コロナ禍はまだまだ続いておりますが今年もなるべく映画館に足を運びたいと思っています
ぼちぼち更新になるとは思いますが引き続きお付き合いいただけたらうれしいです
コメント大歓迎☆どうぞよろしくお願い申し上げます!
真紅拝
#2022年映画ベスト10
(おまけ)ちなみに息子のベスト10+10